【夏の日の想い出・ラブコール】(2)
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(C) Eriko Kawaguchi 2021-08-27
「金メダル取ったと金玉取ったって似てない?」
と唐突に政子が言うので、私は頭を抱えた。
妃美貴が吹き出している。
「女の子が“金玉”とか言っちゃいけません」
「じゃ何て言うの?ふぐり?」
「ふぐりは正確には陰嚢だと思う。そもそもなんで唐突に」
「いや、スポーツ選手は金メダル取りたいだろうけど、男の娘は金玉取りたいだろうなと思ったんだけどさ」
「けど?」
「“金メダル取る”の“取る”はよそから自分の所に持ってくるという意味なのに“金玉取る”の“取る”は自分の所からよそに持って行くことじゃん。まるで逆の意味なのに、なぜ同じ言葉を使うんだろうと思ったのよ」
少しまともな話になった!
確かに詩人ならではの疑問かも知れない。
「国語学者さんの意見を聞きたいけど“取る”という言葉の原義は“手で移動する”という意味だと思う」
「なるほどー」
「恐らく“物を手に取る”とか“着物の褄(つま)を取る”みたいなのがオリジナルの用法かも。“料理を小皿に取る”とか“おやつを半分取っておく”みたいなのもわりとニュートラルな使い方に近い。“手で移動する”というのが本義だとすると、移動によって、自分のそばに来る場合も、自分から離れていく場合も発生するよね」
「それはわりと当たってるかもという気がする」
「ひょっとしたら、この“取る”だけで本を一冊書けるかも」
「なるほどー」
と言って、政子はしばらく考えていたが、唐突に発言した。
「金メダルと金目鯛って凄く似てるね」
「はぁ!?」
『青空高校の午後』という番組は、その名前の私立高校の日常を描いたドラマで2011年に始まっている。
基本的に明確な主役はいないが、当初の中心人物のひとりが谷崎聡子(当時高3)であった。だいたい数人の“売れ掛かっている”アイドルを中心に、まだ売れてないアイドルや女優、子役出身者、毎年1度行われるオーディションの合格者などで出演者は構成されている。
主要なメンツは生徒名があるが、多くの生徒には無くて台本上は生徒1、生徒2などとなっている。セリフも無い子は単に“生徒”になっているが、番号もない生徒から番号付き(セリフあり)の生徒に昇格したり、注目されると番号だけの生徒から、生徒名のある生徒に“出世”する子もいる。また売れるようになると多くはスケジュール上の問題で番組を卒業して行くが、出なくなることについて特に説明はされない。またいつの間にか新しい生徒が入ってきているが、それについても特に説明はされない(年度途中の欠員をオーディション合格者で埋めるので、オーディションに合格した子は最悪1年近く出演できるまで待つ場合もある)。
それで生徒はずっと入れ替わっていくものの、ドラマとしてはもう10年ほど続いている。中高生世代には人気があるし、このドラマを見ていた視聴者は自身が高校を卒業した後も、20代くらいの内は見続ける傾向がある。出演者たちも同時期に共演した子たちとは、本当の同級生に近い感覚でずっと交流が続いたりする。
『中学生日記』の高校版と言われたこともあるが、こちらはエンタテインメントに徹しているので、あまり深刻な問題が起きることはなく、むしろお笑いに近いテイストである。問題に対して「そんな馬鹿な」という感じの解決が行われることもよくある。
いじめをしていた不良っぽい雰囲気の男の子が、学校に侵入したテロリストを殴り倒して事件を解決し、ヒーローとなったことから、みんなから頼りにされ、結果的にいい人になっちゃって、むしろいじめている奴を戒めるようになったというのもあった。
また、性同一性障害の生徒の制服問題で、校長に女装趣味を覚えさせて容認させたなんてのもあった!この校長役の人はその後も何度も女装させられた。
柴田数紀(その時点ではまだ芸名が無かった)は、5月に東京に出て来て信濃町ガールズに入った直後、知り合いのディレクターさんから声を掛けられ
「詩恩ちゃんの妹さん、東京に出て来たの?だったら『青空高校の午後』に出てよ」
と言われこの番組に“女生徒5”という役で出ることになった(5番の子が人気が出て生徒名が付き、たまたまこの番号が空いていた)。
「女生徒なんだ?」
と私は驚いたのだが
「台本渡されたらそういう役でした」
と本人は言っていた(ディレクターから「妹さん」と呼ばれたことは言ってない)。
まあいつも松梨詩恩の吹き替えで女の子の衣装つけてるしね、と私は思った。本人が特に嫌でないのなら、性別はどちらでもいいだろう。
柴田数紀の結果的にデビュー作になったのだが、その話を聞いた花ちゃんは
「女生徒役でデビューなら、ホームページ上の性別は女の子にしておこう」
と言って、水森ビーナという名前が決まってすぐ、§§ミュージックのサイトのアーティスト紹介のページで彼を
水森ビーナ 本名柴田数紀 ♀ 2005.05.20 帯広市出身
と掲載しちゃった!
