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■これまでのあらすじ(1)

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(C)Eriko Kawaguchi 2017-06-16

 
■本編
 
奈良県南部のE村では毎年2月の祈年祭に神社裏の禁足地で満18歳くらいの氏子が特別な踊りを踊ることになっていた。2011年2月の祈年祭でその踊りをする役として指名されたのは男子高校生の斎藤命(めい)であった。
 
命(めい)は高校3年生で、当時受験勉強中であり、祈年祭の翌週行われた入試に合格して大阪大学の理学部に通うようになる。ところがその年の5月から7月に掛けて、命(めい)の所に夜な夜な男が通ってきて、その度に命(めい)は一時的に女に変えられて、半ば強引にセックスされた。
 
男の訪問は7月上旬で終わったものの、命(めい)は自分が妊娠していることに気付いた。
 
命(めい)には奥田理彩という幼馴染みのガールフレンドがいて、大阪大学の医学部に通っていた。ふたりは実は中学時代からキスしあう間柄だったし、お互い将来は結婚するつもりでいたし、ふたりの関係を双方の両親も認めていた。
 
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ただ問題は命(めい)に女装癖疑惑(?)があることと、理彩が物凄い浮気性なことであった。しかし命(めい)の妊娠というあり得ない事態に、理彩は当面浮気はしないと誓い、命(めい)の妊娠を全面的にサポートしてくれた。
 
命(めい)は妊娠が進むにつれ、どんどん身体が女性化し、乳房もかなり大きくなったし、ペニスは当然立たなくなり縮んでいったものの、理彩はレスビアンも楽しいなどと言って、結構命(めい)の身体で遊んでいた。理彩の提案で命(めい)はまだ多少なりとも男性能力が残っている内に命(めい)の精子を冷凍保存し、またペニスの型取りまでしておいた。
 
両親の許しももらってふたりはその年の12月24日、結婚し、翌日婚姻届けを出した。両親はもとよりふたりを結婚させるつもりだったので快く証人欄にサインしてくれた。
 
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命(めい)は2013年1月16日に男の子を帝王切開で出産した。名前は命(めい)と理彩で話合い「星」と名付けた。星は命(めい)を母とする子供であるが、法的には命(めい)を父、理彩を母とする子供として戸籍に記載されることになる。ふたりは吹田市に古い一戸建てを借りて、そこで星を育て始めた。
 
3月の本来の出産予定日になって、昨年5−7月に命(めい)の所に通い、命(めい)を妊娠させた男が再訪し、初めて「理(ことわり)」という名前を名乗った。そして自分は神様であり、生まれたのも、やがて神様になる子供であると告げた。この村では60年に1度人間が神様と「神婚」をして次世代の神様を産むのだという。神様を出産することになる子はできたら女の子がいいのだが、祈年祭で男の子が踊ってしまうと、その子が男であっても神様を産むハメになるらしい。理自身も男の子から生まれたのだそうである。
 
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命(めい)と理彩は学生生活の傍ら、星を一所懸命育てていたが、1年後星は「神様になるため父のいる国に向かいます」と言い残して天に昇っていった。
 
星の突然の昇天に命(めい)は茫然自失となり、一時は人間としての基本的なこともできないほどの状態になる。理彩は自分もショックだったものの何とかせねばと動き回り《まどか》にも何とかして欲しいと頼んだが、彼女の返事はつれなかった。
 
しかし1ヶ月後、星は「ただいま」と言って戻って来た。
 
(冷たい返事をしつつも、まどかが色々尽力してくれたようである)
 
本来は神様になるのに5年か10年は修行しなければならないのだが、命(めい)と理彩がさびしがっているので、最低限のイニシエーションが終わったところでこちらの世界に戻って来て「しばらくの間滞在する」ことになったのだと星は言った。修行は人間が寝ている時間帯に続けるらしい。
 
