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■春進(10)
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目次 #
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康太がその日部屋でセーラー服を着たままクラビノーバでフランス民謡の『踊る少女』を弾いていたら、部屋の片隅に和服を着た小学2年生くらいの女の子が踊っている姿を見た。
「わっ君誰?どこから入ってきたの?」
「桃香ったらこんな可愛い子が居るのを隠してたのか。ぼくは“男の娘の味方”魔女っ子ちーちゃんだよ。ね、ひとみちゃん、ちんちんなんか取って本当の女の子に変えてあげようか」
「ちんちん取るなんて嫌だ」
少女は康太の手に触った。
「女の子のほうがいいのに。それじゃ取り敢えず1日だけお試しで女の子にしてあげるよ」
彼女がそう言った時、康太は身体が変化するのを感じた。
胸がある!?
そして・・・・・ちんちんが無い!
「嫌だよぉ、こんなの」
「1日だけだよ。月曜の朝には男の娘(おとこのこ)に戻ってるから」
「ほんとに?」
「だから明日1日女の子を楽しみなよ」
寝る前にトイレに行ったが
「女の子って、こんな所からおしっこが出るのか」
と驚いた。おしっこの後は普段通り拭いたが、凄い後ろのほうを拭くことになった。
その夜は、ちんちんが無いので眠れなかったが、腕立て伏せを50回したら眠れた。
翌朝ちーちゃんは、ひとみに女の子水着を渡した。
「多分サイズ合うと思うけど着てみて」
「こんなの着るの〜?」
「今なら着られる」
それで服を全部脱いで着てみたが凄く変な気分だ。
「その上にTシャツとスカート着て。着替えのショーツとブラにバスタオルも持って。プールに連れてってあげるから」
「プール!?」
しかしそれで、彼女はひとみの手を握り、どこかに移動した。
「ここは?」
「諫早(いさはや)市のプールだよ。ここなら知り合いに会う可能性も無いでしょ」
(諫早市は長崎県中部の市。長崎市から20kmほど離れている)
「そうだね。でもぼく野球の試合があるんだけど」
「そちらは何とかするから」
プールの料金は彼女の連れの30代くらいの女性が払った。それで中に入ったが、女子更衣室に連れ込まれる!
「こっちに入るの?」
「今ひとみちゃんはこちらにしか入れない」
「そうか」
それでロッカーを開けて服を脱ぎ、水泳帽とゴーグルを着け、水着姿でプールに進む。
プールは純粋に楽しかった。ひとみは25mプールで泳いだり、滑り台やスライダーを滑ったりして3時間ほど遊んだ。女の子水着を着けていることは忘れてしまった。
「そろそろあがろうか」
「うん」
しかし、ひとみは女子更衣室から、そのままお風呂に連れ込まれてしまった!
裸の女の人がたくさんいる。
きゃー!と思ったが、ちーちゃんは
「普通にしてればいいよ。今は女の子なんだから」
と言った。
「そうだね」
でも特に若い女の人の身体って凄く美しい!と思った。おっぱいがきれいな円形だし。
それで洗い場に座り、まずは髪を洗う。顔を洗い、喉を洗い、おっぱいを洗う。
どきどき。
腕を洗い、お腹を洗い、背中を洗う。
お股を洗わなきゃ。
ひとみは両手に石鹸を付けて優しく洗ったが。物凄くどきどきした。
足を洗い、その後、身体全体にシャワーを掛ける。そして浴槽に入った。
「特に変わりないでしょ?」
「確かにあまり変わらないかもね」
ひとみは浴槽の中で近くに入ってきた女子大生さんのおっぱいについ見取れてしまった。
「どうしたの?」
「ごめんなさい。お姉さんのおっぱいきれいだなと思って」
「君中学生?」
「はい。2年です」
「君もその内大きくなるよ」
ぼくのおっぱいも大きくなるのかな(だいぶ女の子になりたくなってきたね)
10分くらい浸かってからあがった。バスタオルで身体を拭き、ショーツを穿いた。
「ブラジャーの着け方が分からない」
「しょうがないなあ。ホック留めてあげるよ」
「お願い」
「でもこれひとりで着脱できるように練習しなよ」
「そうだね」
しかしそれでTシャツとスカートを穿き、外に出た。そして家に移動してもらった。
なお自分がプールに行っていた間は“代役さん”が野球の女子マネをしていたらしい。試合は今日も勝ったので来週も試合があるとか。来週は準々決勝だ。すげー!
