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■振袖モデルの日々(6)

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それで土曜日の朝、また鈴佳は女の子パンティ(結局姉が昨日渡してくれたハイレッグを穿いた)とブラジャーをつけた上で、上に中性的なポロシャツとジーンズを穿いて姉と一緒に指定の場所まで出かけた。姉からはスカート穿いてかない?と言われたものの、その格好で母のいる居間を通過する勇気が無かったので、ズボンにした。そもそも姉もズボンだし!
 
肌襦袢と長襦袢は下着なので各人専用にするからと石原さんに言われ、先週のを洗濯しておいたというのを渡された。サイズは姉の方が大きいのでどちらがどちらのかはすぐ分かった。名前書いておいてもいいですか?と訊くと、いいよいいよと言うのでマイネームか何かで名前を書いておくことにした。普通に洗濯機で洗濯できるということだったので、次週からは自分たちで洗濯して持参することにする。
 
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今日の所も貸衣装屋さんであるが、先週行った所より大きな所であった。モデルさんも玲花・鈴佳以外に3人来ていて、5人で分担して振袖を着て撮影する。
 
先週は着替えのタイミングが玲花と鈴佳でほぼ揃ったのだが、今回は途中でバラバラになってしまう。しかし着替え・着付けしている最中にモデル同士、他の子の下着姿をふつうに見ることになる。
 
しかし鈴佳は緊張していたこともあり、他のモデルさんの下着姿を見ても特に何も思わなかった。また他の子も鈴佳の下着姿をチラっと見ることはあっても特に気にしている様子は無かった。ただ宏美さんという子が
 
「私いつもペチャパイってみんなから馬鹿にされてるけど、あんたも絶望的に胸が無いね」
などと言った。確かに彼女も胸の膨らみがほとんど無い感じだった。
 
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「まだ小学生なので」
「へー。それにしては結構背丈があるし、顔も大人っぽいね」
「背丈は母も168cmあるからかも」
「なるほどなるほど」
 
宏美さんは中学2年生ということであった。
 

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結局そこの貸衣装屋さんで土日2日かけて大量の振袖を着ては写真を撮った。もう何枚着たのか、分からなくなるくらいたくさん着た。日曜の撮影は16時で終わったのだが、報酬は18時までやったということで計算するからと言われ、2日間16時間で24,000円もらった。
 
「まだ早いし、良かったらみんなでお寿司でも食べる?私がおごるよ」
と石原さんが言うので
「わぁ、行きます、行きます」
という声がみんなからあがる。
 
それで石原さんが運転するアルファードに乗って一緒に移動する。お寿司屋さんと聞いたのだが、着いた所はスーパー銭湯である。
 
「いや、折角だから、汗を流してから食べるのもいいかなと思ってね。ここのスパに入っているお寿司屋さんが、大洗漁港からの直送品使ってて美味しいのよ」
と石原さんは言う。
 
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「ああ、お風呂もいいですね」
と声があがるが、鈴佳はえ〜!?と思う。それって、もしかして女湯に入るんだよね?僕だけ男湯に行っちゃダメだよね。
 
そんなことを思いながら車を降りて建物の方に向かう時、玲花が鈴佳のそばに寄って小声で言った。
 
「念のために言っておくけど、今あんた男湯には入れないよ。おちんちんが無い子は男湯には入れないからね」
 
そうだった!
 

