【春曙】(2)

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ところで、吉田は社員証については勤務2日目に男子の社員証(縁取りが赤ではなく青)を渡されたが、赤い縁取りの社員証も有効だから持ってなさいと長谷さんに言われた。
 
「それがあれば、女子控室・女子トイレにも入れるから」
「入りません」
「あら、女子控室でないと着替えに困るでしょ?」
 
やはり性別志向を誤解されたままという気がする。
 
しかし青い社員証のおかげで、吉田は2日目以降、男子トイレを使うことができるようになった!更衣室も、実は初日に女子(?)6人が集められた所が女子控室で、男子控室は別の場所にあることを先輩の男子社員・西口
さんに教えられた(どちらも単に「控室」と書かれているが゛、女子控室は赤い▲、男子控室は青い▼のシールが貼られている)。
 
でも西口さんからは
 
「君、無理に戸籍に合わせて男子更衣室を使用しなくても、女子更衣室でいいよ。うちの銀行は君みたいな子にも理解があるから。男の人のそばで着替えるの、恥ずかしいでしょう?」
などと言われた!
 
ちなみにここの更衣室は女子控室も男子控室も、個別のフィッティングルームがあるので、下着姿を他の人に曝さずに着替えることができる。
 
更に吉田は長谷さんから「これ女子控室の壁に貼ってて」とか「女子控室の茶碗洗っといて」などと頼まれ、頻繁に女子控室に出入りすることになった。むろん吉田が男子制服を着て女子控室に居ても誰も何も言わない!
 
そして・・・
 
吉田は、健康保険証と年金手帳の性別のことは、なーんにも考えていなかった!
 

4月、学校の休校措置は解除されず、全国の多くの学校が入学式や始業式を延期した。そして一部の学校では、ネットにつながったPCやスマホを利用して、Google Meetなどの機能を使用して、リモートで学級会をしたり、またそういうオンライン会議的なものや、Youtubeなどの動画配信サイトを使用して授業をしたりする動きも出始めた。
 
このあたりはこういうことに積極的な自治体・学校と、無策な自治体・学校との差がかなり出た感じであった。
 
2020年4月7日、政府は7都府県(東京・千葉・神奈川・埼玉・大阪・兵庫・福岡)にコロナに関する緊急事態宣言を出した。これに伴い、不要不急の外出の自粛、対象地域の体育館・ボウリング場・美術館・図書館・劇場・映画館・ライブハウス・キャバレー・ナイトクラブ、カラオケボックス、漫画喫茶、パチンコ店、ゲームセンターなどに休業要請がなされた。
 
いくつかの図書館では、それでなくても休校で暇を持てあましている子供たちのために「本の詰め合わせセット」を配布貸し出しするような工夫も行われた。
 
4月8日、東京北区のHPSCも取り敢えず5月6日まで閉鎖されることになった。トップアスリートが集まる合宿所なので、万が一にもここでクラスターが発生し、多数の選手に後遺症が残ったりした場合、日本のスポーツ界に極めて重大な影響が出ることになる。
 

§§ミュージックの紅川相談役であるが、3月中に行われた各放送局との交渉の他、§§メディアサービス(あけぼのテレビ)の立ち上げに関する処理でも多数の作業をしてもらった。
 
この間、紅川さんは西宮ネオンのマンションに同居させてもらっていた。この同居は結局6月まで続くことになる。
 
「俺引退したのに」
などと、ブツブツ言っていたものの、仕事をするの自体は楽しそうだった。紅川さんも完全に仕事中毒である。
 

ネット放送局“あけぼのテレビ”の開局は3月30日(月)となった。
 
志村けんさんが亡くなった翌日である。このため、番組は志村けんさんの追悼番組から始まることとなった。超ベテラン歌手で『8時だョ!全員集合』にも多数回出演していた、伊東浩美さんにも出演してもらい、番組の司会を務めた秋風コスモスが、彼にインタビューする形で志村さんの想い出を語ってもらった。
 
(このインタビューは、足立区研修所の本棟(旧紅川邸)の応接室を使用して撮影した)
 
伊東さんは応接室に入ってくるなり
「おいすー」
と右手を挙げて挨拶するので、コスモスも
「おいっすー」
と挨拶を返して、番組は始まった。
 
「伊東浩美さんですー」
とコスモスは紹介したが
 
「なんか自分にインタビューしているみたい」
とコスモスは言った。
 
秋風コスモスの本名は伊藤宏美である。すると伊東浩美さんも、コスモスの本名が自分の芸名と同じ読みであることを意識していたと言っていた。
 
「村田秀雄さんとか、塩見悦子とかの類いですよね」
「林寛子さんとか、関口弘さんとか」
 
『帰ってきたウルトラマン』でウルトラマン(放送終了後に初代ウルトラマンとは実は別人であったと事後設定変更されウルトラマン・ジャックと呼ばれることになる)を演じた団次郎(後の団時朗 )の本名は村田秀雄で、歌手の村田英雄と同じ読みである。
 
アクション・スターで『影の軍団』『大江戸捜査網』などに出演した志穂美悦子(しほみえつこ)の出生名は塩見悦子(しおみえつこ:結婚後の名前は長渕悦子)だが、『家政婦は見た』などで知られる市原悦子(=出生名)の結婚後の名前もまた塩見悦子である。
 
女優で後に国会議員にもなった扇千景の本名は林寛子で、アイドル歌手の林寛子(=本名)と同姓同名である。
 
落語家の二代目・桂ざこばの本名は関口弘で、司会者の関口宏と同じ読みである。
 

なおこの日の撮影では、コスモスと伊東さんはカメラに向かって並んで座っており、ふたりの間は1mほど開けて、間にはビニールシートのガードがある。また部屋には、コスモスのそば、伊東さんのそば、カメラさんのそばと3ヶ所にULPAフィルター搭載の空気清浄機を置いている。また部屋のドアは開けて撮影している。またサーキュレーターにより強制的に空気の流れを作っている。
 
番組では、ドリフターズに敬意を表して、全員集合で行われたコントのいくつかを若手芸人の、シュープリーム(2人組)・トライドン(3人組)を使って再現した。大田区の第2スタジオで、この5人とカメラマンだけで撮影中継する。
 
また志村けんと研ナオコの夫婦コントも、大田区の第3スタジオで、ローザ+リリン(ケイナが男装)で再現して、赤マムシドリンクとか、生卵ネタのほか、多数のパロディを生み出した“あなたぁ、御飯にする?お風呂にする?それとも寝る?”もやっていたが、
「こいつら、本当にこういうことしてないか?」
と随分ネットには書かれていた。
 
