【夏の日の想い出・ラブコール】(6)
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(C) Eriko Kawaguchi 2021-09-10
その日、柴田数紀(水森ビーナ)が仕事を終えて、男子寮の自分の部屋に帰宅すると、詩恩姉(天羽飛鳥 *1)が来ていた。部屋の中で数紀のTシャツとショートパンツを勝手に穿いてくつろいでいる。
(*1)詩恩は両親が離婚した時に母に付いていったので、高崎ひろか(柴田邦江)・数紀と苗字が違う。ちなみに生まれ年度は、邦江1999 飛鳥2001 数紀2005.柴田純一郎と亜矢子の離婚は2003。純一郎が丹生と出会い結婚したのは2004.
「そうそう。9月4日は私が代役したげるから」
「ほんと?助かる」
「まあいつもお世話になってるしね。チルチルはやってみたかった」
「ミチル役だけど」
「・・・・チルチルは?」
「石川ポルカちゃん」
「うーむ・・・・・」
お姉ちゃん、何悩んでるんだろ?とビーナは思った。
「今夜泊めて」
と飛鳥は言った。
「いいけど、ドライバーさん呼べば女子寮に帰れるよ。呼ぼうか?」
「母ちゃんに叱られたから今日はこちらでほとぼりをさます」
「何叱られたの?」
「無断外泊」
「それでまた外泊していいの?」
「妹のところに泊まるのは外泊にならない」
「ボク、弟だけど」
「似たようなものよ」
「もしかして男の子のところに泊まったの?」
「ちゃんと避妊したから大丈夫だよ」
「セックスしたんだ!」
「そりゃ男の子の所に泊まったらセックスはするもんだ」
「すごーい。おとなー」
「数紀も20歳くらいになったら、彼氏できるよ」
「ボクできたら彼女が欲しいなあ」
「あんたレスビアンだっけ?」
「ボク男の子だよぉ」
数紀は女性不感症なので“彼女”ができる確率はとても小さいと思う。可能性があるとしたらレスビアン女子かも!?
「既にほぼ女の子になってると思うけど。そうだ、あんた、より女の子に近づけるように陰裂形成手術受けたら?」
「いんれつ?」
「割れ目ちゃんだよ」
「いらないよぉ。ボクちんちん無くしたくないし」
「別にちんちんは取らなくていいんだよ」
「そうなの?」
「陰嚢の皮膚を谷折りして糸で縫合して、グランドキャニオンを形成するだけだよ。侵襲が無いから痛みはすぐとれるし、タレント活動にも影響出ないよ。その手術してくれる病院知ってるから紹介しようか?」
「少し考えさせてください」
と数紀は焦って言った。割れ目ちゃんとかできたら、まるで女の子みたいじゃん!
「割れ目ちゃんが形成されたら、ちんちんはいつもその中に隠しておおけばいいんだよ。タックの必要性がないから、夏も蒸れなくていいよ」
「あ、その蒸れる問題は結構悩み〜」
「だったら手術しちゃえばいいよ。それに割れ目ちゃんの中にちんちん隠しておいて、こぼれてこないようにしっかり閉めておくのは、将来ヴァギナを作ってから、彼氏とセックスした時に、しっかり引き締めるのの練習にもなるよ」
引き締めるって何??
「でもそれ、睾丸はどうするの?」
「・・・・あんた、睾丸はもう取ってるよね?」
「取ってないよー」
「それはよくない。すぐ取ろう」
「いやだ」
『青い鳥』の撮影は続いていた。
森 (La Foret) のシーンに行く。
ここでもチレットは先行して、森の木々たち。動物たちに、人間の子供が青い鳥を探しに来るが、もし青い鳥を見つけたら、森の秘密も暴かれると脅す。それで森の木たちも動物たちもチルチルとミチルをやっつけようと待ち構えている。
それでチルチルとミチルがやってくるが、最初は木々たちは
「なんだ。子供じゃないか」
「だったら、放っとけばいい。どうせ青い鳥の所には辿り着けん」
と静観する構えである。しかしチレットがさんざん煽るので、とうとう木々たちも森の動物たちも戦闘態勢になる。
それでチルチルたちが近付くと、木々や動物たちが襲ってくる!
ミチルが話し合おうとするが、樫の木(声:黒沢七郎)は言う
「お前の父ちゃんには、俺の子供が600本、おじとおばが475本、いとこが1200本、嫁が380本、孫が12000本、切り殺された」
「ちょっと待ってください。確かに私たちの父は木こりですけど、1人でそんなにたくさん切れるわけないです」
とミチルは弁明する。
狼(声:中山大造)も言う。
「お前の父ちゃんには俺の両親も兄貴も、祖父ちゃんも鉄砲で撃たれた」
「うちの父は鉄砲とか使いません」
とミチルは言う。
しかし木々も動物たちも、ミチルたちの弁明を全く聞いてくれない。それで襲われるので、チルチルとミチルはやむを得ず棍棒を持って防戦する。チロや他の精たちもチルチル・ミチルを守って闘う。チレットまで仲間とみなされて襲われるので、やむを得ず狼や狐たちと闘う羽目になる!
