【夏の日の想い出・日日是好日】(2)

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この日(12/24)、私(ケイ)はマリが何か話があるようだったので、多忙な時期で申し訳無かったが、信濃町の事務所を18時半くらいで退出させてもらい、マリの実家に向かった。私の代わりに雑用係を兼ねて鱒渕マネージャーに事務所には入ってもらった。§§ミュージックの旧社員なのでコスモスたちも結構使いやすかったようである。
 

12月24日(土).
 
ΛΛテレビの昔話シリーズ第18弾『不思議の国のアリス』がビンゴアキ主演2時間半スペシャルで放送された。放送時間帯は18:30-21:00である。この時間は子供が最後まで見せてもらえる時間というのを意識している。アクアの『竹取物語』だけが21:30エンドだったが「まあ夏休みだし」というので特に許してもらえるかな、というのを期待していた。ああいう設定は年に何度もは使えない。
 
出演者もセットもCG/SFXも豪華である。(CG制作:まほろばグラフィックス)
 

アリス(Alice) ビンゴアキ(2005)
アリスの姉(Alice's sister LC?) 山森水絵(2000)
白うさぎ(White Rabbit) 北野天子(2000)
 
ねずみ(Mouse) 花山波歌(1999)@三つ葉
ドードー鳥(Dodo) 月嶋優羽(2000)@三つ葉
子鷲(Eaglet) 雪丘八島(2001)@三つ葉
インコ(Lory) 沢部美穂(2000)@BoniatoAsado
アヒル(Duck) 寺島奏和(2000)@BoniatoAsado
羊(sheep) 弘沼希樹(2000)@BoniatoAsado
 
蜥蜴のビル(Bill the Lizard) 丸山アイ(1994)
青いイモ虫(Caterpillar) 北野裕子(1998)
 
魚の従卒(Fish footman) ホシ(1990)@ステラジオ
蛙の従卒(Frog Footman) ナミ(1990)@ステラジオ
公爵夫人(Duchess) 原野妃登美(1987)
料理人(Duchess's Cook) 城崎綾香(1995)(友情出演)
豚声の赤ちゃん(baby) 声:丸山アイ
 
チェシャ猫(Cheshire Cat) 南国花野子(1990)
三月うさぎ(March Hare) 近藤うさぎ(1986)
帽子屋(Hatter) 矢嶋梨乃(1990)
ヤマネ(Dormouse) 魚みちる(1984)
 
スペードの2,5,7(庭師)音羽(1991)・光帆(1991) (XANFUS), 立山みるく(1992)
兵士(Soldier) スーザン高橋 メリー川本 ジェーン佐藤
コーラス隊(Chorus) miki kiji noir yuki (XANFUS)
ハートの女王(Queen of Hearts) マリ(1991)(ローズ+リリー)(友情出演)
ハートの王(King of Hearts) 大林亮平(1987)(友情出演)
ハートのジャック(Knave of Hearts) 木取道雄(1990)(友情出演)
首切り役人(Headsman) キャロル前田(2003)
 
海亀もどき(Mock Turtle) 諏訪ハルカ(1992)@Primavera
グリフォン(Gryphon) 夢路カエル(1994)@Primavera
 

アリスの身体が大きくなったり小さくなったりするところはCGである。トランプのカードは灰色のレオタードを着て上半身の表裏にトランプの模様を描いている。
 
ハートの女王はマリは凄い適役と言われた。こういう頭のネジが飛んだ人の役はよく似合っている。
 
このドラマを撮影した後(10月中〜下旬)しばらくマリは「首をはねろ!」が口癖になっていたようである。
 
このドラマは∞∞プロとその系列の事務所のタレントが多数出ているのだが原野妃登美は∞∞プロの100%子会社@@エンタテーメントに所属している。その縁でマリも大林亮平も友情主演し、大林亮平からの芋蔓で木取道雄まで友情出演した。被告人役に木取道雄はよく似合っていた。この人はこのような“情けない”役がよく似合う。
 
三つ葉・ボニアートアサドが全くの端役でカメオ出演するなどほんとに豪華な配役(ギャラの無駄遣い?)で、視聴者は大いに楽しんだようである。
 

このドラマの最後の“次回予告”は「2時間半スペシャル・羽田小牧主演」とだけ表示それ、タイトルが表示されなかった!!
 
「一体何をやるんだぁ!?」
との声があがり
 
「羽田小牧主演・アラジンと魔法のランプ」
「羽田小牧主演・ジャックと豆の木」
「羽田小牧主演・レミゼラブル」
「羽田小牧主演・フランダースの犬」
「羽田小牧主演・坊ちゃん」
「羽田小牧主演・ウルトラマン」
「羽田小牧主演・仮面ライダー」
 
などネットは大喜利状態になる。そして誰かが
 
「羽田小牧主演・プリキュア」
と書いたら、その後は
 
「羽田小牧主演・マッチ売りの少女」
「羽田小牧主演・眠り姫」
「羽田小牧主演・ラプンツェル」
「羽田小牧主演・雪の女王」
「羽田小牧主演・白雪姫」
 
と女の子主人公の物語が多数書き込まれるようになった!
 

2022年12月25日の一部の朝刊1面に
「百道良輔・大輔・急死」
という、ほぼタイトルだけの速報が掲載された(間に合わなかった版も多い)。朝のテレビのニュースはもう少し詳しく状況を報じていた。
 
・百道良輔・大輔は大輔のアルバム制作をしていたスタジオ内で意識の無い状態で倒れていた。
・発見者は良輔の内縁の妻で歌手のBである。
・バンドメンバーや音響技術者は居なかった。
・Bの119通報で救急搬送されたが病院で死亡が確認された。
・ふたりは薬物中毒と思われ、薬物の特定を急いでいる。
 

この日の朝、ΛΛテレビの鳥山編成局長から私(ケイ)のスマホに電話が掛かって来た。
 
百道大輔とマリが交際していたことは広く知られており、赤ちゃんも生まれ、世間では結婚秒読みと思われていたこと。マリは言っては悪いが普段から言動が正常では無く、薬物をやっているのではと疑う人もあったこと。万一マリが摘発されることがあれば昨日放送した『不思議の国のアリス』が再放送できなくなること。それらのことを踏まえて率直な意見が聞きたいということだった。
 
