【春曙】(3)
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(C)Eriko Kawaguchi 2020-09-04
季里子が唐突に沈黙したので、舐めてあげていた桃香は
「どうしたの?」
と尋ねた。
「いや、私って男の人と1度も経験しないまま二児の母になっちゃったんだなと思って」
と季里子は言う。
「何を今更。でも結婚していた人とは一度もしなかったの?」
と桃香は尋ねながら、彼の名前何といったっけ?と思い出そうとしたものの、思い出しきれなかった。女装姿が可愛かったなあ、などと思いながら、あれ?自分はどこでその人の女装姿を見たのだろうと考えるが思い出せない。
「してない。セックスしないし、裸もお互い見せないという契約だったから。人工授精用の精液を提供してもらっただけ」
「不思議な結婚生活だ」
「法的に入籍しておかないと人工授精してもらえなかったから」
「それ要求しない病院もあるのに」
「桃香はよくそういう病院見つけたね。でも桃香、その人とはセックスして受精したんじゃなかったんだっけ?」
「セックスして子供ができたのは、長崎の子なんだよ」
「あ、そうか。早月ちゃんは人工授精なんだよね」
「そうそう。だから私は男とは2人セックスしてるけど、どちらともセックスでは子供を作っていない」
「それ本当に男なんだっけ?」
「一応男だったと思うけど。ひとりは女装趣味だったし、ひとりはMTFだったけど」
「そのMTFというのが、千里さんだよね」
「そうそう。早月の父親」
「千里さんとセックスしたのは大学生時代?」
「うん。精液の採取をしてもらったのも大学生時代」
「千里さんっていつ性転換したの?」
「たぶん高校生時代」
「だったら大学生時代にセックス出来たわけがないし、精液を採取できた訳がない」
「実はそこは謎なんだよ」
「もう一人の男性というのは?」
「あいつは女装していても、性格的に完全に男だった。それで私は醒めてしまったのだが」
「その人とは、桃香が女役したんだよね?」
「お互いに**ルドーつけて、じゃんけんで勝った方が男役、というゲームをよくしていた。ジャンケンは私が8割くらい勝ってたけど、何度か私が負けて、ちんちん切り落とされちゃったから仕方なく女役をした。女役は楽しくない」
「待って。彼も**ルドー付けてたの?」
「そうだけど」
「だったら彼はおちんちん無かったの?」
「あるけど小さいと言ってた。だから**ルドーでセックスできるようにしたんだよ。ちんちんを中に入れられるタイプあるだろ?ちんちんがプラグ代わり(*3)」
「それ、本当にちんちんあったの。実物見たことある?」
「いや、小さくて恥ずかしいから見られたくないと言うから、無理に見たことはない」
「それ本当は既にちんちん取っちゃってて、**ルドーで誤魔化していたということは?」
「そんなこと言われると自信が無くなる。でも彼はその後、天然女性と結婚して子供も2人産んだぞ」
「ふーん。その彼が産んだんだ?」
「あ、違う。相手の女性が産んだ」
「それも怪しかったりして。実はその彼が産んだのかもよ」
「むむむ」
「つまり、桃香も実は男性との経験が無いんだな」
「そう言われると自信が無くなってきた」
千里としたのも、ほとんどが自分が男役だったしなあ、と桃香は当時のことを思い出していた。
(*3) **ルドーをハーネスに取り付ける方式は2種類ある。ひとつはリング式といい、ハーネスに穴が空いている(♀型)ので、土台または吸盤のついた**ルドーをそこに通して固定するもの。もうひとつがプラグ式といって、ハーネスにプラグという突起が出ている(♂型)ので、そのプラグに取り付けるものである。男性が**ルドーを使う場合、ハーネス無しで中空になっている**ルドーを自身の棒状器官にかぶせる方法がある。要するに自身の器官がプラグ代わりになるのでハーネス無しで**ルドーを使用できる。これは、EDの男性に結構な愛用者がいるらしい。
実際には桃香の元彼・研二は自分の男性器をタックして女性股間偽装した上で、女性用の接着型ハーネスを付けて桃香とセックスしていたのだが(実際には、その偽茎を根元から切り落とされて、女役をさせられていた)、男性器に無知な桃香は気づかなかった。そもそも中に男性器が入っている偽茎を切り落としたら男性器も無事では済まないはずだが、桃香は“なーんにも考えていない”。
青葉の当面の勤務体制はこのようになることになった。
朝6時出社/午前中のニュースを読む/昼12時退勤。
水連側から、来年の東京五輪まで、できるだけ負荷が掛からないようにして欲しいという要望があったので、レギュラー番組は持たせないことになった。時間が取れる時に『作曲家アルバム』の撮影をおこなうが、『作曲家アルバム』は7月上旬放送分まで撮り貯めがされているので、コロナの折、5月いっぱいまでは撮影を休むことを決めた。
それで青葉はだいたいお昼を食べた後、20時くらいまで津幡のプールで練習して、21時には自宅に帰り、ぐっすり寝て翌日朝5時に自宅を出て〒〒テレビに出社するという生活を送ることになった。自宅→金沢→津幡→自宅の移動は自分の車(March NISMO S)を使用する。実は“赤いアクア”は明日香が東京に持って行ったままになっている。彼女がどうもずっと使っているようなので、まあいいかと思っている。
明日香は金沢支店配属の予定だったのが、社長に気に入られてしまい、本社勤務になって社長の運転手をしているらしく、夜間の運転練習にアクアを使用しているようだ。東京の道路はかなり練習しておかないと、なかなか恐い。金沢などとはまるで“レベル”が違う。曲がり損ねると20-30km迂回するはめになる。一方通行が物凄く多いし車線変更が大変である。更に路駐が行く手を阻む。明日香は千里姉から“練習問題”を与えられて、毎晩指定された地図に沿って運転しているらしいが毎晩1回は失敗すると言っていた。しかし前の晩に練習した所を翌日社長の車できれいに通過して「よく今の所間違わなかったね」と社長秘書さんから褒められたこともあったらしい。翌日使う所を練習問題として出すというのは、さすが千里姉である。
青葉は土日は休みなので、1日中津幡で泳いでいる。なお、霊的な相談はできるだけ断るようにする。関わってしまうと、霊は平日も土日も関係無いので、テレビ局の仕事に影響が出かねないからである。
『北陸霊界探訪』の6月放送分は幸花たちで何とかしてくれるということだったが、9月放送分については、6月くらいに打ち合わせをしようと神谷内さんは言っていた。
津幡のプライベートプール(4.17-5.01日はアクアゾーン地下の50mプールで代替)であるが、3月末の段階でここで泳いでいたのは、青葉、ジャネ、南野里美、竹下リルの4人だったのだが、緊急事態宣言で全国的にプールが閉鎖されてしまったので、練習場所を求めて、仙台の金堂多江が4月4日(土)やってきた。東京の永井さんも来たいと言っていたが、会社の許可が下りなかったようである。会社としては社員がよそのスイミングクラブで泳ぐことに難色を示したし、移動中の感染リスクも心配だったようである。金堂さんの場合は学校が休校になっているし、向こうのスイミングクラブでは“生徒”なので、他の所で泳ぐのも全然問題無い。