最後は光の精が登場して、
「あなたたち落ち着きなさい」
と木々たちや動物たちに言うので、木々や動物たちも攻撃をやめ、一行は何とか森の外まで脱出することができた。
「どうしたんだろう?普段は、木々たちも動物たちも優しいのに」
と火の精が首を傾げていた。
チレットは自分まで襲われたことで、さすがにバツが悪そうな顔をしていた。
なお、森のシーンは襲ってくる木や動物はCGである(このシーンの撮影後、1週間がかりで制作されている)。また声も声優さんたちによるアフレコで、声優さんたちは撮影現場には来ていない。
この後、原作ではお墓のシーン (Le Cimetiere) があるが省略される。
幸せの宮殿 (Le Palais des Bonheurs) に行く。
ここでは最初“富める幸せ”と“酒飲みの幸せ”(演:丸呑ワンダ・丸呑ジョージア)が調子がいいのに乗せられて、チルチルとミチル以外の一行が全員、飲めや歌えの大騒ぎになってしまう。いつも喧嘩しているチロ(西宮ネオン)とチレット(坂田由里)まで肩を抱き合って、仲良く?おしゃべりしている。
(肩を組んでいるチロとチレット、火の精と水の精!?(夕波もえこ・薬王みなみ)以外は、全員ソーシャルディスタンスを取っている。そのためこのシーンは巨大なテーブルで撮影された。実は物凄く換気の良い、深川アリーナの大食堂を使用している。ここでは空気は上から下に流れ、横には流れないので、感染発生の可能性がほとんどない。ケイナとマリナの親族顔合わせ式:事実上の婚約式が行われた場所である)
チルチルとミチルが呼んでも、みんなこちらに来ない。
それで光(恋珠ルビー)がチルチルにダイヤモンドを回させると“富める幸せ”と“酒飲みの幸せ”の姿は消え、チロやチレット、飲み食いして騒いでいた他の精たちも我に返る。
子供たちがやってくる(○○ミュージックスクールの小学生の生徒たち)。本当に幸せそうな子供たちの様子にチルチルとミチルは心を癒やされる。さらにもっと大きな子たちが来る(○○ミュージックスクールの高校生の生徒たち)。ひとりだけ、遠くに居て(“愛の喜び”La joie d'aimer)、チルチルとミチルは
「君たちがおとなにならないと理解できないもの」
と言われる。
そして“母の愛”L'amour maternel(演:古賀紀恵−チルチルミチルの母と二役)と出会う。
「お母さん?」
「そうですよ。チルチル、ミチル」
「でも凄く若くてきれい!」
「子供を愛するお母さんは、みんな若くてきれいなのよ」
「どうしてそんなに若いの?」
「お母さんというものは子供が微笑む度に若くなっていくのよ」
「どうしてそんなにきれいな服を着てるの?」
「子供がお母さんにキスしてくれたりなでなでしてくれたりする度にお母さんの服はきれいになっていくのよ」
「でも普段はもっと汚い服を着てるのに」
「表面的なものだけを見てはダメ。物事は本質を見る必要があるのよ」
実はこのシーンがあるので、チルチルとミチルの母には20代の古賀紀恵を起用したのである。冒頭のシーンでは40代に見えるメイクだったが、ここは逆にまだ10代にも見えるメイクをしている。元々古賀さんは2-3歳、年下に見られることが多い。
その内“母の愛”はふと言った。
「でも、あなたたち、どうやってここに来たの?」
「光さんが連れてきてくれたんだよ」
とミチルが言う。
「光?」
光は顔をベールで隠して3人に近づく。
「私たちはずっとあなたを待っていたのに。どうして顔を隠しているの?」
と“母の愛”は言う。
「まだ時が満ちていないから。恐れも悲しみも全て消えた時、私はあなたたちのもとを訪れるでしょう」
と光は言う。
「でも私の子供たちに優しくしてくれてありがとう」
と言って“母の愛”は光を抱きしめた。
それで光とチルチル・ミチルは幸せの宮殿を去ったが、光の目に涙が浮かんでいるのをミチルはどうしたのだろう?と思った。
この“幸せの宮殿”では青い鳥は見つからなかったものの、(後半は)心癒やされる時間であった。
そして“未来の王国” (Le Royaume de l'Avenir)に来る。
ここはチルチルとミチルに光だけしか入れないので、他の子たちは外で待機になる。
ここに居るのはみんな青い服を着た子供たちばかりである(劇団桃色鉛筆に所属する子役さんたち)。
男女同じ服装なので、見ただけでは男の子か女の子かもよく分からない。
(生まれる前の子供たちという設定なので、そもそも中性的な雰囲気の子を集めている)
子供たちは「僕は生まれたら発明家になる」とか「僕は生まれたら惑星連合の王様になる」とか各々の夢を語る。ミチルたちは、自分たちの弟になる予定の子とも会った、
そして今夜生まれる子供たちが“時の番人”(演:金居弘信)に促されて船に乗る、まだ生まれる時ではない子供が乗ろうとするのは降ろされる。
船が出港した所で、時の番人がチルチルたちに気付く。
「誰だお前たちは?なせ青くない?」
光は2人に言う。
「絶対に返事をしてはダメよ。ダイヤを回して」
それで3人の姿は消える。
まばゆいばかりの世界にチルチルとミチル、それに光の3人だけがいる。
そのチルチルとミチルも眠っている。
そして1羽の小鳥(必ずしも青くない)が飛んできて、光の肩に留まった。
実はここは本物の鳥を使っている。更に光を演じているのはルビーではなく、この本物の鳥の飼い主である美高悦子さん(監督・美高鏡子さんの姉)である。実はいちばん慣れている子を使って撮影したので、色合いは仕方ない。
(原作では銀色なのだが、銀色の鳥は居ないかも)
それでこの鳥が飛んできて肩に留まるシーンは、光の後ろ姿で撮影している。その肩に留まった鳥を手に乗り移らせて撫でるシーンはルビーが鳥のロボット(実際に肩に留まった鳥と似た色合いに加工)を使って撮影している。
チルチルとミチルは光や多数の精霊たちと一緒に一軒の小屋の前に立っていた。チロとチレットが喧嘩してるのをミチルが「やめなさい」と言って止める。
「ここは?」
とミチルが光に尋ねる。
「そのおうちが分からない?」
「戻って来たの?」
「そうよ。たからそのドアを入りなさい」
「青い鳥、見つからなかった」
「どうかしらね。でももう時間だからベッドで寝るといいよ」
「妖精のおばさんに謝らなくちゃ」
「ベリリューヌは君たちが頑張ったのをちゃんと見てたよ」
それでチルチルとミチルは光や精霊たちに「またね」と言ってドアをくぐった。
(原作ではここでパンや火の精たちが別れを惜しむのだが、監督は脚本家と話し合い、敢えてその場面は入れないことにした。“続編”の需要が出た場合に備えたものである。それで別れの挨拶も原作の"Adieu"−永遠の別れではなく“またね”−フランス語なら"Au voir"にしたのである)
「チルチル、ミチル、2人ともいい加減に起きなさい」
という母(古賀紀恵)の声でふたりは目を覚ます。
ふたりは目を覚ますが、顔を見合わせる。
「お母さん、きれいだね」
とミチルが言うと、母は照れて
「何言ってんのよ。御飯できでるよ」
と言う。でも悪い気はしてない感じ。
それで2人は食卓に就こうとするが、ミチルが気付く。
「ねぇ、お兄ちゃん、みーちゃんが昨日より青くなってない?」
「ほんとだ!これなら、ベリリューヌさんにあげられるよ」
(ここは美高悦子さんが飼っているセキセイインコの中でいちばん青い子を使って撮影している)
「でもどうやったら、ベリリューヌさんに連絡が取れるのかなあ」
そこへドアがノックされる。母がドアを開けると、ひとりの老婆(入江光江:二役)が立っている。
「ベリリューヌさん!?」
とチルチルとミチルが声をあげるが、母は
「あんたたち何言ってるの?御近所のベルランゴさんじゃん」
と言う。(何て説明的なセリフ!)