私は答えた。
 
そもそもマリが百道大輔と交際していたというのが全くの誤解である。マリは一時期は百道大輔と交際していたが、昨年の夏に別れている。マリはそのあと別の男性と交際し始めており、子供はその人の子供である。芸能人ではなく一般の男性なので名前などは勘弁して欲しい。
 
妊娠したのと大輔さんとの交際が終了したのとのタイミングが微妙だったので、大輔さんは勘違いしていたようで自分の子供と思い込み、マリの家に押しかけてきては抱いたりしていた。普通の人なら怒る所だがマリは“元々頭が壊れている”ので、容認していた。
 
そもそも子供の血液型はAB型であり、大輔さんはO型なので絶対に彼の子供ではない。マリは大輔さんとは昨年夏以降デートもしていない。強引にデートを迫るのでマリは一応約束していたようだが全てすっぽかしている。
 
ちなみにマリの言動が“逝っている”のでマリは毎年のように薬物検査を受けているが一度も陽性になったことはない。昨夜というより今朝早朝、刑事さんが来て事情を聞こうとしたものの、マリが交際を否定したので、そのまま帰られた。念のためマリ、ついでに私も薬物検査を受けたが陰性だった。
 
そういう訳なので『不思議の国のアリス』の再放送やDVD発売には何も問題はないと思う。万が一そちらにご迷惑を掛けたら迷惑料として30億円支払う。
 

鳥山さんは“マリは元々頭が壊れているので”というところで大いに納得したようである!それで(12/25)午前中に緊急に開かれたΛΛテレビの役員会にも私の見解を報告し、役員会では“様子を見る”という線で了承を得た。やはり万一のことがあったら私が30億円払うと言ったのも大きかったようである!
 
しかし役員会は翌日にはパニックになることになる!
 

私がこの日の朝、鳥山さんとの電話を終えたら即コスモスから電話があった。それで私はコスモスにも同様のことを話した。コスモスは
 
「私もマリちゃんは大輔さんと付き合ってない気がしたのですが、血液型の問題があるなら間違い無いですね」
と言っていた。
「どうして思った?」
「だって百道大輔さんはマリちゃんの好みじゃ無いですよ」
「へー」
 
「マリちゃんが好きになる人って、基本的に挫折を経験していて、その分芯の強く物事に寛容な人です。大輔さんは優等生だったから“折れやすい”人なんです。それに割と自分のポリシーを持っていた。自分が何かをうまくできないのが許せないし妥協をしない人。芯の強く寛容な人には“無茶振り”できるけど“優等生”で哲学のある人にはそういうことができない。マリちゃんとしてはつまらなかったと思う」
 
「なるほどねー」
 
確かに私にしても亮平にしてもマリからかなり無茶振りされてるなと思う。あと必ず女装させられる。私は大輔さんの女装を1度も見ていない。
 
大輔さんは“折れた”ことでクスリに手を出したのかもという気もした。彼は楽曲の締め切りを絶対に守ることでも有名だった。色々見えないところで無理を重ねていたのかも知れない。
 
「でもうちは使ってないですけど、大輔さんの楽曲を使用していた歌手さんはパニックですね」
 
「ほんとだね!」
 
それ結構多いぞと思う。彼は納期を守るのでスケジュールの厳しい人気タレントが結構使用していた。うちが彼を使っていなかったのは、薬物使用の疑いが濃厚だったからである。
 
しかし事態はそんなものでは収まらなかったのである。
 

12月26日(月).
 
その日は放送業界・芸能界・スポーツ界などにとって“ブラックマンデー”とも言うべき日であった。テレビのニュース速報テロップは午前11時頃から始まり、その日の夕方まで途切れなく流れた。とうとう多くのテレビ局が通常の番組を中断して緊急特番を組んだ。
 
速報は全て芸能人やスポーツ選手などの逮捕を報せるものであった。どの局も逮捕された人の名前を短冊状の紙に書いてスタジオのパネルに貼り付けたりしていた。ここだけ見るとまるで選挙速報である。
 
この日麻薬所持・使用などで逮捕された芸能人・文化人・スポーツ選手などは300人ほどに及んだ。これは有名人でこれだけで、一般人も含めるとこの日1日で逮捕された人は800人ほどであった。
 
そして各テレビ局は「番組が放送できない」という事態に遭遇する。逮捕された人が出演していた番組の録画をオンエアできない。急遽若手の芸人や10代のアイドルなどを呼んで代替の生番組をやらせる。しかし実力派の芸人・アイドルは限られるので、テレビ局間で争奪戦になった。急遽この日行われていた中高生スポーツの試合の中継または録画に飛んで行ったテレビ局も多かった。
 
ΛΛテレビを始め各テレビ局は緊急役員会議・緊急ブロデューサー会議を開き対策を検討する。しかし逮捕された人があまりにも多く、対処のしようが無かった。
 

各テレビ局が若手芸人・若いアイドルを起用したのは、若手はさすがにクスリをやっていることはあるまいと考えたからである。
 
§§ミュージックも請われて全員出動のような感じになった。§§ミュージックのタレントは信濃町ガールズのレベルでも総合力が高いし、あけぼのテレビで生放送に慣れているので、きちんと番組をまとめることができて感謝された。
 
私は25日は政子の精神状態を考えて小平市の実家で一緒に居たのだが、26日は原野妃登美母娘を呼んで見ててもらい(*3)、私も朝から信濃町の事務所に行って、各局から飛び込んで来る出演要請に、コスモス・ゆりこ・花ちゃん・ロンド・愛心たちと一緒に対応した。
 
(*3) 大林良平は元wooden four あるいは全員女装した Flower four の状態で生番組をやっていた。Flower fourの方が受けてて
「俺たちいっそ本格的に性転換を考える?」
「WADOみたいに全員性転換というのもありかもね」
「手術受ける時の順番を検討してみようか」
などと言っていた。
 

女子寮の方はひまわりに管理してもらい、要請されたタレントを指定の局に行かせた。男子寮のメンバーも女子寮に呼んでスタンバイしてもらった。冬休みなので出て来てくれていた信濃町ガールズの姉妹たちにもだいぶ出てもらった。
 
