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■夏の日の想い出・3年生の秋(3)

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「じゃ、大学卒業したらツアーやりたいね」と私。
「全国30箇所とかやれたらいいね」
「いいね。12月のライブは諸事情で大会場になっちゃったけど、本来は私たちの音楽って、3000人クラス以下のコンサート専用ホールで聴いて欲しい歌が多いもんね」
 
「まあ、それまで私たちの人気があったらだけどね」
「落ちぶれてたら、ストリートライブでもいいんじゃない?」と私。
「私は全国の美味しいもの食べられたら、ストリートライブでもいいよ」と政子。
「ああ。流浪のミュージシャンって感じだね。車中泊で全国回ろうか」
 
「ヴァイオリンとウィンドシンセ持ち歩いて、演奏しながら歌うのかな」と政子。
「ヴァイオリンもウィンドシンセも、弾き語りは無理っぽい気がする」
「昔の演歌師ならヴァイオリンを弾き語りしてたよ。ケイはウィンドシンセの弾き語りを練習しようよ」
 
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「無茶だよ!だけど今年のこれまでのマリの出演って、突発的だったね」と私。
「そうだね〜。4月はシークレットライブだったし、8月は出演者が都市高速で事故に巻き込まれて身動きできなくなって、空いてしまったステージの穴埋めだったしね」
「でもあれ、本人には怪我がなくて良かったよね」と私。
 
「ほんとほんと。でもどうせなら突発出演、もう一回くらいやっちゃうのもいいかもね」と政子。
「あ、面白いね。じゃ、明日ここ札幌でライブやるなんてのはどう?」と私。「ああ。いいね。ラーメンが美味しかったから歌っちゃうよ」と政子。
 
この会話を聞いた全国のリスナーがぶっ飛んだ。
 
「ということで、突然ですが、明日札幌きららホールでローズ+リリーのライブをします。もしご都合の付く方はぜひいらしてください」
と私は言った。
 
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「詳細を言います。明日10月20日・土曜日、夕方18時半 札幌きららホールです。チケットは本日13時・午後1時ちょうどから****で発売になります。コードは****です。繰り返します。****です。当日券はありません。携帯電話によるチケットレス方式での発行になりますので、ダフ屋さんもまずいません。見に来てくださる方は確実にチケットを確保した上で札幌までお越し下さい。ご自身の携帯電話またはスマートフォンがチケット代わりになるので、絶対に予約に使った携帯電話を忘れてこないようにしてください」
 
「なお、先ほどラーメン数当てクイズで正解した 3名の方にはこのコンサートのチケットをプレゼントします。連絡方法をこちらから直信しますので、その方法でご連絡下さい」
 
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放送を聴いたリスナーが多数ツイッターに書き込み、リツイートも多数行われてトレンドにも上がり、それで気付く人も多かった。★★レコードやUTPなどにも問い合わせの電話が殺到したが、とにかくも発売開始時刻までにこのことを全国で数千人以上の人が知るところとなったようであった。
 
そして1300席の販売枠が10分で売り切れた。発売サイトへのアクセスは売り切れた後も1時間ほど回線集中状態が続いた。
 
発売翌日のコンサートのチケットなのでチケットレスである。昔のようにチケットを印刷して郵送する以外の渡し方が無かった時代には不可能なライブ企画でもあった。
 
この「突発ライブ」は実は、9月18日に別府でのライブの詳細を決めた時に同時に決めたものであった。発端は政子の発言である。
 
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「でも今年は沖縄でライブして、別府でライブして、って南の方でばかりライブしたら北の方の人が可哀想ね」
 
「んー。じゃどこか北の方ででもライブする?」と町添さんは言った。「北海道なんかいいんじゃない?」と政子。
「へー」
 
「沖縄は幕が開くまで誰が出演するか分からなかったでしょ? それはさすがにギリギリすぎるから、前日に分かるというのはどうかな?」
「ああ、それは面白いかも知れないね」と前田課長も言った。
 
「一応今年2回歌ってはいるものの大分は4年ぶりの有料ライブになるからね。7000人でやる前に一度小さい会場で試運転しておきたい気分でもあるね」
と町添さんも言った。
 
期日は「8月にサマフェスで歌って、12月に別府で歌うんだから10月がいい」と政子が言ったので、急いで10月の土曜日で、札幌近郊のコンサートホールの空きを調べた。(遠方から来る人の都合を考えると土曜日しかありえない)
 
