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■夏の日の想い出・4年生の春(4)

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5月5日・仙台。ローズ+リリーの今年2度目の公式ライブが行われる。
 
ローズ+リリーのバックバンドは、ローズクォーツとスターキッズの両方を使っていく方針が年末に発表され、2月の名古屋はスターキッズ、3月の福島は両者合同であったことから、今回の仙台ではローズクォーツ単独になるのではという予想がネットではなされていた。ただ、最近のアコスティック楽器を多用したアレンジの曲にはやはりスターキッズが必要なのではという意見もあり、そこでどうなるかというのもファンサイトでは議論されていた。
 
またローズ+リリーのライブでは毎回何かの「サプライズ」をオープニングにやっている。10月の札幌では弦楽四重奏で始まり、12月の大分ではお料理の時間のセット、2月の名古屋は雅楽を演奏する中の結婚式から始まり、3月の福島ではステージ上に「ローズ+リリー&フレンズ」(ファンサイトでの表現)がずらり並んで会場と一体になり『I love you & I need you ふくしま』
を歌った。
 
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今回の「サプライズ」の予想も色々ファンサイトや2chで行われていていた。真夏のセットでビキニで出てきて『ふたりの愛ランド』を歌うのではとか、漁船のセットで斎太郎節ではないか(これは実は候補として検討した)とか、ワンティスが出てくるのではなどという予想もあった。
 
一般発売した6000席に加えて、FM局などの招待枠、また福島ライブでギリギリでチケットを取れなかった人に配った優待券、また一部の被災地自治体に割り当てた特別招待枠などで、ハイパーアリーナは7000席満員になっていた。
 
ざわめいていた会場が客電が落ちるとともにさっと静かになる。そして幕が上がり始めると大きな拍手が起きて、多くの観客が立ち上がる。
 
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が、ステージ上に並ぶ編成を見て、戸惑うようなざわめきが起きた。
 
第1ヴァイオリンの桑村さんの指示でクラリネットが音を出し、それで全員チューニングを確認する。そこに燕尾服を着た渡部さんが下手から登場し、指揮台に立つ。桑村さんを見て、それから全員の顔を見て指揮棒を振る。ギター2人による前奏に続いて16人も並んだストリング・セクションが華麗な音で『恋はみずいろ(L'amour est bleu)』のメロディーを奏で始めた。観客はお互いに左右前後を見たりして、結局五月雨のような着席していった。
 
ローズ+リリーのライブ未経験の人たちの中には、間違ったライブに来てしまったのではと不安になった人もかなりあったようである。
 
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ストリングによるAメロ演奏の後、今度はピアノとエレクトーン、マリンバにビブラフォンという鍵盤楽器セクションで再度Aメロが演奏される。この時、マリンバを月丘さん、ビブラフォンをヤスが弾いているのに気付き、やはり正しいライブに来たようだと安堵した人もかなりあったようである。
 
Aメロ2回の後は木管セクションがサビを演奏する。フルート奏者の中に宝珠さんがいるのに気付き「ナナちゃーん」などと声援が飛んだ。このあたりで観客もかなりリラックスした雰囲気で聴き始めていた。
 
そしてサビが終わって間奏をはさんでAメロに行くところで、ヴァイオリンのセクションの最後列で実際にヴァイオリンを弾いていた、私とマリが楽器を置き、前列に飛び出してきて黒いシックなドレスを脱ぐと、白いミニスカの衣装を着ている。
 
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歓声が起きて、「マリちゃーん」「ケイちゃーん」の声が飛ぶのに手を振って応える。そしてAメロをふたりのデュエットで「甘い恋心・・・」と歌い始めた。
 