本来冬休みに少し芸能界を体験してもらおうと思って呼んだのに、いきなり実戦投入である。でも水巻アバサ(高1)などは落ち着いているので、2〜3年の経験者みたいにうまく中学生のタレントたちを動かしていた(妹より能力高い気がする。歌は下手だけど)。
 
月城すずみまで「大変そうですね」と言って手伝ってくれた。月城3姉妹で出て行って(付き添い:山城寛菜マネージャー)、すずみのギター伴奏で、たみよ・としみが歌ったが
「これも格好いー」
と好評だった。曲間のトークも知識が豊富な、すずみがしてくれた。これで1時間番組をちゃんと構成した。最後はたみよが例のプラチナフルートでヴィヴァルディ『四季』から冬・第2楽章Largoをここだけとしみ・すずみのピアノ連弾伴奏で吹き、時間ジャストに収めた。
 
くれは西(入瀬姉妹+麻生ルミナ+紺青セイラ)(*4) などもこの4人だけで番組を1本やった(一応ベテランマネージャーの河合友里を付けて行かせた)。すると入瀬姉を除く3人でトリオ漫才のような感じでトークをして結構笑いを取っていた。
 
4人で楽器(入瀬姉:ヴァイオリン、妹:ホルン、麻生:ピアノ、紺青:フルート)を演奏してディズニー・メドレーなどしたのもかなり受けていた。麻生ルミナがしっかりタイムキープして時間内でピタリと納めたのは「すごい」と放送局の人に言われた。最初にルミナとホルンでだいたいの時間配分を決めたらしい。
 
バニショコ+ももくりなどもこの4人で1本やらせた(付添い:月原美架)が、彼女たちもあけぼのテレビの夕方の時間帯を受け持っているので向こうのアナウンサーさんと一緒にかなり楽しいトーク番組をしてくれた。またバニショコ vs ももくりで、腹筋対決・腕立て伏せ対決、曲名当てクイズなどやって盛り上がった。
 
こちらは局へ向かう車の中で5人で話しあって番組の構成を決め、簡単なメモレベルの企画書を月原がプロデューサーさんに提出して了承を得た。それにしても時間内でピタリと納めたので感激された。
 

(*4) 富山県は呉羽山(クレラップの呉羽化学の由来)ほ境に呉西と呉東に分けられる。呉西は西日本文化、呉東は東日本文化で住民の気質が全く異なる。そして呉羽山は富山市の中央付近にあるので富山市内でも西部に住む人と東部に住む人では気質が異なる。
 
会社が見積もりを出す時、富山市東部に事務所のある会社に出す場合は、相手が見積もり通り払ってくれるのでジャストの金額を出すが、富山市西部の会社に出す場合は向こうが値切ることを見越して最初は少し高めに出すと言う。
 
氷見・高岡・射水・砺波などは呉西、黒部・魚津・滑川(なめりかわ)などは呉東である。
 
“くれは西”のメンバーは入瀬姉妹が氷見市、ルミナが南砺市、セイラが射水市で全員呉西地区の住人である。(この4人に時々協力する山本コリンも富山市西武で呉西地区の住人)
 
この4人のユニット名については当初“呉西シスターズ”という案もあったが花ちゃんが“くれは西”という名前を考えてくれた。
 

しかしこういった緊急動員のあおりをくらってあけぼのテレビはキャスターも足りないし出演してくれるはずだった人が地上波に取られて予定の番組ができず26日はAT-Groupだけで何とかやりくりした。
 
27日は急遽組んだチーム白鳩×ジョイフルダイヤモンド、江戸娘×ローキューツ、40 minutes×ジョイフルコールド、また津幡からレディ加賀×女形ズのいづれも女子バスケの試合中継をしたのもなかなか好評だった。
 
28日には千里が協力してくれて彼女が師範代を務める?姫路の剣道団体の未成年メンバーをCRJ200(50人乗)に乗せて東京に連れて来て、川泉スピンが参加している剣道団体の未成年メンバーとの団体戦が急遽組まれた。題して“剣道ジュニア・東西対決”これを2時間にわたってあけぼのテレビで流したら、けっこうな視聴率であった。最終的に優勝したのは男子では東軍A、女子では西軍Bチームだった(Aチームは準決勝で東軍Aに破れた。でも西軍Bが東軍Aを破った)勝ち抜き方式でやったので、4人負けた所から大将だけで相手5人倒して勝ち上がるなどというのもあり、視聴者たちから歓声があがっていた。
 

また揚浜フラフラ軍団のお笑い芸人たちが全員女装して『小公女』を演じるなどというひたすら笑うしかないドラマをやって、これが物凄く受けた。なお女性も「こんなのやだー」と本人が叫ぶほど妖しく?女装させた。(地上波では絶対出来ない)フラフラ軍団は規律が厳しいがフラフラの面倒見もいいので、ひとりもクスリには引っかかってなかった。
 
ちなみにデンデンクラウドの女装には
「やめろー。こいつの女装だけは見たくない」
「これは放送事故レベルだ」
という声があがっていた(本人は身体が半ば女なのに)(*5).
 
29日はあけぼテレビがお休みなのでAT-Groupも地上波のヘルプに駆り出された。
 
30日にはバレエ公演をいつもあけぼのテレビで流している島原バレエ団が臨時公演で“白鳥の湖”を上演してくれたし、31日には葉月がオーナーになっている黒部座(クローブざ)が“マクベス”を上演してくれて、こういうので年内を乗り切った。
 
しかし今年は“テレビガイド”の類いの雑誌が全く役に立たなくなった。
 

(*5) 「男のままだったら絶対性犯罪者と誤解されて逮捕される」と心配した丸山アイ・千里・マリナの3人(じゃんけん女王)により、男性能力の無い半分女のような身体に勝手に変えられた。彼は現在立っておしっこをすることができない。ペニスみたいな感じのものは存在するが排尿機能も無いし勃起しない。(往復運動で一応性的快感は得られるが射精はしない)睾丸が無く、一応卵巣が存在するがとても能力が弱いのでバストは無い。
 