金堂さんは取り敢えず学校が再開されるまで津幡に滞在するという話だった。水連から「移動するなら公共交通機関は使わないで」と言われたので、彼女はお父さんの運転する車(トヨタ・ライズ)で仙台から津幡までやってきた。今回のコロナは肺機能に後遺症が残る場合があるが、それは水泳選手にとって致命的になりかねないので、水連も有望選手の感染対策にはかなり神経質になっている。
金曜日の夜に出発して土曜日の夕方到着しているが、親不知(おやしらず)付近の海岸の景色が素晴らしかったと言っていた。磐越道も本当は素晴らしいのだが、通過したのが夜間なので磐梯山などの風景は見ていない。
「ここ食事はどうするの?」
とお父さんが尋ねたが、案内役を買って出た竹下リルが
「頼めば部屋の前まで置き配方式でデリバーしてくれますし、ホテルのラウンジで食べてもいいんですよ」
と言って、宿泊する火牛ホテルの部屋から、広いラウンジに案内する。この火牛ホテルはアクアゾーンの2階に作られているので、幅が120mもある。その前面部分をラウンジにしているので、このラウンジは120m×10m という大きな道路のような空間になっている。
そしてこのラウンジに多数のテーブルが入口側の壁沿いに並べられているが、各々のテーブルの間隔は2m以上空けられており、透明ビニールシートで周囲を囲まれている。
「感染対策しっかりしてるね」
とお父さんは言いながら、娘と一緒にひとつのテーブルに座る。リルが各テーブルに付属したウォーターサーバー(実はただの水道?)から水を、置かれているコップに汲んで配った。
「ありがとう。水はセルフサービスか」
「コップは使用されているいないに関わらず1時間単位で回収して洗浄しているそうです」
「結構徹底しているね」
「各テーブルの下に空気の吸い込み口があるから、呼吸で吐いた息の多くが排気口に吸い込まれて2階と1階の間に設けられた緩衝ゾーンから空気清浄施設に送られ、ウィルスを通さないフィルターで処理された後、屋外に排出される仕組みになっているそうです」
「なんか凄いね」
「感染対策だけで億の予算を注ぎ込んでいるみたいですよ」
「よくやるなあ」
とお父さんはかなり安心した感じである。
「体育館の地下にスポーツジムができる予定だったんですが、そこがコロナの影響で開業のメドが立たないというので、結局入店キャンセルしたんですよ」
「ああ、スポーツジムは厳しい」
「それでその空いた部分に空気清浄施設を作り込んだみたいですね」
「ああ。結構なスペースを食うよね、そういう施設は」
「注文はベルか何か鳴らすのかな?」
「テーブルに組み込まれているタブレットで注文するんですよ、そこのボタンを押して下さい。カバーが開きますから」
「なるほどー。これって、お寿司屋さんにあるのと同じだ」
「そうです、そうです。あのシステムを取り入れてるんですよ」
それで多江は、ハンバーグとチキンのダブル定食、お父さんは桜鱒御膳、リルは唐揚げ定食を頼んだ。それでしばらく話している内にお父さんが
「しかしこんな広い所に配膳するほうも大変だろうね」
と言っていたのだが、プォーという音と共に“新幹線”に乗って料理が運ばれてきた!
テーブルは壁際に並んでいるのだが、その壁の所に料理のトレイが乗る幅の通路が設けられており、“新幹線”がそのトレイを牽引してくるのである。
「これもお寿司屋さんのと同じシステムだ!」
「でないとここ広すぎますからね。人が配膳するのは大変ですよ」
「確かに確かに」
「感染防止にもなりますし」
「それもあるよね!」
「ちなみにコップの交換とか、料理の皿を下げたりする作業をする人は、電気自動車に乗ってラウンジ内を回るんですよ」
「歩いて回るのは大変そうだもんねー」
その“回収係”さんが回ってくる所に遭遇したが、お父さんはその“装備”にびっくりしていた。
「なんかSFの世界だ」
「プラスチック・スタイルらしいです」
「へー」
「実は防護服ではないかという説もあります」
「確かに!」
金堂さんのお父さんは津幡で娘の部屋に1泊してからライズを運転して仙台に戻っていった。
金堂さんに続いて、東京に住んでいる筒石も練習場所を求めてジャネ(マラ)の運転する車(Volvo XC90 T8)に乗って津幡に移動してきた。
それで津幡の火牛ホテルの住人は、南野、リル、多江、ジャネ、筒石&マラ、の5組となった(ジャネの部屋とマラの部屋は別!)。青葉は自宅からの通いである。リルも自宅から通えるが
「ここは御飯が遠慮無く食べられるし、部屋を片付けろと叱られもしない」
などと言って泊まり込んでいる。
(ここでの食事代は若葉からの無償提供:リルや多江のお母さんはきっと御飯を炊きすぎて「あっ」とか思っている)
§§ミュージックは2020年4月2日(木)“信濃町ミューズ”を発足させると発表した。
現在、§§ミュージックに所属する研修生(B契約)の子たちは、まとめて信濃町ガールズと呼ばれているが、実際に信濃町ガールズとして活動しているのは中学生が主力で、高校生のメンバー(入団半年以内を除く)は仙台クレールでの定演や、ふつうのテレビ番組でのバックダンサーなどには参加しない。紅白などの大舞台や、ドームツアーなど、また中学生が出演できない時間帯のバックダンスなどにのみ出場しており、ドラマの端役やレコーディングの際のコーラス入れなどの方がむしろメインになっている。そして実は高校も卒業してしまったものの、デビュー予定の無い子もいる。
そこでコスモスはケイや醍醐春海などと話し合い、曖昧な位置づけになっている彼女たち(一部男子もいる)を信濃町ミューズと命名したのである。なお地方在住のメンバーでその地域で行うライブにのみ参加する人たちは、30歳になるまでは信濃町ガールズのままでいいことにした(30歳以上については処遇検討中)。
信濃町ミューズの初期メンバーはこの8名である。
2000年度生れ
悠木恵美 2017RGC9位
2001年度生れ
桜井真理子 2018RGC4位 (リーダー)
2002年度生れ(高3)
木下宏紀 2016RGC10位(信濃町ガールズ最古参)
三田雪代 2017RGC2位
2003年度生れ(高2)
太田芳絵 2019RGC4位
篠原倉光 (応募参加)
2004年度生れ(高1)
中村昭恵 2017RGC3位
斎藤恵梨香 2019RGC10位
リーダーは最年長の悠木恵美に頼もうとしたら、自分はそういう柄ではないと辞退したので、桜井真理子を任命したが
「うっそー。私より先輩がたくさんいるのに」
と言って焦っていた(でも受諾してくれた)。
基本的には中学生が出られない20時以降のテレビ番組には信濃町ミューズが出ることになるので、実は仕事内容はこれまでとあまり変わらない。また音源制作は深夜に至ることもしばしばあるので信濃町ミューズ優先で考える。これも実は今までと変わらない!