「ケイナって一度チンコ切っていたのをまたくっつけたんだろ?よく立つな」
「だから赤マムシドリンクが必要なんだよ」
「ああ」
「女性ホルモン飲んでおっぱい大きくする前に切ってたから、女性ホルモンの影響を受けてなくて、立つのでは?」
「なるほどー」
 
どうもケイナは一時は性転換して女になっていた(だから女湯に入っていた)がマリナと結婚するために再度性転換して男に戻ったという噂が流布しているようだ(発信源は雨宮!)。
 

ちなみにマリナが妊娠したらしいというのも、この頃から噂として流れ始めていたが、この妊娠については、中学生の時に交通事故で亡くなったマリナの姉・マルタ(!?)の卵巣・子宮・膣を冷凍保存していたものを移植したという凄い噂が生まれていて、本当のマリナの姉・歩が大笑いしていた。
 
妊娠については、報道各社からローザ+リリンに記者会見か何か開いて欲しいという要請があったので4月4日“オカマの日”にネット形式で開いたものの
「どうやって妊娠したのか」
という質問には
「アルカリ性のものと酸性のものを食べてたら赤ちゃんができたの」
と今ではほとんど知る人のいない古いネタ(出典『ありがとう』?)をかまして、はぐらかしていた。
 
同席した“タカ子”は
「そりゃ、やったから妊娠したに決まってるじゃん」
などと言っていたが。
 
結局、報道陣は、父親は間違い無くケイナであることと、予定日は10月であること、ふたりが婚姻届を出したこと(大量の「おめでとう」メッセージが書きこまれた。記者たちも「おめでとうございます」と言ってくれた)を知ることができただけであった。またこの席で、ローザ+リリンのローズクォーツの代理ボーカルが、取り敢えず5月まで延長されたことも発表された(5月になってから更に延長されることになる)。
 

3/30に放送された志村さんの追悼番組では、§§ミュージックの歌手を集めて少年少女合唱隊も再現したが、コロナに配慮して、実際の歌唱は、各々足立区研修所(女子寮)の各部屋から1人ずつ別のカメラ(自動カメラ)で撮影し、放送している研修所地下のメインスタジオには液晶パネルを22個並べたものが放送に流れた。
 
(実際の放送に流れた映像は、各々の液晶パネルの部分を“はめ込み”加工しているので、歌唱参加者の映像はまるでそこに立っているかのようにクリアだった)
 
少年少女合唱隊参加者(指揮者:コスモス/ピアノ:川崎ゆりこ)
 
アクア、品川ありさ、高崎ひろか、今井葉月、西宮ネオン、姫路スピカ、白鳥リズム、花咲ロンド、桜木ワルツ、石川ポルカ、原町カペラ、山下ルンバ、桜野レイア、東雲はるこ、町田朱美、佐藤ゆか、南田容子、高島瑞絵、山口暢香、大崎志乃舞、太田芳絵、斎藤恵梨香
 
(例によってネオンもこの日だけは女子寮の空き部屋に入ってもらった。ネオンは“今日だけ女子”のパスと“ずっと女子”のパスを川崎ゆりこから提示され、“今日だけ女子”のパスを選んだ!(いつものセクハラ))
 
全員白いスモックを着て、ボトムは西宮ネオン以外全員白い膝丈スカートを穿く(つまりアクアもスカート!)。頭には白いベレー帽をかぶり、楽譜を持つ。指揮者のコスモスは神父さんのような黒い衣装である。ゆりこは白いドレスを着てピアノを弾いた。
 
ここで歌った曲は『春が来た』『チューリップ』『七つの子』『赤とんぼ』といった唱歌系の歌である。
 
ちなみにアクアがスカートを穿いていた件に付いてはネットでは
 
「アクアがスカート穿いてたけど・・・・」
「アクアの普通の服だな」
ということで、ほとんどスルーされた!
 

その後、日野ソナタ、川崎ゆりこ、高崎ひろか、品川ありさ、姫路スピカ、の5人で、ドリフのヒット曲『いい湯だな』『ほんとにほんとにご苦労さん』、『ズンドコ節』『バイのバイのバイ』『誰かさんと誰かさん(麦畑)』と歌い、醍醐春海のベース演奏で、秋風コスモスと川崎ゆりこのヒゲ・ダンス(伊東さんも飛び入り参加)を経て、最後は『東村山音頭』で締めた。
 
アクアが参加しなかったのは次の予定があるため、秋風コスモスが歌唱に参加しなかったのは“諸事情”と説明されたが
 
「まあ、音程に不都合があるからな」
と視聴者にはよく理解されていた。
 

追悼番組の後は、アクアのライブ(19:00-19:55)、品川ありさのライブ(20:00-20:55), 高崎ひろかのライブ(21:00-22:00)、と続き、初日はひたすらライブを22時まで放送して終了した。
 
(アクアは少年少女合唱隊の後、ルンバのバイク(Ninja 1000)に同乗して、一緒に大田区のサテライトに移動した。そしてルンバのMCでライブをした。
 
ライブではバックバンドはサテライトの第1スタジオ、歌唱者は第2スタジオ、バックダンスの信濃町ガールズは第3スタジオ、更にMC(山下ルンバ・桜野レイア・桜木ワルツ)は第1練習室、と4つの部屋に分散して収録して合成!し、あたかも同じ場所で演奏しているかのように見せている。パソコンやスマホ上の操作で、各々のスタジオの単独映像も見られるようにしている(音声は常時ミックス)。なお、消毒のためにライブの間には5分間の休憩が挟まれており、その間はリセエンヌ・ドオのバンド演奏(足立区研修所から)を流した。
 
22時以降は、アクア・ありさ・ひろか・リズムの過去の作品のPVを無料で流したが、この視聴率が物凄く、更に加入申し込み者が増えることとなる。
 
物凄い視聴率でスタートしたことから、複数の大手企業から、広告を流させてくれという申し出があり、コスモスたちは話し合いの上、取り敢えず番組スポンサーを入れることにした。第1号は某自動車メーカーの“アクアのアクア”のCMとなった。その他、お菓子メーカー、飲料メーカー、若い層向けのファッションブランド、ネットオークションサイト、などが番組スポンサーに名乗りをあげてくれたので、赤字覚悟で始めたのに、4月中旬以降、収益率が随分よくなった。5月連休明け以降はIPアドレスまたはGPSによる地域判定で地域限定CMを含むスポットCMも受け付けることにした。スポットは無料放送時間中にのみ入れる。
 
(コスモス・アルトの話し合いで、タバコ・お酒・消費者金融・美容形成・結婚相談所・パチンコ・葬儀社・酒類提供飲食店(ファミレスを除く)などの広告は流さないことを決めた。
 
