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■夏の日の想い出・花の繋がり(5)

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(C)Eriko Kawaguchi 2013-06-29
 
翌8月11日、私と政子は6時に起きて朝御飯を食べてから常磐線スーパーひたちに乗り、東北復興支援ライブの会場入りした。行くと一番手のAYAはもう終わっていて(いったん休憩所にしているホテルで休憩しているということだった)2番手のスリファーズがローズクォーツをバックに歌っていた。
 
AYAのバックで演奏したポーラスターの杉山さんがVIP席で見学していたので、挨拶して二言三言、言葉を交わしてから、私たちはVIP席より少し後ろの芝生の斜面にふたりで座った。
 
「でも春奈ちゃん、すっかり元気になった感じだね」と政子。
「性転換手術の痛みはもう全然無いって言ってたよ」と私。
「青葉が果たしている役割は大きいなあ」
 
「あの子は他人の役に立つことで自分が生きている意味を見い出しているんだよ。だから、どんどん仕事させることで元気になる」
「・・・何も言わないけど、悲しいよね?」
 
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「当然でしょ。親との軋轢は大きかったみたいだけど、それでも親だし。あと親の愛が得られなかった分、お姉ちゃんとの絆が強かったから、そのお姉ちゃんを失った悲しみは代え難いものだったと思う」
 
「あの子・・・自分はいつ死んでもいい存在だとずっと思ってたなんて、いつか言ってたね」と政子。
「それはあの子を見てれば分かる。今でも結構そう思ってる」
と私も言う。
 
「冬も以前似たようなこと言ってなかった?」
「・・・まあね。でも私の場合なんて、青葉に比べたら生やさしい」
 
「・・・・・・・・田中さんの件も凄いよね。今完全に2オクターブ聞こえるみたいだし」
 
「青葉自身、あそこまで回復させられるとは思ってなかったらしい」
「冬もさ、青葉のヒーリング受けて、フル活動できる体力を得られたんじゃない?」
 
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「そそ。青葉がいなければ、ローズ+リリーの活動再開は遅れていたと思う。私が大学1年の時に須藤さんのゆっくりペースにハマってしまったひとつの原因はやはり豊胸手術・去勢手術の傷の痛みがずっとあって、精神力を削がれていたこともある」
 
「昨日、織絵(音羽)たちが運命的な出会いって言ってたけど、私たちと青葉との出会いも運命的だよね」
 
「うん。ローズクォーツで絨毯爆撃ライブなんてやってなかったら、あの子とも出会ってなかったろうから、青葉ってのは、ローズクォーツの活動で得られた最大の収穫かもね」
 

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30分前にはスターキッズのメンバーと松村さんもやってきて、私たちは七星さんとハイタッチする。やがてスリファーズが最後の曲を演奏し、そのあとアンコール曲もやってステージを降りる。春奈たちをハグして迎える。
 
ステージではスタッフが機材の入れ替えをしている。タカたちとも握手する。そして出番になる。ステージに駆け上がる。スターキッズもそれに続く。
 
「こんにちは〜!ローズ+リリーです!」
と一緒に叫ぶ。
 
「時刻はそろそろお昼ですね。私たちはこのステージが終わった後、お昼を食べますが、みなさんは聴きながらお昼食べてくださいね。今日のライブはおしゃべりしながらでも、寝転がりながらでも、のんびり気分で聴いてくださいという趣旨ですから。あ、でもiPod聴きながらってのは勘弁してね」
 
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と言うとどっと笑いが来る。
 
「それでは最初の曲。もっとお腹が空くように『ピンザンティン』」
 
私たちがお玉を振りながらその曲を歌い終えると、政子が
「ケイ、これ歌ったら私お腹空いた」
と言う。
 
「そうだね。さすがにステージで歌いながら食べるのは無理だから、終わるまで待ってね」
「ホットドッグがたくさん食べたい」
 
「場内にもホットドッグ屋さんあるけど、マリが食べに行くと品切れになっちゃうかもね」
「ああ、一度ホットドッグ屋さんを独占して食べたい」
「まあ、それは今度にしてね。今日は迷惑だから。じゃ次はマリが広島でお好み焼きを8枚食べた時の歌、『蘇る灯』」
 
と私が言うと「えーー!?」という声が会場に湧く。初公開のエピソードだ。
 
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歌詞の内容は、お好み焼きなどを思わせるものは何もない。喧嘩してから仲直りしたカップルの睦言を綴ったような歌詞だ。実際、おふたりはこんな会話を寝室でしてるんですか?などと雑誌記者に聴かれたこともある。
 