彼は実際通りがかりの女子高生を純粋に見ただけで悲鳴をあげられ、あやうく警官に逮捕されそうになったことがある。
 

レコード協会で急遽発足させたプロジェクトチームで逮捕された人が関わっているCD/DVDなどで回収が必要なもののリストアップ作業が26日夕方から始まる。その結果回収しなければならないCD/DVDが27日朝には第1弾、27日夕方には第2弾発表され、該当CDはまずオンラインストアから抹消され、ついで全国各地のCDショップ、レンタル店等の店頭から回収された。年末で物流が逼迫している時期なので各店舗とも段ボールに入れて積み上げておいた。
 
富士川32とかFireFly20, XETIMA,トラインバブル などの人気ユニットのCDまで回収される。ほかにもアイドル系のCDが多数引っかかっていた。
 
一方でWindFly20(ロースズクォーツがプロデュース)、UFO, スパイスミッションなどは引っかかっていなかったし、§§ミュージック関係・ЮЮレコード関係も引っかかっていなかった。§§ミュージックは松本花子、ЮЮレコードは夢紗蒼依の支援を受けており、あまり無闇に楽曲を外部委託していないのが効いた。
 
今回の事件で摘発された作詩家・作曲家は百道兄弟を含めて20人ほどに及ぶが、§§ミュージックでは“普段から言動に疑問のある人”には楽曲を発注しないよう気をつけていた。そういう人はクスリで捕まらなくても性犯罪・暴力行為などで捕まるリスクもある。
 

地上波は27日・28日様々な番組の再放送、洋画の放映、スポーツ中継などをした。ただし過去の番組ではその番組に逮捕された人が出てないか、慎重にチェックしてから流す。(洋画はほぼノーチェックでいいので洋画が使用された)この世界には芸名をコロコロ変える人がいるので昔の芸名とかで出ていないかもチェックせねばならず、確認作業はかなり大変だった。
 
§§ミュージックの過去の長時間時代劇『The源平記』(12/27-28)『八犬伝』(1/2-3)なども放送された。過去の本放送では§§ミュージックがΛΛテレビに“放送してもらう料金”を支払っているが(CMなどと同じ扱い)、再放送の場合は当然こちらが放映権料をもらう。
 

12月28日(水).
 
逮捕劇はまだまだ続くのかと思われたものの、27日は26日の段階で警察が所在を確認できなかった人の逮捕があっただけで、どうも一連の摘発は終わったようだという認識がもたれる。
 
この中で
「マリちゃんは逮捕されてないのか!」
「あの壊れ具合はてっきりクスリやってるかと思ってた」
「大輔と付き合ってたから大輔からLSDとかMDMAとかもらってるかと思った」
 
という話題がネットで高まった。その問題について複数の芸能人が
 
「マリちゃんの壊れ具合は生まれつきであってクスリではない」
というコメントをして
 
「そうかも!」
という意見が多数になった。
 
「マリちゃんの言動がおかしいのは高校時代からだ」
と指摘する声もあった。
 

警察で事情を訊かれたものの検察が“犯人隠匿罪不成立”として釈放された青島リンナが援護射撃をしてくれた。
 
「大輔はマリちゃんとの結婚を考え、そのためにもクスリはもうやめると言って昨年の春からずっとやめていたようです。だからマリちゃんは大輔の薬物使用については知らなかったと思います。大輔がマリちゃんと付き合っていたのは去年の春から夏までの短い期間だけでしたし」
 
「夏以降は付き合ってないんですか?」
「別れたはずですよ」
「でも赤ちゃん生まれたのでは」
「大輔の子供ではないと思いますけど。その後大輔は今月初めに亡くなったAさんと付き合っていた筈です」
 
「でもリンナさんとの間のお子さんをマリさんに預けておられますよね?」
 
「元々昨年夏に大輔がコロナで入院していた時に頼まれて預かってくれたんです。マリちゃんが大輔と別れた後、マリちゃんからこちらに渡さなくていいかという打診がありましたが、当時私は下の子を産んだばかりでその子を育てるだけで精一杯で。今も次の子を妊娠中ですし。夏絵は可能だったらマリちゃんが預かってて欲しいと頼みました。だからマリちゃんは、大輔との関係ではなく私との友情にもとづいて子供を預かってくれています」
 

マリの見解が聞きたいという記者さんたちの声があったので高校時代からの親友である詩津紅(バックバンドのメンバーでもある)に付き添わせて記者会見をした。
 
同伴者が詩津紅というのは記者たちにも歓迎された。私や若葉が同伴すると記者たちは正直なところを聞きにくい。マリの見解はこうである。
 
・百道大輔とは昨年の9月30日に別れた。
・子供の受精日は11月9日である。だから予定日は今年の8月2日。
・実際に生まれたのは8月3日。
・生まれた子供の血液型はAB型で大輔はO型だから大輔の子供ではない。そもそも月数が合わない。
・大輔は関係ないので子供が生まれたことも報せなかった。
・勝手に来て子供を抱いたりしていたが、特に迷惑でもないので容認していた。
 
詩津紅自身がコメントする。
「確かにマリは妊娠中に『大輔さんの子供じゃないよ。彼とはとっくに別れたし』と言っていました。ただマリの言動はいつもおかしいので」
 
と詩津紅が言うと記者たちは爆笑になる。
 
「それで誰も気にしてなかったんです。他に付き合ってる風の男性も見なかったしやはり大輔さんの子供なんだろうと思い込んでいた。ただその『関係ない』という言葉を聞いてた人はたくさん居ますから、マリの友人何人かに聞いてみてください。誰の子供なのかについて私は聞きましたが、諸事情で今は明かせません」
 

「不倫とかではないですよね?」
という質問がある。
「違います。相手は妊娠時点でも現在でも独身です」
と詩津紅は断言した。
 
「一般の方ですか」
「芸能人です」
 
記者の間から「へー!」という声があがる。
 
「大輔さんはこの子供と関係ないのによく抱いていました。大輔さんの子供である夏絵ちゃんをマリの家で預かっているから大輔さんがマリの家に来るのは全く問題ありません。そして来たついでにマリの赤ちゃんを抱っこするのも大きな問題はありません。ただそれが更に世間に誤解を招いていたのですが、やはりマリは頭が壊れているのでその状況を放置していたようです」
と詩津紅。
 
