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■夏の日の想い出・公然の秘密(8)

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演奏会の後はホテルの大部屋を借りてお食事を兼ねたパーティーをした。こちらにも演奏会に来た人たちの大半が来てくれた。この費用も1200万円ほど掛かった。ほんとに恐ろしい。
 
若山流の本家家元さんも来ていたので、私の両親、若山鶴音・鶴風・鶴声・鶴里・鶴朋に、若山千萬雀(槇原愛)も加えて、挨拶をした。特に重要な人にはこのメンツで挨拶した後、後は各々であちこち挨拶してまわったが、ひたすら挨拶して回るだけでパーティーの時間3時間を使い切った(ひたすら歩いて疲れた!)。
 
「これ幾ら食べてもいいんだよね?」
などと途中で遭遇した美空は言っていた。
 
「その振袖を途中で脱ぐハメにならない程度にね」
と私は言っておいたが、
 
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「大丈夫。帯はゆるめにしてもらったから。マリちゃん、一緒にこのパーティーを制覇しよう」
などと言っていたが、政子は
 
「待って。もうひとり強力な味方がいるから」
と言って、私の携帯を借りてシレーナ・ソニカの穂花を会場内から呼び出す。
 
「美空ちゃん、この人も強力だから」
と政子が紹介すると美空は
「それではお手並み拝見」
 
などと言って、美空・政子・穂花の3人でタグを組んで楽しそうに食べ回っていた。
 
「あの人(穂花)も凄いの?」
と小風が訊く。
 
「かなり凄い。みーちゃんといい勝負だと思う」
と私は答える。
 
「するとあの3人が通った後には鶏の骨さえも残らないな」
などと小風は言っていた。
 
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「こんな大規模なパーティーやるのは、次はケイちゃんの結婚式くらいかな」
などと忙しいはずなのに出てきてくださっている上島先生が言う。
 
「そんなもの挙げられるといいですけど」
と私は返事をしておく。
 
「彼氏は居たよね、たしか?」
「ええ。今日も来ていますが、さっき見たら東堂千一夜先生に捕まってました」
「東堂先生来てた? 見つからないようにしなくちゃ。あの人、話が長いから」
などとおっしゃる。
 
上島先生の話も長いが、東堂先生も長話の伝説が多い。
 
「でも結婚するのはたぶん10年以上先です。別れなかったらというか、捨てられなかったらですが」
「ケイちゃんを捨てる男性なんて居ないよ」
 

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4月23日(水)。連休前の水曜日ということで、この日は新譜の発売が集中した。
 
ローズ+リリーのPVに出演して話題になった○○プロの南藤由梨奈のデビューCDが発売される。楽曲は何と、1曲を上島雷太、1曲をヨーコージ(蔵田孝治)が提供していた。
 
ライバル同士のこの2人が同じCDに名前を並べること自体が異例だが先日ワンティスの新譜のボーカルに蔵田さんが加わったこともあり、取り敢えず1年間限定で、この形で楽曲提供することになったらしい。
 
同じ○○プロの中堅歌手、といえば聞こえが良いが、ややピークを過ぎているかと思われていた歌手、貝瀬日南も新曲を発売した。こちらは、これまで篠田その歌にのみ楽曲を提供していた作曲家、秋穂夢久(あいお・むく)が楽曲を提供していた。
 
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篠田その歌が引退したことでその動向が注目されていた秋穂夢久だが、貝瀬が○○プロ上層部に、あの人の歌を歌いたいと直訴し、打診してみたら承諾が得られたということで、こちらも取り敢えず1年間限定で提供してもらえることになったらしい。
 
貝瀬の新譜のカップリング曲は昨年のアルバムに楽曲を提供してくれて大きな単独ダウンロード数を挙げたスターキッズの近藤七星さんの楽曲で、両A面扱いになっていた。
 
大学受験のために半年間休養していた槇原愛も新曲を出した。こちらは槇原の曲をずっと提供してきている鈴蘭杏梨が特別に3曲提供していて、休養前のシングルでも一緒に演奏していた、シレーナ・ソニカの2人と、やはり一緒に演奏している。このCDのクレジットも、槇原愛 with Sirena Sonica になっていた。
 
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そして、ローズクォーツの11枚目のシングル『セーラー服とさくらんぼ』も発売になった。例によって、マリ&ケイの曲と上島雷太の曲がカップリングされている。
 
「今日発売になったこの4枚のシングル、ソングライト陣が豪華ですね」
などと新譜を紹介したFMのナビゲーターさんが言っていた。
 

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「要するに全部ケイちゃんだね」
と町添さんは笑いながら言った。
 
