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■夏の日の想い出・ダブル(6)

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「初日は加藤やそちらの社長さんも入れたんですけど、男性がいると、あられもない格好にもなれないしね」
と北川さんは言っている。
 
「疲れてると服脱ぎたくなりません?」
と星歌は大胆なことを言ってる。
 
「あ、私裸で寝るの好き〜」
と政子が言っている。
 
「うーん。裸で寝たことは無いな」
とノエル。
 
「ノエルちゃんは何着て寝るの?」
「パジャマですよ〜。一時期ネグリジェに憧れていたこともあったんだけど、私寝相が悪いから、起きたら腰の所までまくれあがっていて、足が冷えて辛いからやめたんです」
 
「まあ確かにネグリジェとかベビードールとかは実用的ではない」
と私も言う。
 
「ベビードールとかはやはり彼に見せるための服ですよね〜」
などと星歌が言うので、ノエルが
 
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「実際、真樹君とセックスしたんだっけ?ここだけの話」
と訊く。
 
「してる。もう10回近くしたかな。もちろんちゃんと避妊してる。でもあれをセックスと言うんだとは例の記者会見の時は知らなかったんだよ。性交という言葉は学校の保健の時間に習って知っていたんだけど」
と本人。
 
「ちょっと安心した」
とノエルも政子も言っている。
 
蕪田さんや北川さんも笑って頷いている。
 
「いやでも私たちって学校のクラスメイトとかともあまり話さないし、仕事が忙しいし、色々と常識が欠けていることはあるよね」
とノエルは言っている。
 
「私、つい最近まで自民党とか民主党とか知らなくて、それ砂糖の一種?とか訊いて呆れられた」
とノエル。
 
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「そのくらいはいいよ。私、キスマイなんて名前を覚えてなくて、放送局で声を掛けられた時に、一瞬どなたでしたっけ?と言っちゃって」
と星歌。
 
「ああ・・・」
 
「そばに居た北川さんが『星歌ちゃん、メガネメガネ』と言って近くにあったメガネを渡してくれて『済みません。キスマイの皆さん、この子すごい近眼で』とか言ってくれたので助かりました」
 
「まあ私のメガネだったんですけどね」
と北川さん。
 
「ナイス・フォローですね」
「私、キスマイやSexy Zoneの個々の名前が分からない」
とノエル。
「私もExileやJ Soul Brothersの個々の名前が分からない」
と政子。
 
「私はwooden fourの個々の名前が分からない」
と星歌が言うので
 
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「こら、嘘はいかん」
と突っ込みが入った。
 

「マリさんは大林亮平さんとは何かありました」
とノエルが尋ねる。
 
「別に何もないよ。まあメールアドレス教えてとうるさかったから、アドレスだけは教えてやったけどね」
と政子。
 
「おぉ!」
「メールはよく送ってくるけど、私は返事書いてない」
「熱心ですね」
「まああくまで友だちならいいよと言っているけど、恋愛をするつもりは無いよ」
と政子は言う。
 
「ヘー」
 
「私たちは契約で恋愛は禁止されてないんだけどね。町添さんとの口約束で2018年までは結婚も妊娠もしない予定」
と私は背景的な説明をする。
 
「あと3年か」
「それ以前に歌手やめてたら、その時点で結婚しちゃうかも知れないけどね」
 
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「結婚したらローズ+リリーはどうするんですか?」
「ローズ+リリーというのは、私とマリのふたりが生きている限りは続いていくよ」
 
「おばちゃんになったら、おばちゃんのローズ+リリー、おばあちゃんになったら、おばあちゃんのローズ+リリー」
 
「そういうのもいいかもですね〜」
 
「ケイはおじいちゃんじゃなくておばあちゃんになれそうで良かったね」
と政子。
 
「あれってやはり性転換した人は年取ると、ちゃんとおばあちゃんの風貌になってますよね。ホルモンの関係ですか?」
と星歌が訊く。
 
「だと思う。元々性転換するような人は女性的な外見の人が多いけど、ホルモンはやはり顔つきとかにも結構影響するよ」
と私は答える。
 
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「ケイは生まれた時もお医者さんに女の子と思われて、女の子の出生届けを提出したからね」
と政子が茶々を入れる。
「だからそれは記入ミスだってのに」
と私。
 
なお、政子は18時頃帰ってきた時に「お腹いっぱい」と言っていたとは思えぬ「普段以上」の食欲を見せていた。マーサって胃袋のスペアでも持っているのか?と思いながら私は見ていた。
 

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「ねえ、ケイちゃん、星歌ちゃんが2年くらい経ってから歌手に復帰する時、よかったら復帰祝いに歌を書いて下さいよ」
と北川さんが言った。
 
