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■夏の日の想い出・2年生の夏(3)

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しかし『夏の日の想い出』の演奏にはサトもタカも苦労していた。下川先生の編曲がかなり力(りき)入っていた。美智子もなかなかOKを出さない。結局OKが出たのは19時頃であった。いったん夕食で休憩にして、その休憩後に収録した。私のアルトボイスと政子とでデュエットし、私のメゾソプラノボイスでコーラスを入れた。政子がローズクォーツの録音に参加するのは初めてである。
「これ、クレジットどうするんですか?」
「協力:ローズ+リリー」
「なるほど」
 
『夏の日の想い出』をやっている間に、下川先生が急遽書いてくださった『キュピパラ・ペポリカ』のスコア譜が届いていた。これの演奏がまた難度が高かった。下川先生は「今日1日で一週間分くらい仕事した」と言っていた。美智子が『キュピパラ・ペポリカ』のOKを出したのは12時過ぎで、夜食休憩をはさんで収録。これは私のメゾソプラノボイスでの単独歌唱だが、政子はコーラスで参加した。
 
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次に『聖少女』に取りかかる。これは以前にも演奏してみたことはあったのだが、やはり収録となると美智子がなかなかOKを出さない。コード進行が特殊なので、タカもマキもけっこうミスをおかしてやり直しとなる。時間がかかりそうなので政子には仮眠してもらっていたが、美智子は4時頃になってやっとOKを出した。政子を起こしてみんなでコーヒーで一息ついた所で収録する。
 
ここでいったん休憩とし、3時間休んで8時から作業を再開することにした。男組3人と女組3人に別れて、全員ひたすら寝た。
 
8時になって携帯のアラームで目を覚ますと、その時点で起きていたのは政子だけだった。「私も5分くらい前に起きた」と言っている。美智子も寝ていた。熟睡している感じで起こすのが気の毒だったが起こさざるを得ない。声を掛けて揺り起こす。「あ。ごめん。凄い深く寝てた」「一番疲れてるはずだもん」
男組の方は全員爆睡していたが、何とか起こして作業再開となった。
 
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政子に朝御飯を調達してきてもらっている間に、『不思議なパラソル』の演奏をしてみる。これ自体もけっこうな難曲なのだが、ここまでの3曲に比べるとぐっと素直な曲なので、比較的簡単に合った。美智子もすぐOKを出したので朝御飯を食べてから収録となった。
 
『南十字星』はベースとギターの技巧的なフレーズを含んでいたが、元々マキが演奏しながら書いた曲なので、すんなりとOKが出て10時半に収録となった。全ての作業は12時前に終了し、私達はそのまま東京駅に行き、東北新幹線に乗り込む。ただ美智子だけは音源のミクシング作業があるので東京に残った。
 
美智子の代わりに、臨時マネージャー役で政子が一緒に仙台まで来た。最近、政子は時々こういう役割をしてくれていた。事務的な話であれば、美智子の部下の松島花枝さんができるし、単純作業や雑用であれば今年入った社員第2号の桜川悠子さんでもいいのだが、演奏内容などに関わる話は音楽自体が分かる人でないといけないので、むしろ政子の方が適任なのである。
 
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民謡酒場に入り、酒場のオーナーさんと簡単に打ち合わせて、演奏の構成を話し合う。仮に決めた構成で、私の唄とオーナーさんの太鼓で演奏し、録音したものを電話で東京の美智子に聞かせる。OKが出たのでスタジオに移動し、頼んでいた常連さんが集まるのを待った。政子は携帯を美智子とつなぎっぱなしにして、演奏の様子を伝える。美智子から細かい指示が出る。それを政子がみんなに伝えて演奏の調整をする。
 
収録作業は19時から21時まで、約2時間で終了した。政子が収録したデータを持って最終の新幹線で東京に戻り、ミキシング作業をしている美智子に渡す。私はマキたちと4人で収録に参加してくださった方々と一緒に民謡酒場の方に移動し、そこで改めて打ち上げ・兼演奏大会となった。常連さんたちの様々な民謡が飛び交い、私もこの1年で覚えた各地の民謡を唄った。
 
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宴会が終わったのは23時頃であった。マキたちは更に二次会に行くことになったようであったが、私は予め借りだしていたレンタカーを運転して東京に戻り(出発前に実は車内で1時間仮眠した)、ミキシング作業をしている美智子の所に早朝合流した。(美智子には朝6時に来てと言われていたが着いたのは5時であった)
 
「いい所に来てくれた。ちょっと追加で冬の歌を録音したい」と言う。指定された譜面で、信号音に合わせて『夏の日の想い出』『聖少女』用の音を録った。
「間に合いそう?」
「間に合わせる」
データは朝10時までに★★レコードに持ち込まなければならない。
 
作業が終わったのは9時半頃であった。応援に来てくれていた花枝の運転で、私と美智子は★★レコードまで走り、9:54に無事データを渡すことが出来た。★★レコードの南さんが「ほんとにもう出来たんですね?凄い」と驚いていた。「間に合わせましたよ」と美智子は満足しきったような笑顔で言った。「でも一切手抜いてませんから」「それは須藤さんの仕事、信頼してますよ」
と南さんは言っていた。
 
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「疲れた。どこでもいいから眠れる所に行きたい」と美智子が言うので、私は花枝に頼んで、政子の家に私達2人を連れて行ってもらった。それから私の借りたレンタカーの返却も花枝に頼んでおいた。
 
「とにかく寝せてね」
「私も寝るね」
といって、ふたりとも玄関からベッドへ直行した。私は政子のベッド、美智子は政子のお母さんの部屋のベッドを使った。(私は政子の家に泊まる時は、いつも政子と同じベッドに寝ている)
 