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石原さんが「おとな6枚」と言って入場料を払う。鈴佳はモデル仲間には小学生を装っていたのだが、元々は中学1年ということで登録されている。実際に鈴佳は中学生なので、それでいいと思った。
 
フロントの人はこちらを見て、赤いタグのついた鍵を後ろの鍵がたくさん掛かっているところから6つ取ってこちらに渡してくれた。後ろには赤いタグの鍵と青いタグの鍵が1列おきに並んでいる。これきっと赤いタグのは女湯用、青いタグのは男湯用かなと思った。
 
鍵の番号は2103-2105, 2116-2118 と3つ続きが2組である。石原さんは自分でひとつ取ってから、こちらに2つまとめて続き番号のをくれて、残りの3つを宏美さん・松美さん・弓恵さんに1個ずつ渡した。
 
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女湯・男湯が別れている所でみんなおしゃべりしながら女湯の暖簾が掛かっている入口に入る。鈴佳はかなり躊躇したものの、玲花が
 
「鈴佳(すずか)何してんのよ?」
と言われて手を引いて中に連れ込まれた。
 
きゃー。女湯の中に入っちゃったよ。男とバレたら僕警察に捕まるよね?
 

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それでドキドキしながら少し俯いたままロッカーの所に行く。石原さんと玲花・鈴佳がひと続きのロッカーで、残りの3人がまた一続きのロッカーである。
 
みんな服を脱ぎ始めるので仕方なく鈴佳も脱ぐ。ポロシャツとジーンズを脱ぐともうブラジャーとパンティしか身を守るものは無い。姉が少し悪戯っぽい目をしながら自分のブラジャーを外す。豊かなバストが露出する。
 
えーい。どうにでもなれ、という気分で鈴佳はジュニアブラを外した。
 
「あんた、本格的に胸無いね」
と言って石原さんが鈴佳の胸を触る。あははは。石原さんは姉より更に大きなバストである。
 
「発達が遅いみたい」
と言いながら鈴佳はハイレッグのパンティも脱いでしまう。姉も既にパンティを脱いでいる。
 
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「良かった。ちんちんは付いてないね」
「そんなの付いてませんよぉ」
「いや、あまりに胸が無いから、男じゃ無いよね?と思ったけど、間違い無く女の子だね」
 
「あんた病院に行って少し女性ホルモンの注射してもらった方がいいかもね」
などと玲花は言っている。
 
「確かにまだ毛も生えてないしね」
と石原さん。
 
毛はあったのだが、その付近を処置する時に全部剃られてしまったのである。
 
しかし女性ホルモンって何だろう?その注射するとおっぱいが大きくなるのかなあ。でもおっぱい大きくなっちゃったら、水泳の授業の時に困るしなどと鈴佳は考えていた。
 

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それで浴室の中に入る。
 
脱衣場にはお客さんは鈴佳たち以外には3〜4人60-70代の人がいただけだったが、浴室には結構なお客さんがいる。鈴佳が浴室に入って最初に目に飛び込んできたのは、20代くらいの女性で、すごくきれいなバストの形をしていた。
 
すごーい、きれーい、あんなバストあるといいなあ。
 
などと思ってから、ハッとする。ちょっと待て。僕別に女の子になりたい訳じゃないから、おっぱいなんて要らないよぉと思い直す。
 
とりあえず流し場で各自身体を洗う。鈴佳はあの付近に指を突っ込んで「中」をきれいに洗った。この股間偽装をしていると、強制的にアレは皮をかぶった状態になってしまっているのである。そこをきれいにしないと浴槽には入れないよな、と思った。
 
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弓恵さんは髪まで洗っていたのが、他の5人は身体を洗っただけで浴槽に入る。
 
「なるほどー。おっぱいの無ささ加減では、女王・鈴佳(すずか)、準女王・宏美だ」
などと松美さんが言っている。
 
「あまり言わないでくださいよぉ。気にしてるんだから」
と宏美さんが言う。
 
「あんまりおっぱいの発達遅い場合は、婦人科に行って女性ホルモンの注射を打ってもらうのもひとつの手だけど、注射までもと思う場合はエステミックスを飲む手もあるよ」
と松美さんは言う。
 
「何ですか?それ」
「コンビニで売ってるサプリなんだよ。プエラリア・ミリフィカという芋の成分が入っていて、タイではこの芋を食べている女性が多いんだって。タイって、おっぱい大きい人多いじゃん」
「へー」
 