「チルチルちゃんとミチルちゃん、昨日のクリスマスイブでガチョウ(*2)を焼いたから少しお裾分けしようと思って」
「わぁ」
と言って、チルチルとミチルは走り寄る。
(*2)現代ではクリスマスといえば七面鳥だが、これはアメリカ発祥の最近の文化である。ヨーロッパでは、それ以前は一般に、ガチョウや白鳥!が食べられていた。
昔は白鳥は何かの時の贅沢な食材という扱いだったようである。「白鳥の湖」でジークフリートが弓矢を持って白鳥狩りに出かけるが、きっと食べるため。ひとつ間違うと、オデットはジークフリートに狩られて、誕生会のお料理になっていたかも!?「これは王が自ら狩ってこられた白鳥です。どうぞ皆さんお召し上がりください」とかいう展開!??
(ゲーム開始直後のバッドエンド・パターン)
「ありがとう。ベルランゴさん」
と言ってミチルがガチョウのお肉のお皿を受け取る。
「あんたたちは、いつも元気でいいねえ」
と言って、ベルランゴさんは微笑んでいる。
「うちの孫娘にあんたたちの元気を少し分けてもらえたらと思うくらいだよ」
チルチルとミチルは顔を見合わせる。
「ベルランゴさんの孫娘さんって、何か身体が悪いの?」
「元々身体が弱くてね。ずっと寝てることが多いんだよ」
チルチルとミチルは顔を見合わせて頷く。(御近所の子なのになぜ知らない!?)
「ベルランゴさん、もしよかったら、孫娘さんのお見舞いに、うちのみーちゃんをもらってくれません?」
とミチル。
「みーちゃん?」
「この子なんです」
と言って、ミチルが鳥籠を持ってくる。
(ミチルが持ち歩くカゴに入っている小鳥はロボット)
「こんな小さな鳥では、焼いてもあまりお肉無さそう」
「いえ、食べるんじゃなくて、この子、いい声で啼くから、この鳴き声を聞いていたら、元気にならないかなと思って」
とミチルが慌てて言う。みーちゃんが食べられちゃったら大変!
「そういうことかい!ごめんごめん」
それで結局、チルチルとミチルは、ベルランゴさんに付いて、そちらのお家まで行く。ベッドに寝ている孫娘・アンジェラを見て2人は驚く。光とそっくりだったのである(恋珠ルビーの二役)。
「わあ、可愛い小鳥」
と孫娘は喜んでいる。
小鳥がさえずる。(このシーンは本物のセキセイインコだが、鳴き声はご機嫌がいい時の鳴き声を録音しておいたものを後で重ねた)
「あ、みーちゃん、アンジェラさんが気に入ったみたい」
「こんな可愛い子、もらっていいの?」
「うん」
「ありがとね。この声を聴いたら私も少し元気が出て来そう。私も頑張って病気を治すね」
とアンジェラが2人に優しい声で答えた。
このドラマはその後の日程が詰まっているため、9月頭に撮影されたが、実際の放送は10月23日の予定である。このドラマの主題歌はルビーが歌い、エンディングをビーナが歌うことになって、各々9月中に制作し、10月に相次いで発売予定である。
8月30日の夜、ネットフェスでの愛知ドームでのライブを終えたアクアと、ゲストタイムでピアノの弾き語りをした葉月は、主宰者が用意している帰りの専用列車を待たずに、山村マネージャーが運転する"BMW X4 xDrive35i M Sports" で東京に戻ってきた(バックバンドのメンツと、リハーサル役の薬王みなみは列車で帰る)。
あけぼのテレビ内のスタジオに移動すると、川崎ゆりこが待っている。
「お疲れさま。ライブの後疲れている所申し訳無いけど、年末年始の『ありかとうございました/今年もよろくしお願いします』のビデオを撮るよ」
「もう撮るんですか!」
「コロナでどっちみち全員揃っての撮影はできないしさ。とにかく各自時間の取れる時に撮る」
「振袖着るんですよね?」
「エアコンガンガン効かせて涼しくしてるから」
「助かります。福井で撮影した振袖のCMはもう暑くて暑くて」
「ああ、大変だったみたいね。ビーナちゃん暑さで倒れる寸前だったとか」
「あの子、物凄いスケジュールの中、福井まで往復しましたしね」
それでスタンバイしてくれていた2人の美容師さんに、アクアと葉月が各々振袖を着付けしてもらった。
それで2人とも振袖を着た所で、録音されているビアノの「C-G7-C」の音に合わせてお辞儀をしててまずは年末用のセリフ(今年もお世話になりました)をしゃべる所を撮影する。
それから30分掛けて着替えて(年末用振袖を脱いだ所でトイレに行く)、今度は別の振袖で、年始用セリフ(明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします)、そして更に1人ずつの“1秒パフォーマンス”も撮影した。2人とも色紙にメッセージとサインを書いて掲げ、笑顔で手を振って撮影された。
「今年は何人いるんですかね?」
「年末が23組、年始は25組。私と社長を除いて」
「1人1秒映せます?」
「0.5秒になるかも」
「ああ」
23組(29人):品川ありさ・高崎ひろか・アクア・西宮ネオン・今井葉月・花咲ロンド・姫路スピカ・白鳥リズム・石川ポルカ・桜野レイア・山下ルンバ・原町カペラ・ラピスラズリ・リセエンヌドオ・大崎志乃舞・七尾ロマン・恋珠ルビー・常滑真音・甲斐姉妹・中村昭恵・水森ビーナ・花貝パール・水谷姉妹
年始に加わる2組:美崎ジョナ・立山きらめき
実際には年末までにあと1人「お世話になりました」を言う人は増えることになる。
ところで花ちゃん(山下ルンバ)は、昨年12月に花ちゃんの色々な面を見せる特集番組を放送したのだが(多くの視聴者はそれが同一人物であることに気付かず、5人の歌手によるリレー企画と思った!)、川崎ゆりこに唆されて、5種類の花ちゃんを見せるCD(+DVD)をリリースすることにした。
実は第一段は7月7日に竹本和恵『愛の調べ』と称して、ピアノソロ曲を14曲収録したアルバムを出している。曲目は↓
『小犬のワルツ』
『モーツァルト・トルコ行進曲』
『アイネ・クライネ・ナハトムジーク』
『くるみ割り人形より行進曲』
『エリーゼのために』
『乙女の祈り』
『花(瀧廉太郎)』
『ショパン・ノクターン(Op9-2)』
『展覧会の絵よりプロムナード』
『ブラームスのワルツ(Op39-15)』
『ショパン・革命(Op10-12)』
『ハチャトリアン・剣の舞』
『リスト・愛の夢』
『ショパン・別れの曲(Op10-3)』
8月4日には高橋隼海花『九州の民謡』として自ら三味線を弾きながら歌った民謡を収めたアルバム(CD only)を出した。(尺八:高橋宏乃進 太鼓:高橋春鳥麗)
『炭坑節』『博多どんたくの歌』『おてもやん』『長崎ぶらぶら』『おはら節』 『刈干切り唄』『シャンシャン馬道中唄』『五木の子守歌』『島原の子守唄』 『田原坂』『黒田節』『博多祝い歌』
ピアノ曲アルバムは12,000枚くらい売れた。民謡アルバムは1800枚売れた!(でも民謡アルバムは玉雪さんのアドバイスでカセットテープ版を出したら7000本も売れてびっくりした!!)