「私そんなに頭が壊れてる?」
「うん。壊れてる」
「そっかー」
 
また記者たちに笑い声がある。
 

「ちなみにマリは書く詩がぶっとんでいるので∞∞プロの倫理班に言われて年に1回くらいは薬物検査を受けてますが、いつも陰性です。今回も念のため警察の薬物検査を受けましたが、やはり陰性でした」
 
∞∞プロの倫理維持チームは『警察より怖い』と言われている。元警察官・元検事・元自衛官・元消防士などで構成されている。お陰で今回∞∞プロからは1人も逮捕者が出なかった。物凄い大所帯なのに。
 
つまりやっていた人は事前に引退させられている。だから実は以前∞∞プロに所属していた人は何人か逮捕者の中に居た。
 
「マリは“音が見えたり”“色が聞こえたり”するそうです。また宇宙人さんとはお友だちらしいです。こういう感覚はLSDとかDMTとかをやった場合の感覚に似てるらしいです。普通の頭の構造の人だとそういうクスリを使わないと感じられない感覚がマリの場合、元々頭が壊れてるから、普通に体験できちゃうんですね。だからクスリなんかやる必要が無い」
 
「便利ですね」
「全くですね。だからマリみたいになりたくなかったらクスリなんてやっちゃダメよと」
 
それで記者たちはまた爆笑になった。
 
詩津紅同伴のこの会見で記者たちの疑問はだいたい解消されたようであった。
 

この記者会見の後の大林亮平と原野妃登美との会話。
 
「かえでちゃんの父親は芸能人だと言ってるよ。亮平の子供?私怒らないから(←嘘つけ)教えてよ」
「ぼくは一昨年の3月以来、一度も政子とはセックスしてない。かえでちゃんの父親は**だよ」
「そうだったんだ!あの人まだちんちんあるんだっけ?」
「14年前に除去済み」
「ちんちん無くても女を妊娠せられるんだ?」
「まあ色々方法はある」
「りょうちゃんもちんちん取る?無くても妊娠させられるならちんちん不要じゃん。お股にあんなの付いてたら邪魔でしょ?取ってスッキリしなよ。私、りょうちゃんとレズでもいいよ」
「やだ。取りたくない」
 

12月28日(水).
 
世間が騒然としている中、“たぬき組”(姫路スピカ+常滑舞音)のシングルが発売された。下記4曲入りである。
 
『餅取り合戦』(作者不詳・未来居住補作詞・大宮万葉作曲)
『タヌキの悪巧み』(乙女真珠作詞・南海妃呂作曲)
『ターゲットはお前だ』(未来居住作詞・福沢聖子作曲)
『3つカーテンかぁ!』(翔太&リル子作詞・醍醐春海)
 
ジャケットの表紙には姫路スピカが扮する“大ダヌキ”と常滑舞音が扮する“小ダフキ”が映っている。
 
収録された曲はいづれも長時間時代劇『The天下』で使用予定の曲である。
 
『餅取り合戦』は有名な落首「織田がつき羽柴がこねし天下餅、座りしままに食うは徳川」(*6) に歌詞を追加して曲に仕上げたものである。PVでは
 
信長役の白鳥リズム、光秀役の姫路スピカ、秀吉役のアクア、家康役の常滑舞音が出演していて実際に餅を撞いたりこねたりしている。リズムは腕力があるので本当に杵を振り上げて餅を撞いた。
 
乙女真珠はスピカのペンネームである。
 
『ターゲットはお前だ』は本能寺の変だが、一瞬女装?の白鳥リズムが映っていたので「もしかして信長は本能寺から脱出するのか?」という声が出ていた。
 
実際あの事件では信長の遺体が見付からなかったので秀吉は「実は殿は生きておられる。私は殿と連絡を取った」と言って多くの武将を味方に付けるのである。信長が生きているのに明智に加担したら一緒に処刑されるのは目に見えている。
 
『3つカーテンかぁ!』とは“3日天下”の意味。水谷姉妹と長浜夢夜がタヌキの扮装で各々カーテンを持っていた。
 

(*6) この歌は“落首”つまり作者不明の風刺狂歌である。これを武者絵の中に描いた江戸時代末期〜明治期の絵師・歌川芳虎は幕府の怒りに触れ、手鎖50日の刑に処されたという。
 
「道外武者御代の若餅」(嘉永2年(1849)閏4月)

 
絵の中に描かれている言葉は「君が代をつきかためたり春のもち」で信長・光秀が餅を撞き、秀吉がこねて、家康が食べている様子が描かれている。「大将の武者四人にて餅搗之図」とも。
 
問題になった落首はこの絵が描かれたより少し前に現れたものと思われる。彼はこの落首に着想を得てこの絵を描いた。元の落首の下の句に実は5説がある。
 
・骨を折らずに食ふは徳川
・坐りしままに食ふは徳川
・坐って食ふは徳川家康
・ただらくらくと食ふは徳川
・うまうまひとり食ふは徳川
 
歌川芳虎の絵に添えられたものは「座して喰らふは徳の川」になっていたとされる。
 
幕府の権威が揺るいできて尊皇派が台頭してきていた時代の産物か。
 

12月29日(木).
 
この日はあけぼのテレビはお休みであった。しかし§§ミュージックのタレントは全員大忙しで各地上波放送局に行き、様々な“生番組”に参加した。
 
この日の夕方からはΛΛテレビで§§ミュージック制作の大型時代劇『The天下』が放送された。
 
「笑わせることに徹しているのがいいよね」
「タヌキは面白かった」
「忍城(おしじょう)の姫様たち可愛いし格好良かった」
「石田三成役の水巻アバサちゃん、頭が良いのに抜けてる感じが凄く三成らしかった」
となかなか好評であった。
 
この日政子には原野妃登美が付いててくれたが、この放送を楽しそうに見ていたらしい。妃登美の子供・月花(*7) があやめ・夏絵と仲よくなり「あや姉ちゃん・なつ姉ちゃん」といって仲良く遊んでいた。大輝(大奈)は月花を見て少しドキドキ(*7) していたらしいが、月花は“大奈”を
 
「君の妹だよ」
と教えられたので
「だいなちゃん可愛いねー」
などと言っていた、
 
「昔話してあげるねー」
と言って『ももたろう』の話をしてあげてマイメロのパジャマを着ている大奈を寝かせ付けてあげて(本当に寝た)お姉ちゃんぶりを発揮していた(本人も寝た)。
 

(*7) 月花は2020.9.2生まれで法的には大林亮平と原野妃登美の子供なので大林亮平と政子の子供である大輝の姉(同父異母姉)。大輝は2020.10.18
 

12月29日(木).
 
