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■あなたが言ったから合コンの日(3)

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やがて萌がやってくる。改めて事情を話したら、もの凄く怒っていた。速攻で絶縁メールを送っていた。
「蘭、あぶないところ助けてくれてありがとうね」
「ううん。たまたま通りかかっただけだし。でも妹さん、無防備っぽいからいろいろ世間のことも教えてあげてね」
「うん、そうする」
「そうだ。私も鈴太郎と別れたから」
「え?そうなんだ?」
 
「また合コンやろうか?」
「うん。しかし相手を少しちゃんと見ないといけないなあ。美月はうまく行ったのだろうか」
「でも、萌、妹さん、ほんとに可愛いね」
「そ、そう?」
「そうだ!明日3人でさ、ぱーっとサーモスランドにでも遊びに行かない?私男の子と遊ぶのも好きだけど、女同士で遊ぶのも好きだよ」
「え、えっと・・・・」と姉は僕の方を見る。
流れ的に断れない気がしたので僕は「うん、私はいいよ」と答えた。
 
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帰り道、姉は「下着の替えがいるなあ」といい、僕を連れて大きなスーパーに寄り、中学生っぽいブラとショーツを数枚買ってくれた。
「でも、よくひとりでその格好で外出できたね」
「お姉ちゃんの彼氏のためならと思ったんだよ」
「ありがとう。でもそんなとんでもない奴とは思わなかったわ」
「お姉ちゃん、見斗さんとHしたの?」
「してない。私、男には見境無いけど4〜5回デートするまではさせないもん」
「よかった。お姉ちゃんがああいう人とHしてたらいやかもという気がした」
 
「ありがとうね。そうだ、お詫びに、明日用の可愛い服買ってあげる」
「え?」
「可愛くなるのは嫌じゃないんでしょ?」
「うん、まあ」
姉は、これがいいかな?こっちかな?などと迷っていたが、これが合いそうと言って、ツインキャットの可愛いパーカーと、それと合いそうな膝丈のプリーツスカートを買ってくれた。試着したらウェスト57cmでちょうど良かった。「あんた結構細いんだね」と姉は驚いていた。
その日はそこのスーパーの多目的トイレで男の子の服に戻って帰宅した。
 
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翌日は姉と一緒に出かけ、途中の駅の多目的トイレで女の子の服に着替え、姉にお化粧をしてもらった。(下着は家で着けてきた)。現地で蘭と合流してサーモスランドに入場した。
 
ここに来たのは小学校の3年生の時以来だったので、凄く楽しかった。小学生の頃は身長制限で乗れなかった絶叫マシンに乗ったが、マジできついものもあり、何度か「ちょっと休ませてー」と言って休ませてもらった。午前中で僕はかなり消耗したが、姉と蘭はまだまだ絶叫系に乗りたがっている感じだったので、僕は休んでいるから、ふたりで乗ってきてと言った。じゃ遠慮無くということで、昼食後ふたりはまた遊びに行った。僕は少しお小遣いをもらって、お茶を飲みながらのんびりと景色など眺めていた。
 
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「あれ?君、ひとり?」
声を掛けられて僕はそちらを見た。
「あ、こんにちは。昨日はありがとうございました」
鈴太郎さんだった。
「姉と・・・蘭さんと3人で来たんですが、私は疲れたので少し休んでいた所です」
「ここの絶叫マシンはなかなかハードだからねえ。僕も男友達3人と来たんだけど、体力がもたないから、休ませてもらってたところで」
「ストンと落ちたりする所はもう肝が縮みます」
「うんうん。僕もあれが苦手で。あと三半規管に来るやつが辛い」
「あれ私もダメです。しばらく休んでないと次に行けません」
鈴太郎さんはけっこう体格良いのに、そういうのがダメなのかと意外な気がした。僕はしばらく鈴太郎さんとあちこちのマシンの話で盛り上がった。
 
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「ところであゆみちゃん」
「はい?」
鈴太郎さんは急に小さな声になり、少し体を寄せてこう訊いた。
「ここだけの話、君、女の子になりたい男の子なの?」
「あ・・・・」
僕は自分でも女装のことは忘れていた。半ば反射的に女言葉で会話はしていたのだが。
「えっと、ごめんなさい。私、ふつうの男の子です。合コンの数合わせで女装させられちゃって、昨日も今日もそのなりゆきでこういう格好していて」
「なんだ、そうだったんだ!」
 
「いつ分かりましたか?」
「合コンの時に、見た時すぐ分かったよ。でも他の人は分からなかったろうね」
「わあ、最初からバレてましたか」
「僕のね、高校時代のクラスメイトに、女の子になりたがっていた男の子がいて、その子見ていたから、この方面の感覚が比較的磨かれてるんだ」
「わあ」
「その子の女装姿何度も見てたしね。一応授業は男の子の制服で受けていたけど、休日に部活に出てくる時とかはいつもスカート穿いてた。女の子にしか見えないから、休日はいつも女の子の格好で外出してトイレも女子トイレ使うし、プールに行く時も女子更衣室使うなんて言ってたな」
「へー」
 