そのままふたりの歌とストリングス、ピアノなどが絡み合いながら曲は最後まで到達する。
 
割れるような歓声と拍手があった。
私たちはマイクを取って挨拶した。
「こんにちは、ローズ+リリーです」
 
拍手が少し収まるのを待って演奏者を紹介する。
「ローズ・クォーツ・グランドオーケストラ! 指揮は渡部賢一さんです」
 
大きな拍手があり、私はこのオーケストラについて説明する。
 
「実はローズクォーツの方の企画アルバムで『Rose Quarts Plays』というシリーズを作っていまして、前回は『Girls Sound』ということでローズクォーツのメンバーが女装して女の子バンドの曲を演奏したのですが、今度は『Rose Quarts Plays Easy Listening』ということでイージーリスニングをやることになりました。最初はシンセの音で構成するつもりだったのですが企画している内に誰かが『本当は生楽器の音でやりたいね』と言い出して、それでグランドオーケストラを作ってしまいました。9月までの限定活動ですが、このオーケストラで演奏した楽曲のアルバムを来月発売しますので、よろしかったら買って下さい」
 
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「ローズ・クォーツ・グランド・オーケストラ」自体については雑誌で団員募集の公告もあったことから、一部のファンに名前は知られていたが、実態の情報が全く出てこないので、企画倒れに終わったのではという説がこの時期は流布していた。それが突然リアルに登場したことは大きな驚きをもたらしたようであった。
 
「それではローズ・クォーツ・グランド・オーケストラの演奏でもう1曲。『天使に逢えたら』」
 
拍手が鳴り止むのを待って渡部さんの指揮棒が振られる。第1ヴァイオリンの弓が引かれ、続けて他の楽器の音も鳴り出す。少しずつずらして鳴る弦楽器の音が、流れるようなサウンドを作り出す。その美しい音の流れに乗って私たちはこの歌を歌った。
 
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大きな拍手があり、私はオーケストラと指揮者を再度紹介して、いったん幕が降りる。私たちはその幕の外側に立った。
 
「さて、取り敢えず2人だけど、何をする?」
「いつもやってた感じで演奏しよう」
「そうだね。私たちふたりだけで随分路上ライブやったもんね」
 
などと言うと「えー!?」という驚きの声が上がる。
 
そこにスタッフさんが政子のヴァイオリンと私のフルートを持って来てくれたので「それじゃ」と言って演奏し始める。
 
最初は『神様お願い』を演奏した。私のフルートがメロディーを奏で、マリのヴァイオリンがそれにハーモニーを添える。こういう形式の演奏は初めて聴く人が大半だったこともあり、みんな静かに聴いていた。なお、会場が広いのでヴァイオリンにもフルートにもピックアップを付けていて、PAで増幅して音を流している。PAは最初仙台の地元の音響会社に頼む予定だったのだが、そこの技師が麻布さんと旧知であったので「ローズ+リリーのライブを何度か見ておられるのでしたら、麻布さんメインでやりませんか? むしろこちらは初体験だから」ということになり、麻布さんが卓の前中央に座り、有咲も助手として傍に付き、それに仙台のスタッフが支援をするという形で今日は音響を管理している。
 
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『神様お願い』のヴァイオリンとフルートによる演奏が終わると、拍手が来るがマリが
「でも歌が無いのは寂しいね」
などと言う。
「でもヴァイオリンもフルートも弾き語りができない楽器だから」
「だからケイはフルートの吹き語りを練習しなよ、と」
「それ無理だって」
 
「やはり私たちが歌うには伴奏者が必要だね」
「伴奏者もローズ+リリーであればいいんじゃない?」
「それなら、ローズ+リリーだけで演奏してることになるね」
 
と言った所で、ケイとマリのお面を付けた博美と小春が、ギターとカホンを持って登場する。
 
「えっと、どなたですか?」
「ローズ+リリーでーす」と言うので会場に笑い声が起きる。
 
「あなたたちもローズ+リリーですか? 私たちもローズ+リリーなのよね」
「おや、それは奇遇ですね」
「じゃ、私たち歌うから、そちらは伴奏してくれない?」
「おっけー」
 