そのことを知っているのは、私以外には町添さんだけだ。
 
ヨーコージというのは蔵田さんと私の共同ペンネームである。もっとも作曲の主体は蔵田さんにあり、私は蔵田さんの創作を、きれいな形にまとめる作業をしているだけである。このことを知っているのは、松原珠妃・谷崎潤子らの一部のζζプロの歌手と、ドリームボーイズ関係者、それに加藤課長、△△社の甲斐涼香さんなどほんとに一部の関係者に限られる。これはまだ政子にもバレてないはず。
 
鈴蘭杏梨が私と政子の共同ペンネームであることは、ローズ+リリーの熱心なファンの間では「公然の秘密」とみなされている。
 
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秋穂夢久もまた私と政子の共同ペンネームであることは、丸花さんと町添さん以外には知る人がいなかった。ただ篠田その歌が、引退前にどうしても挨拶したいと言ったので、彼女にだけは政子と2人で会って「秋穂夢久」としての御祝儀も渡してきた。その歌は全然気付かなかった!と言って、物凄く驚いていた。
 
他にワンティスの『フィドルの妖精』の作曲者FKの正体を知っているのも、上島先生・雨宮先生・蔵田さん・加藤課長・町添部長とほかには松原珠妃くらいである。
 
「上島先生も篠田その歌の引退で、少し仕事量を減らすことができるのかと思ったら、新たに南藤由梨奈ちゃんへの楽曲提供ということで、また仕事を増やしてしまいましたね」
と私が言ったら
 
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「そのことば、そのままケイちゃんにもあげるね」
と言って町添さんは笑っていた。
 
「だけど高校時代、ケイちゃんさ」
と町添さんは言う。
「はい?」
 
「性別曖昧な自分がKARIONのメンバーだと分かると、KARIONの清純なイメージに傷が付くから明らかに出来ないなんて言ってたけど、KARIONもこの年齢になれば今更清純とか関係無い。むしろ本気で実力勝負の世界になる。そういうタイミングで水沢歌月の秘密を明かしたのは、意図を感じるよ」
 
「私もさすがにそこまでは考えていませんよ」
と言って私は笑っておいた。
 
「だけどELFILIESの解散、パラコンズの活動休止、SPSの自立で、ケイちゃんの負荷はだいぶ減ったよね」
 
私は微笑む。
「それが無かったら貝瀬日南の件は引き受けてませんでした」
「そうだよね!」
 
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そしてこの日発売されたローズクォーツのシングルを見て、「タカコちゃん」
のファンはジャケットのセーラー服写真に騒いでいたが、一方、ローズ+リリーのファンたちは中身を見て納得の声を上げた。
 
今回のCDに含まれる曲はいつものように5曲だが、価格が従来の800円(単独DL 200円)ではなく1200円(単独DL 300円)に改訂されている。従来が有名アーティストの作品にしては安すぎる価格設定だと言われていたが、大宮副社長が「適正な価格にすべき」と言って、この値段に改定された。
 
曲目は 
『セーラー服とさくらんぼ』(マリ&ケイ)Vo.ケイ(overdub) 
『女学生の嗜み』(上島雷太)Vo.Ozma Dream 
『Back Flight -逆飛行-』(マリ&ケイ)Vo.覆面の魔女 
『敦煌への道』(A-Girl作詞作曲)Vo.Ozma Dream 
『Diamond Storm』(Two Voice作詞作曲)Vo.Ozma Dream 
 
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となっている。全てツインボーカルでアレンジしているが、ケイがボーカルを務める曲は5曲の中の1曲にすぎず、大半を「代理ボーカル」のOzma Dream が歌っている。
 
これを見て世間の多くの人は「ああ、やはりケイちゃん参加しているんだ」と思ったようであるが、ローズ+リリーのファンたちは、やはりケイは事実上ローズクォーツを去ったのだと考えたようであった。
 
発売の記者会見にも私は出席していない。出て説明したのはタカである。記者たちからもその点について質問されたが、タカは
 
「ケイの時間が取れないことから、ライブ活動だけでなく音源制作もなかなかできない状況になっていましたので、今年はこのメンツでアルバムの制作なども頑張っていきたいと思っています」
とだけ回答し、記者の質問にはストレートには答えなかった。
 
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また5曲の中に2曲、見慣れない名前の作家作品があることについては限定的なコンペを実施したことを明らかにした。
 

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「A-GirlとかTwo Voiceとかいうのが、実は冬たちだってことは無いよね?」
と私は和泉から訊かれた。
 
「それは無い。負荷的に通常のシングルに4曲も出すのは辛いので、シングル自体を今後は3曲入りにできないかと打診したんだよね。タカもその意見に賛成だった。でも須藤さんが3曲では寂しいと強く主張してね。それで大宮副社長がコンペで2曲補うというのを決めた。そして価格は1200円にすることにした」
 