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「しばらくってどのくらい?」
「50年くらいかな」
 
それで命(めい)と理彩と星は、普通の赤ちゃんの居る家庭に戻った。
 

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理彩は星を見ている内に自分も子供を産みたくなり、命(めい)の冷凍精子を使用して妊娠した。そして2015年3月に女の子を出産。「月」と名付けた。星と対(つい)になる名前である。
 
命(めい)は星を産むのに1年間休学したのだが、理彩は妊娠のタイミングを調整して半年の休学で済ませた。
 
理彩はやがて医学部6年の課程(休学があったので通学したのは7年間)を終えて医師の国家試験に合格。府内の病院で研修医として働き始める。一方命(めい)は村に果樹園を作りたいと考えていて、理が当ててくれた宝くじと、その資金を元に星が株で増やしてくれた資産を元手に村内で農園用の土地の買収を進めた。一方で農協に数千万円の開発費を提供して県の農業試験場で桃の新種の開発を進めてもらった。また自身の育成感覚を磨くため学生時代から自分の手で桃の木を実験的に数本育てたりもしていた。
 
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命(めい)は阪大理学部を卒業した後、名古屋商科大学の大学院(大阪の梅田にキャンパスがある)に通学して経営の勉強をし、MBAの資格を取った。そして試験的な栽培を経て2019年に農園を事業化。2020年からは商標登録も済ませた「まろひめ」のブランド名で、微農薬栽培の桃を出荷しはじめた。
 
桃のような甘い果実はどうしても虫が付きやすい。それを微農薬で育てるのは大変で、スタッフも通常の果樹園よりかなり多くしたし(無農薬や微農薬で米などを育てた経験のある人を含む)、大学で試作された農業用監視ロボットを巡回させるなどのハイテク技術まで使われている。命(めい)は最初無農薬を考えたものの、早々に不可能だと認識して微農薬に切り替えている。
 
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この事業に刺激されて、村内では自主的に「まろひめ」(但し普通に農薬を使う)を育てる農家も出来、また農園や、付随する缶詰工場などで働く人が出て村は人口も増え始め、一時は廃止寸前だったバスも本数が増え、道路などのインフラも整備が進んでいった。
 
命(めい)と《まどか》の目的は実はそこ(村の振興)にあった。
 

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■受験編
 
理彩や命(めい)は中学時代は、のんびりとした学生生活をしていた。クラスメイトの中には、良い大学に進学するため、奈良市やG市・K町などのレベルの高い高校に進学する者もあったが、理彩も命(めい)も「近いし」と言って、県内でも最低偏差値レベルで、入試の時に名前を書き忘れない限りは合格するとまで言われていたの地元の◇◇高校に進学した。
 
理彩たちは高校から遠い地区に住んでいるので、スクールバスのお世話になる。それで、スクールバスが出る時刻まで、図書館で勉強していた。その勉強を見てくれたのが、司書教諭の穂高先生であった。
 
穂高先生は、若い頃は都会の高校を多数回ってきたものの、教師生活に疲れて一時は山奥の高校に赴任した。そこで精神力を回復した先生が赴任したのが、◇◇高校だった。穂高先生は2年目に司書教諭と理科主任、バスケット部顧問のどれかを引き受けてくれないかと校長から打診され、バスケット部顧問に気持ちは傾いていたのだが、かつての教え子と再会。彼女が不良な学生生活を送っていたのが、穂高先生に諭されてから自分の人生を考え直し、人より随分遠回りをして人の倍の年数大学生をやった上で、図書館の司書になったという話を聞き、穂高先生は司書教諭を引け受けることにした。
 
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最初は免許を持っている理科や、かつて教えたこともあった数学や英語などの質問に答えてあげていた穂高先生は、この子たちはみんな才能が高い、鍛えると伸びると直感。場所を視聴覚室に移して、授業よりハイレベルの問題を解かせたりして鍛えていく。
 