「女の子ってことにしちゃうの?」
「この子きっと女役のオファーしか無いですよ。テレビ局の人達、みんなこの子は女の子だと思ってますから」
と花ちゃんは言っていた。
今はまだ中性的っぽい感じだけど、男っぽくなってきたらどうするんだ?と私は心配した。
しかし結局仕事にはいつも女の子の格好で行っているようだったし、6月に入ると学校にも女子制服で通学するようになったと聞き、元々女の子になりたかったのかな?と私も思った。声変わりはしているという話だったのだが、彼の声を聞いていると、充分女の子にも聞こえる気がするし、ひょっとして去勢しているのかもという気もした。
私やコスモスと話す時は男の子の声にも聞こえる声の高さで話しているが、『青空高校の午後』では女の子の声の高さで話している。かなり広い声域を持つようだ。実際、5月のアクアのライブで前日にアクアのリハーサル役をしたが、アクアの声域がほぼ出ていたので、凄いと思った。
しかし彼(ひょっとして彼女?)のスケジュールがかなり混んできたこともあり、短期間になってしまったが、7月中旬の撮影分まででこの番組は降板させてもらうことになった。6月上旬からは『シンドルバッド』の撮影が始まり、わりと重要な役どころニャンドル役で出ているので、ドラマ2つの掛け持ちが大変というのもあった。
『シンドルバッド』の撮影は8月までだが、その後、9月上旬には2時間ドラマ『青い鳥』でミチル役をする。
(チルチルは『シンドルバッド』でシンデレラを演じた恋珠ルビー。この配役、性別がおかしくないか?)
10月は§§ミュージックの自主制作ドラマ『八犬伝』で犬川壮助を演じることになっている。どうも彼の俳優(女優?)としてのスケジュールも立て込んできているようだ。
『ラブコール』の制作は『白い雪・愛のテーマ』から始めた。
この曲はアクアに渡した『白い恋の物語』と同じ世界観で作られており、姉妹曲のようなものである。もっとも、アクアに渡したのは私自身が書いた詩(クレジットはマリ&ケイ)で、こちらは実は、和泉に書いてもらったものである。
「なんで私がローズ+リリーに協力しないといけないのよ」
と和泉は文句を言っていたが、青葉も千里もオリンピック前で時間が取れないし、マリはまだ出産後調子が戻ってないから頼むと言って、お願いした。
(マリが詩作の調子を取り戻すのは再度宮古島に行った後の2023年5月である)
しかし和泉が書いた詩だけあって、それを見たマリも
「この詩は文句の付けようが無い」
と言っていた。(変名の“甲斐流星”名義を使用している)
この曲では金管は使用しておらず、宮本さんたちはお休みとなった。
スターキッズもアコスティック楽器で演奏している。
アクアの『白い恋の物語』では
・白雪姫がアクアで王子は西宮ネオン
・白雪姫は白鳥リズムで王子がアクア
という2通りの配役でPVを撮ったのだが、私たちは12月に出したアルバム『ホームワーク』内の『学芸会の打ち合わせ』の続きをすることにした。
この曲のPVでは学芸会で『白雪姫』が上演されることになり、次のように配役が決められた。
白雪姫:直江ヒカル
母親:木下宏紀
王子:七尾ロマン
猟師:今川容子
木下宏紀は舞音のバックバンド“招き猫”のリーダーに就任したので多忙である。そこでここだけ配役を変えた。
白雪姫:直江ヒカル
母親:夢島きらら
王子:七尾ロマン
猟師:今川容子
その他の配役↓
王様:坂田由里
鏡:左蔵真未(黒子みたいな衣装で顔が分からん!)
小人:青木由衣子・太田芳絵・斎藤恵梨香・箱崎マイコ・豊科リエナ・ 大仙イリヤ・鹿野カリナ
王子の侍従;リセエンヌ・ドオ
この配役で白雪姫っぽい場面をいくつか撮影したが、白雪姫役の直江ヒカルと王子役の七尾ロマンは同じ高校に毎日一緒に同じ車で通っており、元々仲が良いので、かなり良い雰囲気の白雪姫と王子に仕上がっていた。
なお前回撮影した時は直江ヒカルは男子寮から男子制服で公立中学に通っていたが、現在は女子寮から女子制服で私立高校に通っている!