ユニフォームは、信濃町ガールズはミニスカだが、信濃町ミューズは少しお姉さんということで、膝上のいわゆるミディ丈のプリーツスカートをベースとしたものを配布した(実は年末頃から考えてデザイナーさんに依頼していた)
「新しいユニフォームは男女問わずプリーツスカートだから」
などと言って川崎ゆりこ副社長がユニフォームを配布したので、スカートを渡された篠原倉光が心細そうに
「どうしてもスカート穿かないといけません?」
とコスモス社長のところに行って聞いてみたら
「え?男子にはショートパンツを用意したはずだけど」
と言われ、無事ショートパンツのユニフォームを受けとった。
でも木下宏紀は初回のステージをスカートの衣装で務めてから、篠原の服を見て
「あれ?パンツもあったの!?」
と驚いていた。
「もちろんスカート穿きたかったらスカートでもいいよと社長は言ってた」
「ぼくもパンツがいい」
ということで、彼もショートパンツのユニフォームを不本意そうな川崎ゆりこから受け取り、2度目のステージからはショートパンツで踊った。他の子たちは
「ヒロちゃんもクラちゃんもスカート姿可愛いのに」
などと言っていたが(この子たちはセクハラ的な意図はなく、純粋に言っている)。
高崎ひろかのバックで踊ったこの信濃町ミューズ初ステージの録画は、貴重な木下君のスカート姿が見られるというので、ファンの間ではかなりコピーされまわったようである。むろん彼の性別を知らない人が見たらふつうに女の子が踊っているようにしか見えない。
リセエンヌ・ドオの4人(佐藤ゆか・南田容子・山口暢香・高島瑞絵)は信濃町ガールズに形式上在籍していても、信濃町ガールズの活動には全く参加していなかったが、正式に卒業ということになった。彼女たちはミューズにも参加しない。非公式ユニット名だった“リセエンヌ・ドオ”が正式名になった。(佐藤ゆかは高校を卒業してしまったが)
大崎志乃舞は既にテレビのレギュラーを2本持っており、信濃町ガールズの活動には全く参加していなかったが、彼女も正式に卒業となり、ミューズにも所属しない。
なお、2014-1015年度のロックギャルコンテストの入賞者で研修生になっていた子は、全員デビューまたは退所している。
第1回(2014)
優勝.田代龍虎(中1 2001)“アクア”(性別違い?)
繰上優勝.柴田邦江(中3 1999)“高崎ひろか” 初代ロックギャル
3.月嶋優羽(中2 2000) (2014フレッシュガール2位)“三つ葉”
4.川内峰花(高1 1998) “花ちゃん”“山下ルンバ”
6.仲原恵海(中3 1999) “透明姉妹”
優勝した田代龍虎がコンテスト終了後に男の子であることが判明した(*4)ため、初代ロックギャルは繰り上げで柴田邦江が名乗ることになる。
(*4)本当に男の子なのかは疑惑がある:当時の寮生のほとんどから裸を見られて“女の子である”ことを確認されている。
仲原恵海は2016年度いっぱいで退所し、モデルをしていた従姉の仲原智美と一緒に“透明姉妹”を結成して自主制作でCDを出していたが、2018年度のローズクォーツ代理ボーカルとなり(ケイの推薦)、一躍名前が売れた。2019年春に代理ボーカルを辞めた後もCDは売れているしライブも3000人クラスの会場を埋めるレベルの人気を維持している。事務所は事実上2人の会社“透明人間株式会社”でUTP事務取扱。結果的にUTPの主力アーティストのひとつとなった。
第2回(2015)
優勝.秋田利美(小5 2004)“白鳥リズム”(年齢不足)
繰上優勝.大村祭梨(高1 1999)“花咲ロンド”2代目ロックギャル権利者(名乗らず)
特別賞. 穂高充乃(高1 1999)“西宮ネオン”
3.川内峰花(高2 1998) ↑参照(研修生の再出場はこれが最後)
8.佐藤ゆか(2001) “リセエンヌ・ドオ”
10.南田容子(2002) “リセエンヌ・ドオ”船橋市在住
12.溝口ルカ(2002) “ブンブン”八王子市在住
穂高充乃はコンテストの途中で男の子であることが判明したため選考除外され、特別賞になる。秋田利美はコンテスト終了後に小学生であることが判明したため大村祭梨が2代目ロックギャル権利者になったが彼女はこの称号を辞退した。彼女は1年間研修生をして2016年コンテストに再出場しようとしたが、君の実力は分かっているからコンテストに出る必要は無いと言われてそのままデビューとなった。彼女が2015年時点でデビュー辞退したので特別賞の西宮ネオンが実質的な優勝者として扱われて、アクア・高崎ひろか・品川ありさに次ぐ4人目のスターとして初期の§§ミュージックを支えた。
溝口ルカは2016年度一杯で退所して、ガールズバンド“ブンブン”を結成した。このバンドには後に2016年入賞者の吉沢蕾美も参加する(退任したギタリストの後任)。ブンブンは松梨詩恩(高崎ひろかの実妹)も所属する♪♪ハウスの所属なので、§§ミュージックとの関わりは切れていない。
リセエンヌ・ドオは↓の2人とともに2017年頃からこの4人でよくバンド演奏したり、一緒に旅行などに行ったりしていたが、2019年春、花ちゃんが、このユニット名を付けて、コスモス社長にプッシュし、この4人を実質まとめ売りしてあげたもの。非公式ユニットだったので2020年春になるまで、ホームページには記載が無かった。
第3回(2016)
1.中井朋絵(高1)“姫路スピカ”第3代ロックギャル
2.山口暢香(中1 2003)“リセエンヌ・ドオ”
3.門脇真悠(中1 2003)“大崎志乃舞 ”