この日から31日まで毎年恒例になっている、§§ミュージックA契約タレント総出演の
 
「今年もお世話になりました。皆様、ありがとうございました」
のCMが民放全局およびあけぼのテレビに流れた。
 
今回「ありがとうございました」のCMに出演したのは下記31組38人である。
 
(6列8人)大崎、高島、山口、南田、佐藤、花咲、山下、桜野
(5列7人)美崎、甲斐姉妹、西宮、原町、ポルカ&ロマン
(4列7人)品川、高崎、ルビー&パール、水谷姉妹、中村
(3列5人)松島、古屋、鈴鹿、夕波、鹿野
(2列6人)坂田、姫路、白鳥、立煌、水森、今井
(1列5人)薬王、常滑、アクア、ラピス
 
指揮者:秋風コスモス(黄)、ピアノ:川崎ゆりこ(C.Bechstein A-192)
 
なお並んだ人の中で、西宮ネオン、立山煌以外は全員白地の振袖である。アクアと舞音は超豪華な加賀友禅の振袖を着ている、
 

12月30日(金).
 
この日はRC大賞なのだが、ほとんどの賞は既に発表されていたのだが・・・
 
事前発表の賞を全て取り消すというアナウンスがあった。そして新たにこの日選定し直した賞が発表された。本来はその日会場に来てくれる人だけが受賞対象なのだが、今年は遠隔地からの中継でもいいことにした。
 
新人賞:東青山少女合唱団、ハラマドラー、加茂川32(京都から中継)、薬王みなみ、八幡酒美
 
最優秀新人賞:八幡酒美
 
作詞賞:橋を作る人々(室蘭氷渡海)高崎ひろか歌
作曲賞:『竹取物語』(鴨乃清見)アクア歌
 
高崎ひろかは「こんな凄い賞に関われるなんて夢みたいです」と言っていた。
 
金賞
北里ナナ『若草の少女』
常滑舞音『舞音がセーラーさんの真似をした』
ローズ+リリー『Rain』
UFO『土星のドーナツ』
スパイスミッション『セーラー服のセイラさんがセーラーさんとセイルした』
ハイライトセブンスターズ『お嬢さん、おうちにお入んなさい』
リダンダンシー・リダンジョッシー『日本を七周半』
松浦紗雪『娘のボーイフレンド』(ハワイからの中継)
長沼清恵『水の谷のバラード』(沖縄からの中継)
大木海路『越後の子守唄』
ビンゴアキ『三角形の窓』
山森水絵『おじいさんの手の歴史』
 
最優秀歌唱賞:北里ナナ
RC大賞:大木海路
 

30日の朝!##放送の鶴岡編成部長から私のスマホに電話が掛かって来た。
 
「ケイさん今どちらですか?」
「信濃町の§§ミュージックの事務所ですが」
「マリさんは?」
「小平市(こだいらし)の実家です」
「今日の夕方、新国立劇場におふたりで来て歌唱することは可能でしょうか」
「できます」
「助かった。でしたら金賞を差し上げたいのでぜひ来て下さい」
「分かりました。参ります」
 
それで私は事務所の方はコスモスたちに任せてマリの所に行くことにし、佐良さんを呼んだ。それで彼女を待っていた時、突然霊能者の中村晃湖さんから電話が掛かってくる。
「青葉ちゃんから、私が必要な案件があるから助けて欲しいと連絡があったんですがどこに行けばいいですか?」
 
私はびっくりした。青葉自身が来られたらいいのだろうが、あいにく妊娠中では動けない。それで中村さんに頼んだのだろう。私は新宿信濃町の§§ミュージック事務所まで来て欲しいと言った。
 
佐良さんが先に到着したが、中村さんが来てから、3人で小平市に向かう。それで私は道々状況を説明した。
 
「これは守秘義務があるので決して口外しません。マリさんは実際には百道大輔さんとは付き合っていたのですか?」
「私にも分かりません。確かに大輔さんの娘さんを預かっていたし、大輔さんはよくマリを訪ねてきていました。でも確かにセックスはしてなかったんですよね。妊娠中・出産直後というのがあったからかも知れませんが」
「でも血液型の問題があるなら、間違い無く大輔さんの子供ではないですね」
「そうなんですよね。マリの言葉をどこまで信じていいか分からなくなっています」
 
「ケイさん、あなたはマリさんの言葉を全て信じてあげなくてはいけません。それがパートナーというものです」
 
私は考えた。
 
「全くその通りです。マリの言葉を全て信じることにします」
 

マリは中村さんが来たことにびっくりした。
 
「まずヒーリングします。3時間ほど2人だけにしてください」
「お願いします」
 
それから中村さんはマリのヒーリングをしていたが、中村さんが一通りヒーリングを終えてふたりで一緒に出て来た時、マリはかなり泣いた形跡があった。
 
「それで冬の用事は何だったんだっけ?」
「ローズ+リリーの『Rain』がRC大賞の金賞を取ったんだよ」
「嘘。今年は取れなかったか、とうとう連続出場が途切れたなと思ってたのに」
「クスリで大量に逮捕者が出て金賞受賞者やそのマネージャーやバックバンドメンバーからたくさん逮捕者が出た。それで完全に選考をやり直した」
「すごーい。補欠合格みたいなもんか」
「まあそんなもんだね」
「でもバックバンドの人が逮捕されてもダメなんだ」
「社員のやったことに社長も責任を取るみたいなもんだよ」
「そうか。上に立つ人は辛いね」
 
「マリ今夜歌える?」
「歌うよ。ケイは忙しいだろうから詩津紅ちゃん呼んで練習してる」
「よし」
 
それで詩津紅を呼びスタジオで練習していてもらった。私は電話とメッセージの連絡でコスモスたちと連絡を取りながらタレントの調整作業をした。
 

16時頃風花が来てくれた。それでステージ衣装に着替えてメイクをし、17時頃佐良さんに送ってもらい渋谷の新国立劇場に入る。放送局の人が私たちの顔を見てほっとしたように
「マリさん、色々大変でしたね。大丈夫ですか」
と声を掛けてくる。
「私は平気ですよ。通常運転中です」
 