「1200円でも安いと思うな。5曲入っているのなら1500円でいいと思う」
「要するに安い方がたくさん売れるという、安い物好きな須藤さんの考え方が背景にあったんだよね」
 
「マキさんが作曲できればいいのにね」
と美空は言う。
 
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「そうなんだよ。候補作を提出させたけど、全く駄目だったらしい。花枝さんの話だけど」
 
「昨年、クリエイティブ休暇とか取ってなかった?」
「書いた作品を花枝さんが見ていたけど少なくともローズクォーツのシングルに入れるクォリティではないと言っていた」
「なるほどねー」
 
「まあバンドの演奏能力が高くて、リーダーの作曲能力が高くて、なんてバンドがそんなにゴロゴロあったら大変ではある」
と小風は言った。
 

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「でもさ、ローズクォーツって実は中心人物はタカさんなんじゃないの?」
と小風。
「それは公然の秘密って奴」
「なるほどー」
 
「ワンティスの中心がリーダーの高岡さんよりはむしろ上島さんだったとか、ドリームボーイズの中心がリーダーの蔵田さんではなく実は大守さんだとか、スイート・ヴァニラズの中心がリーダーのEliseさんではなくLondaさんだとかいうのも公然の秘密だよね」
と美空。
 
「ローズ+リリーも中心はリーダーのマリちゃんではなく、ケイちゃんだしね」
と和泉。
「KARIONの中心も実はこーちゃんだよね」
と私は言ってみる。
 
「えーー!?」
と小風は叫ぶが
 
「それも公然の秘密だね」
と和泉は言った。
 
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「やっぱり冬は嘘つきだよなあ」
と政子はベッドの中で私を愛撫しながら言った。
 
「ん?」
「4月1日の記者会見では、さんざんみんなが冬にローズクォーツ辞めなさいと言っているビデオを見せた上で、ローズクォーツは辞めませんと言った」
 
「うん」
「ところが実際には辞めたも同然だから」
「ふふ」
 
「つまりあの時はエイプリルフールだから、ローズクォーツを辞めるというのが嘘だとみんな思った。みんな去年のエイプリルフールに、ももクロの れにちゃんが卒業しますっていう嘘ビデオを流したのを連想したよね。ところが冬はエイプリルフールに、ローズクォーツを辞めませんという嘘をついたんだ」
 
「ふふふ。大宮さんに言われた時、最初私も意味が分からなかったよ」
「でも大宮さんから言われてなかったら、無理してローズクォーツ続けるつもりだったでしょ?」
「そうだね」
「大宮さんって、ちょっと面白いよね。私もあの人とは8年くらいの付き合いかなあ。人を動かすのがうまいのよね」
 
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私は同意した。
 
「でもマーサ、マーサも4月1日の記者会見では私はローズクォーツの陰のプロデューサーですとか言ってたのに音源制作に出て来なかったね。あれも嘘?」
 
「嘘じゃないよ。陰はあくまで陰。表に出ないのさ」
「ふーん・・・・」
 
「でも蘭子は6年掛けてやっと表に出られたね」
「そうだね。t.A.T.u.のカーチャよりマシ。彼女は表に出る前に辞めた」
「誰それ?」
「t.A.T.u.は実は3人だったんだよ」
「えー?知らなかった」
「私もカーチャみたいに消えようかと思ってた時期もあるけど小風が許さないと言うから」
「小風ちゃんあってのKARIONだよね。あの子が4人の団結のコアだと思う」
「ふふふ」
 
「でも冬ってカムアウトが苦手なんだ」
「そうかも」
 
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「美空から聞いたけど、冬って自分の性別のこと、お父さんに言おうと決めてから実際に言い出すまでに1年掛かったんだね」
「うん」
 
「ほんとに意気地が無いね」
「うん。私、意気地が無い」
 
「もうひとつついでにカムアウトしなよ」
「何を?」
「冬は生まれた時から女の子だったって」
「それはないけど」
「でなかったら生まれてすぐお医者さんに、おちんちん切ってもらったんだ」
「まさか」
 
「こんな写真があっても?」
と言って政子が自分のiPhoneの中から呼び出した写真を見て私は微笑んだ。それは、5歳頃の私の写真だった。私は裸で映っていた。そして・・・
 
でも私がその写真について何か言おうとした時、iPhoneの電源が落ちた。
 
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「え!?」
 
「しゃぶしゃぶ賭けてもいい。そのiPhone多分壊れた」
「うっそー!まだ4ヶ月しか使ってないのに。次はAQUOSにしようかな」
「同じことだって気がするけど」
 
 
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■夏の日の想い出・公然の秘密(8)

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