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■夏の日の想い出・2年生の夏(7)

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司会者が「それではスカイヤーズの登場です」と紹介したが、ステージにはスカイヤーズとともに、私も登り、私が前に出た。また当惑するような観客の反応。私はその観客に向かって、深々とお辞儀をした。
 
「こんにちは。ローズクォーツのケイです。もうほんと出しゃばりで済みません。さて昨年はBunBunさんが倒れて、私が代わりに歌わせて頂きました。今年こそは本来のスカイヤーズのステージお楽しみ下さい。スカイヤーズ、ボーカル BunBun!」
と私がBunBunの方を腕で指し示すと、拍手と歓声が沸き上がる。
 
その歓声の中、私はゆっくりと歩いてBunBunさんにマイクを渡した。歓声が一際大きくなる。BubBunさんは片手を挙げて、それに応える。Chou-yaさんのドラムスが力強く始まる。そして最初の曲「夢見る人形」の演奏が始まる。私はステージをゆっくり下りて、ステージの傍で大きなモーションで拍手をした。
 
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会場が盛り上がっている。曲が進行し、2コーラス目のメインメロディ部分が終わり、サビに入るところで大きくステージ上で動き回りながら歌っていたBunBunさんが私の近くまで駆け寄り、階段を半分まで下りて私を手招きする。私は階段を駆け上り、BunBunさんと一緒にサビの部分を歌った。また会場から凄い歓声。そしてそのまま3コーラス目を私ステージ上でBunBunさんと一緒に歌ったのであった。
 
曲が終わる。私はBunBunさんからマイクを預かると、スカイヤーズの面々を紹介した。
「ベース、Pow-eru!」大きな歓声と拍手。
「ギター、YamYam!」また大きな歓声と拍手。
「ドラムス、Chou-ya!」また会場が沸く。
「そしてボーカル、BunBun!」一際大きな歓声。
「This is スカイヤーズ! Hey, Let's go on!」と叫ぶと、大きな拍手の中、私はマイクをBunBunさんに返してステージを駆け下りた。2曲目の演奏が始まるのを背中に聴いた。
 
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脇に町添さん、美智子、スカイヤーズのマネージャーさん、このイベントの総責任者の立木さんがいて、私を拍手で迎えてくれた。
「なんだ、ケイ。結局スイート・ヴァニラズにもスカイヤーズにも出ちゃうし」
「あはは、美智子が言ってた通りになった」
「いやあ、直前にクリッパーズ解散でケチ付いちゃったけど、ふたを開けてみると、そのおかげでメインステージに来たケイちゃんで、これだけ盛り上がる。世の中うまいことできてるね」
と立木さんが言い、握手を求められた。
「ありがとうございます。来年もよろしくお願いします」
と言って私は握手をする。
 
フェスが終わってから私や政子・礼美など女子グループはもう好例となったプールに行って身体のほてりを鎮めた。行くと今年はスイート・ヴァニラズの面々とそのお友達?のグループがいて、私はまたEliseとハグする。
「相変わらずいいボディラインしてるなあ」
「でも胸はEliseさんに負けます」
「胸はいいとしてお腹がね〜。私はもう水着写真撮れないもん。あれ?気のせいかな?以前はケイ、もう少し胸があった気が」
「先月、シリコンバッグ抜いちゃったんで」
「おお、フェイク無しでこれだけあれば大したもんだ」
 
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Eliseは小声で
「ね、下の方も取っちゃったという噂が」と訊く。
「噂で流れてるんですか?別に隠してないけど」と私は苦笑した。
「取っちゃいました。完全な女になりました」とにこやかに答える。
「10月には戸籍上の性別も訂正しますよ」
「おお、やるねえ」といって、Eliseは私に軽くキスをする。
 
「そうだ、今夜9時半から、あらためてうちの打ち上げやるんだけど、ケイちゃんとマリちゃんも来ない?」
「わあ、こちらもローズクォーツで打ち上げやるつもりでいました」
「じゃ、合同でやっちゃおうよ。こちらに合流するといいよ」
「あ、いいですね。ちょっと連絡してみます」
 
私はマキと美智子に電話し、スイート・ヴァニラズと合同で打ち上げやろうという話になっていることを連絡した。美智子はマキたちがよければ問題無いと言っていた。マキがOKと言ったので場所を連絡する。サトとタカにはマキから連絡するということだった。美智子に再度連絡する。松島さんと桜川さんにも連絡するということだった。
「こちらメンバー4人に政子、スタッフ3人で合計8人です」
「了解。こちらはメンバー5人とスタッフ7人で12人」
Eliseはマネージャーの河合さんに電話してローズクォーツとの合同打ち上げになったこと、人数が20人になったことを伝えた。
 
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その後プールでは私と政子は25mプールに行き、ひたすら泳いだ。今年は仁恵も私も泳ごうといって私たちの隣のコースで少し泳いでいたが、2-3往復した所で「疲れた」と言ってあがっていた。私と政子が10往復くらいしてあがってくると「ほんとにふたりとも体力あるね」と言っていた。
 
「政子〜、まだ興奮が鎮まらないよう」と私は言う。
「私は疲れた。冬、ひとりで泳ぐ?」と政子。
「私も疲れたことは疲れたんだけど、この興奮をどこに持って行こう」
「そういう時はね」
というと、政子はプールサイドに置いてあったビニールバッグから五線紙とボールペンを出して来て「はい」と渡した。
「このボールペン、顔料インクだから少しくらい濡れても大丈夫だから」
 
