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■春五(3)

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彼は直径30cmの機体をキャリーに入れて持参していた。微調整の掛かった彼の専用機らしい。東京駅で放送局の人と合流し、放送局の車で田園調布の一軒の家に行く。下見させてもらったが、この家の2階ペランダに置かれたテーブルにドローンを着陸させるということだった。
「難しー」
と月子は言う。屋根の下に着陸させるというのは微妙なコントロールが必要だ。
「僕のレベルでなきゃ無理だね」
と行橋さんが言っている。やはり難易度の高い案件のようだ。
 
予行練習する。
家から50m程離れた空き地で、ドローンをキャリーから出し水平に置く。FPVのモニターを点ける。プロポを操作して離陸させる。そしてモニターを見ながら操作し、目的の家のそばまで行く。目標のベランダが見える位置から接近。きれいにテーブルの上に着陸させた。お見事であった。
「凄い」
と放送局のスタッフからも声があがっていた。そのスタッフの中に顔見知りの伊勢真珠ちゃんが居て、手を振っていたので、月子も手を振り返した。あとで聞くとこれは『北陸霊界探訪』と『関東不思議探訪』の合同特別編の企画らしい。(スパイラルロードの第3弾:次回詳細)
 
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その日は都内のホテルに泊まり、翌日はホテルを6時半に出て真珠と一緒に放送局の車で7時半頃また田園調布の現場に行く。昨日と同じ空き地から今日はムーランの車で運ばれてきていた朝食のトレイをドローンに乗せトレイのカバーを掛けて離陸させた。それできれいに着陸するところを別のドローン(AC社の別の社員さんが操作)で空撮した。
 
「鳥だ」「飛行機だ」
「違う。あれはドローンだ」
などとやっていた。(「鳥だ」と言ったのが月子)
 
目的の家では室内から女性タレント(神田あきら)が出て来て運ばれてきた朝食を食べる。これもずっとドローンで空撮していた。他にハンディカメラを持った放送局の女性スタッフも家の中に待機していてその人もこの様子を撮影していた。
 
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月子(彪志)はこの撮影が終わると郷愁村まで送ってもらい、真珠たちといっしょに能登空港までフライトした。そしてこの日の午後はwing linerに試乗した。
 
南砺営業所は高岡支店の石田さんに留守番しておいてもらい、wing road の下見を兼ねて水川と2人でwing liner南北線に試乗することになった。まだ試運転中ということだったが(実はこの日から試運転を始めた)
「D製薬のかたでしたらどうぞ」
と言われて乗せてもらった。
 
(千里は九重たちに何かあったら乗客をなんとしても助けろと命じている。夕方乗った歌音とあきらについても同様。試運転始めたばかりと知らなかったあきらたちは“知らぬが仏”)
 
城端→福光→福野→高岡工場→新高岡駅(新幹線乗り換え)→高岡駅(あいの風とやま鉄道・万葉線など乗り換え)→伏木(wingliner東西線乗り換え)→雨晴海岸→南氷見(氷見飛行場線乗り換え)→H南高校前→氷見漁港→阿尾→佐々波→いおり→七尾港(JR七尾線・のと鉄道乗り換え)→七尾小島(wingliner羽咋線乗り換え)→和倉温泉→能登中島→ロマン峠→根木→穴水→能登空港→桜峠→神和住(かみわずみ)→柳田上町(かんまち)→合鹿(ごうろく)→駒渡(こまわたり)→宝立(ほうりゅう)→珠洲飯田(いいだ)
 
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水川は城端から乗り、月子は飯田に向かう途中の能登空港で合流した。
 
水川の家は福光駅の近く、木橋さんたちのマンションは新高岡駅に近い。
 
城端から珠洲飯田までは片道3時間かかる。しかし月子(彪志)は伏木駅が青葉宅から近いことに驚き
「自分もwing linerで通勤すればいいのでは」
と思った。
 
(青葉をコスモスが拉致しやすいように近くに作った!また南氷見駅は日和の自宅に近い。更にH南高校前という駅もある)
 

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14日の夕方、wing liner で城端に戻ったあと、水川の業務用スマホに佐藤部長から電話が入る。
「あす、社長がそちらに行くからよろしく」
「はあ!?」
「オープニングには行くけど、その前に下見したいらしい」
「下見だけですか」
「ついでに知事とか市長に挨拶をと」
「知事や市長とは明日・明後日に私が会うことにしてアポを取っているのですが」
「じゃその時社長も一緒に」
「名刺交換程度の短い挨拶しか想定してないのですが」
「社長もそれでいい」
 
ということで、社長の宿泊だけ急遽手配した。また社長の移動用にレクサスをレンタカーで確保した。また道に慣れている人として本社の翡翠さんという人にドライバーを務めてもらうことにした。
 
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2月15日。水川と月子(彪志)は富山駅に向かった。新幹線ホームで社長を迎える。水川が案内して駅前で車に乗せ、まずは富山県庁に向かった。
 
知事とは名刺交換程度の短い挨拶の予定だったが、こちらの社長が来たというと30分ほどの会談になった。県の振興や雇用問題等まで話したが、知事は新しい営業所の開設をとても歓迎していた。また配送の実験についても大いに期待しているということで何でも協力すると言っていた。
 
会談後、富山駅に行き新幹線で金沢に移動する。金沢駅には金沢の道にも慣れている高岡支店の須崎君にスタンバイしてもらっていた。彼が運転するレクサスで石川県庁に行き、県知事に会う。こちらも短い時間の挨拶の予定が昼食を交えた1時間ほどの会談になった。お陰で水川と月子も美味しい昼食を頂くことになった。(昼食代は各々払った。こちらが全部払うと贈収賄に問われるし、知事が払うのも公職選挙法違反。全く面倒臭い)
 
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こちらも県の振興について色々会談した。土地を安く提供させるから是非工場を作らないかというお誘いも随分受けた。特に能登地区にはたくさん土地が余っているようである。社長はたくさんもらったパンフレットを水川に持たせていた。高速道路沿いの工業団地には社長もけっこう興味を持っていたように見えた。空港近くの工業団地とかも紹介されたが飛行機では運送コストがネックだろう。
 
また県内の特に能登地区には車でのアクセスが不便な集落が多いので県内にたくさんドローンの基地を作って欲しいと要望され、これは県側から希望地の資料を出してもらうことにした。
 
そのあとは金沢市役所に移動して金沢市長と1時間ほど対談した。市長は、金沢市内にも車でのアクセスが困難な地区がけっこうあるので、ぜひ金沢にもドローンの拠点をと依頼され、社長は検討することを約束していた。月子は正直、金沢の市内にそういう地区があるとは知らなかった。
 
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金沢市のあとは、新幹線で移動し、翡翠君の運転で黒部・入善・滑川・富山・射水・の各市長・町長と30分くらいずつ対談した。そのあと高岡市内のニューオータニに社長を連れて行き泊めた。
 
翌2月16日はホテルに迎えに行き、南砺市の営業所で実際にドローンが飛んでいる所を見せた。今回の実験で使う実機だけでなく、播磨林業の巨大なドローンも千里さんに持って来てもらい(徳部さんが操作して)飛ばしてみせたら社長は感激していた。
 
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