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すると20日にきららホールが空いていることが分かったので、即押さえたのである。そしてそれに合わせて前日19日にローズ+リリーのシングルを発売することを決め、ライブ告知のために放送枠も押さえたのであった。
 

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このライブは突然のことだったので、交通手段を確保するのに苦労した人が多かったようである。一応、チケットを販売する時点で、東京発・大阪発・中部発・福岡発の新千歳行き航空券とセットにしたものを選択できるようにしていたが、これは確保していた分を全て売り切った。
 
それ以外でも独自に最寄りの空港から新千歳空港への空路を確保できた人は良かったのだが、旭川または函館への便を確保してその後、道内の空路またはJRなどでの移動になった人もいたし、青森まで新幹線で来て津軽海峡線で北海道に渡り、ひたすら鉄道で移動して札幌に辿り着いた人もあったようである。大洗からフェリーで苫小牧に車ごと乗ってきて友人同士交替で運転して辿り着いたという人もあったようである。
 
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そうして(ステージの横や後方にある見切席を除いて)1300席が埋まった満員のきららホールに私たちは立った。
 
オープニング。
 
幕が開くと同時に会場の全員が立ち上がり物凄い拍手。
 
だが、ステージにフルート・ヴァイオリン四重奏が並んでいるので、戸惑うようなどよめきがある。間違って違うコンサートに来てしまったのではと一瞬思った人も随分いたらしい。
 
しかしその四重奏で演奏する曲は『遙かな夢』である。高校時代にローズ+リリーとして活動し始めて、最初に発表した私と政子の曲だ。
 
観客は何となく着席し静かに聴いている。そして終わった所で拍手。
 
今日のライブの司会役を買って出てくれたAIR-G(FM北海道)の川崎さんが振袖姿で登場して、四重奏のメンバーを紹介してくれる。
 
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「チェロ、鷹野繁樹」拍手。
「ヴィオラ、宝珠七星(ななせ)」
少し大きな拍手に「ななちゃーん!」という女子大生っぽいグループのコール。
「ヴァイオリン、マリ」
物凄い拍手と歓声。鳴り止まないので少し時間を置く。
「そしてフルート、ケイ」同じく物凄い拍手と歓声。
 
私たちは楽器を鷹野さんと七星さんに預け、ステージ前面に出る。鷹野さんと七星さんがいったん退場する。私たちは声をそろえて挨拶した。
 
「こんにちは、ローズ+リリーです」
大きな拍手と歓声。
「マリちゃーん」「ケイちゃーん」という声も多数響く。
 
私たちは手をつなぎ、それと反対側の手を斜め上にあげて、歓声に応えた。
 
「2008年11月9日にこの同じきららホールでライブをさせて頂きました。約4年ぶりの札幌公演になりました。みなさん、お待たせしてしまって済みません」
「今日は突然のライブで、びっくりさせてごめんなさい。みなさん遠くから駆けつけてくれて、ありがとう」
 
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私たちの後ろでスタッフさんたちが、四重奏のチェロ、椅子・譜面立てを片付け、グランドピアノを運んできてくれた。私がピアノの椅子に座ると、政子はその隣に立った。さきほどはチェロとヴィオラを弾いた鷹野さん・宝珠さんが、今度はヴァイオリンとフラウト・トラヴェルソ(バロックフルート)を持って入ってきた。私が『涙の影』の前奏を弾き始めると、大きな拍手と歓声。ヴァイオリンとフルートの音色も加わって、やがてふたりで一緒に歌い出す。PAは使わず、生の楽器の音、生の声だけでの演奏である。1000人キャパの音楽専用ホールだからこそできるワザだ。
 
「1日1週1月、そして半年1年、月日が巡り・・・・」
 
静かな曲でPAも使ってないのでみんな手拍子を遠慮して静かに聴いていてくれる。しかし手拍子はなくても、会場全体の雰囲気がステージと一体になる中、私たちは高校時代に書いたその曲を歌っていった。
 
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私たちはそのまま私のピアノ伴奏とヴァイオリン・フルートのアンサンブルで、『花模様』『A Young Maiden』『あの街角で』『私にもいつか』『帰郷』
『神様お願い』と歌っていった。間に1〜2分程度の短いMCをはさんでいく。『A Young Maiden』と『神様お願い』は泣いている子もたくさんいた。
 

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『神様お願い』を歌って拍手が鳴りやまない中、私は立ち上がり、
 