そして9月3日(土)には、マキシシングルで、川内みねか『秋風とお汁粉』を出した。4曲が収録されている(CD only \1000/CD+DVD \1500)。
『秋風とお汁粉』
『天使が呼び止めた』
『あの町の曲がり角』
『好きだと言えない』
名前を漢字の“川内峰花”ではなく、平仮名書きにしたのは「かわちみね・はな」と誤読されないようにである!(元々“はなちゃん”という愛称はこの誤読から来ている。本来の読み方は「かわうち・みねか」。もっとも本名の川内峰花がけっこう芸名っぽく、もうひとつの名前・竹本和恵が地味なので、竹本和恵を本名と思い込んでいる人も多い。私も一時期誤解していた!)
DVDでは物凄く可愛い衣裳(アクアのお下がり!)を着た花ちゃんが、自身が以前在籍していたバンド、フィフティースリーをバックに熱唱している姿が映っている。サンシャイン映像でストックしているあちこちの風景なども混ぜてある。
また『秋風とお汁粉』では信濃町ガールズの箱崎マイコ・豊科リエナがお汁粉を食べている映像が入っているし、『天使が呼び止めた』では、直江ヒカルが天使役、山本コリンが学生服を着て男の子役をしている。
『あの町の曲がり角』では曲がり角でぶつかりそうになる男女を、夕波もえこと鈴原さくらが演じている。むろん、172cmの夕波もえこが男の子役で、154cmの鈴原さくらが女の子役である!(この配役に誰も疑問を持たない)
『好きだと言えない』では主人公の女の子を三陸セレン、相手役の男の子を大崎志乃舞が演じている。
楽曲は、どれも花ちゃん自身が書いた力作で、評価は高かった。特に『天使が呼び止めた』はあちこちのFM局にも掛けてもらった(ゆりこが営業でたくさん配ってくれた)おかげもあり、このCDは1ヶ月で9万枚も売れて、花ちゃんにとってこれまでで最高の売上枚数となった(最終的には10万枚を超えた可能性があるがランク外になった後は売上枚数として集計されない。出荷は12万枚している)。
もっとも多くの人が“川内みねか”は§§ミュージックの新人アイドル歌手と思ったようである!!
実際「みねかちゃんのファンクラブ無いんですか?」という問い合わせがかなりあったので、ゆりこは“山下ルンバ”ファンクラブとは別に!“川内みねか”のファンクラブも作っちゃった!!
なおこのシングルをわざわざ土曜日に出したのは、この週の水曜日(9/1)には水森ビーナがデビューシングルを出したので、それを邪魔しないようにするためである。実際はビーナの売上が物凄くて、結果的には遠慮する必要もなかった。
花ちゃんのシングルは金曜日発売という不利な発売日にしたのに、9/6の売上統計では3万枚で、週間ランキング3位になり(2位はトラインバブル)、花ちゃん自身びっくりした。
一応この後、ロック系のマキシシングル、ポップス系のマキシシングルも出す予定である。
あけぼのテレビでは8月31日から夕方18時に「明日は何の日」という1分間の番組を放送開始した。最初常滑真音がその記念日にふさわしいコスプレをして簡単な説明をする企画だったのだが、舞音は多忙で無理ということになり、舞音の直弟子!?水谷姉妹が担当することになった。舞音がこれまで使用したコスプレ衣裳なども使わせてもらう。(なお時間が取れる時に結構撮り溜めする)
9月1日(8/31放送)は「キウイ」の日で、水谷妹がキウイフルーツに手足が生えたような格好をしていた。あわせて関東大震災が起きた日で“防災の日”になっていることも語る。
9月2日(9/1放送)は「くじ(籤)の日」で、水谷姉が多数の棒が入っている筒の中から1本「えいっ」と言って棒を引くが、しっかり外れである!
(花咲ロンドが出て来て筒の中の棒を全部出してみせるが、当りと外れが半々くらいであった:本当は外れを引くまで撮り直している!3回目で外れを引いた)
9月3日は「くみ→組合の日」で、水谷妹が「§§ミュージック・アイドル組合(*3)」という鉢巻きをしていた。
9月4日は「くし(櫛)の日」で、水谷姉が柘植の櫛で髪を解いていた。
「姉妹で1日交代?」
「毎日は大変だから半分ずつやるのかな」
なお、水谷姉妹は双子のように似ているので(時間差双子とよく言われる)、その日どちらが出たか、区別の付いてない人も多い感じだった。
9月5日は“クリーン・コール(Clean Coal)”で石炭の日(少し苦しい気がする)。水谷妹が石炭をバケツで運んで来て、石炭ストーブに少し追加していた。雪国ではわりと見る光景である。
9月6日は「黒の日」(黒染めの日)で、川崎ゆりこが黒留め袖を着ていた。この日は水谷姉妹はお休み!
こんな感じで毎日1分間の番組を構成していた。
「これ毎日衣裳とか考える人が大変そう」
という声もあがっていた。
(何を取り上げるか考えて原稿を書いているのはリセエンヌドオの山口暢香)
(*3)「アイドル組合、ぜひ作って」という声があったので、水谷姉妹・甲斐姉妹・恋珠ルビー・花貝パール・夕波もえこ・薬王みなみの8人で結成し、会長に常滑真音、副会長に水森ビーナ、名誉会長に白鳥リズムの3人をこの8人で勝手に任命した!