ちなみに、月1000円という料金は中高生のおこづかいで払える額として戦略的に設定したもので採算は最初から考えてなかった。収支計画とかも無しにいきなり「作ろう」「いいね」みたいなノリで始めている。
 

帯番組を設定することになり、平日の毎日18-19時に“花ちゃん”こと山下ルンバがメインキャスターとなり、石川ポルカ・原町カペラ・ラピスラズリ・大崎志乃舞・リセエンヌ・ドオ、が曜日替わりでサブキャスターを務める『信濃町ストリート』が原則生放送されることになった。こういう時間帯が選ばれたのは、メインターゲットと考えられる10代の子たちはこの時間が充分見られる時間帯であることと、在来局のゴールデンタイムとぶつからないからである。
 
(ちなみにコスモスは「信濃町ストリー」と言ったのに、いつの間にか「ストリート」になっていたので、びっくりした。伝言ゲームしている内にどこかで間違われたようだ)
 
生放送だからハプニングありで、そこは山下ルンバの機転で何とかするという趣旨である。このあたりも規制の無いネット放送局ゆえの“ゆるさ”である。
 
番組の内容は前半は様々な歌手・俳優などをスタジオにお呼びしてのトーク、歌手さんの場合は本人の、俳優さんなどの場合は§§ミュージックの誰かのミニライブ、後半はゲストの歌手・俳優にも参加してもらってのゲーム、クイズ、運動会!、ミュージカル!などである。
 
ミュージカルは主として童話・昔話を題材に、台詞はほとんど無しで歌のみで物語を構成していく。毎週水曜日、ラピスラズリ担当曜日の放送となったが、だいたい町田朱美が男装で王子様・勇者などを演じ、かなりの話題になった。白鳥リズムがゲスト出演して、やはり男装で王子様を演じることもあった。リズムと朱美の剣の勝負は「ふたりとも上手いじゃん」と随分評価された。どちらも剣道を習ったことがあるので、様になっていた。
 

「さすが2人とも元男の子だよな」
「あれ?朱美ちゃんは男の子だったと聞いたけどリズムもだっけ?」
「小学生までは男の子だったけど、中学に入る時に、セーラー服着たいと言ったら、お父さんがちんちんを切ってくれて、女子中学生になったと聞いた」
 
「小学生の時に男子サッカーチームで活躍していたのは、随分たくさん写真が出回っているよね」
 
「でも、お父さんが切ったの?」
「お父さんがお医者さんらしい」
「ああ、そういうことか」
 
「朱美ちゃんは、病気でおちんちん切らないといけなくなったから、いっそのこと女の子になることにしたらしいね」
 
「ローズ+リリー『十二月』に収録されている『雪が白鳥に変わる』のPVで朱美ちゃんが男の子の姿から女の子の姿に変わるけど、あれが朱美ちゃんの男の子時代の貴重な映像だよ」
「へー!」
 
「でもさすが2人とも元男の子だけあって男装が似合うね」
 
この手の根も葉もない噂はどうもコスモスは放置している感じもある。
 

この他週1回の放送だが、『夜はネルネル』でブレイクした、揚浜フラフラの番組『フラフラ・ブラブラ』、ローザ+リリンの番組『ザ・ドサ廻り』も設定された。どちらも本来は再放送中心となる22時以降の(有料)番組である。
 
フラフラの番組(建前上R18:「あなたは18歳以上ですか?」の質問に「はい」と答えないと見られない)は、ほぼ無名だった数組の芸人と一緒に、かなり際どいコントを演じるものだが、内容が“無茶苦茶”!で、PTAなどから凄まじい非難を受けることになるが中高生(本当は見られないはず)には絶大な人気番組となった。コスモスとアルトがフラフラに要求したのは『犯罪を構成しないようにすること』『女子高生が笑って見られるものにすること』というものであった。
 
女性タレントのベッドに忍び込む企画などは不法侵入罪になるとして却下した。また女性タレントに抱きついて顔を舐めるというのも“濃厚接触”になるとして、番組制作基準にもとづき禁止した(それ以前に強制猥褻の疑いがある)。
 
チンチン・チャンバラも、猥褻物陳列になるとして却下した。でもお股の所にウレタン製の日本刀を取り付けてチャンバラする企画に変更してアルトの承認を取った。女子芸人の可愛さくら・米田ダリヤまでお股に日本刀を付けてチャンバラに参加した。特に可愛は男2人の刀を折って準々決勝まで進出した!
 
刀を折られた参加者は“男のシンボルを失った”として、ショッカーの扮装をした男たちに取り押さえられて無理矢理ズボンを脱がされ、スカートを穿かされて化粧までされ、バストの所に粘着性のボールまで挿入されていた:つまり優勝者以外全員女装させられた!(お化粧品セットは各芸人専用。ついでに個人負担!)
 
この企画は感染防止のため、全員無言で演技することという方針で撮影され、バックには『Rose Quarts Plays Sex Change - 性転換しちゃいました』のナンバーが流されていた。ショッカー戦闘員は全員ビニール手袋を付けていた。
 
決勝戦で敗れてズボンを脱がされスカートを穿かされる揚浜フラフラの映像のバックには『鉾と珠の歌』が流れていた!優勝者のニセクイーン東が、わざわざ大きなハサミを持って来て、折れたフラフラの刀を根元からチョキンと切り落としたが、これは後で番組審査委員会から「やりすぎ」と注意され、翌週謝罪の映像が流された。
 
番組審査委員会はアルトが主宰し、アルトの友人の20代から60代までの男女同数(同性愛者とトランスした人を含む)様々な職業の10人で構成している。メンバーは非公開だが、あけぼのテレビが委託する外部審査機関である。
 

ローザ+リリンの番組は、ローザ+リリンが全国各地の温泉や田舎旅館で、温泉芸をするものである。番組の構成としては、温泉などの紹介→料理堪能→入浴シーン!→温泉芸という形である。毎回その温泉や旅館のグッズ(湯ノ花や工芸品の類い、を視聴者から抽選で10名にプレゼントというのもしたが、物凄く好評だった。
 
なお移動手段は基本的に車であり、ローザ+リリンは“アクアのアクア”で移動している。運転するのは、ドライバー会社★★情報サービスのドライバー、山下流夏(るか)さんである。長距離の運転が多いので、A級ライセンス持ちのドライバーにお願いすることにした。ローザ+リリンがひじょうに多忙なのでこの2月に入社したばかりの山下さんは、事実上ローザ+リリンの専任のような感じになっていく(スピカやリズムの長距離移動にも駆り出された)。北海道・沖縄などを含む遠隔地への移動は、江藤愛来さんのプライベートジェットを利用させてもらったが、ローザ+リリンの2人は
「VIPになった気分だ」
と言っていた。
 