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理彩や命(めい)が凄く勉強を頑張っているようだと気付いた、理彩の叔父・太造は、2人を費用は出してあげるからと言って、予備校の合宿講座に行かせた。大いに刺激を受けた2人だが、この時、命(めい)の性別が誤って(?)女と登録されていたので、《一緒に申し込んだ女子2人》ということで、合宿の部屋は“女性専用フロア”の同じ部屋になってしまった。
 
せっかく同じ部屋になったからには、セックスしようよなどと誘惑する理彩だったが(だいたい荷物の中に『初めてのSEX』なんて本が入れられていた。むろん理彩の母のしわざである)、お勉強しに来ていて、そんなことしててはいけないと抑制的な命(めい)に諭され、渋々禁欲的な合宿生活をする。もっとも命(めい)は朝起きるとしばしばあの付近をいじられた跡があったりするのには半ば呆れていた。
 
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命(めい)は女子として登録されているものの、肉体的には男の子なので、お風呂に入るのに困った。しかしお風呂が24時間営業なので、深夜に入浴に行くことでこの問題を解決した。
 
もっとも、命(めい)が深夜の男湯に入ろうとしたら、ホテルの従業員さんが入浴中のところに行き当たり「お客さん、こっち違う」と言われて、結果的に女湯に入るはめになる。
 
見つかったら痴漢として警察に捕まるのでは?とドキドキしながら女湯に入った命(めい)だったが、いきなり女子の受講者と一緒になってしまう。ただ最初の夜に遭遇した子は極端な近視だったので、命(めい)は何とか誤魔化すことができた。
 
しかし2度目に遭遇したのは、普通の視力の女子たちでしかも3人であった。万事休すと思ったのだが、《円》が介入して、命(めい)を一時的に女の子の身体に変えてくれたので、命(めい)は何とか彼女たちに女の子の裸体を曝しながら浴室から脱出し、急いで服を着て女湯を出て、犯罪者にはならずに済んだ。もっともこの深夜の遭遇で「斎藤さん、本当に女なのか疑惑があったけど、間違い無く女の子だった」という噂が広がることになる。
 
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ちなみに、命(めい)は理彩のことが好きで、他の女の子には興味が無いので、他の女の子の裸を見ても、欲情などは全く起きなかった。
 

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命(めい)と理彩はしばしばお互いの家に行って遅くまで一緒に勉強していたが、お互いに泊まることもあった。各々の親がそもそもふたりをその内結婚させるつもりでいるので「あんたたち避妊はちゃんとしてね」などと言われ、避妊具を渡されたりしていたものの、実際にはこの時期にはふたりは1度しかセックスしていない。
 
しかしセックスはしないものの、ふたりはとても親には見せられないような危ない勉強の仕方をしていた。
 
理彩はしばしば命(めい)のおちんちんに良く研いだ医療用のメスを突きつけて問題を出し、指定秒数以内に答えなかったら去勢します、などと言っていた。そして回答が遅れると遠慮無く刃に力を入れるので、命(めい)のおちんちんは実際に少し切れて出血したりすることもあった。
 
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「これマジで痛いんだけど」
「尿道は切ってないから排尿には影響無いはず」
「立たなくなったら理彩のせいだからね」
「その時は私が手術して立派な女の子に変えてあげるから」
 
睾丸をペンチで挟み、回答が遅れるとペンチに力を入れられたこともあった。これにはさすがの命(めい)もしばらく悶絶していた。
 
「ほんとに潰れたらどうすんのさ?」
「命(めい)は私のお嫁さんになるんだから、睾丸は無くてもいいんだよ」
などと理彩は言っていた。
 

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◇◇高校では理彩たちが入学する1年前に、それまで工業科・農業科・生活科学科(昔の家政科)というコース編成だったのが、農業科の志望者が減り、本来は女子生徒しか想定していなかった生活科学科の男子比率が異様に高まってきた(男子生徒に調理・洋裁・栄養学・育児・児童心理学などの授業をし、洋裁ではスカートやドレスに女性用ショーツまで縫わせて男子生徒にも試着させていた!)のに対応するため、農業科と生活科学科を廃止して普通科に改め、工業科1クラス、普通科2クラスに再編成していた。
 