前回出てなくて今回参加となった夢島きらら(ゆりこの推薦)は女役をするのを恥ずかしがっていたが、
「君、女の子になりたいんでしょ?女の子の格好で人前に出るのに慣れなきゃ」
と言って、やらせた。彼はあまり女装姿を見ていなかったのだかクローゼットだったらしい。それで王妃の服を着せてお化粧もすると
「一応女に見えるね」
などと言われる状態になった。まあこんなおばちゃんは居るかもという雰囲気である(王妃役としてはそれで多分良い)。
直江ヒカルは昨年の『ホームワーク』のPVを撮った頃はまだ男の子だったのだが(但し睾丸は中1で除去したらしい)、どうも2月か3月くらいに性転換手術を受けてしまったようで(*1)、物凄く女らしくなっていた。それでマリは『ホームワーク』で白雪姫を演じた子であることに気付かなかったようである。
「男の子が白雪姫を演じるのでないのは残念だけど、この子可愛いね」
などと言っていた。
(*1)女子寮の子たちが仕掛けた隠しカメラで、彼女にペニスが付いてないことを4月の入寮時点で確認されていたようである。つまり彼は、性転換してしまったので女子寮に移動する気になったのであろう。元々直江兄弟(現在は姉妹)の両親は2人を女の子にしてあげたいと思っていたようで、本人たちの希望を認めて家の中では常時女装でいることを許し、小4の頃から女性ホルモンも飲ませていたようである。
妹も6月からは女子制服で中学に通うようになっている。胸が発達しすぎて男子制服を着られなくなったことから、お医者さんの診断書も得て女子生徒として女子制服での通学が認められたと聞いた(診断書もらいに行った時あまりに完璧に女の子なのでFTMと誤解されて「普通の女性であり性同一性障害ではない」と言われたとか!?)。姉のほうは入学前に校長と面談して女子生徒として入学することが認められたらしい。ヒカルのクラスにはもうひとりMTFの生徒がいて気楽だと彼女は言っていた。
しかしヒカルが女の子になって女子寮に移動したことから、男子寮には男の子(男の娘?)を女の子に改造する“虹色の部屋”があるらしいとか男子寮では毎日の食事に女性ホルモンが混ぜてあるらしい、などという噂が、女子寮の住人達の間で広まっていた!
なお、信濃町ガールズたちの演技の他、私が王妃、マリが白雪姫を演じて、2人が剣で戦い、当然のことながら私が負けて倒れる映像も入っている!
「だけどアクアに白雪姫をさせたいなあ」
「なんでまた。それにアクアは女役は基本的にしないよ」
「でもシンデレラを演じたじゃん」
(アクア主演『シンデレラ』は5/11-18に撮影され、6月5日に放送された。マリは録画しておいて最近毎日のように熱心に見ている)
「あれは元々主役を演じる予定だったラピスラズリが濃厚接触者として隔離されて撮影に間に合わなくなったから、仕方なくアクアが演じたんだよ。ラピスラズリ以上に人気のある人が代役しないと視聴率取れないからね」
「でもシンデレラができて、オデットができるんだから、眠り姫や白雪姫もできるよね」
「眠り姫ってあまり演技力必要無い気がする。アクア使うのはもったいない」
「確かにあまり出番は無いかもね。そうだ、白雪姫こそ、アクアにピッタリと思わない?」
「アクアは受けないよ」
「そこを何とか。例えば主役の子が乗った飛行機がハイジャックに遭って、撮影に間に合わないとか」
「あまり変なこと言わないで。本当に起きたら困るから」
「そうだ。男女両役なら受けるんでしょ?だったら、白雪姫と鏡の二役とかは?」
「鏡って男なんだっけ?」
私は千里に頼み、7月上旬、政子、妃美貴、風花、詩津紅を含むスターキッズ、宮本さんと香月さん、鈴木真知子と伊藤ソナタ、更には録音作業をしている、有咲・桃子にまで、BioNTech製(*2)の (m-RNA type) COVID-19 ワクチンを接種してもらった。2度目の接種は3週間おいてからおこなう。
なお、鈴鹿あまめ・長浜夢夜は4月の段階で既に接種済みであるし、上野美津穂は昨年の内に接種済みである!(念のため5月に3度目の接種をしている。コスモスやアクアなども同様)
(*2) BioNTech製ワクチンは日本ではなぜかファイザー製と呼ばれている。Pfizerはこのワクチンの開発に協力しただけである。このワクチンはBioNTechのひとりの技術者の画期的な発想から生まれた。モデルナ製のワクチンもBioNTechと同等の作り方(m-RNA)なので両者には基本的には大きな性能の差は無いはず。BioNTechのワクチンはデルタ型変異ウィルスにも効果があるとされている。
川崎市の“ロミオとジュリエット”撮影用のオープンセット“大広間”に設置されていた“ポジティブオルガン”(小型のパイプオルガン)が、郷愁村のホテル昭和玄関ロビーに移設され、7月2日(金)お披露目された。
お披露目の演奏をしたのは、このオルガンの常任演奏者に就任した高山美優である。ネットを通して全国(全世界)に発信された。あけぼのテレビ・ΛΛテレビなどでも放送された。