結成翌日には、七尾ロマン、鈴鹿あまめ、長浜夢夜、鈴原さくら、も参加した。(結成時に実質的な主宰者のエーヨからの連絡がつかなかっただけで、別に外した訳ではない)また姫路スピカも“相談役”の肩書きで実質参加した。
最終的には2020年度以降の加入者全員がこの“アイドル組合”に参加した。セレンとクロムなど
「そういう楽しそうな話はすぐ連絡してよ」
などと言っていた。
8月31日。
アクア以外の§§ミュージックのメンツは深川アリーナからネットフェスに出場したが、先頭バッターのラピスラズリは10:00に演奏を終え、次のビーナたちにバトンタッチした。
深川アリーナには前後にステージが設営されており、それを交互に使用して、演奏中に反対側ステージの消毒・設営をおこなう(モニターが載っている椅子はボタンひとつでクルリと180度回転する:電磁石を使用したもので、小学生の夏休みの工作レベルである:1万個の回転椅子に取り付けるのは大変だったが)。
それでステージを終えたラピスラズリの2人をサブマネージャーの東丸愛美がラピスラズリの専用車Volvo V40 PHV (以前アクアの送迎に使用していた車:多分世界でこれ1台しか存在しない)であけぼのテレビまで運ぶ。
「あのぉ、まだ何かお仕事あるんですか?」
「私もよく分からないけど、連れてきてと言われたから」
1時間歌った後はかなり疲れている。少し休みたいよぉと東雲はるこは思った。
あけぼのテレビに来ると玉雪マネージャーがいるので、2人とも緊張する。この超ベテランマネージャーの前では若いマネージャーさんたちもみんなかしこまっている。でも玉雪さんは笑顔である。
「はるこちゃん、朱美ちゃん、お疲れ様。取り敢えずシャワー浴びて」
「はい?」
それで2人はあけぼのテレビのビルの§§ミュージック・サテライトの部分に移動する。
(このビルは右半分があけぼのテレビ、左半分が§§ミュージックの大田区サテライトである。両者の間には各フロアとも(空気の流れ遮断のため)壁が作られており、IDカードをかざさないと、その間にある自動ドアを通過できない)
シャワールームの女性用エリアの並びで「消毒済み」と書かれた紙が貼られている、その紙を“破って”中に入り、各々シャワーを浴びた(むろん2人は別々のシャワールームを使っている)。
シャワールームは必ずこの「消毒済み」の紙を破って中に入るルールである。紙が破れていて中に誰も居ないシャワールームがあれば、1時間に1度巡回してくる消毒部隊が中を清掃・消毒して新しい「消毒済み」の紙を貼る。以前は大勢で入れるシャワールームもあったが、コロナ以降、全て個室に改造された。
なお同じビルのあけぼのテレビ側にある個室スタジオ・個人用控室も同様の仕様になっている。
2人はシャワールームを出ると、3Bの部屋に行ってと言われていたのでそちらに移動する。するとそこに美容師さんがいる。
「こんにちは。お振袖の着付けしますね」
「振袖?」
「あ、分かった。これ去年もやった年末年始のご挨拶の撮影だよ」
と朱美が言う。
「あれかぁ!でもこんな時期に撮影するんだ?」
「年末近づくと忙しいもんね!」
「でもこんな暑い時期に?」
それでふたりとも豪華な加賀友禅の振袖を着付けしてもらう。指定された5Cの部屋に移動して、年末年始の挨拶のビデオを撮影された。着付け用の3階の部屋も、撮影用の5階の部屋も冷房がガンガン掛かっていたので助かった。
10:30には、水森ビーナ、山本コリン、水谷姉妹の4人がステージを終える。コリンは川世宇津美マネージャー(ビーナ担当)がビーナの専用車 Mazda3 で女子寮に連れて帰る。
ビーナと水谷姉妹は、横浜網美マネージャーが水谷姉妹の専用車 Honda Fit "Home" Casa (HEV 1496cc+motor) に乗せて、あけぼのテレビに連れてくる。
「この後、何かテレビに出るんですか?」
「今日はテレビ局じゃなくてサテライトの方ね」
「へー」
「取り敢えずみんなシャワーを浴びて汗を流してから、ビーナちゃんは3B, 水谷姉妹は3Cの部屋に行って」
「はい?」
「3B,3Cで振袖の着付けをしてもらうから、その後5Cに行って、年末年始のご挨拶の撮影」
「あ、毎年やってるやつですね。私たちも出られるんですか?」
と水谷姉が訊く。
「もちろん」
ビーナは分からないようなので、毎年年末年始に§§ミュージックのタレント総出演で「今年もお世話になりました」「明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします」という挨拶をするCMを流すので、その撮影なのだと、水谷姉!が説明した。
「へー、そういうの撮るんですか」
シャワーを浴びてと言われて、ビーナが男性用のシャワールームの方に行こうとするので「どこへ行く?」と言って、水谷妹にキャッチされる。
「いや、この付近は女性用エリアだから、男性用エリアに行こうと思って」
「ビーナちゃんは女の子のはず」
「えー!?ボクの性別知ってるくせに」
「うん。桜のコテージで女の子であることを確認した」
「えーっと」
「こんな可愛い子が男性シャワールーム付近を歩いてて襲われても知らないよ」
「ほら、ここが空いてる。ここを使いなさい」
と言って、水谷姉に腕を取られて、ビーナは空いているシャワールームに押し込まれてしまった。
「なかなか女の子の自覚が出ないな」
などと水谷妹は言っていたが、横浜マネージャーは今のやりとりの意味が分からず、首をひねっていた。(横浜はむろんビーナは女の子と思い込んでいる)
シャワーを終えたビーナは3階に上がり、3Bに入る。それで振袖を着せられる。
「ボクも振袖なんですか?」
「お正月の挨拶は全員振袖だよ」
「へー」
それで5Cに行く。ここで水谷姉妹と一緒になるので、(できるだけまとめて撮ったほうが後で合成が楽なので)3人並んで年末の挨拶をする所、念のため1人ずつ同じセリフを言う所を撮る。
それから3人とも振袖を着替える。年末の挨拶は白い振袖で撮影したが、ここで青い振袖に着替える。“みんな女性ばかりなので”この場で着替えた。その後、年始の挨拶の撮影、各自色紙にメッセージを書き、それを手に持った所と撮影された。
「お疲れ様でしたー」
「じゃみんな女子寮に送るね」
「ボクは男子寮にお願いします」
「そういえばビーナちゃん、なんで男子寮に住んでるんだっけ?」
「女子寮があふれてるからじゃないですか?」
と水谷姉。
「男子寮って男子も入れる寮なんですよ」
と水谷妹。
「ああ!、そういうこと?」
「4階は女子専用ですけど、2〜3階は男子と女子が混じってるみたい」
「へー」
それで横浜マネージャーは。まずビーナを世田谷区用賀の男子寮で降ろしてから、足立区五反野の女子寮まで水谷姉妹を送っていった。
この日はその後も続々と撮影が続いた。
↓解放時間
11:00 甲斐姉妹・大崎志乃舞(星野遙香M)
11:30 七尾ロマン・恋珠ルビー・花貝パール(城沼咲子M)
12:00 花咲ロンド・石川ポルカ・原町カペラ(里川峰代M)
13:00 桜野レイア・山下ルンバ (村田英世M)
13:00 リセエンヌ・ドオ(原田友恵M)
14:00 西宮ネオン(山本明M)
15:00 高崎ひろか(月原美架M)
16:00 品川ありさ(河合友里M)
17:00 姫路スピカ(具志堅満奈美M)
18:00 白鳥リズム(青野桃仁花M)
20:00 常滑真音(西岡空世M)
白鳥リズムのマネージャーは男性の本田覚なので、高崎ひろか・水森ビーナ担当の青野桃仁花が代行した。このフェスに出ていない中村昭恵はスケジュールの空きを使って9月6日(月)に撮影した。来年の新人である美崎ジョナ・立山きらめきは、9月2日の夕方に撮影した。
なお撮影された中で、紋付き袴を着たのは、西宮ネオンと立山きらめきだけである。
誰も水森ビーナに男物の和服を着せることは考えていなかったし、ビーナも「ご挨拶は振袖だよ」と言われて、あまり深く考えずに振袖を着た。
アクアと葉月は当然振袖であった!