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「むむむ。よし」と私は言うと、とにかく心の中で渦巻いている興奮をそのまま譜面に書きだした。政子がタオルを出して私のひざを拭いてくれる。
「あ、ありがと」
私は五線紙を膝の上に書き、音符を書き続ける。
「ふたりってまるで恋人同士みたい」
「ちょっと、仁恵〜。そういう誤解を招くような発言は勘弁」
「でも、ほんとに息が合ってるよね」
「あはは」
 
私は曲のタイトルに「Run for NOW」と書いた。確かにこれでかなり気持ちが鎮まった感じであった。書いている途中でスイート・ヴァニラズのLondaさんが通りかかり、のぞき込む。
「へー、ケイちゃんって、楽器とか無しに、そらで音符書けるんだ?」
「頭の中にピアノがあるらしいです。譜面にソの音を書くと、頭の中でソの音が響くんだって」
「へー、面白い。絶対音感とはまた違う才能だよね、それ」
「私、絶対音感無いです」
「その代わり凄く正確な相対音感持ってるのよね。最初の音だけもらってからアカペラで歌って最後に音程確認しても全くずれてないんだもん、冬って。私なんて、それやると3度くらいずれてる時あるのに」
「だって最初に聴いた音を覚えてるもん」と私は微笑みながら譜面を書いていた。
 
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プールの終了時刻になり、私達は着替えて解散した。仁恵達は4人でファミレスに行くと行っていた。私と政子はスイート・ヴァニラズのメンバーと一緒に打ち上げの場所に行く。そこに美智子たちやマキたちも合流してきた。
 
打ち上げはビストロを貸し切りにして行われていた。料理も美味しかったが、みんなたくさんお酒を飲む。他の客がいないから、羽目を外せるよ、などとEliseは言っていたが、言葉通り、Eliseは最初からウィスキーのロックをぐいぐい行っている。あっという間にできあがってしまった。
 
「ケイ、性転換してからさ、女の子の機能、もう使った?」
「え?えっと。まだです」
「もったいない。せっかく女の子になったんだから使わなきゃ。ケイ、彼氏はいないの?」
「いません」
「なんだ。紹介してあげようか?」
「いえ、その必要を感じたら自分で探します」
「クリエイターはやはりいつも恋をしてなきゃ。恋がいい作品を産むんだよ」
「そ、そうですね」
 
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「まあ、作品じゃなくて赤ちゃん産むことになることもあるけどさ」
「私、赤ちゃんは産めないから」
「そう思ってても、何かの間違いでできちゃうこともあるかもよ」
「えー!?」
「まま、グイっと一杯行かない?」
「いえ、未成年なんで」
「まじめだなあ、誰も見てないよ」
「いや、やはりそこは自主規制で。20歳になったらお付き合いしますから」
「よし、約束」
と小指を出すのでこちらも小指を出したらそれを絡めた上で唇にキスされる。あはは・・・・しかし赤ちゃんか・・・・ずっと未来は性転換して赤ちゃん産めるようになる時代も来るのかも知れないなあ、とその時はふと思った。
 
未成年は私の他にこちらの悠子と、スイート・ヴァニラズのスタッフにも2人いるのだが、私以外は全員お酒を飲んでいる。悠子などはこの仕事を始める前はほとんど飲んでいなかったらしいが、芸能関係の打ち合わせなどで誘われることが多く、そのお付き合いでお酒を覚えたようだ。実際にはかなり強いようで、彼女が酔っているところを私は見たことがない。美智子のほうはこちらの責任者ということで一応正気は保っているが、中身としてはかなりできあがっている感じでもある。美智子とサシで飲んでいた河合さんは、途中から半ばダウン気味になっていた。
 
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私とElise、政子とLondaが隣り合わせで各々サシで話をしている感じで、マキたち3人はスイート・ヴァニラズの他の3人とまざって合コンっぽい雰囲気になっていた。政子とLondaは若手男性アイドルの品定めで盛り上がっていて、私はあまりその方面の情報を持っていなかったので『へー』とか思いながら聞いていた。私とEliseはなぜか恋愛談義、更にはセックス談義にまでなっていた。私とEliseは恋愛では女も積極的に行くべしという点で意見一致。ダメ男の特徴だとか、浮気男・浮気女の性質から、逆に浮気の隠し方などまで、話が及んでいた。セックスの議論にも私が乗ってくるので、Eliseは小声で
「ケイ、お前、性転換後に経験が無いんだったら、男性時代にセックス経験あるだろ?」と言う。「あはは。まあ、オフレコでYes」と答えておいた。
 
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Eliseは頷きながら「今日の話はお互いオフレコね。でも性転換前に経験しておいた方がいいんだってよ。その方が男の人といざセックスする時に、どうしたら彼氏が気持ちよくなるか分かるからって」
「ああ、なるほど、そうかもね」
 
「オナニーしてるか?」
「あ、えっと・・・・まだしたことないです」
「オナニーは大事だぞ。ちゃんと自分の性感帯開発しておかないと、特にケイは女になりたてなんだから、気持ちいいセックスできないぞ。自分が気持ちよくなれなかったら相手の男も気持ちよくなれない。潮吹きするくらいまで気持ち良くなれるよう頑張れ」
「あ、はい」
「おい、マリ」とEliseは隣のマリに声を掛ける。
「はい?」
「マリ、お前、ケイに女の子のオナニーの仕方教えてやれ」
「了解でーす!」と政子は敬礼して答える。
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夏の日の想い出・2年生の夏(7)

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