その日は何となく気分でずっと女の子の服を着ていた。夕食もそのまま食べたが、母や祖父母は何も言わなかった。
ここしばらく土日はセーラー服で出掛けてるんだから、スカート穿いてるくらいで何か言われるわけないね。
母は「豆乳飲むと女らしくなれるよ」と言って豆乳をくれたので飲んだ。
「女性ホルモン剤も飲む?」
「遠慮する」
お風呂では再度女体を洗うことになった。今度は少し心の余裕が出て、女体を良く観察してみた。おっぱいがあるのは、そう悪くない気がした。お股はちんちん・たまたまが無くて何かスッキリしてるなと思う。ちんちんの代わりに割れ目ちゃんがある。割れ目ちゃんの手前の端に凄く敏感な場所があった。これが噂に聞くクリトリスか。一番奥には何か穴がある。これ何だっけ?と思ったら、ちーちゃんの声が頭の中に響いた。
「そこはヴァギナ、日本語では“膣”と言って、赤ちゃんが出てくるところ、そして生理が出てくるところだよ」
「こんな所から赤ちゃん出てくるのか!」
「あと彼氏が出来たら、彼氏がそこにちんちんを入れるんだよ」
「へー」
「それで射精すれば赤ちゃんができる」
「え!?ぼく赤ちゃん出来たらどうしよう?」
「そのうち避妊具の使い方教えてあげるね」
「うん」
お風呂からあがった後はリトルツインスターズのパジャマを着た。それで部屋に戻り、お布団に入ってから、好奇心を抑えきれずクリトリスをいじる。いろいろやってみて回転運動を掛けるのが適度に気持ちいいことに気付いた。その日はそれで快感に包まれて眠った。翌朝起きた時は男の子?に戻っていた。
ちーちゃんは言った。
「女の子の1日どうだった?」
「まあ面白かったけど、もういいや。もう女の子には変えないでよ」
「そう?毎日午後は女の子にしてあげてもいいのに」
「やめて!」
「じゃ将来女の子になりたくなった時のためにあまり男っぽくならないよう睾丸は停止させておくね」
「は?」
「睾丸が停まってると身体も成長しないから代わりに卵巣を入れとくから」
「え〜?」
女の子になっていた後遺症?が出ていた。
・喉仏は完全消失した。
・声の音域が変わった。低い声が出なくなり、代わりに高い声が出るようになって、ソプラノがほぼ歌えるようになった。バスは歌えなくなった。
・スネ毛がほとんど生えなくなった。ヒゲも剃る必要が無くなった。
・ウエストが細くなった。でもズボンは今までより大きなサイズのでないと穿けないので何で?と思った。大きいズボンをベルトで細く絞って穿いた。(ヒップが大きくなったのだと思う)
でも細かいことだから、まあいいかと思った。ヒゲ剃りしなくていいのは楽だし。音楽の時間はテノールの所に座っているので問題無い。でもコーラス部ではしっかりソプラノに入れられた!
ズボン問題については母が
「あんたこれ穿いてみて」
と言って1本のズボンを渡した。快適に穿けたが1つ問題があった。
「母ちゃん、このズボンちんちんが出しにくい」
「座ってすればいいね」
(実は女子用なのでちんちんの位置までファスナーが無い)
彼はそれまでもあまり小便器を使っていなかったのだが、以降いつも個室を使うようになった。
それで「松山“さん”ちんこ無いのかも」という噂が立つことになる。実はこの中学では、彼のちんちんを見たことのある子が居なかった!
(彼は元々自分のちんちんは小さいかもという気がして、他の子が居るときは小便器を使っていなかった。それで誰も彼のちんちんを目撃していない)
また乳首が立ってシャツにすれて痛いので、土日はブラを着けるようにした。でもお陰でブラの着け方は上達した。後ろ手でホックを留め外しできるようになった。
母は
「平日もブラ着ければいいのに」
と言った。
「そんなの着けてたら馬鹿にされる」
「ブラ付きキャミソールにする?」
「それも恥ずかしい」
「中学生にもなったらブラジャーくらい着けて当然だと思うけど」
それ女の子の場合なのでは。
「でも乳首が立っているというのは、生理が始まるのも時間の問題だね」
「生理〜!?」
それでナプキンとナプキン入れを渡された!