『After 3 years Long Vaction』に収録した曲だが、シングルカットの要望が高く、『Long Vacation』とセットにしてシングルカットされ、それも10万枚以上売れた。
 

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その後、私たちは『帰郷』『事象の夜明け』『カントリーソング』と震災絡みの歌、それから『キュピパラ・ペポリカ』『Spell on You』『影たちの夜』
『疾走』『ファレノプシス・ドリーム』『夜宴』といった元気な曲、そして『カトレアの太陽』『夏の日の想い出』『君待つ朝』『坂道』『100時間』といった静かな曲を演奏していった。
 
『君待つ朝』以降ではヴァイオリンの松村さんにも参加してもらった。『坂道』
の胡弓パートと『君待つ朝』『100時間』に設定したヴァイオリンソロを松村さんに弾いてもらう。
 
「暑い中、聴いて下さってありがとうございます。今日のライブも最後の曲になってしまいました。『花園の君』」
 
松村さん・鷹野さん・七星さん・香月さん・宮本さんによるヴァイオリン五重奏をフィーチャーしている。但し今日使用するヴァイオリンは5台ともヤマハのサイレント・ヴァイオリンである(3台レンタルして持って来た。七星さんと松村さんはそもそもサイレント・ヴァイオリンを所有しているので自分のを弾いている)。さすがにこの炎天下にはデリケートな高額楽器は持って来られない。昨日は朝1番だったからアコスティック・ヴァイオリンが使えたのである。
 
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やがて終曲。拍手と歓声にお辞儀して応える。拍手は鳴り止まないが、スターキッズは手を振ってステージから降りる。ただし七星さんだけが残りフルートを持つ。私はクラビノーバの前に座り、政子が私の左側に立つ。
 
『神様お願い』を演奏する。私のピアノに合わせて七星さんのフルートも響き、私と政子のふたりで歌う。
 
「一歩一歩、歩みを進め」
「辛いことも耐え抜いて」
 
人知は尽くす。やれるだけのことをやる。それでも人の力では足りない。だから私たちは神様に祈る。
 

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大きな拍手と歓声の中、私たちが下に降りると次の出番のXANFUSの2人とパープル・キャッツの4人がいる。私たち2人はその6人とハグし合う。ついでに七星さんもハグの嵐に巻き込まれ、6人とハグした。私たちはXANFUSの演奏を最初の1曲だけ聴いてから、会場を離れた。
 
休憩用にホテルを用意してもらっていたので、ホテルのレストランで遅い昼食を取ってから部屋に入り、シャワーを浴びてから愛し合った。愛し合っている内に眠ってしまう。
 
起きたのは16:30だった。着替えてから集合場所にしていたホテル内の宴会場に降りて行く。
 

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「遅ーい。起こしに行こうかと思ってたよ」
「ごめーん。織絵たちは休めた?」
「30分くらい寝た。私たちもさっき降りてきた所」
 
「Hできた?」と政子。
「してないよー。あんたたちしてたの?」と音羽。
「寝る前にはするのがデフォ」と政子。
 
「まあ、いいや。合わせるよ〜」と小風。
「よし、頑張ろう」
 
全曲合わせる時間は無いので、『ラブレター』と『回想』だけ合わせた。
 
「みんな結構いい感じじゃん」
「みんな楽器の演奏水準が趣味の範囲を超えている気がする」
「うーん。私、オタマトーンのプロを目指そうかな」
「それも楽しいと思うよ」
「AYAはオタマトーンでマンボを弾き踊りしよう」
 
「マンボ〜? なんで!?」
「セレソローサとか格好いいよね〜」
「闘牛士のマンボとかも良い」
「トレードマークはマンボウの着ぐるみだな」
「うむむ。面白いかも知れんが」
 
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「でも私たちも、もうアイドルという年齢じゃなくなりつつあるし、何か別の要素を考えていかないといけないよね」
「形態転換か路線転換か」
「性別は転換できないけどね〜」
 
「そうだ。フェイの性別判明。今日の支援ライブ見に来ていたジュンを締め上げて吐かせた。やはり戸籍上は男の子なんだって。これ他言無用ね」
「へ〜」
「他言無用、了解」
 