温泉や旅館の紹介は、概ねそこの温泉ゆかりの女性(看板娘?)にインタビューしている。旅館では概して若女将に相当する人がインタビューを受けたが、ケイナが若女将の胸を揉んだり!お尻に触ったりするのは「さすがにセクハラ」と言われて5月以降は控えるようになった(若女将側はケイナを女性と思い込んでいるので全然気にしていないようだった)。
 
入浴は女湯を貸し切って使用する。これはコロナの問題と、ケイナの性別疑惑(もしかしたら、ちんちんが付いているかも?という疑惑)もある。マリナが女になったことはもう確定なのだが、ケイナの性別についてはこの時期、実は様々な説が濫立していた。
 
温泉宿でお風呂に入るのに裸になった所で(むろんその付近はカメラは撮さないのだが)若女将さんはケイナの下半身を見て
 
「普通に女性じゃないですか」
と言っていた。
 
また、ケイナは豊かなバストをカメラに曝していたが、これについては
「私のはニセモノだから」
と本人は言っていた。
 
「本物バストのマリナのと比べてみよう」
などとやっていたが、普通の放送局では今どき許されない映像である(1970年代頃までは地上波でもこの程度の映像が流れることはあった)。
 
若女将にふたりのバストを揉ませてみる!が
「違いが分かりません」
と若女将は言う(若女将はケイナは“上げ底”しているのかなと思ったようである)。
 
ケイナが付けているブレストフォームは岐阜県の会社が開発した精巧なもので、表面は医療用の人工皮膚を使用しているし、装着して5分もすれば体温と同じ温度になる。お風呂に入って温まっても、ちゃんと他の肌の部分と同じ色に変化する。またバストの表面に触った感触が本人の肌にも伝わる。それで目隠しをして
 
「今触ったのは右のおっぱいですか?左のおっぱいですか?」
などというのにも、ケイナは正しく答えていた。触る役はまた若女将!
 
それで「ニセモノという建前で本物なのでは?」という声が視聴者の間ではあがっていた。
 
むろんこんな映像も普通の放送局では絶対に流せない!
 
(しかし乳癌で乳房を切除した女性からの引き合いもかなりあった:そもそも実はそういう人たちのために開発されたもの)
 
なお、あけぼのテレビの番組制作基準では、基本的には性器や陰部を映すのはNGだが、おっぱいについてはグレーゾーンである。特に男性のおっぱいはOKである!つまりマリナのおっぱいはグレーゾーンだったのだが、ケイナのおっぱいは、ケイナが本人の主張通り男であるとしたら映してもOKである。
 

しかしケイナのバストは実は本物なのではということ、温泉で若女将さんがケイナの股間を見て「普通に女性じゃないですか」と言っていたことなどから、これまでケイナはマリナと結婚するために男に戻ったのではという説が有力だったのが、実は性転換して女になったままなのではという説が強くなったのである。そしてマリナが妊娠した赤ちゃんは、性転換前に冷凍保存していた精液を使用したもので、2人は3月で代理ボーカルの仕事も終わるので、その後、赤ちゃんを作ろうと考えて仕込んだのではないか、という意見も出て来た。
 
そもそも冷凍保存していた男性器を解凍して再度くっつけても機能するとは思えないという医学生(と称する人)からの書き込みもあった。
 

温泉芸では、ローズ+リリーやラピスラズリ!、ザ・ピーナッツやPUFFYなどのものまねをベースとして、口(くち)ギター・口(くち)ドラムス!でベンチャーズ、ザ・シャドウズ、などの古いナンバーから、YMO、ザ・スクエア、カシオペア、スペクトラムなど、更には最近のSAKE ROCK などまで再現してみせてこれはマジで驚嘆されていた。
 
ラピスラズリのものまねでは、マリナが実際にグランドピアノを弾きながら、ふたりで歌唱する形式もやってみせ、マリナの手を覗き込んだその日ゲストの丸井ほのか(長らくテレビから消えていたがこのチャンネルで復活!)が
「すげー、マジに弾いてる」
と感心していた。
 
(実はマリナはわりとピアノを弾く。ケイナはわりとギターを弾く)
 
また、かつて藤村有弘(1934-1982)が持ち芸としていて、タモリも一時期やっていた“インチキ外国語”のネタも、ケイナが、イギリス英語風・アメリカ英語風・フランス語風・ドイツ語風・スペイン語風・ロシア語風・中国語風などと演じ分けてみせ、これは藤村有弘を知らない世代にも大いに受けていた。
 
「あけぼのテレビの開局に各国首脳からお祝いのメッセージが届いております。最初にトランプ大統領」
「オー、メイデイ、トゥギャラ、アップ・プリーズ、ダウンナット」
「次にマクロン大統領」
「ジュブドレ、キュリョモトー、アゲルジュテーム、シルブプレ」
「次にムン・ジェイン大統領」
「キュリョダムン、モトアゲクレチュセヨ、カムサハムニダ」
 
みたいな感じである(イントネーションを文字では表現できないのが残念)。
 
なお、ストリップ芸については「自主規制」で、しないことにした。
 

この他に、ゴールデンシックスがお金の無い自治体の学校にネット中継機器をプレゼントする企画(資金提供:ムーラン)、タレントさんを各地のサーキットでスポーツ走行する車に乗せる企画(ナビゲーター&ドライバー:小野寺イルザ)、『丸井ほのかのお料理教室』などが週1回の企画として設定された。
 
このあけぼのテレビの運営については、紅川絡みで∞∞プロ、ケイ絡みで○○プロとζζプロに∴∴ミュージック、蔵田さん絡みで$$アーツ、などが協力してくれている。実はどこのプロダクションも、在来局の番組収録が休止になって、タレントさんたちの仕事が無く、困っていたのである。
 
そして丸井ほのかのような復活組もある。丸井ほのかは、元々料理はうまいのだが、基本的に生放送なので、失敗する可能性もある。また本人の性格として大いに脱線がある。更にアシスタント?の立山みるく(料理ができない)が、本人も意図しないで、おかしなことをしてしまうので、最終的にまともな料理になるかどうかは運次第という番組になった。
 
若葉が用意した簡易検査キットは威力を発揮し、出演予定だったタレントさん2人の陽性を検出して、正式のPCR検査も受けさせ陽性確定。発症前に判明したことから、早期の治療を受けることができて、2人とも軽症で済んでいる。取り敢えず、4月・5月は出演者から感染者を出さずに済んだ。
 