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「君は別に女の子になりたいわけじゃないんだ?」
「違います」
「それにしては君可愛いよね。これだけ可愛いと男の子にしておくのもったいない気がする。少し仕草とか行動パターンとかを磨いたら、誰にも女の子にしか見えないようになると思うよ」
「いえ、別にそんな磨かなくても・・・」
「ね。今度僕とデートしてみない?」
なに〜?僕は、蘭さんが言ってた『男はいつでも女とやりたがってる』という言葉を思い出した。鈴太郎さんなんて凄く紳士的に見えるのに。そもそも僕、男の子だって言ってるのに、構わないの???
 
「君、まだ恋愛したことないでしょ?」
僕は頷く。
「デートで行く所とか、デートの時の会話術とか、僕が教えてあげるから。そしたら、君が男の子として、女の子をデートに誘うときに役立つと思うよ」
「ああ、それは確かに。でも私、男の子だから鈴太郎さんとHもできないし」
 
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「あはは、中学生とHはしないよ。そもそも僕はH嫌いだし。それにしばらく恋愛はせずに勉強に集中したいんだ。だけど、僕がフリーでいると次々と女の子がアプローチしてくるし、こないだみたいに合コンには引っ張りだされるし」
 
「あぁ」もてる人はもてる人並みに悩みがあるんだな、と僕は思った。それと姉の大学でもやはりまじめな人はちゃんと勉強するんだなと僕は鈴太郎さんを見直した。「でもHが嫌いな男の人もいるんですね」
「蘭と合わなかったのはそこなんだよ。彼女はいっぱいHしたかったみたいだし」
「はあ」
「君はHしたい?」
「関心はありますけど、私にはまだ早いかなと・・・・」
「うん。中学生には早いと思うよ。せめて高校生くらいになってからするといい」
「はい」
 
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「それで、僕は付き合っている子がいるからということで、しばらく女性からのアプローチを断りたいから、そのアリバイ作りに協力してもらえたら助かるかなと。知り合いが見てそうな場所でデートを重ねて。もちろん中学生相手ということで節度を持った付き合い方するし。月に1度くらいの頻度でいいかな。僕もそれ以上は勉強に差し支えるし」
 
「でもなぜ私なんですか?鈴太郎さんなら、協力してくれる女の子もいそうなのに」
「いや、女の子じゃないから助かるんだよ。女の子だと、その子が僕のこと好きになっちゃうかも知れないし」
「あ、そうか。私だと、ほんとの恋愛になる可能性がないからいいんですね」
「そういうこと」
「じゃ、お姉ちゃんが許してくれたら」
「うん、それでいいよ、あゆみちゃん携帯持ってる?」
「いいえ、持ってません」
「じゃ、僕の携帯の番号メモで渡すね」
「はい」
「じゃまた後でね」
といって鈴太郎さんは手を振って離れていった。
 
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この件を帰宅後姉に相談したら、僕の女装がばれていたことには驚いたが、偽装恋人ミッションについて、しばらく悩んでいた。
「あんた、女の子の格好で男の子とデートするの、嫌ではないの?」
「鈴太郎さんなら悪くないかな、と。それに月1回くらいなら」
姉は鈴太郎さんに電話して、しばらく話していた。
「取りあえず妥結した」と言って姉は電話を切った。
「条件7つ出した」
「うん」
姉はメモを見ながら言う。
 
「1つ。あゆむの勉強時間優先。試験前とかには誘わない」「うん」
「2つ。キスはもちろん体の接触禁止。腰を抱いたり肩を寄せたり禁止」「うん」
「3つ。原則として夕方6時までに帰宅させる。最悪でも8時には帰宅」「うん」
「4つ。居酒屋とかスナックとか、お酒を飲む場所には連れて行かない」「うん」
「5つ。デートの費用は全部向こう持ち」「それは助かる」
「6つ。デートは半年間。9月まで。その後は必要ならまた相談」「そんなものかな」
「7つ。あんたのことは女の子として優しく扱ってあげること」「あはは」
「あと嫌だったらいつでも言ってね。交渉するから」「うん」
 
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しかしいざデート当日になったら、姉のほうが乗り気でまた前日に可愛い服を買ってきて、僕に着せて可愛くお化粧もしてくれた。姉は僕の女装を母にもオープンにしてしまった。いつまでも隠してはできないという判断だった。僕の女装姿を見て母は仰天したが、その日姉はコスプレの集まりなのよといって僕を送り出した。
 
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