4.吉沢蕾美(中2 2002)“ブンブン”
5.高島瑞絵(中1 2003)“リセエンヌ・ドオ”
8.吉田和紗(高3 1998)“桜木ワルツ”
10.木下宏紀(中2 2002)信濃町Girls→信濃町Muse
ロックギャルコンテストになぜか男の子が混じり、しかも上位に進出するのは毎年のことで、運営側も諦めている。年齢チェックも兼ねて住民票チェックまでしているのに見落としているのである。そういう訳でこの年は3位と10位に男の子が混じってしまった。但し門脇真悠は“男の娘”で木下宏紀はふつうの“男の子”である。門脇真悠は本人の希望によりスカートしか穿かせていない。木下は例によって『女の子のコンテストとは知らなかった』と言っていた(門脇真悠は確信犯)。木下は応募も姉が勝手にしたもので姉自身は地区予選で落ちているが、姉は付き添いで本戦まで付いてきて彼にスカートや女の子水着を着せている。そういう服を着せられて疑問を感じなかった方も感じなかった方だが。
木下宏紀は声域が広くアルト領域まで声が出るので、女の子たちに混じってコーラスをするのにも問題無い(声域が広いことからしばしば仮歌を入れる係にもなっている)。時々去勢していると誤解されているが彼は声変わりは済んでいるし、女の子になる意志もない(はず)。
2020年の段階(高3)ではまだ女の子の服を着せたら女の子にしか見えない感じで、男性的な発達は遅れているようである。彼は喉仏もあまり目立たないし、手に触っても女の子の手のような感触である。(それで女性ホルモンを飲んでいると誤解されていたりする)
「でもヒロちゃんスカートとか持ってないの?」
「母ちゃんが勝手に買ってくるから私服ではむしろスカートの方が多い」
「じゃ穿いてるんだ?」
「道理でスカート姿に違和感がないわけだ」
「なんか穿きこなしてるもんね」
「家の中では穿くけどそれで外出するのは恥ずかしい」
「恥ずかしがらなくてもいいのに」
「お仕事の時、スカート穿いて来なよ」
「そしたらスカートのユニフォーム着せられそうだし」
「全然問題無い気がする」
「高校には女子制服で通っているんでしょ?」
「男子制服だよぉ」
「女子制服持ってないんですか?」
「持ってないよ」
「作ればいいのに」
「母ちゃんがワイシャツじゃなくてブラウスばかり買ってくるから仕方なくブラウスを着ているけど」
「女性化教育されているみたい」
「下着は女の子下着ですよね?キャミソールつけてるの何度か見たことある。いつもこれでいいのにと思った」
宏紀はたいてい他の女の子と一緒の部屋で着替えているが、誰も彼がそこにいることを気にしないし、宏紀も別に女の子の下着姿などを見ても何とも思わない。彼は女の子に対して不感症になっていることに気づいていない。
彼はふだんは男の子シャツとトランクスを穿いている所を他の子たちに見られている。一度一人の子がふざけてそのトランクスを脱がせたら彼はその下にショーツを着けていて、男性器は確認できなかった。ショーツを着けているのは「踊る時にぶらぶらしないように固定するため」でサポーター代わりだと言っていた。ショーツに盛り上がりが無いことについては「後ろ向きに収納しているだけ」と言っていたが、これが去勢疑惑を拡大することになる。キャミソール姿は数回目撃されている。シャツの洗い替えが無かったからと言い訳していた。
「あれは足りなかったから仕方なくつけてただけだよ。ブラジャーとかはつけないし。自分で男物の下着買ってる」
「お母さんは女の子下着買ってくるんだ!」
「女の子下着があるならつけてみますよね?」
「つけないと言えば嘘になるけど」
「ブラジャーは後手で留められます?」
「そのくらいはできるけど、ほんとに普段はつけないから」
「相当着けている気がする」
「どっちみち高校卒業前、今年の夏くらいに性転換手術を受けるんでしょ?」
「受けない、受けない。ボクは別に女の子になりたくもないし」
「ヒロちゃん女の子になったら、もてそうなのに」
「お嫁さんになってくださいというファンレターは時々来るけど、男の子と結婚する気は無いよ」
「ヒロちゃんのタキシード姿とか想像できない。ウェディングドレスの方が似合うと思うなあ」
「成人式は振袖着ますよね?」
「母ちゃんが、振袖買うのに積み立て始めたとかいうから、そんなの着ないからやめてと言った」
「振袖可愛いと思うのに」
「お母さんはヒロちゃんに女の子になって欲しいみたいね」
「女の子になっていいんだよ、とはよく言われる。性転換手術代は出してあげるからとも言われた」
「そんなに理解されているなら女の子になるといいですよ」
「なりたくない」
「オーディションの時は女の子水着も着てたよね」
と同期の姫路スピカから言われる。
「最近はこういうデザインの男の子水着もあるんだよと欺された」
「でもお股の所で男の子とバレるのでは?それとも既に去勢済みだったんですか?」
「パレオ付きだったから審査員さんたちには気づかれなかったみたい。ボク、パレオというの知らなくて、なんか不思議な装飾がついてるなと思ってた」
(去勢済みか?という質問には答えていない)
「パレオも付いてない女の子水着で、水着審査を通過したらしいアクアはその時既に去勢済みだったんだろうね」
と話をずらす。
「ああ、やはりそうですよね」
門脇真悠は女性ホルモンの服用で声変わりを止めていたが2019年春、千里1の“魔の手”により完全な女の子に変えられてしまった。夏までに戸籍上の性別も訂正して、本当の女子高生に変身したが両親は喜んでいた!?