高山美優は旧姓高木で、実は私のエレクトーン教室の元クラスメイトである。一時期スーパー・ピンク・シロップ(略称SPS)というバンドを組んでいた。当時は何曲かのヒット曲を出し、各種の音楽賞にもノミネートされたりしていたが、2015年に解散。美優はその後、スタジオ・ミュージシャンなどをしていたが、2017年に塾の先生と結婚し、さいたま市内に住むことになった。
最近は年賀状のやりとりだけになっていたのだが、2017,2019年に赤ちゃんが生まれたということ。昨年、夫が熊谷校に転任になり、熊谷市内のマンションに引っ越したというのまでは聞いていた。
それが今回オルガン奏者に採用されたのは、実は彼女はスターキッズ・フレンズのメンバーでもある、山森夏樹の弟子にしてもらっていて、あちこちの教会などで客演のオルガン演奏をしていたので、その山森さんの推薦でここの専任になることになったらしい。
お披露目では、この小型のパイプオルガンを使って、有名曲を演奏した。
J.S.バッハ『トッカータとフーガ・ニ短調 BWV565』
J.S.バッハ『主よ人の望みの喜びよ BWV147』
ジェレマイア・クラーク『トランペット・ヴォランタリー』
メンデルスゾーン『結婚行進曲(夏の夜の夢より)Op.61-9』
ちなみにメンデルスゾーンの『結婚行進曲』は
ドドドドー、ドドドドー、ドドド・ミ・ミミミ・ミ・ミミミ・ソ・ソソソ・ソ・ソソソ、ドッシーミ・ラソファレ、ドシドレソレミ
の方である。もうひとつのワーグナーの『結婚行進曲(ローエングリンより)』は
ソ・ドードド、ソ・レーシド、ソ・ドーファ・ファーミレ、ドーシドレというもの。
結婚行進曲という曲は多数あるようだが、日本ではこの2曲の演奏率が高い。特にメンデルスゾーンのものは華やかな曲なので、エレクトーンやパイプオルガンなど多彩な音色を出せる楽器と相性が良い。
この後、このパイプオルガンは毎日朝昼晩の3回、及び、ここで結婚式を挙げるカップルのために演奏されることになる。
「休めないじゃん」
と私は彼女に言ったが
「休む時は冬に頼もうかな」
などというので
「私時間無いよー」
と言っておいた。
実際には山森さんのお弟子さんの誰かが代行してくれるらしいし、山森さん自身が弾くこともあるかもという話であった。
「ところでここの専任になって、もし彼氏が他の校に転任になったら?」
「それはもちろん単身赴任で」
「なるほどねー」
その日、コスモスとの秘密の会談を終えた松田理史はコスモスに言った。
「ひとつお願いがあるんですけど」
「うん?」
「龍虎Fの左手薬指のサイズを知りたいんです」
コスモスは理史を10秒くらい見詰めてから言った。
「じゃ後でメールするね」
「ありがとうございます!」
あけぼのテレビでは“海水浴もリモートで”という番組を7月から8月まで毎週1回放送することになった。スポンサー付き無料放送で、スポンサーになってくれたのはスポーツ用品メーカーさんである。
海水浴に行きたくても、コロナの情勢では行くに行けないので、自宅で“畳の上の水練”をしようという趣旨なのである。
出演者は、鈴鹿あまめ(司会)に、花貝パール・大仙イリヤ・鹿野カリナ・長浜夢夜、という“昇格組”を中心として、手が空いた人も参加するという趣旨になっている。初回は、甲斐姉妹・水谷姉妹の4人も参加した。
番組では“水泳の先生”として泳ぎがとっても上手な花貝パールが指導して、クロールのやり方を教える、実は、大仙イリヤ・鹿野カリナの2人は泳げないので、この2人が生徒役になった。長浜夢夜は一応クロールはできるがターンができないと言っていたので、8月に入ったあたりからターンの指導をすることになる。
当面この番組専用として使う第11スタジオに、出演者分の畳(各々の名前やトレードマークを書いていて、各自の専用にする)を置き、そこで泳ぎ方の指導をする。本当に畳の上の水泳練習である。これを毎回最初の10分間やった。
ガールズたちが水着になってこれをやるのでこういう単純な内容でも絵になる。初回、夢夜がビキニを着てたのはダメ出しされて、競泳用水着に着替えてきた。
(おっぱいはまだ小さいけど夢夜ちゃんスタイルいい!という視聴者の声)
むろん長浜夢夜は女子水着を着けている。彼(彼女かも)は胸があるので、男子水着にはなれない(*3)。むろんお股に変なでっぱりがあったりはしないので、視聴者は普通に女子のガールズだろうと思ったと思う。そもそも長浜夢夜は信濃町ガールズのメンバー紹介の所でも最初から性別:女になっている!
(ホームページ管理者の花ちゃんが「この子は女でいいよね」などと言いながら女として登録してしまった)
(*3) 鹿児島の小学校でも女子水着で水泳の授業には出ていたらしい。男性の体育教師が男水着を着けさせようとしたが、胸があるので「それは絶対に認められない」と女性教師が強く主張し、校長決裁で、女子水着の着用が特別に認められたと彼(やはり彼女で良さそう)は言っていた。
そして女子水着になってみると、お股がスッキリした形なので「なーんだ。もうちんちん取っちゃったんだ?」「だったら女の子と同じでいいね」と言われ、結局他の女子と一緒に着替えていたとか。彼は胸もあるので女子たちとおっぱいの触りっこしてたとか!?(犯罪じゃないのか?)