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ということで、小春のギター、博美のカホンの演奏で『あの街角で』が演奏される。それに合わせて私たちは歌った。客席から手拍子が来る。
 
さっき演奏した『神様お願い』は私たちが東北でやっていたゲリラライブの形式、こちらの『あの街角で』は都内でやっていたゲリラライブの形式である。どちらも実際に見た人の数はそう多くないし、この会場に見た人がいるかどうかも分からないが、ローズ+リリーの活動がこれから本格化していく中で、当面ゲリラライブはできないので、その総決算の意味もあった。
 
「お疲れ様でした〜。ローズ+リリーのおふたりでした」
と言って、ふたりを紹介し、拍手と笑い声の中、博美と小春は手を振って下がった。
 
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幕が上がる。バックにはローズクォーツがスタンバイしている。
サトの合図で演奏が始まる。最初は『花模様』だが、タカはいつものエレキギターではなくアコスティックギターを弾いている。ヤスも電子キーボードではなくグランドピアノである。マキはいつものエレキベースだが、これでかなり普段とは異なったサウンドになっていた。
 
観客は「へー」という雰囲気の反応。比較的静かな曲をローズクォーツにどう演奏させるかというのが課題だったのだが、観客の反応が悪くないので私たちはホッとした。
 
その後『帰郷』『カントリーソング』『桜色のピアノ』『涙のハイウェイ』
『包まれて』『言葉は要らない』『Long Vacation』『100時間』と演奏したところで、わたしたちふたりはステージ最前部の所まで出て、後ろで幕が降りる。
 
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「なんか幕が下りたけど」
「気にしない、気にしない。それでは次の曲は高校1年の時に私とマリが初めて一緒に作った曲です。『あの夏の日』」
 
と言うと、ポータブルキーボードを持った仁恵とカスタネットを持った琴絵が出てくる。
「ひとえちゃーん」
「ことえちゃーん」
と声が掛かった。どうもこのふたりは熱心なファンにはおなじみの存在になっているようである。
 
ふたりが客席に手を振り伴奏を始める。音感ゼロの琴絵だが、リズム感はそう悪くもないのでカスタネットを打ちながら踊るというのは大きな問題が無い。
 
私たちはふたりの伴奏でこの6年前の曲を歌った。
拍手があった後で解説する。
 
「この曲を作ったのは6年前の2007年8月4日です。ちょうどローズ+リリーが生まれる1年前のことでした」
「あの時、私ケイを女装させたのですが、あまりにも可愛くて。いつ男の子の服に戻ればいいの?なんて訊くケイに、そのままおうちに帰りなさいって言ったんです」
「あれ困りました」
「それで女の子の服を着て帰宅したケイを見て、こんなに可愛くなるならとお母さんが感激して、お前もう女の子になりなさいと言われて、性転換手術も受けて2学期からは女子高生として通学するようになったんだったよね?」
「私の過去を勝手に改竄しないように」
 
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「あれ?性転換したのはそれより前だっけ? そういえばあの時、私ケイの胸とお股に触ったけど、既におっぱいあったし、おちんちん無かったし」
「それはマリの勘違い。それでは次の曲です」
 
このマリの発言で「ケイはいつ性転換したのか?」というのがまたネットで議論されていた。
 

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幕が上がると、ローズ・クォーツ・グランド・オーケストラがスタンバイしている。
 
音合わせが行われて指揮者の渡部さんが登場。指揮棒が振られて『長い道』
が演奏される。それに合わせて私たちは歌った。
 
2008年12月のロシアフェアで歌った曲で、2009年夏のベストアルバムの表題曲になった曲である。これを町添さんが表題曲にしたのは、ローズ+リリーの活動は、まだ始まったばかり。今休止中になっている活動も、やがて復活し、ふたりは長い道を歩いて行くことになる、という思いが込められている。
 