簡易検査キットは在来局も興味を示したが、費用を聞いてギブアップしたようである。全員に受けさせていたら、ふつう全く採算が取れない。あけぼのテレビの場合は「お金が余って困っている人」がいるからできることである。
 

西湖は4月から高校3年生になった。しかし学校は休校したままである。アクアさんが高校卒業したから、どれだけ忙しくなるだろうかと戦々恐々だったのだが、各放送局の番組収録の自粛で、急に暇になったようである。それでこちらまで暇である。
 
アクアさんは
「この機会に学校の勉強を少し頑張りなよ」
と言って、ベネッセの“中学講座”の中学1年のテキストをドーンと置いていってくれたので、西湖Fが数学・理科、西湖Mが国語・英語を取り敢えず勉強することにした(社会はしばらく放置)。
 
ほとんど学校に行っていなかった西湖でも、さすがに中学1年のテキストなら分かるので、勉強していて、これ面白ーいと思っていた。
 
なお番組の撮影で『ほのぼの奉行所物語』は収録休止になっており、3月11日の収録までに撮影されたものも放送保留され、第1シーズンのものが放送されることになった。西湖はそれをテレビで見ていて「懐かしー」と思った。
 
アクアさんはアルバムの制作もするようだが、楽曲がそろうまでは、作業が始められない。高崎ひろかさん、品川ありささんに、姫路スピカちゃんまでアルバムを作ることになったようだが、彼女たちも同様に楽曲が揃うまでは何もできない。
 
そこでそれまで録音施設が空いているので「こんなのでも吹き込まない?」と言われて、今井葉月の初めてのアルバムが制作されることになったのである。
 

題して『葉月Sings Carpenters Once More』である。葉月は年末のローズ+リリーのカウントダウン前座でもカーペンターズを歌ったが、実はあれがかなり好評だった。そこでカーペンターズの歌を歌ったアルバムを出そうということになったのである。歌詞は訳さず、英語のまま歌う(実は訳詞を作って承認を取ったりする作業ができない。そもそもアメリカに渡航できない)。
 
原詩のまま歌うことについては、リチャード氏とコネのある日本国内のミュージシャンさんを通して電話のやりとりで承認を得た。念のためどれでもいいから歌を聴かせてくれと言われたので "Yesterday Once More" と "Sing" を歌わせてビデオデータを送信したら
 
「Beautiful Girl! and a Good Singer!」(可愛い娘だし上手いね!)
と言って気に入ってもらえたので、制作に入ることができた。
 
収録曲は14曲である。
 
Yesterday Once More
Top of the World
Sweet smile
Jambalaya
Please Mister Postman
Help
Rainy days and Mondays
Close to You
Superstar
Solitaire
This Masquerade
Ticket to Ride
I'll never fall in love again
Sing
 
伴奏はスターキッズ!にお願いして(ギャラが高いが予算は潤沢にある)、ヴァイオリンを大崎志乃舞に弾いてもらっている。多くがスターキッズのバンド演奏を伴奏にしているが(ピアノは葉月自身が弾く)、Close to You では葉月のピアノソロで歌っている。
 
また全体の監修もスターキッズの七星さんにお願いしている。
 

このアルバムは3月下旬から約半月かけて録音をおこない、4月中旬にはマスターが完成。(プレス工場が空いていることもあり)速攻でプレスされて4月29日(水祝)に発売されたが、ダウンロードを含めて一週間で30万枚を売り、初アルバム・初プラチナとなった。PVは信濃町ガールズの子たちを関東近辺の自然の豊かな地域に車で運び撮影した映像とスタジオ内で色々な服を着せた葉月を合成しているが、このPV付きのものも10万枚売れている。また、"Rainy days and Mondays"では白いドレスを着てピアノを弾く葉月と赤いドレスを着てヴァイオリンを弾く志乃舞の映像が入っているが、それ自体が美しいと言われた。またマスカレード(仮面劇という意味)のPVでは、葉月と志乃舞がベネチアンマスクをつけて演奏している所が映った。
 
演奏環境が取れずに活動不能になっているアーティストの多い中で、葉月の元からのファンだけでなく、10代から25歳程度以下男子のアイドル支持層が買ってくれたし、またカーペンターズということて50代以上の男女も動かした。50代以上の層に、今井葉月というアイドルがいることを周知する結果ともなった。彼らの多くが「あ、ほのぼの奉行所物語に出てる子だ」と言った。むろん彼らは葉月がアクアのボディダブルも務めていることまでは知らない。
 
ちなみに§§ミュージックのホームページのタレント紹介のコーナーでは、今井葉月 2002.8.20 22:15 桶川市生れ Sex:F 本名天月聖子 と書かれていたので「本名の方が芸名っぽい」と多くの人に言われた(元からのファンの間では有名な話)。
 
「でも昔は西湖という字だったんだけどね」
「まるで男みたいな名前だから改名したのでは?」
と古いファンの間では話されていた。
「実は男の娘だったということは?」
「女子高のS学園に通っているから、それはあり得ない」
 
「誕生日がアクアちゃんと同じなんだ」
というのもあらためて多くの人に言われたが、これも元からのファンの間では常識となっている話である。
 

ローザ+リリンも2月までは様々なテレビ番組に出演したり、あちこちのイベントに呼ばれたりして忙しかったのだが、3月中旬くらいからイベントが中止になったり、テレビ番組の収録が休止されたり、また一部の番組では制作陣と§§ミュージック側との感染対策に関する話し合いが決裂してタレントを引き上げたりしたのもあったので、ぐっと暇になった。そこで3月下旬から4月に掛けてはローズクォーツのアルバム制作にかなり時間が取れることになった。おかげで、『Rose Quarts Plays Pops』も『Rose Quaars Best』も収録が進んで、Plays Popsは4月に、Best も6月にリリースすることができるようになった。
 
「オーディションとかができなくて、次の代理ボーカルを選定できないんだよ。取り敢えず9月くらいまで延長できない?」
とケイナたちは、タカから非公式に要請された。
 
「私たちは特に先約もないからいいですよ」
 
それで、UTPの大宮副社長とザマーミロ鉄板の板付社長との話し合いで、代理ボーカルは取り敢えず9月まで延長されることになった。
 
「でも3月・4月はギャラが2月とかの半分以下」
とケイナは言う。
「今は仕方ないねー。みんなそうみたい。でも落ち着いたら回復するよ」
とタカは慰めておいた。
 
そういう訳でローザ+リリンは5月以降は、ローズクォーツの新しいアルバム『String Quarts』の制作に参加することになった。昨年『Brass Quarts』が好評だったので、ブラス・サウンドを入れたアルバムの第二弾というのも構想にあったのだが、コロナ問題で管楽器はできたら避けてくれという要請があり、今年は弦楽器でいくことにした。
 