ナプキンを着ける練習までさせられた。
「これトランクスにはうまく着けられない」
「ショーツ穿かなきゃ」
「そんなの穿いてたらみんなに笑われる」
(いや既にみんな“半分女”みたいに思ってると思う)
「ショーツの上にトランクス重ね履きするんだよ」
FTMさんがそれをやるのでレスビアンの手毬は知っていたのである。
康太は時々夜の間にパンツが汚れていることがあった。むろん精液では無い。
母は言った。
「おりものだね。パンティライナー着けとけばいいよ」
と言って買ってきてくれた。それでナプキン入れにもナプキンとパンティライナーを2枚ずつ入れておくようにした。しかし彼は寝る時はいつもショーツを着けて、パンティライナーも着けて寝るようになった。
「でもお母ちゃん、ショーツ買ってくる時に脇の弱いのはやめてよ。ちんちんが“こぼれる”んだよ」
「ああ、いっそちんちん取っちゃう?」
「嫌だ!」
「ちんちんなんて別に要らないでしょ?ちんちん取れば女の子と同じようにおしっこできるし、ハイレグのショーツも穿けるし。性別も女に変更できるよ」
「性別の変更〜?」
「それで私の娘になりなよ。性別の変更申請くらい、してあげるから。そしたら毎日セーラー服で学校に行けるし」
「そんな恥ずかしい」
性別変えたら、僕、みんなの前で『松山です。女になりました。よろしくお願いします』とか挨拶しないといけないじゃん!
でもお母ちゃん、昔からよく「私の娘になる気無い?」って言ってたよなあ。お母ちゃんは元々ぼくを女の子にしたかったのかも。それで小さい頃はよくスカート穿かされてたし、トイレも座ってするように躾けられてたから、小学校に入るまで立ってしたことが無かった。
小さい頃「ちんちんいじってたら切っちゃうよ」と言われて、ちんちんではあまり遊ばなくなったけど、本当は切っちゃいたかったのかも!
「活水女子高とかにも進学できるよ」
「女子高とか嫌だ」
母は活水の出身である。卒業後東京の会社に就職して父ちゃんと知り合ったのだと言っていた。父ちゃんは富山県の出身だ。小学生の時に連れて行かれたことあるけど、お魚が美味しかった。実家は凄い大きな家だった。お姉ちゃんにも会ったし。ジュナちゃんと言った。ほかに熊本のミカンちゃんって妹にも会ったことがある。一緒に大分のハーモニーランドに行った。女の子向けの遊園地で僕までお姫様ドレス着せられちゃったけど。
ミカンからは「ひとみお姉ちゃん」なんて呼ばれてしまった。ぼくスカート穿いてたし。あれ?ぼくあの時も“ひとみ”にされたんだった。この名前こないだ父ちゃんが突然思いついたものではなく、前から考えていたものだったのか。
自分のきょうだいは全国に7人くらい居るらしい。全員のところ回らないといけないから毎週は来られないのだと言っていた。そんなにたくさん子供作るっていわゆる“種馬”という奴?でも全員にちゃんと養育費送って子供に会いに来るのは父ちゃん偉いよとか、母ちゃんは言ってた。マクドナルドの株主優待券もらったことあるし、株とかで儲けてるのかな。こないだ来た“今の奧さん”は埼玉の人だけど、もうひとり千葉にも奧さんが居るらしいし。埼玉にも千葉にも僕の妹が2人ずつ居るとか。だから12人きょうだいになるの??
でもお祖父ちゃんが言ってたよな。戦前の日本では8人兄弟とか10人兄弟とか普通だったって。うちの父ちゃんって古いタイプだったりして。
康太はクラスの女子たちから
「ひとみちゃん、ひとみちゃん」
と呼ばれて、おしゃべりの輪に加わることもあった。ちゃおとかニコラとか読んでるおかげで、結構彼女たちと話が合った。また1日女の子の身体を体験したことでも、女の子の考え方が理解できるような気がした。
「普段もスカートくらい穿くんでしょ?」
「お母ちゃんが面白がってスカート5着も買ってきた。女の子浴衣まで買ってきた。ブラジャーの着け方練習中」
「女の子でもちゃんと着けられない子いるよね」
「前で留めて180度回すとかね」
そうか!そういうやり方もあったのか。
「でもちゃんと後ろ手でホック留められないとダメだよね」
「180度回す方法では胸の膨らみを全部カップに収納するのが困難だからね」
「ひとみちゃん、学校では女子トイレ使ってもいいからね」
「別に使わない」
でも体操服着てる時とかに何度か連れ込まれた。
「女子トイレ慣れしてる」
「待ち行列を理解してる」
「セーラー服着てるとこちらにはいるから」
「いつもセーラー服着てなよ」
「遠慮する」
ある時、ひとりの女子が言った。
「急に来ちゃった。ひとみちゃん、ナプキン持ってないよね」
「ナプキン?はい、これあげる」
「サンキュー!」
しかしこの後女子の間では
「ひとみちゃん生理あるみたい」
という噂が流れていた!
「でも今度一緒に街とかに行こうよ」
それで一緒に街に出てサンリオショップを覗き、公園のベンチで自販機のジュースを飲んだ。
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