(葉月は既婚者だから留袖では?と花ちゃんが言ったが、ゆりこが未成年だから振袖でいいよと言った。なお、コスモスとゆりこは今回黒留袖で、空いた時間に撮影した)
ネットフェスが終わった次の土曜、9月4日。郷愁村の空き地に、次の8人が集められた。
北里ナナ(アクア)、今井葉月、常滑真音、鹿野カリナ、水谷姉妹、水森ビーナ、夕波もえこ
集まった8人は異口同音に言った。
「雨で良かったね!」
熊谷地方は9月1日から4日連続の雨である。
今回集まったメンツは(新人の夕波もえこ以外)実は1月に根室市郊外で“氷の家”のCMを撮ったメンツなのである。今となっては、アクア・舞音・ビーナの3人が揃って時間の取れる日なんて、極めて希だが、この日は春から既にリザーブされていた。
実際アクアも
「このメンツが揃うのは凄いね」
と言っていた。
ビーナは『青い鳥』の撮影中だが、この日は抜けさせてもらっている。そして実は、撮影の方は、姉の松梨詩恩がビーナのボディダブルをしてくれていた!
襲ってくる森の木や動物と闘うミチルは実は松梨詩恩だが、2人が双子のように似ているので、気付いたのは熱心なファンに限られる。
「あの時のメンツで、私以外はみんなデビューしちゃった」
とカリナが言っているが
「カリナちゃんはきっと来年にはデビューできると思う」
と葉月が言う。
「そうですか?デビューできたら嬉しいけど」
「なんか今年は大量にデビューしましたね。もう何人デビューしたか分からなくなっちゃった(*4)」
と舞音が言っている。
(*4)この時点では10人:七尾ロマン・恋珠ルビー・常滑真音・甲斐絵代子(Ye-Yo)・中村昭恵・水森ビーナ・花貝パール・甲斐波津子・水谷康恵・水谷雪花。それ以外に、♪♪ハウスに出向した桜井真理子と安原祥子もいる。
それで今日は「氷の家」の続編で、“硝子の家”というCMを撮ろうという趣旨なのである。6月に“ビーナスの誕生”のエアコンのCMをやって、夏の間はそれかたくさん流れていたのだが、秋になるのでCMが切り替わる。実は今日撮影して、明日からこのCMは流れる予定である!
この郷愁村の“八犬伝村”そばにガラスの板のみで建てられた住宅ができていて、ここで松芝電機さんの多数の電化製品を使ってもらおうという趣旨である。氷の家では屋根に太陽光パネルを並べていたのだが、今回の“硝子の家”では、4日連続の雨で太陽光パネルが使えず、仕方ないので電気は近くの八犬伝村の施設から、臨時の電柱を建てて電線を引いてきた(雨の中ご苦労様です)。
ガラスの家も雨の中昨日建築している。本来なら雨なら延期したい所だが、延期した場合このメンツを再度集めることは数ヶ月先まで不可能になる。この建設作業してくれた人たちもご苦労様である。
実は松芝電機さん系列の建設会社・松芝ホームがする予定だったが、若葉の提言で松芝ホームの技師さんの指示のもと、播磨工務店のメンツに作業をさせた。彼らが雨の中、何十キロもあるガラス板を抱えて、ひょいひょい上に登っていき作業するので、松芝ホームの技師さんたちが「君たち凄いね!」と感心していた。
撮影されるメンバーは氷の家の時と同じ色の服を着ているが、今回はオーバーではなく、全員ノースリーブのワンピースである。もえこは赤を渡された。
ナナ:水色、葉月:バイオレット、舞音:ピンク、カリナ:オレンジ、水谷姉:薄茶色、水谷妹:ライトグリーン、ビーナ:黒、もえこ:赤
氷の家は結構寒かったのだが、今回9月上旬に温室!の中なので無茶苦茶暑い!だろうと全員覚悟していたのだが、雨のお陰で何とかなった。でも湿度が凄いので、エアコンでひたすら除湿を掛けたほか、除湿機も作動させた。
しかし当日は雷も鳴る天候で、メンバーはしばしば稲光や雷鳴にギクッとしながら撮影されている。
「今の近かったね。1kmくらいしか離れてなかった」
「何で距離分かるの?」
「稲光から雷鳴までの秒数を数える。それに音の速度300m/s(300メートル毎秒)を掛ければいい。今のは3秒くらいだったから距離は1kmくらいだよ」
「光の速度は?」
「光は1秒間に地球を7回半回るから、稲光は雷が発生した瞬間届いたと思っていい」
「へーそんなに速いんだ?」
どうも理科をちゃんと勉強してる子と、そういうのが全然分かってない子がいるようである。葉月とかビーナなどは「へー」と言っていた部類である!
