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■春八(4)
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2月20日(月).
この日は予め募集を出していた、UDD(UAV薬品配送)準備室の現地採用社員の面接を行った。薬剤師は応募してきた3人を全員採用した。一般社員は5人の内年齢的に厳しそうな1人を除く4人を採用した。
2月28日(火)
ずっとテス ト運行を続けていたウィングライナーが、この日から正式運行開始となった。この日運行開始されたのは、南北線(城端−七尾)珠洲線(七尾−飯田)・東西線(富山−金沢)、西能登線(津幡−羽咋−七尾)の区間である。もっとも昨日まで“テスト”と称していたものを今日から“運行”に変更しただけで、作業内容は全く変わっていない。運行は全て氷見の集中運行管理センター(ITMC)で制御されている。ITMCを氷見に置いたのは何かあった時に郷愁村の技術者がヘリ等で急行できるからである。
3月1日(水). この日はUDD(UAV薬品配送)準備室のオープニング記念式典・第1弾が金沢で行われた。お昼前に新幹線で社長が来るので水川と月子で迎えに行く。県庁に連れていって、知事と会談をする。知事からはドローンの基地を作ってほしいところのリストが渡されたので、早急に検討することになった。
★単独型
県が土地を確保し、D製薬から依頼された播磨工務店がユニットハウスの事務所を設置。ここにスタッフを入れる。スタッフは薬剤師の資格のある人で、
(1) 近隣出身の社員(または親族)
または
(2)近隣の薬局やドラッグストアからの派遣
(3) 特に希望した人
とする。
4月までに人選し、南砺市に来てもらってドローンの練習をしてもらう。
社員でない人は社員として採用し、普段はリモートで仕事をしてもらう。あるいは近隣のドラッグストアなどで仕事をしてもらう。
★併設型
既存の薬局やドラッグストアをそのまま基地化する
必要なら、庭や駐車場にUDDのユニットを置く。
★居住型
県が確保した土地にUDDユニットと住居ユニットを並べて置き、そこに住んでもらう。
田舎では薬剤師の資格はあるが、今仕事が無い人がわりといるので、自治体を通じて募集すると、けっこうな応募があった。薬剤師さんとその親族・友人でドローンを学びたい人というペアでの応募もけっこうあった。こちらも途中からそういうペアも積極的に募集した。ペアの応募者のために住居ユニットを2つ並べて置いた例もある。
オープニングイベントは夕方からである。次のように進めた。
(1)社長の挨拶
(2)知事の祝辞
(3)金沢市長の祝辞
(4)水川の挨拶
(5) 『ドローンが開く未来』上映
(6)移動薬局の紹介
(7)ドローン実演(月子)
(8)ラピスラズリ歌謡ショー
(9)ドローンパフォーマンス“光の乱舞”
ドローン実演は50mほど離れた場所から移動薬局の上に薬を乗せたドローンを飛ばすもので、月子はこれをレディススーツ姿で操作した。“女性でも容易に操作できる”とアピールしたいらしい。きれいに車の上に着陸すると歓声があがった。
最後のはAC社による50個のドローンを飛ばしたショーで多数のドローンが飛び回り、夜空に美しい軌跡を描いた。
司会進行は、東京から来た鹿野カリナちゃんという石川県出身の高校生タレントがしてくれたが、とてもうまい司会で感心した。
イベントはほぼ同じ進行で翌日以降、高岡・富山・津幡・南砺でもおこなった。ただし富山県内のイベントでは歌謡ショーは、富山県出身の立山煌くんが歌った。司会は毎日鹿野カリナちゃんである。
この様子は毎日テレビ局が取材していた。特に富山市のイベントはNHKで全国中継された。それで月子がレディススーツでドローンを操作しているところが全国に放送された。彪志は母が見てませんようにと祈った。
最終日、事務所開きの当日になる3月5日・南砺市(城端)のイベントは、こんなところまで人が来てくれるだろうかと思ったが、イベント参加者はウィングライナーに乗れるので、それ目的で結構人が来てくれたようである。街明かりが無いのでドローン乱舞も最も美しかったと言われた。
社長は1日から5日まで全イベントに出たが連日高岡のニューオータニに泊めた。6日朝の新幹線で東京に戻った。
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春八(4)