「つまりもうちんちん無いんだ?」
「タックですよー」
と本人は言っていたが少し怪しい気はする。彼女は睾丸は小学生の内に外国の病院で除去したらしいが、その時、一緒にペニスも取ったとかは??
またスタジオに長さ7mの透明水槽を設置し、ここで一応泳げる長浜夢夜に実際に泳いでもらった。透明なので、泳ぐフォームが見やすい。
最初は夢夜の身体が“まっすぐになっていない”点を花貝パールから指摘されそれをちゃんとまっすぐにするようになると、スピードがかなり上がった(泳ぐ速度は液晶パネルに表示される)。
この水槽は、青葉が一時期練習に使っていたものと同等の仕様らしく、水が流れるので、長さは7mしかなくても永遠に泳いでいることができる。休みたい時は両側にある手摺りに掴まるとよい。休息棚も設けられているが、パールが
「休息棚で休めばいいよ」
と言うと
「休息だな、って言えばいいの?」
とイリヤが言った。
話が通じてない!(お約束)
通じてないことに気付いた夢夜が
「この部分を休息棚と言うんだよ」
と指さして説明して、イリヤとカリナも理解した!
(側面の手摺り・休息棚は、青葉が使っていた水槽には無かったものを初心者が使うことを考えて設置した)
この水槽は、水は簡易浄水装置(次亜塩素酸が自動投入される。水自体も入れ替わっていく)を通るので、常に清潔な状態に保たれる。多分多くの公共プールよりずっときれい。
水の流れる速度は泳いでいる人の速度に自動的に合わせられる。一応7mあるし、水深も1.5mあるので、飛び込むことも可能である(青葉が使用していたものは5mだったので飛び込めなかった。そこを改良した)。安全のため後方の壁から30cmの所に網があり、万が一にも足が吸い込まれたりしないようにしている。前方の壁から10cmの所にも網があり、万一飛び込みの勢いが強すぎた場合もそこで止まる。
8月に入ってからおこなったターン練習では前方の網を外し、水の流れを止めておこなった。透明なのでターンの仕組みが視聴者にも分かりやすいと評判だった。(夢夜だけでなくレギュラー全員ターンができるようになった)。
初回の放送では長浜夢夜だけが泳いだのだが、イリヤが
「これ2個あったら便利なのに」
と言ったら、番組(生)放送に立ち会っていたスポンサーの人が
「予算出すよ」
と言うので、2回目の放送までに水槽をもう1個制作し、大仙イリヤ・鹿野カリナにバタ足練習、ビート板を使った練習などもさせている。
(水槽に入る前に、畳の上でバタ足5分、ビート板5分やらせている。割とこの番組はハードである)
水槽は手作りなので量産できない。制作しているのは千里の知人らしいが、制作にどうしても3〜4日かかるらしい。制作費(材料費)は1個100万円くらいである(スポンサーさんからは120万頂いた)。
水槽は最終的に4個制作して、鈴鹿あまめ・長浜夢夜・大仙イリヤ・鹿野カリナの4人が同時に泳げるようになった。(パールは“先生”)
また8月最後の最終回には、深川アリーナのサブプールから中継し、全員100m泳ぐことができた所をレポートした。(実はオリンピックが終わって津幡組がここから引き上げた後、何度も深川に連れて行って練習させている)
またライフセーバーの人に登場してもらい、色々講習もしてもらった。
・息のしやすい、背泳ぎ・横泳ぎを有効活用すること(夢夜の模範演技)。
鹿野カリナが「犬かきでもいいですか?」と言ったので実演させたが可愛い!という声が多数だった(これで可愛いと言われるのは女子中学生の特権!)。
・離岸流の危険性について。発生しやすい場所と万一流された時の対策。(岸と平行に泳いで流れから脱出するのが超重要。岸に向かって泳ぐと、泳ぎのうまい人でも流れに勝てず力尽きてしまう)
・溺れてる人を見た場合、できるだけ監視員などに頼って欲しいが、自分しか助けられる人がいない場合、手を伸ばして助けず、ロープ、ラッシュガード、衣服などを投げて掴ませる。手で助けようとしたら絶対抱きつかれて自分も海に引きずり込まれる。
これは長浜夢夜が助けられる人を演じて、助ける所を実演してもらった。長浜夢夜がしがみついて、ライフセーバーさんまで溺れそうになる所まで実演した。(絶対に真似しないで下さいという舞音ちゃん!の警告表示付き)
・人工呼吸のやり方。これは人形を使って全員練習した。全員マウスピースを配られていた。「交通事故の時の救難にも使えますよ」ということで、スポンサーの好意で、視聴者に合計10万個プレゼントした。
・AEDの使い方の講習と、やはり人形を使っての練習もさせた。
(心臓マッサージの練習は万が一にも“心臓の動いている人”で視聴者が練習するととても危険なので放送はせず、カメラを止めた状態でこのメンツに人形を使って指導した。AEDだと心臓が動いていたらちゃんと“使ってはいけない”と警告されるので安全である)
海水浴ならではの楽しみということで、スイカ割りも実施する。イリヤ・カリナ・夢夜が交替で目隠し(各々個人用を使い、共用しない:間違わないように色分けしている)をして、10mほど先にあるスイカを割るが、勘の悪いイリヤは結局最後まで割れなかった。
砂遊びもした。スタジオに砂場を作り水で湿らせる。そこで砂の城コンテストをしたり(特別出演の花咲ロンドが「波が来たぞー」などと言って、時々水を掛けて崩してしまう:賽の河原の鬼のようだと言われた)、入団したばかりの、立山きらめき(*4)を首から下砂に埋めて豊かなおっばいを砂で作ったりなどして遊んだ。この悪戯は男の子でないとできない。むろんきらめきは男子水着を着ている。
(*4)広中礼音にコスモスが付けた芸名。彼が富山県の出身なので“立山”、“きらめき”は北陸新幹線の最速列車の名前。4文字名前は海浜ひまわり以来10年ぶりである。でも秋風コスモスも4文字である。ちなみに秋風メロディーはこの事務所で唯一の5文字(長すぎるので?しばしばメロディと書かれている。本人もうっかり自分でメロディと署名している)。
番組後半では“海水浴”ということに合わせて、海の家のメニューも再現していた。
実際に海の家の経営をしていた方に指導してもらい、出演者の女子たちが様々なメニューを作っては自分達で食べる!