なお、この“ガラスの家”には避雷針が付いているし、隣接する八犬伝村(平安村もそうだが)の、全ての建物にも避雷針が付いており、更にそれ以外にも樹木に擬態させた多数の独立型避雷針が建っている。それで“ガラスの家”の内部は避雷針に守られていて、雷に対してはほぼ安全なはずである。1kmくらいというのは、その避雷針のどれかに落ちた可能性もある。
なおCMには隣接する八犬伝村の建物もチラリと映っていた。芳流閣が格好良い!八犬伝のスポンサーも松芝電機さんなので、年末の大型時代劇の予告宣伝も兼ねている。
ガラスのテーブルの上でトランプ(七並べ・神経衰弱・ババ抜き)をしたが、今回もビーナがひたすら負けた。わざとやってるのではなく、マジでビーナはトランプに弱いようである(囲碁とかオセロは強いのに)。
なお参加者は全員(各々の服と同じ色の!)不織布マスクをしているし、テーブル中央及び横並びの各自の間にはアクリル板があり、そもそも千鳥に座っていて、各自の真正面には誰もいないようになっている。
椅子取りゲームをしたらビーナは最初に脱落した。最後まで残ったのが水谷妹で、その水谷妹に負けたのが夕波もえこだった。
室内ボーリングもしたが、ビーナはガーター連発して15点であった。上位は舞音が250点、アクアが198点で、この2人が1,2位となる。「売れてる人はボーリングも強い」とカリナが感心していた。(3位は夕波もえこ)
オセロのトーナメントをしたが、このような結果になった。
ナナ┓
夕波┻ナナ┓
ビナ┓ ┣ナナ┓
康恵┻ビナ┛ ┃
葉月┓ ┣ナナ
雪花┻雪花┓ ┃
舞音┓ ┣雪花┛
鹿野┻舞音┛
(3位決定戦)
ビナ┓
舞音┻舞音
ということで、北里ナナ(アクア)が金メダル、水谷妹が銀メダル、常滑真音が銅メダルを獲得した。
このオセロ大会の様子は、後日あけぼのテレビで放送された(松芝電機さん提供の無料放送)が、銀メダルの雪花(水谷妹)は
「準決勝で舞音ちゃんに負けて、ナナちゃんと舞音ちゃんの決勝になってたらヤラセだろうと言われると思って120%マジで戦いました」
と後で言っていた。
その舞音は
「雪ちゃんに気合負けした」
と言っていた。
だいたい雪花は1回戦で葉月を破っているのだから結構凄い。
3位決定戦(ビーナvs舞音)も凄くレベルの高い戦いで、終局した時どちらが勝ったか分かっていたのは本人たちだけだった(2枚差で舞音の勝ち)。勝った舞音は「私が後手だったからかも」と言っていた。
(オセロで先手・後手のどちらが有利かはまだ解明されていない。コンピュータによる解析で、4x4, 6x6の盤では後手に必勝手が存在することが分かっているが8x8盤ではまだ分かっていない。囲碁や将棋では先手が有利であることが経験則により確実で囲碁ではそのため後手が“コミ”というハンディキャップをもらう。将棋にも同様のハンディが必要ではと言われているがルール改訂の動きはない。実際プロのタイトル戦では勝負は振り駒で決まるとも言われる)
冬の氷の家でもやったネット碁を、最初、ビーナが9子置いて葉月と打ったが、ビーナが10分で投了した。
「置き石50個必要だったかも」
とビーナは言っていた。ビーナは帯広の中学校では、囲碁部の人と三子くらいで打っていたらしいが、葉月との実力差が凄まじかったようである。ナナと舞音も9子置いて打ったが、こちらも50手ほどで舞音が投了した(ナナはかなり手加減している)。
「置き石361個欲しかった」
と舞音は言う。
「碁盤が埋まっちゃうじゃん」
とナナ(アクア)が言ったが、舞音は
「いや361個置いても、きっとナナちゃんには負けます」
と言っていた。
葉月とアクアのネット碁は、囲碁がよく分からない他のメンツも熱戦が分かる凄い戦いだったが、最後は葉月が投了した。
「最初から全く勝てる気がしなかった。アクアさん益々強くなってる」
と葉月は言っていた。
「そんなに実力差ありました?」
とビーナも驚いていた。
ガラスの家の中に8つの個室(各自専用 *6)が用意されているので、各自適宜そこに入って、ジュースを飲んだりかき氷を食べたりしたが、ジュースを飲むシーンはCMに入ったものの、かき氷のシーンは放送されなかった。これは放送されるのが9月以降なので仕方ない。
でも中にはチキンやハンバーガー(*5)をもりもり食べてる元気な子たちもいた(舞音とかカリナとかもえことか水谷妹とか)。むろんしっかりCMで放送された。水谷妹がケトル(当然松芝製)でお湯を沸かして、松芝製の鳥さんタイマーで3分計り、カップ麺を食べてる所もCMには入っていた。
(この後、この鳥さんタイマーが馬鹿売れした:3分・5分・10分をワンタッチで設定できるボタン付きで便利)
カップ麺の銘柄はテープを貼って隠してあったが、水谷姉妹がCM出演している、日清カップヌードルの中の、麺の色合いから判断してポークストロガノフ味ではないかとファンたちは推測した。
(*5)チキンは出演者一同の全員一致でKFCのオリジナルチキンが用意された。ハンガーガーは賛成多数(4票)でマクドナルドのハンバーガー各種が用意された。ちなみに2位はロッテリアとモスが同数(2票)だった。
(*6) §§ミュージックの提言で各部屋ごとの換気がなされている。床下から排気するため、特製の“アクリルガラスのグレーチング”を持ち込んだら「これは面白い!」と松芝ホームの人が喜んで?いた。千里の草津工場で作ってもらったものである。
ドアには、各々のパーソナルカラーのマジックで絵が描かれている。描いたのは絵がわりと得意という夕波もえこ画伯である!
北里ナナ:ペンギン、今井葉月:キツネ、常滑真音:もちろん招き猫!、鹿野カリナ:鹿(まんま!)、水谷姉:ツバメ、妹:カナリア、水森ビーナ:タヌキ、夕波もえこ:イルカ
舞音が
「この招き猫ちゃん、可愛い!次のCDに使わせて」
などと言っていた。
なおトイレは隣の八犬伝村のトイレを使用する。一応ガラスの家の中にもトイレ自体は存在し、夕波もえこが中に入って(パンティを下げたりはせずにそのまま)座ってみせる図も撮影したが、むろんここでトイレをすることはない。何といっても外から丸見えである。
「男の子がいたら、立っておしっこしようとする図も撮影できるかも知れないけど」
と夕波もえこ。
「ここにはちんちんが付いてる子は居なさそうだね」
とアクア!