いや、マリの通常運転はかなり危ない。
 
千里がいるので手を振る。
「千里は誰ので来てるんだっけ?」
 
「作曲賞、アクアの『竹取物語』、金賞・北里ナナの『若草の少女』どちらも鴨乃清見名義。『若草の少女』の歌詞を書いた川南も来ている。事務所からはコスモスちゃんが同伴する。更に山森水絵『おじいさんの手の歴史』これも鴨乃清見名義。これには紅川副社長が同伴する。私は両方掛け持ち」
 
「あ、そうか。鈴木社長はハイライト・セブンスターに付いてるんだ」
「そうそう。それで紅川さんは宮古島から出て来た」
 
私は紅川さんにも挨拶した。
「今朝からコスモスちゃんにHonda-Jet を手配してもらって熊谷まで飛んできた。いやもう今日はパニックだね」
「これでもだいぶ落ち着いて来たんですけどね。27日あたりがピークでした」
 
紅川さんもマリの精神状態を心配していたが
「別に関係ないので平気です」
と言っていた。
 
なお常滑舞音の受賞作『舞音がセーラーさんの真似をした』は福沢聖子作曲なので峰川イリヤんが代理出席している。事務所の付き添いは川崎ゆりこである。福沢聖子は奥村春貴(現・H南高校教諭)がまとめた南海妃呂をベースにして峰川イリヤさんが舞音用に調整した。その後、舞音自身の好みで日々微調整されている。だから実は福沢聖子の主体は舞音自身である。この曲の作詞者は未来居住(舞音)なので、ほとんど舞音の自作自演である。
 

『Rain』は楽しい曲なのでマリは笑顔で歌っていた。
 
歌の途中で姫路スピカと南田容子(赤い傘)、入瀬姉妹(黄色い傘)、神頼み(緑の傘)、水谷姉妹(青い傘)、古屋4姉妹(すみれ色の傘)が出て来てくれて、賑やかなステージになった。
 
水谷姉妹は常滑舞音の曲でもCAT sisters のメンバーとして“セーラーさんの服”を着て躍っていた。(セーラー服は宮地ライカ・知多めぐみ。2人は中学生)
 
最優秀歌唱賞には北里ナナ『若草の少女』が選ばれ、ナナ(アクア)は事前に聞いていなかったので(本当にこの場で決めたのだと思う)、驚いていた。でもステージに上がり、賞状を受け取る。それを高村マネージャーに預けて、金平糖と一緒にしっかり歌唱した。金平糖の3人もしっかりバックコーラスを務めた。アクアもさすがに最後は涙ぐんでいた。
 
北里ナナの衣装は若草色のAラインドレスであった。作曲賞で『竹取物語』を歌った時は奈良時代の女性の衣装であった。あんな複雑な衣装を短時間で脱げるわけがないので、『竹取物語』を歌ったアクアと『若草の少女』を歌った北里ナナは別人である。恐らく『竹取物語』が弟で『若草の少女』が姉だろうというのが多くの人の見方であった。ちなみにどちらも女性衣装のような気がするが、たぶん本人も気付いていない。
 

ところで最優秀歌唱賞・決定の時アクアのそばに居たのはコスモスではなく高村であった。それはこういうことが起きたためである。
 
コスモスがRC大賞の会場でステージパフォーマンスを見ていたら、高村友香マネージャーが「失礼します」と言って会場に入ってきてコスモスの耳に何かささやく。それでコスモスは高村から渡されたスマホを持って会場の外に出る。高村が代わりにアクアの隣に座る。
 
会場のホール外に出たコスモスは電話を取る。
 
「大変お待たせしました。伊藤です」
「お忙しい所まことに申し訳ありません。日本放送協会の沢田です。コスモスさん申し訳無い。紅白の出演者がどうしても足りないんです。紅組と白組1名ずつ推薦して頂けませんか。北里ナナちゃんが紅組ですけど、なんならそれにプラスして白組にアクアちゃんでもいいですよ」
 
現在は12/30 21時半頃である。必死で調整作業をしていたものの、どうしても埋まらなかったのだろう。
 
「面白いですけど出たい人がたくさん居る紅白でそういうことをしては出たいのに出られなかった人に申し訳無いので、紅組は白鳥リズム、白組は立山煌で」
 
「分かりました。それでお願いします」
 
と向こうはホットしたように言った。
 
それでコスモスは女子寮に居る海浜ひまわりに白鳥リズムと立山煌を女子寮1階の寮母室に呼び出すように言い、自分は近くで待機しているはずの専任ドライバー・ 美坂美知代を呼び出して五反野に向かう。これが22時過ぎである。
 
そしてコスモスは寮母室に来ていた2人に告げた。
「あんたたち、明日の紅白に出てね」
「えっと誰のバックですか」
「バックではない。君たちが歌う」
 
白鳥リズムは昨年も出ただけあって笑顔で「やりますやります」と言ったが、立山煌は驚いて「僕が歌うんですか〜?」と言っていた。
 

12月31日(土).
 
この日は朝からあけぼのテレビでカウントダウンライブが行われた。会場は越谷の小鳩アリーナである。ここを使うのはステージが前後2つあり交互に使うことが出来るので演奏している間に次の出演者がスタンバイできるからである。視聴者のWebカメラとつながるモニター(実際にはプロジェクタのスクリーン)は回転椅子の上に乗っていてボタン1つで一斉に180度向きを変えることができる。
 
8:00 AT Group
8:15 New Face
8:30 信濃町ガールズ
 
最初AT6(鈴鹿あまめ・夕波もえこ・古屋あらた・松島ふうか・鹿野カリナ・山本コリン)が出てこの日の番組構成や有料番組の見方について説明する。そして今年信濃町ガールズに加わったメンバーを紹介する。ここでは学年順に紹介する。ただし姉妹やペアの人はセットで紹介する。19組26人である。名前を呼ばれたら前に出て10秒程度何か歌う!紹介役は山本コリンである。
 