初回焼きそばから始まって、その後、たこ焼き(なかなか難しい)、ラーメン、いか焼き(いかを丸ごと焼いた方:焼き不足でかなり指導が入った)、フランクフルト、アメリカンドッグ、とうもろこし、フライドポテト、トルネード、から揚げ、フライドチキン(揚げ時間不足で指導が入る)、ホットドッグ、ハンバーガー(バンをこがす子相次ぐ)、かき氷(ユニークな色彩のものができた)、焼き鳥、たこさんウィンナー、お好み焼き、などなど作っていって最終回はカレーライスで締めた。
「水泳より料理の方が楽しそうだ」
「作るのより食べる方だよね」
などという視聴者の意見であった。
むろん調理時にはマスクをし、食べる時はお互いにソーシャルディスタンスを取った席に座って食べた。
7月7日頃から、ネット上で“常滑真音のヌード写真?”という画像が拡散しはじめ、かなりの騒動となった。
常滑真音は6月25日に写真集を発売したばかりであるが、そのネットで拡散した写真は、舞音が衣装を交換するために着替えている最中を盗撮したかのような雰囲気で撮影されていた。
舞音の写真集は多数の写真家に撮ってもらっているが、ひょっとして管理の甘い写真家の助手かスタジオのバイトとかから流出したもの(ブートレッグ)では?などと勝手な想像をする者もあった。
騒ぎになってしまったので、舞音本人もショックを受けて、その週は学校も仕事も休んだ。
写真の発信元は新興の某写真投稿サイトであるが、8日にはアカウントが本人により削除されてしまった。それで当人に照会したりすることも困難になった。
コスモスも今回はどうにも手を焼いて、対策に悩んだのだが、そこにアクアがコスモスの所に来て言ったのである。
「社長、舞音ちゃんのヌードを撮影しましょう」
「え〜〜〜!?」
アクアの提案はこういうことだった。
・千里さんに確認してもらったが、ヌード写真の人物と舞音ちゃんは“波動”が全く異なる。だからこれは確実に他人の写真である。
・先日写真家の桜井理佳さんと話したのだが、人間の身体のパーツ配置や比率はひとりひとり違う。
・だから実際に舞音ちゃんのヌードを撮影し、その身体のパーツ配置・比率をネットで拡散しているヌード写真と比較すれば、赤の他人の写真であることを明確に出来る。
・念のためこの作業は、公正な第三者にさせた方がいい。何なら経緯を放送局にレポートさせる。
コスモスは
「じゃ千里ちゃんは間違い無く別人と言っているのね」
と確認し、念のため千里本人とも電話で話してから、アクアの提案で行くことにしたのである。
まず舞音本人に電話してアクアの提案を伝える。舞音はコスモスからまでヌードを撮影させてと言われて仰天したものの、説明を聞くと了承した。
ΛΛテレビに話を持ちかけ、同局の特別番組として“生放送”することが決まった。生放送でするのは、不正操作が絶対に行われなかったことを視聴者にアピールするためである。録画ならどうにでも誤魔化せる。
テレビ局は検証番組をするなら、検証に出る舞音が確実に本人であることを確認する必要があると言った。そこで
・常滑市の中学時代のクラスメイトを呼んで舞音と会話をさせ、本人であることを確認する。
・その場で舞音に歌を歌わせ、ホルマント分析に掛けてCD音源と同じ人の声であることを確認する。
というのが花ちゃんから提案され、舞音本人および放送局の承諾が得られた。
ヌード写真を撮影する人として、放送局から「舞音ちゃんができるだけ抵抗を感じないように女性写真家で」ということで、高居由紀さんではどうかという提案があり、コスモスは舞音本人に確認の上了承した。
中学時代のクラスメイトについては、舞音が中学時代の担任の先生に連絡し、舞音とあまり親しすぎず、公正な行動を期待できる人として、クラス委員をしていた子と生活委員をしていた子(いづれも女子)を先生が指名、本人たちには「証人という性質上、謝礼は出せない」というのを納得してもらった上で証人になっていいと了承してもらった。舞音もその子たちならと了承した。彼女たちは放送局の車で東京に連れてくる。
写真の比較をしてくれる人として、放送局から大学の先生にお願いした。
それで7月10日、検証番組が生放送で撮影・放送されたのである。
結果、写真は舞音本人とは似ても似つかぬ人物であることが判明。
“ヌード流出”騒動は収まり、24時間以内にはネット上の写真も消えてしまった。検索サイトなどにもキャッシュから削除してくれるよう要請を出した。
さすがの舞音もここ数日は夜もよく眠れない状態だったので、この結果にホッとし、結局7月11日の夕方までひたすら熟睡していた!
