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■春五(1)
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「ねね。“ハロー5(ハロー・ファイブ)”って86.5KHz(キロヘルツ)だっけ?」
と尋ねたのは双葉(初海の妹)である。
「86.5 ではなく80.5 だね」
と和栄は答える
(ハロー5とはエフエム石川の愛称)
「0(ゼロ)を“ロ”と読むのか」
「数字のゼロはカタカナのロに似てるからね。、ついでに kHz(キロヘルツ)ではなく MHz(メガヘルツ)」
「メガだったのか」
「AMラジオはキロヘルツで言うけど、FMはメガて言うね」
「へー」
「周波数が高い分音質が良いって誰か言ってたけど、ホントかどうかは分からん」
「でも覚え方としては行けますね」
「双葉ちゃん行く大学決まった?」
「私はG大学です」
「じゃ、明恵ちゃん・真珠ちゃん・初海ちゃんの後輩になるのか」
「国公立は届きませんでした」
「なかなか厳しいよね」
さて今年度の大学入試でこの物語の登場人物は次の大学に進学することになった。
珠洲市 川口遙佳 (国立)富山大学芸文(芸術文化学部)
氷見市 高田舞花 同上
氷見市 谷口愛佳 金沢市(私立)G大学文学部
金沢市 竹本双葉(初海の妹)同上
(地震が多発している市をS市と書いてきましたが、もう今更なので以降珠洲市と書きます)
愛佳が進学するG大学には女子バスケットボール部があり、愛佳はそこに入ることにした。プレイを見てもらい合格と言われた、4年間ここで頑張る。
住まいに関しては原則として1年生の女子は寮に入るので愛佳も寮に入ることになった。(明恵や真珠は定員あふれで寮にはいれなかった。初海は自宅から通った)
一方。高田舞花と珠洲市の川口遙佳は富大芸文(富山大学・芸術文化学部)に進学する。このキャンパスは高岡市にあり、青葉の家から近い。青葉は「うちに下宿していいよー」と言っていたのだが、芸文の学生も1年生の間は他の学部の学生と一緒に富山市の五幅キャンパスで一般教養科目を学ぶ。そこで最初の年は富山市内に住む遙佳の叔母(母の妹)・振絵の家に下宿させてもらうことにした。
実際には振絵の家の離れを丸ごと貸してくれることになったので、ここに高田舞花も下宿させてもらうことになった。
そしてバスケットに関しては富山市周辺に就職したり富山県内の専門学校に行く知人などと一緒にクラブチーム“555(ファイズ)”を作り、そこで活動することにした。コーチとして春貴のコネから、富山B高校出身の左倉アキさんという人?にお願いすることにした。本人は「猫でも良ければ」と言い、千里さんも 「まあ猫の手を借りるというし」
などと言っていた。H南高校女子バスケット部監督の春貴の先生にも当たるらしい。
このクラブチームに関して、千里さんの秘書・天野貴子さんがあちこち交渉してくれて、それ以外の動きもあり、このようなことが決まった。
(1)前提となる動き
・ムーランが現在津幡に持っているセントラルキッチン(サラダ程度を作っている)を大規模にして南砺市に移転する(本格的な料理も作る)。
・お菓子部門だけ高岡市伏木に移転する。(青葉の家の近く)
・川口遙佳・金堂多江・竹下リルの3人が高岡のキッチン(パティシエ)でケーキやチョコ菓子を作ってもらう。高田舞花もこれに加わる。・winglinerを七尾から更に珠洲市まで延長する
・ここで作ったケーキをwing liner で珠洲市に運びフレグランスで提供する。そのほか、富山・高岡・金沢にガトー・ムーランのお店を出してそこでも売る。(フレグランスのケーキを作っている遙佳が指導するから、フレグランスのお菓子をムーランが売るようなもの)
(2)天野さんがまとめた話
・D製薬の富山工場(富山市五人町)と南砺営業所(城端)の敷地内に千里(名目上播磨工務店)が体育館を建て、各々D製薬富山体育館(ゼブラ)、南砺体育館(ジラフ)とする。これを夕方以降555が使って良い。昼間は前者はD製薬のバレーボールチームが使う。後者はドローンの練習に使う。
「しかし五人町の体育館なんてバスケするのにふさわしい」
と舞花は思った。(*1)
(*1) 富山市“五人町”は架空の地名。D製薬のモデルは、お察しの方も多いと思うがアステラス製薬である。ただしアステラス製薬とD製薬は色々設定が異なる。D製薬は富山発祥で本社も富山市。但し販売部門が大きくなり、東京の本店が本社より大きく社長も東京にいる設定。現実のアステラス製薬は大阪発祥の2つの製薬会社、山之内製薬と藤沢薬品の合併により誕生した。現在の本社は東京である。
アステラス製薬の富山工場は富山市“唐人町”にある。またアステラス製薬にはバレー部もバスケット部も無い。
555の初期メンバー
高田舞花(H南高校→富大)
白井夢愛(富山B高校→富山i大学)
横山可愛(黒部L高校→富山県立大学)
分家レミ(高岡C高校→富山県立大学)
府中絵理(高岡C高校→H専門学校高岡校)
鷹野由恵(高岡C高校→H専門学校富山校)
舞花の取り敢えず1年目の予定
・学校が終わったら市電で富山駅前に出る
・D製薬の引き込み線の列車に乗りD製薬富山体育館(ゼブラ)に行きバスケの練習
・下宿先に戻り夕食後、遙佳と一緒にスポンジを焼く
来年度からはまた考える。
ケーキ作りの手順
・遙佳が舞花と一緒に富山市の離れでスポンジを作る
下宿先の離れには実家で使ってたのと同じオーブンを持ち込んだ。
・高岡のパティシエで竹下リルと金堂多江がケーキに仕上げる(遙佳が指導)・winglinerで金沢・珠洲・富山に運ぶ
・午前中、リルと多江はチョコレート菓子を作る(仙台クレアのスタッフ佐藤純が指導)チョコ菓子もガトームーランやフレグランスに運んで販売
ガトームーランは、ムーラン・仙台クレア・珠洲フレグランスの共同出資
2月13日(月)
月子(彪志)は千里さんに買ってもらったメンズスーツを着て、フィットに乗り、南砺の営業所まで行った。千里さんが「見学したい」というので連れて行った。現地で水川と会うが
「なーにー、その服?」
と非難された。
でも午前9時に水川と2人で建設会社から南砺営業所施設一式を受け取った。建物・ヘリポートを含むこの営業所の全てである。
「床上げしたいとお聞きしましたので、一応こちらの手持ち資材で床上げした上で適当な机と椅子を入れておきました」
「ありがとう」
「こちらの手間が省けたね」
「電気・水道・下水道の線・管もつないでおきました」
「ありがとう!」
「ほんとにかなり手間が省けた」
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