「じゃ、その頃まだ私たちがこの世界に居たら」
と私は答えた。
 
「もう一曲は東郷先生に頼んでおこう」
と北川さんは言うが
 
「東郷先生の中の人にですね」
とノエルは言っちゃう。
 
「そのあたりは言わぬが花よ」
と北川さんも笑って言っていた。
 
山村星歌に楽曲を提供している東郷誠一先生の「中の人」というのは、つまり千里(と蓮菜)だ! 千里たちが東郷先生の名前で出している曲は、山村星歌・川崎ゆりこ・アクア・森風夕子などに提供されている。純アイドル歌謡という感じで、中高生女子の心情を歌った可愛く歌いやすい歌が、蓮菜&千里の得意とする所のようだ。
 
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しかし誰もアクアに男の子向けの歌を歌わせようとは思いもしない。紅川さんは「ファンが女性だからそれでちょうどいいんだよ」と言っていたが。
 

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「千里たちって、年間に200曲近く書いてない?」
とある時私は彼女に訊いてみた。その日私たちは和実が勤めているメイドカフェで話していたのだが、和実は勤務中で、お客さんも多く、時々様子を見に来るだけで、私と千里の2人だけでほとんど話していた。
 
「さすがにそんなには書いてない。2014年中に書いた曲は70曲程度だよ」
「それでもかなりの多作だ」
 
「でも冬の書く曲とは全くモノが違うんだよ」
と千里は言う。
 
「ん?」
「冬が政子や和泉ちゃんと組んで書いている作品は芸術作品、私が蓮菜と組んで書いている作品は工業製品だよ」
「えっと・・・」

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「私たちは雨宮先生の指揮の下(もと)に楽曲を生産している。タイトルを考える人、そのタイトルと歌手のマッチングをする人、それを割り振る人、そして私たちのように楽曲を作る人、その楽曲の最終アレンジをする人。流れ作業だよ」
 
「うーん・・・・」
「私たちは月平均5-6曲程度のリストを割り振り担当の人からもらう。リストに書かれているのは、タイトルと歌手名、ボーカルの音域、そして納期。それをCubaseで制作して納品する。私たちは基本的にボーカル代りのフルートに、リズムギター・ベース・ドラムスというパターンで書く。伴奏者の構成が変則的な場合は別途アレンジ担当の人がCubaseのデータを調整する」
 
「なるほどー。そうやって生産しているのか。でも鴨乃清見名義のはそうではないでしょ?」
「そうだね。醍醐春海名義でKARIONに書いている曲、大裳名義でラッキー・ブロッサムに書いた曲も、そういうフローじゃなくて、事務所から直接発注をもらっている。納期はきついのが多いけど」
 
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「きついの!?」
「量産品は一度に5個とか10個とかのグロスでの発注だけど、だいたい依頼日から納期まで2-3ヶ月ある。ところが事務所から直接頼まれるものは、明日欲しいとか、金曜日に電話が掛かってきて月曜日までに欲しいとか。しばしば他の人に頼んでいたものがアウトになって、緊急に頼むというものが多い」
 
「う〜ん・・・」
「かえって、そういう短時間で作った曲から名曲が生まれると思わない?」
と千里は言う。
 
「それは私も思い当たる節がある」
と私も答えた。
 

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「でもCubaseのデータ作るのって時間掛かるよね?」
と私が尋ねると
「1曲書くのに、私の場合でも30-40時間は掛かる」
と千里は答える。
 
「速い!私はその倍は掛かるよ」
「まあケイの曲ほど精密なチューンアップしてないから」
 
ここでいう「チューンアップ」というのは書き上げた楽曲データを再生しては調整、再生しては調整して、不自然な所や納得のいかない所を直していく作業で、これに掛ける時間がもっとも長い。
 
「それでもよく他の仕事やバスケとかしながらそんな時間が取れるね」
「まあ寝ながらやってるから」
 
「うーん・・・」
 
「私、寝ながらCubaseしたり、寝ながらプログラム組んだり、寝ながら車の運転するの得意だから」
 
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「寝ながらの運転は危ないよ!!」
 
「桃香とのセックスも疲れている時は好きにしていいからと言って寝ちゃうこともあるし」
「私は政子に任せると恐ろしいことになるからそれできない」
「ああ、政子ちゃんは手加減を知らない感じだ」
 

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それで私はさり気なく訊く。
 
「細川さんとのセックスでは?」
 
すると千里は忍び笑いのような表情になってから言った。
 
「まあ冬だから言うけど、私と貴司は平均して2ヶ月に1度くらいデートしてる。でも私はセックスは拒否している。貴司に法的な妻もしくは婚約者がいる限り応じられないと言ってね。だから風俗店のサービス程度だよ」
「うーん・・・・」
 
「実際、私が手伝わないと、あいつ射精できないし」
「へ?」
「私以外の女性の前ではどうしても立たないし射精もできない。それどころかひとりででも出来ない。阿倍子さんは多分貴司をEDだと思っているだろうね」
 
私は少し考えた。
 
「ね。千里としかセックスできないけど、千里はセックスさせないということは貴司さん、誰ともセックスできないわけ?」
 
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「まあそういうことになる。自業自得だと思うけど」
と千里。
 
「もしかしてゲイとか?」
「男性ヌードとか見てみたけど、精神的に萎えると言っていた」
「なるほど」
 
「京平を作った精子も私が出してあげたものだよ」
「え〜〜!?」
「だから、京平は私と貴司の共同作品なんだよ」
 
そう言って千里は少し嬉しそうな顔をしていた。私は千里と貴司さんの微妙な関係を垣間見る思いがした。千里が最近バスケでかなり頑張っている風なのは、ひょっとしたら貴司さんとの関係が良好?なせいかも知れない。しかしそこまで深い縁があるのであれば、なぜ貴司さんは千里を棄てて阿倍子さんを選んだのだろう。私はまた貴司さんの気持ちが分からなくなった。それとも私が貴司さんの気持ちを理解できないのは私が結局男ではないからなのだろうか?
 