2013年に作った『Rose Quarts Plays Easy Listening』で演奏をしてくれたメンバーが独自に活動を続けている渡部賢一グランド・オーケストラのメンバーが協力してくれた。7年も経つとメンバーは半分以上入れ替わっていたが、当時もいたメンバーも居て、「久しぶりですねー」と言いあった。
 

テレビ出演の方は、『夜はネルネル』の他に、4月からクイズ番組にレギュラー出演する話が決まっていたのだが、コロナの影響で番組収録は、とりあえず5月まで休止が決まった。6月に再開されるかどうかは現時点では不明である。
 
新しく§§ミュージックが立ち上げたネット放送局で何か番組を担当してくれないかとコスモスから照会され、ケイナは『ザ・ドサ廻り』という番組の企画を書き、承認された。ただし感染予防のため、移動は全て車にするという条件が付けられた。
 
“アクアのアクア”に乗って2人が移動している様子も撮影された。撮影は原則としてサンシャイン映像制作の柳川裕希さんである。彼女は本来、関西・北陸近辺での撮影にだけ協力する約束でサマーガールズ出版と契約したのたが
 
「ケイさんにうまく丸め込まれました。私が飛び回っていて離婚になったらケイさんの責任です」
などと言っていた!
 
サンシャイン映像制作が用意してくれたフリードスパイク(荷物をたくさん乗せるのにはとても都合のいい車)を自ら運転して、アクアのアクアに乗るローザ+リリンと一緒に全国移動しながらの撮影となった。撮影は当然泊まり込みになるので毎週3日は自宅を留守にする。ほんとに御主人がぶつぶつ言っていたらしい!
 
なお、醍醐春海が
「ワクチンありますけど、何なら打っておきます?」
と言ったので
「あ、それ恐かったんです。ワクチンもうできたんですか?お願いします」
と言って打ってもらった。半月あけて2回打つ必要があるということで2回接種してもらった。ケイナも(2回)接種したが、マリナは妊娠中なので、念のため接種はしないことにしたらしい。
 

4月7日(火)、仙台市街地に和実が建てていたクレール青葉通り店の建物が竣工した。最初は地上3階・地下1階と考えていたのだが、最終的には地上6階・地下2階という当初構想の倍の規模となった。ここの結界は、青葉が3月上旬に来た時に基本的な仕掛けを作ってくれていたのを竣工当日に和実の手で作動させた。
 
新しいお店のオープンに合わせて新しいメイドを大量に採用している。この子たちには“プラスチック・スタイル”のメイド服を着てもらったが、ほとんどの子が、これを面白がっていた。
 
クレール店内は当初の設計からは大きく間引きされたテーブルを並べ、数々の感染対策をおこなっている。クレールのスタッフには(その日出勤しない人も含めて)全員朝の検温をしてもらっているし、出勤してきた人については、若葉が持ち込んできた簡易検査キット(厚生労働省未認可!)で感染の有無を確認している。
 
そしてここを絶対安全空間にしたことで、ビル内の他の店舗の営業も支援したのである。基本的に待ち行列を作らないように、各店舗で番号札を取った後はクレール店内で順番を待ってもらうことにした。順番がきたらクレール店内の電光掲示板と、お客様のスマホに表示される仕組みである。
 
若葉はテナント各店舗に対して「各々準備ができた所で開業して欲しい」と要請、一斉の“グランドオープン”は見送ることにした。
 

若葉の作ったお菓子屋さん“ムーランルージュ”と千里が作ったアクセサリーショップ“フェニックス・ドリーム”、スポーツ用品店“フェニックス・スポーツ”は、クレールのオープンと同時に開業した。
 
美容室“新トワイライト・青葉通り店”がその週の木曜日4月9日にオープン、パン屋さん“ニューバンブーパン”が4/13(月)、楽器店“仙台楽器”とCDショップ・TKRサウンズが4/17(金)にオープンし、4/20(月)にTKRスタジオがオープンした。スタジオのオープンが遅れたのは、ビニールシートによる分離や、換気設備の見直しなどに時間が掛かったためである。
 
そしてアクアグッズをはじめとするタレントグッズのお店・§§ファンは5月の連休明けにオープンした。これは連休に大量のファンが仙台に集まってくるのを避けるためで、実は仙台市から、ゴールデンウィーク中の開業は控えてくれと要請されていたので遅らせたのである。
 

クレールのメイドさんの大半は若林店に近い、若林植物公園そばの女子寮に住んでいて、シャトルバスに乗って青葉通り店に通勤してくる。当初は東京のエヴォンと同様メイドが2つの店を日替わりで訪れる方式にするつもりだったが、感染拡大防止の観点から、当面メイドの交流はしないことにした。そのため、若林店のメイドは1号棟、青葉通り店のメイドは2号棟に入居させている。
 
ボニアート・アサドの4月のライブは、偶然にもその日は晴れたので、3月と同様に駐車場を利用して、リアルタイム中継する方式で実施した。5月以降のライブについて、新たに隣接する土地に徹底的な感染対策を施した会場を建設中であることを説明し、実際に工事中の現場もボニアート・アサドのマネージャーさんに見てもらったが「これは凄い」と感心していた。
 

ゴールデンウィーク明けにオープンした“§§ファン仙台店”だが、お店のオープンと同時に通販サイトを立ち上げ、お店に来なくても、お店に出しているのと同じ商品が買えるようにした。
 
全ての商品に写真・能書きが付属しており「別の角度からの写真も欲しい」などの要望にはどんどん応えた。写真集などもサンプルページを出している。
 
それでこのお店は、通販が店舗売り上げの30倍売れることになる。これまでグッズの出たことが無かった、リセエンヌ・ドオや、大崎志乃舞などのグッズも随分出ていた。
 

青葉がメインを務める?『金沢ドイルの北陸霊界探訪』であるが、本来なら6月下旬に放送すべき回はお休みが宣言された。コロナに対応するため放送局はどこも新しい番組制作体制を模索している所で、一般の人への取材などは困難と思われたからである。
 