起きたのはもう夕方の7時だった。
「おお、起きたか」
「いい匂いがするなと思って」
「シチューをチンしたよ。食べる?」
「食べる!」
ふたりで夕ご飯を食べながらおしゃべりしていたら9時すぎになって美智子が起きてきた。起きてすぐに花枝に電話を入れている。
「あ、うんうん。ちょっと待って。メモする。。。。了解。じゃ、そちらの方はよろしくね。うん」
 
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電話を切ってからソファに座り込む。
「ああ、でもよく寝た〜」
「おはようございます。シチュー食べます?」
「うん、ちょうだい」
といって食べ始める。
 
「しかし私も年かなあ。今回はさすがに疲れた」
「いや、これだけの作業を短時間でしたら若い人でも疲れるよ。今回は難曲ばかりだったし、それで時間が無かったし」
「まあね。でも冬は明日から全国飛び回ってもらうからよろしくね。他の3人もね」
「はい、って明日からなのか!」
「結局ダウンロード開始はいつになったんですか?」
「明日」
「えー!?」
「売れる状態でなきゃ、キャンペーンやっても仕方ない」
「ひゃー、凄い。★★レコードもやるもんですね」
 
「本来のCD発売は27日だけど、先行プレスしたCDをキャンペーンやる店には各店1000枚限定で持ち込んで売る」
「凄い。速攻で作ったんだ」
「今プレスしている最中だろうね」と美智子は笑っている。
「明日の10時にダウンロードも開始だね。先行CDは正式プレスするのとはジャケット写真が違うから、ファンは両方買うかもね」
「あくどい商売だ」と政子。
「このくらいはいいでしょ。ケイの水着ピンナップ写真もおまけで封入するし」
「へー、私1枚買っちゃおうかな」
「え〜?」
 
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「ところでさ・・・・」と美智子は言って、突然私の胸に触ってきた。
「何?何?」
「シリコンバッグ抜いても触った感じはほとんど変わらない気がするな」
「EカップからCカップに戻ったけどね」
「手術の痛みは?」
「最初の一週間はけっこう痛かった。でもヒーリングしてもらったので今はもうほとんど痛み無い。むしろ手術前より痛みが少ない」
「へー」
「青葉ちゃんの言うには、シリコンバッグという異物がそこにあることで、どうしても気の流れが乱れるんだって。だから痛みがどうしてもずっと継続してしまう。抜いたら自然回復力が働くから徐々に痛みは減っていく筈と」
「面白い人と出会ったみたいね」
「うん。ほんとに。彼女のヒーリングのおかげでヴァギナの方も今、全然痛くないの」
「感じるらしいよ」と政子。
「ちょっとぉ・・・」
 
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「ふむふむ。興味深い」
「Gスポットでかなり感じるって。私押してみたら凄く気持ち良さそうにしてた」
「あのねえ・・・」
美智子は笑っている。
「まあ、その手の発言は他の人がいる所ではしないようにね」
「もちろん」
「ところで、ここだけの話で」
と言って美智子は身を乗り出す。
「性転換手術のあとで、ふたりでHした?」
「してない」と私と政子が同時に答える。
「指は何度か入れた」
「やられたから、私もマーサのに指入れた」
 
「君たちの関係っていまいちよく分からない」と美智子は苦笑する。
「お友達だよね」と私と政子は一緒に答える。
「ほんとに恋愛感情って無いの?たとえば政子に男性の恋人ができても、冬は平気?」
「うん。全然問題無い」
「政子は?冬に男の子か女の子か分からないけど恋人ができても平気?」
「平気だよ」
「ほんとかなあ」と美智子は疑っているようであった。
結局その日は私も美智子も政子の家に泊まっていった。
 
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翌日早朝の札幌のFM局に出演したのを皮切りに、一週間掛けて私達は全国の放送局、HNSレコード、ショッピングモールなどを回り、『夏の日の想い出』
『キュピパラ・ペポリカ』『聖少女』の3曲を演奏した(一部会場では全6曲演奏)。
 
短時間での移動を繰り返すので、そのたびに楽器を設置・調整していると間に合わない。そこで、キーボード・ギター・ベースは持ち歩くにしても、ドラムスは3セット用意して、事前に各店舗で★★レコードのスタッフさんによって設置調整をしてもらうことにした。ギター・ベース・キーボードも仮の機材で接続して、実際に現地で依頼したミュージシャンさんに音を出してみてもらいPAの状態を確認してもらっておいた。
 
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最初、★★レコードの南さんはマイナスワン音源を持たせて、ボーカルの私だけを全国飛び回らせることを考えていたようであったが、ローズクォーツのファンは私のファンだけではない筈、ということで美智子と町添部長との意見が一致し、費用と人手は掛かるものの、全員で演奏できる環境を整えてくれた。私達4人の全国行脚には、今回美智子が、うちの事務所からローズクォーツに続いて2組目のメジャーデビューをすることになった「ワランダーズ」の音源制作の真っ最中で、その締め切りも今週末であったため(ローズクォーツの録音はその作業に強制割り込みであった)、代わりに花枝が帯同した。
 
なお、ミニライブはHNSレコードの支店を中心に行ったが、一部交通の便の悪い支店は飛ばさせてももらった。また人口密集地の近くにHNSレコードが無い場合、ショッピングモールなどを借りてのライブを行った地区もある。また、その行脚の合間を縫って、各地のFM局の主としてトーク番組に突発出演させてもらい、新曲のアピールをしてきた。
 
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■夏の日の想い出・2年生の夏(3)

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