高校生(1組2人)
広瀬みづほ(高1)+広瀬のぞみ(高3)
 
中3(4組5人)
早幡そら
酒田レモン
三国舜 今年唯一の男子!
川泉パフェ(中3)+川泉スピン(高2)
 

中2(10組15人)
花畑バニラ+米田ショコラ“ツイストクリーム”
西浜ももこ+南里くりこ“ももくり”
麻生ルミナ+紺青セイラ“神頼み”
入瀬ホルン(中2)+入瀬コルネ(高1)
夏江フローラ
月城たみよ(中2)+月城としみ(高1)
水巻イビザ
筒木サリナ
山口ヨルカ
清水スピリ
 
神頼み(ひまわりの命名)+入瀬姉妹で“くれは西”となる。
 
中1(4組4人)
七石プリム
春野わかな
鏡家トマト
氷川チャイム
 
鏡家トマトは各務原(かかみがはら)出身なので鏡らしい。トマトは回文名前。それに彼女のおじいさん・おばあさんがトマトを作っている。
 
氷川チャイムは伊奈町の小室氷川神社のすぐそばが実家であることから。チャイムは小学生の頃彼女がいつも学校にチャイムぎりぎりに飛び込んでたから。
 
今年の昇格者で男の子は三国舜のみである。一応ほぼ女の子という男の娘は何人かいるようであるが、既に男の子に戻るのは不可能な状態にある子ばかりのようである。(*8)
 

(*8)今年加入の男の娘たち
 
性転換済み
広瀬のぞみ(高3)
入瀬コルネ(高1)
月城としみ(高1)
氷川チャイム(中1)?(ひまわりは性転換させたと言っている)
 
未転換
川泉パフェ(中3) ホルモン服用により男性機能喪失済み。バストあり。
早幡そら(中3) 実はほぼ男の子。でもアセクシュアルだから問題無い。
七石プリム(中1) 実態不明。でも女子中生として普通に過ごしている。
 
早幡そら・七石プリムは、普通に女子更衣室で着替え、身体測定なども普通に女子と一緒に受けている。
 

ニューフェイスの紹介が終わった後は彼女たちを含めて信濃町ガールズ総出演でパフォーマンスをする。そのあと、姉妹組など小ユニットの演奏がある。
 
9:00 ツイストクリーム
9:10 ももくり
9:20 まろみJunior(広瀬みづほ・春野わかな・酒田レモン)
9:30 川泉姉妹(川泉パフェ・川泉スピン)
9:40 月城姉妹(月城たみよ・月城としみ)
9:50 古屋姉妹(古屋あらた・あんころ・きんつば・おだんご)
10:00 広瀬姉妹(広瀬みづほ・広瀬のぞみ)
10:10 くれは西(入瀬ホルン・入瀬コルネ・麻生ルミナ・紺青セイラ)
10:30 甲斐姉妹
10:45 水谷姉妹
 

以上が“前座”で無料放送であった。このあと有料放送時間帯に入る。演奏は30分または1時間である。今年デビューした人はさすがに1時間歌えるだけの持ち歌が無いので30分になっている。
 
11:00 立山煌
11:30 薬王みなみ
12:00 常滑舞音(1h)
13:00 ラピスラズリ(1h)
14:00 白鳥リズム(1h)
15:00 ルビー&パール(1h)
16:00 高崎三姉妹(1h)
17:00 品川ありさ(1h)
18:00 ロマン&ポルカ
18:30 美崎ジョナ
19:00 西宮ネオン
 

この後19:20から紅白が始まるのでその間は無料放送である。紅白で§§ミュージックの歌手が歌うときもこちらの放送は停めない。
 
19:30 ローザ+リリン
 
(紅白)1940立山煌 1944 薬王みなみ 1956常滑舞音
 
20:00 花咲ロンド
(紅白)2015ラピスラズリ
 
20:30 原町カペラ
(紅白)2035白鳥リズム
 
21:00 桜野レイア(1h)
 
(紅白)2200北里ナナ
 
22:04 川内みねか(1h)
 
花ちゃんの演奏は北里ナナの歌唱が終わってから始まる。それまではトークで繋ぐ。そして23:00の姫路スピカからまた有料放送になる。(紅白は23:45まで)
 
23:00 姫路スピカ(1h)
0:00 アクア(1h)
1:00 end
 
姫路スピカがカウントダウンをして
「ハッピーニューイヤー」
の声と共にアクアの演奏が始まる。
 

2023年が明ける。
 
民放各局とあけぼのテレビでは§§ミュージックのご挨拶CM・新年版が放送される。
 
秋風コスモスの指揮で川崎ゆりこがグランドピアノでドミソ−シレソ−ドミソの和音を弾き、A契約のタレント全員で
 
「明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします」
のメッセージを言う。
 
人数は年末版から4人(山本コリン、広瀬みづほ 、月城たみよ 、川泉パフェ)増えていて、35組42人になっている。
 
ネオンと煌以外は、青地の振袖である。
 
(6列8人)大崎、高島、山口、南田、佐藤、花咲、山下、桜野
(5列8人)美崎、甲斐姉妹、西宮、原町、ポルカ&ロマン、広瀬
(4列8人)品川、高崎、ルビー&パール、水谷姉妹、中村、月城
(3列7人)松島、古屋、鈴鹿、夕波、鹿野、山本、川泉
(2列6人)坂田、姫路、白鳥、立煌、水森、今井
(1列5人)薬王、常滑、アクア、ラピス
 
その後、35組のタレントが1組0.6秒ずつメッセージボードを持って笑顔で手を振ったり何かサインを出したりしていた。
 
年末はピアノがC.Bechstein A-192で黄色い指揮棒だったが、今年はピアノは Yamaha CF4(191cm) で水色の指揮棒であった。
 
2015 青 Kawai GX-7 229cm
2016 黒 Yamaha C7X 227cm
2017 赤 Kawai SK7 229cm
2018 銀 Yamaha S6B 212cm
2019 桜 Steinway A-188 (Parlour Grand)
2020 緑 Boesendorfer 170VC
2021 白 Kawai CR-40A 185cm
2022 黄 C.Bechstein A-192
2023 水 Yamaha CF4(191cm)
 
 
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【夏の日の想い出・日日是好日】(2)