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「コンビニで買えるっていいですね」
 
「よし、私それ飲んでみようかな」
などと宏美さんが言っている。
 
「よし、私もそれ買っていって鈴佳(すずか)に飲ませよう」
と玲花が言っている。
 
ちょっと、ちょっと。
 
「でも和服のモデルするにはむしろペチャパイの方が便利みたいだけど、夏の水着モデルとかするんなら、ある程度おっぱい無いと無理だよね」
 
「そうそう。それで私、水着モデルの仕事もらえないのよ」
と宏美さん。
 
「20代のモデルだとシリコン入れてる人もいるけど、10代の子はあれは手を出したらいけないよ」
と石原さんが言う。
 
「シリコンって何ですか?」
と鈴佳が訊くと
 
「おっぱいに詰め物するのよ。目立たないような場所を切り開いて、皮膚の下にシリコンという柔らかい材料でできたバッグを埋め込む」
 
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「痛そう」
「無茶苦茶痛いよ。その上、不自然な形になりやすい。だからシリコン入れてるモデルを排除しているところもある」
 
「痛いのは嫌だなあ」
と宏美さんが言うが、鈴佳もつい頷いてしまった。
 
するとそれを見て玲花が言う。
「やはり鈴佳(すずか)もおっぱい大きくしたいんだよね?」
 
あっ・・・・
 
「そりゃ女の子はみんなおっぱい大きくしたいと思ってるよ」
と松美さん。
 
「よし。じゃ帰りにエステミックス買ってってあげるから、それを飲みなよ」
と玲花は言った。
 
え〜?そんなの飲んで、本当におっぱい大きくなったら、僕どうしよう?
 

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少し遅れて髪を洗い終わった弓恵さんも入って来たが、話の議題はバストのサイズから形論議、ブラジャーのタイプ論議まで及んだ。
 
ここで鈴佳はブラジャーには「ハーフカップ」とか「4分の3カップ」などといった種類があること、また前で留めるフロントホックブラというのもあると聞いて興味を持った。フロントホックブラって面白そう。お金たくさんもらっちゃったし、1つ買ってみようかな、などと思ってから、あれ〜僕マジで女の子下着にハマリつつある?などと考え、自分自身に不安を感じた。
 
しかしそんなおっぱい論議などしていたおかげで、鈴佳は自分が女湯の中にいるという事態についてはあまり深く考えることもないままになった。
 
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お風呂からあがってスパで用意されているバスタオルで身体を拭き、服を身につける。
 
「あ、お風呂上がりはスカートにしようかな」
と言って宏美さんがスカートをバッグから取り出す。ここに来る時スカートを穿いていたのは松美さん(と石原さん)だけで、他の4人はズボンを穿いていた。
 
「ああ。お風呂あがりは何か蒸れるもんね」
と松美さんが言う。
 
「だったら私もスカートにしようかな」
と言って玲花もスカートを取り出す。そして
 
「鈴佳(すずか)もスカートにしない?持って来てないなら貸してあげるよ」
と言って玲花は1枚鈴佳にスカートを差し出した。
 
「あ、えっとどうしよう」
と鈴佳が迷うようなことを言うと
 
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「身体の火照りが収まるまではスカートがいいよね」
などと既にスカート姿になっている宏美さんがいうので
 
「じゃ私もそうしようかな」
と言って鈴佳は姉から渡されたスカートを穿いた。
 
穿いてみて気づく。
 
これ、お姉ちゃんが僕にくれたスカートじゃん! それをわざわざ持って来たのか。つまり僕に穿かせるつもりで持って来てたんだ!
 
と鈴佳は思い至ったものの、
「まあいいけどね」
と思った。
 
でもスカートってすーすーするよなと思っていたけど、お風呂からあがった直後はそれがいいなと思う。ズボンだと確かにお股の付近が蒸れる感じがあるのである。
 
でもこのままじゃ家に帰れないから、途中どこかで着替えなくちゃ。
 
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