兄が姉に変わったのを見た4つ下の弟・瀬那(2007生)は今女装にハマりつつあるし、実はダイアン35を飲んで声変わりと男性化を停めている。これは長期間飲めば男性化が停止するだけでなく女性化も始まるはずである。飲み始める前に“新しい姉”真悠の助言にもとづき精液の冷凍を作った。保管料は真悠が払っている。彼は既に1年間ダイアン35を飲み続けており、真悠は弟に
「もし男に戻りたい気持ちが少しでもあるなら今すぐ飲むのをやめなさい」
と言った。
「やめたら声変わりが来るよね」
「多分2〜3ヶ月以内に来る」
「もう少し考える」
「考えてたらもう男に戻れなくなるよ」
「女になる自信は無いけど、男にはなりたくないからこのまま飲んでる」
「アクアみたいなこと言ってる」
「アクアさんも女性ホルモン飲んでるの?」
「飲んでなきゃ18歳まで声変わりしない訳無い。体型も完全に女の子体型だし」
「そうだよね!」
「もし女の子になるつもりがあったら、ダイアンじゃなくて、別途渡してる、プレマリンとプロベラも飲むといい。おっぱい大きくなるから。足りなくなりそうだったら言えば調達するよ」
「それももう少し考える」
「うん。ゆっくり考えた方がいい」
彼はもう1年以上、立っておしっこはしていない。小学校では自粛して男子トイレを使っていたが、個室しか使っていない。外出時にはわりと女子トイレを使っている(むしろ男子トイレに入ろうとすると「こちら違うよ」と言われる)。
彼は今の所、男物の下着と女物の下着を半々くらい着ている。最初の頃は女の子下着をつけると、つい“して”しまっていたが、最近はむしろ女の子下着を着けている時のほうが落ち着く気がしてきた。男の子下着の使用頻度がだんだん下がってきているし、家の中ではスカートを穿いている時の方が多い。シャンプーもお父さんが使っている男性用シャンプーではなく、お母さんやお姉さんが使っている女性用シャンプーを使い、コンディショナーも掛けている。
髪も実は年末以降切ってないので、既に肩につく長さになっている。前髪はお母さんが切ってくれたが、それでよけい女の子っぽい髪型になっている。
彼は2020年春から中学生になるが、実は真悠のお下がりの男子制服・女子制服双方を所有している。彼の初登校はおそらく6月になるが、彼はまだどちらの制服を着て学校に出て行くか迷っている。友人たちからは
「セーラー服着るよね?」
と唆されている。
(もし男子制服で出て行くなら折角伸びた髪を切る必要があるが、髪は切りたくない気分である)
実は仲の良い女子2人と一緒にセーラー服を着て並んだ記念写真を撮っちゃった。生徒手帳用の写真も、実は彼女たちに唆され、思い切って女子制服を着た写真を学校に提出したら、その写真のまま生徒手帳が発行され郵送されてきた(まだ両親には見せてない)。
それで生徒手帳がこれなら、ボクやはり女子制服で学校に行かないといけないかなあ、などとまだ半分妄想している。生徒手帳には“性別”は記載されておらず、1年3組・6番 門脇瀬那という出席番号と氏名に生年月日が書かれているだけである。なお出席番号は瀬那が進学する中学は男女混合名簿らしい。つまり性別と無関係に単純五十音順で番号は振られている。
進学する中学の体操服などは購入したが、ここの中学の体操服は男女同一仕様になっている。
ところで4月4日(土)の記者会見で妊娠の事実を認めるとともに婚姻届を出したことを発表したローザ+リリンだが、早速次の『夜はネルネル』の収録(4/9)で「披露宴するぞ」と言われた。
「え〜!?」
「恥ずかしい」
などというものの、既にお膳立ては出来ていた。それで結局、この日はその次の回用の撮影(デンデンのエスカルゴが、たこ焼き屋さん塗装からハンバーガー屋さんっぽい塗装に変更される!このネタはまだまだ続く模様)をした。
なおこの番組の撮影は4月以降、リモートベースになっており、屋内の収録は基本的に全員個室でLANで結んで撮影しており、屋外の撮影では全員マスクとゴム手袋着用での撮影になっている。トークよりアクションに重点がある、貝割横浜・貝割川崎、健康パッド、有斗興梠らがやりにくそうだった。その分、トークセンスのある、めろでえず、ローザ+リリンがうまく盛り上げている。揚浜フラフラは深夜のラジオ番組にレギュラー出演していたこともあり、わりと、どちらでも行ける。
そして披露宴、というより結婚祝賀会は、この番組史上初の生放送で、4/13(月・大安!)に行われたのである。BPOに睨まれたりもしたこの番組を生放送でやるというのは、“史上最大の無謀な放送”というネットの声もあったが、面白がって“事故”を期待する声もかなりあった。
この生放送に際して、左蔵プロデューサーは辞表を懐に入れて臨んだらしく、それを聞いたネルネルは、特に危ないフラフラ、バッドの2人に
「左蔵さんに腹を切らせることがないよう、お前ら自粛しろ」
と厳命した。彼らも左蔵さんの覚悟に敬意を表して、放送できないネタは絶対にやらないと誓った。
事前にネルネルたちが100人ほどの歌手、俳優、お笑い関係、ふたりの親族!に招待状を送っており、それぞれ届けられたid/passで入ると祝賀会に“出席”できるようになっている。祝賀会はリアルタイムで放送されるので、id/passを持たない一般の視聴者は、テレビ放送を通してこの祝賀会を見ることになる。
そして(事故を期待して?)この日の視聴率が凄いことになったようである。
参加者のところにはあらかじめ、お料理(冷凍)と飲み物(事故防止のためノンアルコール)に引き出物が届けられている。引き出物の中身は
・ユウハイムのバウムクーヘン
・ローザ+リリンが歌ったローズ+リリーの『やまとなでしこ恋する乙女』、『お嫁さんにしてね』、『ふたりの愛ランド』の収録されたCD(レーベルはふたりの写真)
・5000円のカタログギフト
・ジルスチュアートのタオルセット
「ローザ+リリンのCDは大半はそのまま捨てられるな」
と揚浜フラフラは言っていたが、実際には、一般発売して欲しいという声が殺到し、本当にリリースされることになり、本人たちもびっくりした。実はローザ+リリンの初CDである!ローズ+リリーと間違われないように
『このCDの歌唱者はローザ+リリンです。ローズ+リリーではありません』
という注意書きまでつけられることになった。そしてこれが12万枚も売れて更にびっくりすることになる。初CD初ゴールドディスクで、週間ランキングの3位にランキングされたので、本当に本人たちはびっくりしていた。
タオルセットは「普段使いできる」というので、受けとった人たちに好評だった。