このアルバムを聴いていない人も『悲しき天使』あるいは『花の季節』のタイトルで聴いたことのある人の多い曲なので、会場は結構ノリノリであった。
 
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その後、再度オーケストラ、第1ヴァイオリン、ドラムス(サト)、ギター(タカ・近藤)、ベース(マキ)、第1フルート(宝珠)、ビブラフォン(ヤス)、そして指揮者を紹介して、私たちはいったん下がる。
 
そしてクォーツグランドオーケストラの演奏で『オリーブの首飾り(El Bimbo)』
『シバの女王(La Reine de Saba)』『エーゲ海の真珠(Penelope)』と演奏は続き、更に『恋人たちのバラード(Paris Ballade)』の前奏が始まると、お色直しをした私とマリが再登場する。そしてこの曲のスキャット部分をふたりでデュエットした。
 
そしてまたまたふたりを残して幕が下りる。
 
がそこにタカとマキが幕を潜って出てくる。そしてふたりの伴奏で私たちは続けて『100%ピュアガール』を歌う。
 
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「I'm a pure girl」というマリの歌に呼応して「I'm a compatible girl」と私が歌うやりとりは、会場の中の特に男の子たちの笑いを取っていた。
 
更にふたりの伴奏で『夏の日の思い出』『キュピパラ・ペポリカ』『涙のピアス』
『甘い蜜』とミリオンヒットを連続で歌い、そこで幕が開く。後ろにはサトとヤスがスタンバイしていて、ドラムス・キーボードが入った伴奏で『制服姿の君』
『破壊』と最新アルバムの中の曲、『快楽大王』『ラブ#』と最新ングルの曲を歌って、更に『夜間飛行』『Spell on You』『影たちの夜』とダンスナンバーを歌った上で最後の曲『疾走』を歌って幕が下りた。
 

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アンコールの拍手が起きて、幕が開き、また私とマリ、それにローズクォーツのメンバーがステージ上に登場する。更にはオーケストラのメンバーもぞろぞろと登場するが、全員楽器は持たずにお玉を持っている。渡部さんまでお玉を持っている。そして渡部さんが指揮台に立ち、観客の方を向いてお玉を振ると、ローズクォーツの前奏が始まり、客席から「ピンザンティン」の声が掛かり、客席でも多数のお玉が振られる。
 
「サラダを〜作ろう、ピンザンティン、素敵なサラダを」
「サラダを〜食べよう、ピンザンティン、美味しいサラダを」
 
客席からも歌声が聞こえる。渡部さんも楽しそうにお玉を振って指揮をする。オーケストラのメンバーは、ヴァイオリニストはお玉を弓を引くように動かし、トランペッターやフルーティストはお玉を吹くようにしている。サトはドラムスを実際にお玉(エボナイト製)で叩いている!
 
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マリも楽しそうにこの歌を歌っている。食べ物のことを考えている時のマリはいちばん美しい。
 
やがて歌い終わり、大きな拍手が来たところで、私たちはアンコールの御礼を言う。私たちがMCをしている間にローズクォーツもオーケストラも下がる。そしてスタッフの手でグランドピアノが中央に寄せられる。
 
「それでは最後の曲です。『A Young Maiden』聴いてください」
と言って私はピアノの椅子に座り、マリはいつものように私の左側に立つ。
 
控えめなピアノの調べに合わせて私たちは一緒に歌う。ふたりの声は絡み合う。それはまるでDNAのふたつの螺旋が絡み合うかのようだ。きっと私とマリが一緒に歌う度に、私たちの子供が生まれているんだ。そんな気さえしてくる。
 
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会場は手拍子も打たずに静かに聴いている。
 
そして最後の音を弾き終わり、マリが私にキスをする。「きゃー」という悲鳴なのか歓声なのか分からない声が帰ってくる。私たちは立ち上がり客席に向ってお辞儀をする。拍手の中、幕が下りた。
 
 
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■夏の日の想い出・4年生の春(4)

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