一方、千里はコスモスから照会された7月8日の段階で丸山アイに電話して言った。
「舞音ヌードの人物を見つけてくれない?」
「それ千里ちゃんにもできない?」
「私も青葉も、オリンピック前で忙しくて精神的な余裕が無くて」
「まあいいや。こちらも頭の体操になるし、やってあげるよ」
アイは潔斎の上で、その日の夜間に犯人の居場所を見つけてくれた。
(5年前の飴買い幽霊事件の時に千里が交通事故の加害者を見つけるのに使ったのと多分同じ方法。アイはそれを見つけたのは青葉だと思い込んでいる。青葉は加害者の車のナンバープレートまでは見つけたものの、加害者の所在地までは見つけきれなかった:そもそも青葉には千里やアイのように日本上空高度3000kmで浮遊するような手段が無い!)
千里は《こうちゃん》に命じて、犯人に「怒った舞音のファンに襲撃される」夢を見させた。そもそも被写体になった女性も「あれ本当はあんたじゃないの?」と会社の同僚などから追及されていたこともあり、犯人は
「あれは自分がやった」
と当地(佐賀市)のテレビ局に名乗り出て、彼と女性は警察の取り調べも受けることになった(任意で取り調べられ書類送検されたが、舞音側からの上申書により起訴猶予)。
この2人の名前・住所などをマスコミは匿名で報道したのだが、ネットの住人たちがすぐさま、本名と勤め先などを調べ上げ、2人は会社をやめる羽目になった(そもそも女性は周囲から追及されていた)。
コスモスと舞音は、犯人が捕まった報道の直後、ファンに暴走しないよう呼びかけ、舞音のファンが彼らに危害を加える事態は避けられた。
千里は《きーちゃん》に命じて、彼らのために福岡市内のアパートを借りてやり、また彼氏の就職先まで世話してやった(コスモスの代理人を称した)。それで2人は新しい生活を始めることができた。これは舞音のファンたちが彼らを襲撃したりすることがないようにするために必要なことであった。
ローズ+リリーの『ラブコール』の制作はワクチン接種の後1週間の休みをおいて7月10日に再開した。
(私もその間にスコアの調整をしたかった。また10日に“検証番組”の放送がされて視聴者もその検証内容を信じてくれたようであるのを見るまでは私も精神的な余裕がなかった)。
『白い雪・愛のテーマ』の次は『ガラスの靴・愛のテーマ』を制作した。これはタイトルから分かる通り『シンデレラ』を下敷きにした曲である。
これも基本的にはアコスティック楽器をベースに演奏している。
この曲では、弦楽器を入れずに金管を入れた。更に香月さんの友人のホルン吹き・長門さんにも参加してもらっている。長門さんには参加期間中、スターキッズと同レベルの毎日の健康チェック、外食禁止・公共交通機関の利用禁止・三密回避をお願いした。香月さんの自宅への往復はバイクを使ってもらうことになっている。
この曲のPVはシンデレラの物語のシーンを再現している。かぼちゃの馬車も使用した(先日ΛΛテレビのアクア主演『シンデレラ』で使用されたものがまだ残っていたので少し改装して使わせてもらった。アクア主演のドラマでは白馬を6頭使ったが、こちらは黒馬を6頭使用した)。
配役はこのようにしている。
シンデレラ:山鹿クロム
王子:花貝パール
魔女:花咲ロンド
御者:箱崎マイコ
母親:南田容子
姉:原町カペラ
シンデレラ役が男の子(男の娘)で王子役が女子なのはいつものことである!