「ここで今日のゲストの紹介です。富士宮ノエルちゃん、坂井真紅ちゃん、花村唯香ちゃんです」
 
と言った。マリ&ケイで楽曲を提供している女性歌手3人が出てくると
「キャー」
という黄色い歓声が上がる。観客席はだいたい男女同数程度である。
宝珠さんと鷹野さんはいったん退場する。
 
「こんにちは」と3人で一緒に挨拶。
 
「いやー。突然の話でびっくりしましたねー」
「私なんか蟹を食べさせてあげるからおいでと言われて来たんですけど」とノエル。
「私は発売されたばかりの新曲キャンペーンだよと言われて飛行機に乗せられました」
と真紅。
「私はよく分からないけど、ケイ先生からちょっと来てと言われて行ったら新千歳行きの切符を渡された」と唯香。
 
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「でも私たち3人とも中高生年代でマリ先生・ケイ先生から曲を時々もらってるもんね」
「みんな2年くらい前からだよね」
「誰かひとり本当は20歳すぎてる子がいるらしいけどね」
と唯香が言うと、真紅とノエルが唯香を指さす。
 
「だけど自分で言うのもなんだけど3人とも美少女だよね」とノエル。
「そうそう。3人とも歌もうまいしね」と真紅。
「ただひとりこの中に男が混じってるらしいよ」
と唯香が言うと、真紅とノエルが唯香を指さす。
 
しばし3人で漫才的トークをして、観客席に笑いが生じる。唯香が三枚目を演じて、うまく話のオチを作っていた。
 

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3人にコーラスに入ってもらってまずはマイナスワン音源を流して『天使の休息』
を歌う。アニメのエンディングテーマだが、本来2月から流れる予定だったのが、上島先生のスキャンダルで延期になり8月から使われるようになった曲だ。
 
更に『可愛くなろう』を歌ったところで、私とマリは退場する。
 
そして3人の各々の新曲(真紅は発売されたばかり、ノエルは11月発売、唯香は12月発売)をマイナスワン音源で歌い、残りの2人はコーラスを入れる。
 
そして歌い終わった所で、お色直しを終えた私と政子が再登場する。前半はドレッシーな服だったが、後半はミニスカで上半身も露出度が高く活動的な服である。たくさん汗を掻こうという態勢。
 
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まずは三人を改めて紹介して、拍手とともに3人は退場する。それと入れ替わりになるかのようにスターキッズのメンバーが入ってきて『出会い』の前奏を始める。そしてこの<1番・2番の無い>曲を歌う。
 
長い歌なのに、同じメロディーが一度も出てこないので、困惑するというより不安がっている観客もけっこういた感じであった。
 
この曲を聴いたファンからのお便りの中に
「ものすごく長い1番ですね。これの2番はあるのですか?」
というものもあった。
 
政子が「2番書こうか?」と言ったが私は
「それって、更に別のメロディーを28個作れってことだよね?」
と訊くと
「正解!」
というので、私は「さすがに勘弁して」と答えた。
 
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今回の伴奏がスターキッズになったのはマキの急病のためである。元々はローズクォーツで伴奏する予定で準備をしていたのだが、水曜日に突然マキが40度の熱を出して寝込んでしまった。ベースだけ他の人に頼む手も考えたのだが、ローズ+リリーの曲をあまり弾いたことのない人では不安がある。頼むとしたらスターキッズの鷹野さんだろうな、という話もしていたのだが、どっちみち宝珠さんはサックスでサポートに入る予定でいたので、いっそのことスターキッズに丸投げした方が演奏のコンビネーションの問題でスッキリするということになってしまった。
 
それで鷹野さんと宝珠さんがいるなら、フルート四重奏をしてもいいのでは?という話でオープニングの『遙かな夢』のフルート四重奏も決まったのである。元々ローズ+リリーの曲には、クラシック楽器と調和するものが多い。鷹野さんは音楽大学のヴァイオリン科の出身で、元々の専門はヴァイオリンだが、ヴァイオリン族は全て弾けるし、宝珠さんもヴァイオリンを「趣味の範囲」で弾くが、ヴィオラも一応弾けるということで、あのラインナップになった。
 
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「全員、本職ではない楽器を使う」というのもコンセプトだった。
 
フルート四重奏に続く、前半のアコスティックアレンジは水曜日の夜に急遽私が書いてふたりに渡したものだが、ふたりともさすがスタジオミュージシャンの経歴が長いプロである。2日で覚えてくれた。
 

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■夏の日の想い出・3年生の秋(3)

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