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私の表情を見て千里は「はい、どうぞ」と言って五線紙を出す。
 
「ありがとう」と言って私はそれを受け取り、五線紙に音符を書き込みながら尋ねた。
 
「でも卵子も千里の卵子なんでしょ?」
 

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その質問を投げかけた直後、和実が
「疲れたぁ、やっとお客さんがはけた。お昼食べなくちゃ」
と言って、私たちの席にミルクティーとオムレツを持ってきて座った。
 
「お疲れ様」
と私は和実に声を掛けたのだが、それを見て千里は微笑むと言った。
 
「私、採卵台に寝たよ。部分麻酔打たれて、それでヴァギナから採卵用の針を刺すんだよ。麻酔打たれているのにこれが痛いんだ。磔にされている気分」
 
「千里、卵巣あるんだっけ?」
と和実が尋ねた。
 
「なかなかうまく行かなくて、何度もリトライした。その度に痛かった。でも最終的に採卵針の中には確かに卵子が入っていた」
と千里が言う。
 
和実はコーヒーを飲む手を休めて千里を見ている。すると千里は和実に言う。
 
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「私でさえ採卵できるんだから、和実ならもっと確実に採卵できる。和実これまで何度も卵巣がMRIに写っているもん」
 
「じゃ、やはり千里の卵子だったのか」
と私は言ったのだが、そこで千里は困ったような顔をする。
 
「アリバイ作りのために、あんたがそこに寝なさいと言われて私が寝た。でも本当に針を刺されたのは私ではない気がしたんだよね。だからあれって採卵台の上には私と誰か別の人がダブルキャストで寝ていた感じ」
 
「意味が分からん」
 
「まあ実際に私は無茶苦茶痛かった。あまり何度もはやりたくないね。私はもしかしたら痛みを引き受けるためにあそこに居たのかも知れない。京平の母親の資格を得るために。そして卵子は別の人の卵巣から取ったんだと思う。すり替えられているんだよ」
と千里。
 
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「誰に?」
「神様かなあ・・・」
 
私には千里が嘘をつく、あるいはとぼけているのか、本気で神様のしわざと言っているのか、判断がつかなかった。しかし和実は何か別のことを考えているように見えた。
 

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8月15日(土)。世間ではお盆なのだが、この日、パラコンズのくっく・のんのが各々の婚約者と結婚式を挙げることになっていた。
 
結婚式・披露宴は京都市内のホテルで行われるので、私たちは早朝から新幹線で京都に向かった。
 
10:00からくっくの結婚式、11:00からのんのの結婚式が、各々人前方式で行われ、12:00から合同の披露宴ということになっていた。ふたりは仲が良いようで、招待状の出欠ハガキも
 
「1.玖美子の結婚式に出席 2.徳子の結婚式に出席 3.披露宴に出席 4.欠席」
 
となっており、複数選択式で○を付けるようになっていた。なお人前結婚式にしたのは、ふたりとも「信心が無いから」と言って宗教色の無いものを選択したかららしい。人前結婚式はホテルの神殿・礼拝堂前のロビーで行われるので参列者数に制限も無いということだった。
 
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私たちは8時半頃ホテルに到着。まだ時間あるなと思ってロビーで休んでいようかと思っていたのだが、今日の花嫁2人と各々の彼氏らしい男性2人がいるのに遭遇する。
 
「今日はおめでとう」
と声を掛け、
「御祝儀直接渡しても大丈夫かな?」
と言って《ローズ+リリー マリ&ケイ》名義の祝儀袋をくっく・のんの双方に1つずつ渡す。
 
「お、祝儀袋が別々だ」
「それひとつにした方がいいのか悩んだんだけどね」
「これはお小遣いにしよう」
「でもかなり重たいな、これ」
「まあこの世界のふつうの相場程度ということで」
 

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私はふたりに「おめでとう」とは言ったものの、くっくとのんののそばに居るふたりの男性に妙な不快感を感じた。これ何かの感覚に似ていると、彼女たちとおしゃべりしながら考えていたのだが、やがて私は、蛇とかムカデでも見た時の感覚に似ていることに気づいた。
 
うーん。この人たち、私と相性が良くないのかも。。。。私はその時はそんなことを考えた。
 
そのふたりが何だかこちらを見ているが、その視線が何となく、まとわりつくように感じられて私はそれも不快だった。チラっと政子を見ると政子はそちらから視線を外してフロントの方に視線をやっている。
 

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