アクアのこの発言(放送には流れない)で、みんな「やはりアクアさん、ちんちんは無いのか」と思った。
ちなみにビーナはドキドキしていたが、葉月はポーカーフェイスである。
最後はこの各個室内で、ホットプレートで焼き肉をしたが、冬の時と同様、舞音とカリナが競うようによく食べていたし、夕波もえこもよく食べていた。
このガラスの家だが、翌日9月5日には雨があがったので、無人のガラスの家の上に太陽光パネルを乗せ、取り敢えず太陽光パネルの載ったガラスの家の映像を撮った。本当はこのガラスの家はあまり耐荷重が無いので、太陽光パネルは庭に並べるつもりだったが、雨ではどっちみちどうにもならなかった。
その後、家はすぐ解体された。何といってもガラスなので、耐久性はせいぜい48時間程度ということだった。それですぐ解体しないと危険らしい。若葉が「もったいないなあ」と嘆いていたが、これは仕方ない。
撮影に参加した子たちは「ほんと雨で良かったね」とみんな言っていた。
ローズ+リリーのアルバムの制作は、8月30日のネットフェスの後、少し休みを置いて、9月2日から再開した。再開後、最初に制作したのが、『鐘の恋文』である。
高校時代に書いてずっと発表機会のないままになっていた曲で、今回の制作にあたってし、結構手を入れてスコアを調整している。
(私の仮歌は8/27に出来ていたのだが、9/1になってからクラウドにあげて、七星さんに連絡した)
この曲は電気楽器を使う。この曲では恋人同士が鐘で連絡を取り合うという話なので、月丘さんにグロッケンシュピールを打ってもらった。高音部と低音部を使って呼び合うように音を入れてもらっている。
この曲には木管(フルート・ピッコロ・クラリネット)は入るが、金管・弦楽器はお休みである。木管セクションでは、フルートのうまい甲斐波津子に入ってもらい、風花はピッコロを吹いている。甲斐波津子は信濃町ガールズに入る前は学校で吹奏楽部に入っていて、たぶん若手のガールズの中ではいちばんフルートが上手い。今回吹いてもらったのでも、充分プロとして通じるレベルだと思った。
「でも波津子ちゃん、総銀フルートに変えたんだね」
「妹が買ってくれたんです」
「へー!」
甲斐姉妹は昨年は2人とも洋銀フルートを使用していたが、今年1月、波津子が絵代子に総銀フルートを買ってあげた。しかし今度は妹の方が姉に総銀フルートをプレゼントしたということらしい。本当に仲の良い姉妹だ。
PVは千葉県の勝浦漁港と九十九里浜で撮影した。
撮影のモデルになってくれたのは、西宮ネオンと三田雪代である。ネオンが既婚者なので、三田雪代のファンから嫉妬される恐れが無い。既婚者は便利だ。
江戸時代の漁師と村娘のような格好をしてもらい、ネオンは漁協の協力で、小型漁船に乗って沖合に出る。そして海上で鐘を叩くシーンを撮影する。
(「船酔いしました」と言っていた!)
そして、そこで撮影した映像を見ながら、九十九里浜の浜辺に立つ三田雪代が呼応するように鐘を叩くシーンを撮影した。
今回2人は恋人役を演じたのに、実は一緒に映っているシーンが全く無い!
実はこの曲は先にPVの大半を制作しており、ネオンと三田雪代が叩く鐘に合わせて私はこの曲のスコア上に、グロッケンシュピールの音を指定したのである。
なおPVでは楽曲のコーダで江戸時代っぽい和服を着た私とマリが鐘を叩くシーンも入っているが、これは最終的に楽曲が出来た後で演奏に合わせて叩いたものである。
9月6日(月)になって、百道大輔はコロナの治療が完了し、やっと退院することができた。入院は2ヶ月半ほどにも及んだ。PCR検査が2回陰性になっており、もう完全に治癒したのだが、治療でかなり体力を消費した(体重も8kg減ったらしい)こともあり、しばらく実家で療養するということだった。
私は政子に「お見舞いに行ったら?」と言ったのだが、「万一まだウィルス残ってたらいけないから行かない」と言う。
「そうなの?」
「逆に夏絵を預かった」
「誰だっけ?」
「大輔とリンナさんの子供(2018.8.3生 3歳)。大輔のお母さんが育ててたんだけど、万が一にも移したらヤバいというので大輔が退院する前に預かってきた」
「どこに居るの?」
と言って私は見回す。
「うちのお母ちゃんに預けた。だって私が子供の世話できる訳無い」
確かに賢明かも知れない!政子に預けたら、私が数日帰られなかったりしたらきっと子供たちが餓死する!
しかし政子のお母さん1人で子供3人の世話は大変すぎるので、私は自分の母に電話して、政子の家で子供たちの世話を手伝ってあげてと言った。母が行くと、恵美さんは「助かった。もう目が回りそうだった」と言ったらしい。
「そういえば。お兄さんの良輔さんの方はまだ退院できないのかな?」
と私は念のため政子に訊いてみた。
「ああ。大怪我して入院が延びたって」
「大怪我?何したの?ベッドから転落したとか?」
「酸素吸入中にタバコ吸おうとして大爆発」
「はあ!?」
「わりとよくある事故らしい」
「良輔さんって、馬鹿ということは?」
「大輔もそう言ってた。さすがの自分もタバコ吸おうとは思わなかったって」
「そもそも呼吸が辛いから酸素吸入してるのに。それに酸素に火を近づけるとか。普通、危険性が分かるよね?」
「ね?」
「でもどんな怪我なの?」
「顔をかなり火傷してる。彼女から、その顔ではもう浮気できないねと言われたらしい」
「うーん。良輔さんの普段の生活が分かるな」
「たぶん半年か1年くらいで火傷の跡はだいたい治るのではないかと」
「火傷は時間が掛かるんだよ」
「そして右耳の鼓膜が破裂したらしい」
「ほんとに大怪我じゃん!」
「左耳も最初は聞こえてなかったのが、一週間で回復したって」
「良かった」
「右耳は少し落ち着いてから手術して穴を塞ぐって」
「ほんとに大変そうだ」
「大輔にはこの機会にタバコやめなよと言った」
「うーん」
「どっちみち医者から2〜3ヶ月はタパコは我慢するよう言われたから年内は頑張ると言ってた」
「そう?」
私は禁煙はいいとして、別のものを求めないか、少し不安を感じた。彼は“それ”を断つために気を紛らわせる目的でタパコを吸っていたのである。
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【夏の日の想い出・ラブコール】(6)