その時間枠には結局、幸花、明恵、真珠の“3人娘”と、競技によっては青葉の水泳部の後輩・桜池裕夢も加えた4人での運動会(?)が放送されることになった。
 
「あのぉ、裕夢さんの性別は?」
「男ですけど何か?」
「どうしてスカート穿いてるんですか?」
「え?誰でも穿くでしょ?」
 
と裕夢は開き直っていた。彼は声さえ聞かなければ女の子にしか見えない格好をしている。
 

種目は、来年に延期されてしまったオリンピックの代わり?ということで、4.2195kmのミニマラソン、25m競泳、スワンボート競争(津幡町石川県森林公園)、射的用の弓で“射ァチェリー”競争(距離5m/3mで6射ずつ:普通のアーチエリーなら50m/30mで36射ずつ)、裕夢を除いた3人と県内のミニバスチームに所属する小学生女子3人との6.75mではなく3.75mラインからの“ツーポイントシュートコンテスト”(ちなみにフリースローは4.225m)とスキルズチャレンジなども行った。バスケは充分な感染対策が施された火牛アリーナで撮影された。
 
ツーポイントコンテストは、最初に“金沢コイル”こと、千里が本来の距離6.75mでスリーポイントコンテストの形式で34点満点をあげる映像(別録りしたもの:ミニバスの小学生たちから「すごー!」という声があがっていた)を流した後で始めるが、幸花は0点という“世界最低記録”をマークして「3.75mって結構遠いよ」と言っていた。ミニバス女子小学生は3人とも7割程度入れていた。その3人が1〜3位で4位真珠、5位明恵、6位幸花である。ちなみに放送しなかったが裕夢にもやらせたところ、幸花と同点“世界最低タイ記録”だった!
 
スキルズチャレンジは、レイアップシュート、ドリブル、パス(隣の練習場で使用しているパス受取人形使用)、ミニフリースロー(3.2m)、ミニスリーポイント(4.2m:本来のフリースローの距離)でおこなったが、幸花は4.2mからどうしても入らず棄権失格となった!小学生女子が1〜3位、4位明恵・5位真珠という結果となる。
 
なおバスケはバスケ協会の指針に基づき、ボールは全員専用のものを使って、共用しないようにした。3Pコンテストでは1人ずつボールを全消毒している。(本当はアルコール消毒はボールを痛めるのだが仕方ない)消毒の様子も映像として流した。
 
25m水泳で裕夢は競泳用女子水着姿を曝していたが、彼の水着姿はバストも大きく、お股のラインはスッキリしているので女子にしか見えない。視聴者の間でも
「手術済み?」
「偽装では?」
と意見が別れていた。でもさすがにこの競争は裕夢のぶっちぎりの優勝だったので幸花が
「さすがに男子現役選手にはかなわん。ハンディキャップに1tのおもりを付けるべきだった」
と言い
「それ沈んだまま永久に浮かび上がれないよ」
と裕夢は言っていた。
 
この他、アクアゾーン地下プールでの日本代表女子長距離組の練習の風景もレポートしていた。
 

「今日は『北陸霊界探訪』じゃなくて『北陸体育競争』だ」
と幸花が言ったのに明恵が
「もう少し面白いボケを」
と言ったので
「じゃあんたが考えなさい」
と言われ
「『北陸霊界探訪』ならぬ『北陸大会運動』」
と言ったが
「ゴロが悪い」
と言われていた。
 

「ところで真珠(まこと)ちゃんもレギュラーになったんですか?という質問が視聴者から来ているのですが」
と幸花が言うと
 
「私はただのゲストでーす」
と本人は言っていた。
 
「ちなみに私の名前の読みは“まこと”です。“しんじゅ”ではありませんのでよろしく」
 
「『よろしく』って、まだ出るつもりですね?」
「なんか雑用係にされている気もしますけど」
 
「ところで、以前出演していた青山さんはオカマバーに務めているという噂も聞くのですが、という質問が来ているのですが」
と明恵が言うと
 
「念のため本人に電話してみた所、普通の会社に普通の男性社員として勤務しているそうです」
と幸花は答えたものの、その背景に女性用ビジネススーツ(スカートタイプ)を着たノーメイクの(でも充分女に見える)青山の写真が写ったので、視聴者は騒然とすることになる。
 
「ついでに、タクシーただ乗り幽霊とか、浄土平のバイクツアーとかに出演した吉田さんはOLとして就職したという噂もあるのですが」
と真珠が言うと
 
「それもご本人に電話して確認した所、間違いなく男性社員として勤務しているということです」
と幸花が答えたものの、その背景に女子制服っぽい左前合わせの服(下半身は映っていない:実はトリミングした)を着て、他の同じ制服を着た女子社員と談笑する吉田の写真が写るので、これも視聴者は騒然となった。
 
(吉田が世梨奈に見せた写真を速攻でコピーされ、それが幸花に渡って番組でネタとして使われた。本人未承諾だったので、吉田は番組を見てむせ込んだ)
 

「何か色々嘘を報道している気がするのですが」
と明恵。
「ただの冗談ですのでご安心を。そもそもこの番組は報道番組ではなくバラエティですので」
と幸花。
「バラエティだったんですか!?」
と真珠。
 
「そうだよ。だいたい幽霊とかオバケとか居るわけないし」
と幸花。
「そんなこと言ったら、この番組の根幹が崩れる気がするんですが」
と真珠。
「だからこれはバラエティだって」
と幸花は言っていた。
 

なお、吉田が着ていたのがH銀行の女子制服というのは分かった視聴者も多く、背景に映ったのがどうもH銀行金沢支店っぽいということで、わざわざ見にいった視聴者も複数いたようだが、女装の吉田を目撃した人は皆無であった(実は放送時点では別の部署に異動していた)。
 
しかし青山については「スカート穿いて生命保険の外交してるの見た」とか「ヤクルトレディの服装してヤクルト配達してた」とか「フォーラスの婦人服店でフェミニンなワンピース着て販売員してた」などという噂が飛び交い続けていた。
 

4月16日、政府は緊急事態宣言を全国に拡大した。特に最初に宣言された7都府県に感染者が急増中の北海道、茨城、石川、岐阜、愛知、京都の6道府県を加えた13都道府県が「特定警戒都道府県」とされた。指定された地域では、休校中の学校で設定されていた登校日を中止するなどの動きがあった。
 
各地の自治体から、自衛隊に災害出動の要請があり、PCR検査、輸送、陽性者の家族の支援などの業務にあたったが、河野太郎防衛大臣は「自衛隊から感染者を出すな」と厳命。そこで普通の医療スタッフが、マスク・手袋・ガウンなどの感染対策を取っているのに対して自衛隊員は全員防護服を着用して作業に当たった。
 
この結果、自衛隊からは一人も感染者が出ず、その報道を見た若葉や和実は、自分たちが導入した“プラスチックスタイル”のメイド服は、やはり正しかった、と自信を深めた。
 

4月17日、津幡町の火牛アクアゾーンが竣工し、ムーラン建設からムーランリゾートに引き渡された。しかし若葉は、アクアゾーンの遊泳プールとスパ・仮眠室については、当面の休業を宣言し、火牛ホテルも、日本代表候補の人だけの利用に限定。3月から募集していた、〒〒スイミングクラブの会員のみについて、地下の25mプールの利用を予約制で受け付けることにした。
 