「でも小さい頃から、男の子とも女の子とも遊んでたし、服も男の子の服も女の子の服も着ていて、本人としては両方生きたいらしい。高校には基本的には女子制服で通ってるけど実は男子制服も所有はしているらしいよ。水着はさすがに女物しか着られないけどって」
「まあ、バストあったら男物の水着は無理だよね」
 
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「Rainbow Flute Bandsでは中性的な声で歌ってるけど、実は女の子の声もちゃんと出るらしい。でも男の子の声は出ないって」
 
「なるほど、そういう傾向か」
「MTF寄りのMTXって感じかな?」
「明確な男性化はしたくないから、小学5年生の時から女性ホルモンを微量だけ飲んでたって。それでおっぱいもあるけど、ちゃんと男性機能は使えると」
「なるほど。高校生の頃の冬に近い状態なんだ」
 
「いや、冬は男性機能は中学の時には既に無かったらしい。冬の中学時代の友人から聞いた話」と和泉。
「ほほぉ」
「待て。それどうやって確認したのかを知りたい」
 
私は取り敢えず何も言わずに笑っておいた。
 
「じゃフェイは性転換とかはしないんだろうね」
「うん。男性機能を捨てるつもりは無いらしいから。でも女の子と恋愛したことはないと。女の子には友情しか感じないらしい」
「じゃ使い道が無いね」
「そうみたい」
 
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「まあ、ビアンという道はある」と音羽。
「ディルドーでも入れるような気持ちでおちんちんを相手に入れてもいいんじゃない」
「それ、まさに性転換前の冬では?」
 
「冬のおちんちんはどうやっても硬くならなかったよ」と政子。
「だから、冬は女の子とかなり際どいことはしていても、多分インサートは1度も経験して無いはず」
「ほほぉ」
 
「しかし私たちもこういう話を平気でする年齢になったんだなあ」
「結構気持ち的にはまだ17歳頃の感覚が残ってるんだけどねー」
「忙しく仕事してると時間の経過を忘れがちだよね」
 

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ステージの進行が少し遅れているということだったので17:20になってから会場へと移動した。到着するとサウザンズが最後の曲の演奏を始める所だった。
 
「初期のサウザンズの曲って、チューニングが無茶苦茶だったよね」とAYA。「2008年のアルバム『大爆笑』から正しいチューニングになった」と光帆。
 
「その正しいチューニングさせたのが冬だよね?」と美空。
「うん」
と私が答えると「へー!」ということでみんなに感心される。
 
「そんな所にも冬が関わっていたのか」
「チューナー使うのもダメ、専門の楽器技術者とかに依頼するのもダメ、とメンバーがワガママ言うから、マネージャーさんが困って、そこにいる女子高生にチューニングさせるのはどう? なんて言われてさ」
「なるほどー」
 
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「それでローズ+リリーで忙しくなる直前まで、サウザンズのチューニング担当だったんだよ、私。私が出て行けなくなった後は、中学の吹奏楽部の後輩の子に頼んだ。今はその子の更に後輩に引き継がれているけど、ずっと現役女子中高生がチューニングするというシステムは維持されている。今日もライブ前にその子が合わせてあげたハズ」
「そういうのも面白いね」
 
「昔のCなのかCmなのか判然としないような和音が良かったとかいう古いファンは居るけど、サウザンズの曲が広く一般にもうけるようになったのは、あれ以降だろうね」
「やはり合ってない音を聴かせられるのは苦痛だもん」
 
「耳の良い人にとっては耐えがたい騒音だよね。音程の合ってない音楽って」
と美空。
 
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美空はおそらくこのメンツの中で最も精密な相対音感を持っている。
 

やがてサウザンズはアンコールの曲まで終えて、ステージを降りてくる。私はサウザンズのメンバー全員とハイタッチをした。
 
楽器の入れ替えが行われている間に、町添さんがステージに立ち、スイート・ヴァニラズがEliseの妊娠発覚のため1曲しか歌えないこと。それで最後の1曲を除いては《スイート・ヴァニラズ・ジュニア》が演奏することを告げる。入場ゲートでも掲示を出しエンドレスでアナウンスを流して告知していたこともありほとんどの観客がそれは承知であったようである。
 
やがて機材の準備ができる。《スイート・ヴァニラズ・ジュニア》とLondaがステージに上がる。Londaがあらためてお詫びのことばを言う。そしてLondaからマイクを受け取った私が挨拶してから、各々位置に就く。
 
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