祝賀会は普通に進行する。
“ハナちゃん”こと、山下ルンバのエレクトーン演奏(ワーグナーの結婚行進曲ソドドド・ソレシドのほう)に合わせて、白いウェディングドレスのマリナと、青いウェディングドレスのケイナが手をつないで入場してきて、メインテーブルに就く。会場は都内のホテルを使用しており、多数のテーブルにたくさんの液晶バネルが並んでおり、そこに祝賀会の参列者の映像が映っている。
この映像はリアルタイムで填め込み加工されて放送されているので、視聴者にはクリアな映像が届けられる。この付近は実は、あけぼのテレビのスタッフが、FHテレビのスタッフと一緒に作業している。(あけぼのテレビでの再放送権とバーター)
ケイナの衣装に関してはタキシードを着せる案もあったが、チャンネルが
「ケイナちゃんも女の子なんだから2人ともウェディングドレスでいい」
と主張し、左蔵プロデューサーも
「結婚式も2人ともドレスだったから今更だよな」
と同意して、2人ともウェディングドレスということになった。放送時には一部には気持ち悪いという声もあったが、大半は容認する声であった。
メインテーブルに就いた2人は左手薬指につけたマリッジリング(ハワイで買ったもの。コアの木でできている)を披露する。マリナは更にマリッジリングと重ねてエンゲージリングも填めている。
エンゲージリングは、披露宴やるぞという話を聞いてから、ふたりで銀座の宝石店に行き実は金曜日に購入したばかりのものである。1カラットのダイヤを載せたプラチナ・リングである。ケイナはこの指輪を買ったので
「すっからかんになった」
などと言っていた。
この会場にリアルに来ているのは、新郎新婦(新婦新婦?)のほかは、ネルネルの2人と内野音子(うちのねこ)だけである。
そのネルネルのケンネルが開幕の挨拶をユーモラスにおこなう。ここでまずは笑いを取っておく。
主賓格の“タカ子”(ドレスを着せられた)の短い挨拶の上でタカ子の音頭で乾杯になるが、ここでは予め届けられているシャンメリーを使用する。新郎新婦入場くらいのタイミングで開栓しておくように言っていたのだが、忘れていて慌てて開栓しようとして開かずに苦労している参列者を見つけて即その映像をズームして放送する。
このあたりはあけぼのテレビ(正確にはサンシャイン映像制作)の則竹さんが制御している。則竹さんは、万が一にも酔っている感じの参加者がいたら即画像排除するという左蔵プロデューサーの“特命”も帯びている。
ウェディングケーキの入刀になるが、最初にふたりが入刀したケーキはいきなり破裂して視聴者を驚かせる。
2人のウェディングドレスにもケーキの破片が飛んでいて、さすがにマリナが
「ひっどーい」
と言った。視聴者からも割と非難の声があった。
「ごめんごめん」
とチャンネルが言って、本物のケーキを持って来て、リトライして無事入刀できる。2人は「今から濃厚接触します」と言ってキスした。バックには山下ルンバがエレクトーンで演奏する『Kiss of Fire』が流れる。ここで大量の「おめでとう」メッセージがネットには書き込まれた。
ちなみに2人は“防水加工”されたウェディングドレスを着ていたので、ケーキの破片は拭くだけで無事落ちた。この拭く作業は、マスクと手袋をつけたスタッフにより手際よく行われた。
普通なら新郎新婦紹介となる所だが、紹介代わりに2人が出演しているコント、2人がローズ+リリーやラピスラズリのものまねをしている映像が5分ほど流された。
親族代表で、ケイナ(慶太)の長姉・和希、マリナの姉・歩が短い挨拶をしたが、2人ともかなりユーモラスな挨拶をしたので、どちらも結構な笑いを取っていた。歩など唐突に「オーチンチン」を歌い出し
「あのチンポコよ、どこ行った?海の向こうに落としてきたのかな」
などとやっていたので、視聴者の間からは
「放送事故?」
「いや、このくらいはいいでしょう」
といった声が囁かれた。更に歩は
「でもマリナは今は間違い無く女ですので」
と言って、マリナの戸籍謄本をカメラに向けちゃった!
則竹さんがすぐに別の映像に切り替えたものの、謄本は一瞬映り、録画していた人によって、マリナが昨年10月に名前を学からマリナに変更し、12月に性別が男から女に“訂正”されていたことが分かってしまった。変更ではなく訂正されていたということから、マリナは半陰陽だったのかというのが多くの人の認識となった。それで妊娠したのも、元々は本来女だったからというので説明されるようになって、かえってローザ+リリンに対する反感も減る結果となる。
「でもマリナもちんちん見せてたよね?」
「クリトリスが肥大化してちんちんみたいになっていたのだと思う」
「だったら手術して、肥大化していたクリトリスを縮小したのかもね」
「結果的にはチンコ切る手術と同じだよな」
「実際ほぼ性転換手術だと思うよ。膣口も閉じていたのを開けたのかも」
「キンタマは?」
「大陰唇が癒着して、陰嚢みたいになっていた可能性はある。でも睾丸は無かったのでは」
「確かにマリナは元々体付きが女っぽい気はしていた」
(多くの視聴者は昨年夏以前のマリナを見ていない)
「ひょっとしたら体調の変化で女性化が進んで、病院に行って診察受けたらあなたは女ですよと言われて手術することになったのかも」
「ああ、女性化を止めようと思って病院に行ったら、無事完全な女になったという話はわりとある」
祝賀会は、その後、揚浜フラフラ、健康バッド、有戸興梠、デンデンクラウド、貝割横浜・貝割川崎、めろでえず、内野音子からお祝いのことばがあるが、全員お祝いというより、笑いを取るのに重点を置いたメッセージだった。(デンデンのお祝いメッセージは、フラフラが考えてあげて、これを読めと指示した)
音楽関係の人は祝辞代わりに演奏する。これも各々の部屋(スタジオ、ホテルの部屋や人によっては自宅)からのリモートだが、放送では各々の場所に設置されたカメラに切り替えて映す。祝賀会会場ではプロジェクターで大きな布のスクリーンに映写されている。
ローズクォーツ(臨時ボーカル:鈴鹿美里)、(本物の)ラピスラズリ、アクア!(例によって振袖を着せられている)、丸山アイ、ゴールデンシックス、と続き、今日はBGM担当でずっとエレクトーンを弾いている山下ルンバが『Best Friend』(Kiroko)を弾き語りする。そして最後は(本物の)ローズ+リリーが『ずっとふたり』を歌って締めた。
最後にネルネルのチャンネルが、お開きの挨拶をして、祝賀会は無事終了した。
取り敢えず、左蔵プロデューサーが腹を切る事態は避けられた!