予約制にするのはむろん人の密度を下げるためである。基本的に一度に入れる人数を10人以内、つまり1レーン1名にすることにした(ここも50mプールと同様、レーン間がアクリル板で区切られていて、水も各々独立に循環している)。次の利用者との間は最低30分空けて、水の多くが入れ替わるのを待つ。
 
実際には、他のプールの多くが閉鎖されている中、中学・高校の水泳部からの利用申し込みが多かった。
 
このプールは厚生労働省に審査してもらい、特別営業許可をもらって営業している。厚生労働省の係官は「ここまでしてるのか!」と、むしろ呆れていた。
 
入場者はサーモグラフィによる体温チェックの上、若葉が用意した日本未認可!のアメリカ製簡易検査キット(FDAは緊急承認している)により陰性であることを確認した上で場内に入れるようにした。この検査をするため、予約時間30分前の来館をお願いしている。なおスイミングクラブの会費は、4月・5月については無料とすることにし、既に払い込まれている分については、返金もしくは6月以降への先送りにすることにしたが、ほとんど全員が先送りを選択した。
 
「なんか物凄い赤字じゃない?」
「うん。お金が減って助かる」
「は!?」
 

結果的にハイレベルの泳者の利用がほとんどになったので監視員は基準ギリギリしか置いていない。
 
世梨奈は水着を着てマスクをした姿で、ここで休憩を挟んで朝から夕方まで合計8時間、監視台に座ったが、うまい人が多いので、ほとんどすることがなく、音楽を聴いたり、ラジオを聴いたりしていた(テレビやスマホなど、視界を取られるものは禁止)。ここは小さな部屋のようになっているので、万一ウトウトしても転落の危険は無い−実は数回、椅子から床に転げ落ちた。また熱中症などにならないよう水分を取るよう言われたが、感染防止のため、密閉されていて、ストローで飲むタイプのボトルのみが許可された。ストローは必ず使い捨てて再利用しないように言われた。
 
なお、指導者としては、元々予定していた、幸花・布恋・杏里・月見里公子の他、日本代表候補の南野里美も指導に立った。南野里美のレッスンは予約の競争率が凄かった。
 

50mプールについては、これまで“プライベートプール”で泳いでいた日本代表候補の人たちに無償で利用してもらい、その間にプライベートプールはいったん閉鎖して、アクアゾーンに施したのと同様の感染対策工事をすることにした。
 
なお、地下プールの50mプールと25mプールの間は天井まである透明アクリル板で仕切られており、空気の交流はほとんど無い。ただし25mプールの利用者を含むスイミングクラブの会員は観客席から50mプールの選手たちの練習を見学することができる(マスク着用義務で最大50人)。観客席もプールとはアクリル板で区切られている。けっこう予約時間前に来てここから見学している人たちもいた。
 
「なんか変な女子選手がいる」
「あの選手は性転換したんだとか聞いたよ」
「ああ、それで身体付きが男っぽいのか。でもオリンピックに出られるの?」
「性転換したあと3年経てば出られるらしいけど、性転換したばかりだから、東京オリンピックはダメらしい。たぶんパリオリンピックまでには筋肉も落ちて女性的な身体付きになるのでは?」
 
「ああ、男みたいな筋肉で、ちんちん無いから女ですと言われても困るよね」
 
「それを認めたら、どこか変な国が男子選手を直前にちょん切って女子選手として出場させてメダル総なめにするよね」
 

こんなことを言われているのは、東京方面のプールが全閉鎖されているので、こちらに来ている筒石である!ジャネに「女子専用だから女子水着を着てね」と言われて、喜んで!?女子水着を着ている。お股はジャネ(実はマラ)自身の手でタックされてしまったが「去勢されちゃったみたいで凄く変な気分」と言っていた。
 
「女みたいに座っておしっこしないといけないし」
「おしっこする時に休めるからいいでしょ?」
 
(なお水泳選手は水の抵抗を減らすため、体毛は全て剃っている)
 
「女子水着の方がスピードが出る気がする。今のタイムは日本記録を越えてる」
「だから男子のワンピース型は禁止されたんだよ。いっそ、女子水着で大会に出られるようになりたい?」
 
「それって性転換して女にならないといけないとか」
「私レスビアンでもいいよ。睾丸を取って女性ホルモン優位の状態を2年間維持したら、女子として大会に出られるよ」
 
「2年かかるなら東京オリンピックに間に合わないから、東京が終わってから考えてみる」
と筒石は言っていた。
 
(“マラ”が変なこと唆すなと抗議していたが、そもそも“ジャネ”は筒石とセックスする気は毛頭無い。ただレスビアン・セックス(但しインサート無し)くらいならしてもいい気はする:また人工授精でなら赤ちゃん産んでもいいよ、とマラには言っているが、それをやると処女懐胎することになり、産まれてくる赤ちゃんは"Mother Fucker"になる。マラは幽霊なので多分妊娠は困難・・・かも?『牡丹灯籠』を収録した短編集『伽婢子』には幽霊が子供を産む話もあるにはあるが)
 

なお、〒〒スイミングクラブの指導員になっちゃった、南野里美であるが、実情を3月末になってから、青葉に打ち明けた。
 
「私、卒論は出さなかったんだよ」
「え〜?どうして?」
「だって、卒論書いているより、こんな環境のいい所でずっと泳いでいたいと思ってさ」
 
「だったら大学は?」
「留年!」
「きゃー」
「大学卒業よりオリンピック、と思ったけど延期で拍子抜け」
と彼女は言っていた。
 
「その間1年間練習しよう」
「そうしよう」
 
「あれ?でも留年したら、就職は?」
「キャンセル!」
 
と言って彼女は両手を大きく斜め上にあげた。
\(^−^)/のポーズである。
 
彼女は本来は今年4月からSTスイミングクラブを運営するNN社(学習塾なども運営している会社)の東京本社に入社する予定だった。
 
「STスイミングクラブの先輩から叱られたけど、オリンピックでメダル取れたら1年後に募集枠外で入社できるという話をまとめてくれた。でもオリンピック延期で、その話も飛んじゃった!」
 
「ああ」
 
「だから若葉さんに雇ってもらって、ここで指導員しながら、練習続けることにした。結局、青葉ちゃんと同じ所属になっちゃったね」
 
「じゃ、同輩かつライバルとして頑張ろう」
「うん、お互い頑張ろう」
と言って、青葉は里美と力強い握手をした。
 
 
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【春曙】(2)