理彩たちは、その普通科2期生である。
 
視聴覚室の勉強会に参加していたのは、理彩たちだけでなく、その1つ上の普通科1期生たちも含まれていた。
 
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穂高先生は、彼らを大きな町に連れて行っては本格的な模試を受けさせたり、毎週末課題を出して、それを解かせ、穂高先生や協力してくれる先生たちが採点をして月曜日には返すなどということをして、鍛えていった。
 
そういった穂高先生たちの努力で、この年は奈良女子大に2名、県立大に1名、県立医科大(看護学科)に1名の合格者を出した。この高校から国立大学の合格者が出たのは12年ぶりのことだった。このほか私立大学にも8名の合格者が出て、普通科1期生としては、まずまずの成績を収めたのである。
 

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その成果を受けて、理彩たちの学年は、普通科2クラスを学年途中で再編し、特進コースが設置された。むろん理彩や命(めい)、春代たちはこの特進コースに入る。穂高先生は、この特進コースに、工業科に所属していたものの、いつも中間期末でハイスコアを出していた香川君も、転籍させた。それでこの4人が特進コースのコアになって、特進コースはどんどんレベルを上げて行くのである。
 
特進コースを結果的に主導することになった穂高先生は、予備校の先生を招聘して、進学先の相談をしたり、積極的に模試を受けさせたり、またこの年に新設された「倫理、政治・経済」という科目について、予備校の先生の予測内容を生徒を連れて聞きに行ったりした。
 
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この短期講座は、実際にはK町の高校・塾との合同講座になった。そこで命(めい)たちは、中学の時の同級生でK町の高校に進学していた子と再会するのだが、命(めい)がほとんど女生徒のような状態になっているので
 
「斎藤君、性転換したの?」
などと訊かれた。
 
「別に性転換はしてないし、女装もしてないよ」
と命(めい)は言うものの、実際には、おっぱいもあれば、七分丈のパンツを穿いている。そして厚かましくも女子トイレを使用しているので、結局呼び方自体が「斎藤君」から「命(めい)ちゃん」更には「命(めい)」になってしまい、
 
「命(めい)は女の子と同じだと思うことにした」
などと言われていた。
 

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命(めい)が完璧に女性化しているし、女子達に唆されて橋本正美などもかなり女装している姿をみんなにさらしていたので、理彩たちがセンター試験を受けに行く時、穂高先生はかなり部屋割りに悩んだ。
 
結局、命(めい)は正美、香川君、河合君と同室になる。ひとり“ノーマル”なのに命(めい)たちと同室になった香川君は
 
「お前達、夜中に俺を襲うなよ」
などと言っていたし、他の部屋の子から
 
「そちらは女装部屋か」
などと言われて
「俺は女装しない」
と香川君は文句を言っていた。
 

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本試験の時は、大阪大学を受けるのが理彩と命(めい)だけであったこともあり、ふたりだけで大阪に出て行き、一緒にツインの部屋に宿泊した。当然命(めい)は女装である(さすがに苗字の違う男女はツインには泊まれない)。
 
ふたりは一応“試験が終わるまでは”セックスを我慢した。
 
そして理彩は阪大医学部、命(めい)は阪大理学部に合格した。
 
受験勉強を通して親密度が上がっていった香川君と春代も一緒に神戸大に合格したし、橋本正美は和歌山大、西川環貴は東京の電通大に合格。この年は国公立に18名も合格し、◇◇高校は特進クラスに限れば、かなりハイレベルだという評判が立つ。
 
その結果、周辺の地域からも◇◇高校に来る人が増えて、結果的にこの地域の教育水準が上昇し、地域振興にもつながっていくのである。
 
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この流れを裏で導いていたのは、言うまでもなく《まどか》である。
 

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