なお、参列者の中に、どう見てもヤクザの大親分っぽい人が映っていたので、視聴者の間では
「あれどこの組の人?」
「ローザ+リリンの事務所ってヤクザと関係あるの?」
などという声も囁かれていたが、気づいたUTPの大宮副社長が
「あれはザマーミロ鉄板の板付社長。まるでヤクザみたいなビジュアルだけど、その世界とは全く無縁の人だから」
とコメントしたので
「うっそー!?」
と驚かれていた。
「海上自衛隊出身で、自衛隊時代はペルシャ湾派遣部隊にも参加したらしい。ペルシャ湾から戻ってから除隊して、その後警備員を10年やっててその間に眼光が鍛えられたらしいね。イベンターで警備の仕事をしていたけど、そのイベンターが外タレのドタキャンで倒産した後、受け皿的な会社を作ったのが出発点。その内、イベントを引き受けるだけでなくて自前の芸人も育てるようになった」
「演歌歌手とかロックバンドとかも育てたけど、いちばん受けたのが、そっくりさんの部門だったんだよね。モーニング娘。のそっくりさんのモーミング娘。とかやってたけど、本家の頻繁なメンバーチェンジに付いていけなくて解散して、久住小春のそっくりさんの久住小呑、嗣永桃子のそっくりさんの嗣永桃十ってので一時期売ってた」
「久住小呑は女の子だったけど、嗣永桃十は実は男だったんだよね。そいつがちょっと女性とトラブル起こして、何とか示談で済ませたけど、それにこりたから、ローザ+リリンに24時間365日女装して、女性らしい生活を送れと厳命したみたいだよ」
と大宮副社長は、あまり経歴の知れていなかった板付社長と彼の事務所の歴史を語った。
あけぼのテレビだが、志村けんさんの追悼番組で少年少女合唱隊をしたメンバーには毎週1枠30分(平日17:00-18:00, 土日13:00-15:00)ずつ枠が与えられたので、各自その枠を使って、歌を歌ってもいいし、トーク番組をしてもいいと言われた。
月 石川ポルカ 今井葉月 火 原町カペラ 西宮ネオン 水 ラピスラズリ 川崎ゆりこ
木 大崎志乃舞 桜木ワルツ 金 リセエンヌ・ドオ 花咲ロンド 土 山下ルンバ 斎藤恵梨香 姫路スピカ 品川ありさ 日 桜野レイア 太田芳絵 白鳥リズム 高崎ひろか
アクアはそもそも仕事の負荷が大きいので免除ということであった。18-19時の『信濃町ストリート』(18:00-19:00)のサブキャスターを務める子は30分おいての連続出演になるが、こちらは録画方式なので、実際には時間の取れる時に録画しておけばよい。
大崎志乃舞は信濃町ミューズの子たちを並べてクイズ大会をしていたが、質問の文章はあらかじめ録音したものを再生し、解答は全てタッチペンでタブレットに書く(または打ち込む)という方式で進めた。別室に陣取った読み上げ係の今川容子(信濃町ガールズ)が各々の解答を「中村昭恵ちゃんの解答“ウィーン”」などと読み上げていく方式を採った。
花咲ロンドなどは、お菓子作りの番組を構成したが、女子中高生たちに人気の番組となり、半年後にはレシピ本が出版されるに至る。
白鳥リズムは、ひたすら鉄道ネタ・時刻表ネタのトークをして、鉄道マニアのファンが物凄く増えた。
「なぜそんな古いネタを知ってるんだ?」
「年齢詐称しているのでは?」
「リズムは性別詐称の疑いもある」
などという声もネットにはあがっていたが、リズム自身が
「15歳の女子高生ではなく30代のおっさんだったりして」
などとボケをカマして
「信じられたらどうするのさ?」
と姫路スピカに突っ込まれていた。
「リズムちゃん、中学に進学する時に、おちんちん切って女の子になったって噂ありますけど本当ですか?」
「ちんちん邪魔だから切っちゃおうかなあと思ってお股を見たら、ちんちん最初から無かったよ」
とリズム。
「実態は、この子、あまりに格好良いから、男の子と誤解されていただけだよ」
と同期の西宮ネオンがフォローしてあげていた。
「でも少年サッカーで活躍してたんでしょ?」
「サッカーは男子のチームに女子選手がいてもいいんだよね」
とネオンは解説する。
「へー」
「女子チームに男子選手が入るのはNG」
「それはそうですよね!」
ちなみに毎年、リズムへの“バレンタイン・プレゼント”はアクアの次に多い(ネオンより多い!)。リズムのファンは女子が7−8割である。
山下ルンバは、Havai'i 99 を呼んで一緒にタヒチアン・ミュージックを演奏する番組を構成した。タヒチの風景映像なども流す。ただし(コロナ感染予防の観点から)ヴィヴォ(笛)は使用しない。しかしおかげで、土曜の午後はタヒチアンから、というのが定着した。
ビデオ審査のみによるオーディションで選んだ“ルンバ・タヒチ”という女性8人のチームによるダンス付きである。最初に全員“ルンバの上に乗って”、記念写真を撮った。
「ルンバって中米音楽ではなかったのか」
「タヒチは南洋だよ」
ちなみにキューバのルンバはRumba、掃除機のルンバはRoombaである。
彼女たちも最初の内はややたどたどしい部分もあったが、番組が回を重ねる内にどんどん上手くなった。なお彼女たちには“チーム練習”を禁止しており、各自翌週までに個人練習しておくことを求めた。
なお、あけぼのテレビの番組は生放送主体だが、時間の都合がつかない子はビデオ撮影でもよいことにしている。また基本的にリハーサルは行わずにぶっつけ本番である。失敗も愛嬌ということにしている。またハプニングに対応する力を各タレントさんにつけて欲しいというのもある。
また、リハーサルを省略するのは、在来局などで活動できるならそちらを優先したいので、こちらでは長時間の拘束を避けたいということと、もうひとつは感染リスクを減らすためもある。リハーサルをすると2倍時間の接触が生じるので、感染リスクも倍になることになる。
映画『気球に乗って5日間』であるが、本当は4月下旬、ゴールデンウィーク直前に公開される予定だったのが、取り敢えず公開を延期することが4月10日発表された。
4月12日、ΛΛテレビは夜の報道番組のメインキャスターがコロナに感染したことを発表した。番組スタッフには他にも不調を訴えるものがあり、テレビ局では全スタッフを休養させ、他の番組のスタッフを寄せ集めて番組を構成した。
4月18日、##ラジオはワイド番組のメインパーソナリティを務める女性がコロナに感染したことを発表した。彼女の夫は上記ΛΛテレビ報道番組のチーフディレクターであった。放送は代役を立てて行われることになった。
4月20日、民放FMキー局のパーソナリティがコロナに感染。番組は代役を立てることになった。
続々とあちこちの局でコロナ感染者が出たが、§§ミュージックのタレントが関わる番組は、3月時点での話し合いに基づく感染対策が実行されていたおかげで、感染者が発生した番組は無かった。
5月1日、政府は5月6日での緊急事態宣言の解除は困難であるとして、1ヶ月程度延長する方針を固めた。5月4日、緊急事態宣言は5月31日まで延長された。
ところで津幡のプライベートプールとアクアゾーン地下プールは、元々お互いに水を融通しあって水の節約をする仕様だったが、感染予防の観点からこの融通は行われないことになった。しかし融通をするつもりで送水パイプを通す穴が掘られていた。これは保守点検のことも考えて直径2m近い大きなトンネルが地下14mの所を通っている(駐車場地下の遊水池を避けてL字型に曲がっている)。
さて、プライベートプールの感染対策工事は5月1日に完了したので、翌日からはまたプライベートプールの方も使えるようになった。アクアゾーンの50mプールはスイミングクラブ会員の上級者に開放するという話だった。それで火牛ホテルに泊まり込んでいるメンツは、4月17日以降5月1日まではエレベータでB2まで降りれば泳げたのが、5月2日以降は、いったん1階に降りて、駐車場を横切り、関係者駐車場の管理人室に入って地下への階段を降りてからエレベータでB2まで降りるという、やや面倒くさい移動になった。
5月3日、朝御飯を食べて南野里美がプライベートプールに行こうと1階まで降りてきてから外を見ると、雨が降っていた。ちょうどそこに、竹下リル、そしてジャネと筒石も降りてきた。
「ありゃ雨か」
「傘持ってこなくちゃ」
ジャネが言った。
「ね。地下2階まで降りちゃわない?」
「地下まで行ってどうするんですか?」
「アクアゾーンの地下2階と、プライベートプールの間には、送水管を通す予定だったトンネルが開いてるからさ、そこを通ってプライベートプールまで行く」
「そんなの通っていいんですか?」
「別に悪くはないだろ?部屋まで戻って傘取ってくるのは面倒くさいよ」
とジャネ。
「確かにプライベートプールまでたくさん歩くなと思っていたけど、そのルートは楽な気がする」
と竹下リル。
「通れるなら、そこ経由で行きましょうか。雨に濡れずに行けるし」
と南野里美も同意する。
すると筒石が言う。
「何言ってんだ、君たち?どうせプールに入れば濡れるじゃん。それにたくさん歩いた方が運動になるぞ」
「あ、そう?だったら、“公子ちゃん”は、部屋に戻って傘を“4つ”持って、駐車場を横切ってプライベートプールまで歩いて来てね」
とジャネは言い、リルと里美を促して、エントランスそばのエレベータに乗り込む。すると筒石も慌てて
「君たちが行くなら僕も行くよ。何かあったらいけないから」
と言って付いてきた。
それで4人で地下2階までエレベータで降りる。地下2階といっても14m以上の高低差があるから、普通のビルなら地下5階くらいまで降りる感じで結構時間はかかる。
それで送水管の所まで行くが、立入禁止という札が貼られ、工事用のバリケードが置かれている。
「立入禁止と書いてありますけど」
「構わないよ。後で通路として追認してもらおうよ」
と言ってジャネはバリケードを除けて中に入っちゃう。
「いいんですか〜?」
と言いながら里美も入り、リル、筒石と続く。
「暗いですね」
「懐中電灯があるから大丈夫」
と言ってジャネはいつも持っている小型のLEDライトを点けて、先頭を進む。里美、リル、筒石と続く。
結構な距離を歩いた所で右手に折れる。遊水池の端まで来たのだろう。
「ここまで来たらあと少しだよ」
と言ってジャネは進んでいく。
壁があった。
「出られないみたいですが」
トンネルの端は何か木の板のようなもので覆われているのである。里美が少し押してみたものの、開かない。
「戻ります?」
とリルが訊いた時、筒石が言った。
「僕に任せなさい」
筒石は少し勢いをつけると、その板を体重を掛けて、思いっきり蹴った!
バキッという音がして、板のふたは外れた。
「ほら通れるよ」
と言って、筒石は残った木の板のカケラを手でバリバリっと破って、人が通れるようにした。
「こんなの壊しちゃって、若葉さんから叱られないかなあ」
とリルが心配そうに言うが
「大丈夫だよ。その程度のことで怒る人じゃないよ」
とジャネは言った。
それでこの日の練習は始まった。
後で回ってきた、ムーラン津幡店の店長さんにこのことを言ったら
「ああ、このくらい社長は平気ですよ」
と言って、若葉に連絡していた。
すると翌朝には、ここに動く歩道!とライトが設置されていた(どちらもセンサーで作動するので普段は消えている)のでジャネたちもびっくりした。一応、アクアゾーン側に電子鍵付きの網戸を設置して、プライベートプールに入れる人は各自の鍵でここを開けられるようにしてあった。網戸にしたのはこれを換気口として使うことを考えてのようだった。風向きはプライベートプール→アクアゾーンである(プライベートプールは関係者駐車場の縦ピットから空気を取り込んでいる)。通路の途中数ヶ所にはファンも設置されていた。
「若葉さんって本当に行動が速い」
と里美が言うと
「うん。それは本当に尊敬するよ」
とジャネも言っていた。
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【春曙】(3)