ちなみに、花貝パールの方がクロムより背が高いので、実はこの組合せはちゃんと絵になっている。クロムのシンデレラは物凄く可愛いので、彼を知らない人はたぶん普通に女の子だと思う。彼は自分用のガラスの靴を作ってもらって喜んでいた。彼はハイヒールの靴は普通に履いて歩いたり走ったりできる
(パールの方が「私ハイヒールで走る自信無い」とか言っていたが、中学生では無理もない:クロムが履ける方が異常)。
これでガラスの靴は、東雲はるこ・アクア・常滑真音・恋珠ルビー・山鹿クロムと5つ作ったことになる:足の型を取って作るから本当に本人しか入らない。体重を靴全体で支えるので、かえって普通のハイヒールより歩きやすいし、指も痛くならないらしい。
先日のシンデレラのドラマでシンデレラの姉役をした花咲ロンドに魔女役をお願いした。姉役は原町カペラ、母親役はリセエンヌ・ドオの南田容子である。
佐藤ゆかに頼もうかと思ったら、ゆかは最近、常滑舞音や水森ビーナの付き添いやスタンドインで忙しいようである。ビーナは詩恩のスタンドインで忙しいのだが、そのビーナにスタンドインが必要な状態になっている!しかし、ゆかはアクアやリズムのスタンドインもしており、ゆか自身が多忙になってきつつある。
7月11日(日).
§§ミュージックが買い取った土地に建っているマンションに住んでいた3家族が全員近くの別のマンションに引っ越した。不動産会社による点検の後、その建物および土地が、翌12日不動産会社から§§ミュージックに引き渡された。
そこでムーラン建設は13日(火)からこの土地に女子寮2号館の建設を始めた(12日夜間に播磨工務店・茶組の手により古い建物は撤去された)。
それと同時に、本棟の前面に10m×5mほどの建物が建てられ始め、こちらは7月15日(木)夕方に完成して引き渡された。こちらは1階が食糧倉庫や更衣室、2階が“臨時厨房”である。2階の厨房から女子寮2階への渡り廊下も作られている。6月に作られた食事の配送システムも新しい臨時厨房から送出されるように変更された。調理器具などの移転のため、7/16のお昼だけが休業となった(夏休み開始前で、平日のお昼を頼む子は少ないので、そういうタイミングで移動した)。
本棟の厨房・食堂が空いたので、一時的に女子寮7階に退避していた花ちゃんは、この本棟の食堂の所に再度引っ越して来た。約半月間の退避だった。
花ちゃんは、寮生(多くが信濃町ガールズ)の日々の相談相手にもなってあげているので、7階では若い寮生たちが恐れ多くて部屋を訪れにくい。それでこちらに戻ったのである。
なお、風花を女子寮の方に入れれば、花ちゃんは退避の必要が無かったのだが、それをやると、風花の赤ちゃんが寮生たちに“可愛がられる”のが確実で、それはコロナの折、好ましくないため、花ちゃんが本棟の部屋を譲ってくれたのである。
なおこれまで倉庫に住んでいた海浜ひまわりは、工事にともない倉庫が撤去されたので、臨時厨房1階に部屋をひとつもらい移動した。「エアコンがある。お風呂もある。嬉しい!」と言っていた。倉庫を取り壊したのは建蔽率がオーバーするからである。ひまわりは配膳係なので「仕事に便利」とも言っていた。
7月14日、アクアの写真集『鏡迷宮のアクア Aqua in Mirror Labyrinth』が発売された。それと同時にこの写真を撮影した場所である“ミラー・ラビリンス”も一般公開された。
この写真集の帯には
「アクア本人の主張によれば、アクアは女の子ではなく男の子だそうです」
という注意書きが入っている。昨年の写真集の注意書きは
「アクアは男の子アイドルです。女の子ではありません」
だったのに比べると、今年のはアクア本人はそう主張しているけど、事務所は彼女の性別には関知しないという雰囲気であった!
なんでも、アクアと写真家さんとコスモスとの妥協の産物らしい。
来年の写真集ではもうこの手の注意書き自体が無くなるなと私は思った。
7月17日(土).
その日、原町カペラは出演番組で、久しぶりに元同級生の女優・川井陽生と遭遇し、番組が終わった後おしゃべりしている内に「うちに来てゆっくり話さない?」ということになった。
それでSCCのドライバー橋本さん(石川ポルカ・原町カペラの主担当)に送ってもらい、五反野の女子寮まで来て、玄関を入ろうとした所で、警報が鳴る。
「わっ何!?」
と2人とも驚いたのだが、警備員さんが飛び出してくる。
「体温の高い方がいます」
「え?」
ハンディ体温計(非接触式)で確認する。
「あなた体温が高いです。ここを通すことはできません」
と警備員さんは川井陽生に言った。
「え〜!?」
と本人は驚いている。
「夏だから外歩いている内に体温があがっただけでは?」
と原町カペラは言うが。
「風邪症状みたいなのは無い?」
と警備員さんは尋ねる。女子寮専任看護師の山口さんも出て来た。
「そう言われると、昨日あたりから少し頭痛はしてましたけど。生理近いから、そのせいかと思ってた」
「念のため簡易検査キットでコロナ感染をチェックさせてもらっていいですか?」
と山口さん。
「いいですよ」
と川井陽生も応じて、警備員室の隣にあるサロンに行く。
本当は入館証を持たない部外者との面会はここでしなければならない。しかし寮の住人の友人や親族で“女性”であれば、ルール違反にはなるが、本人と一緒の場合は通していたのが現状である。
それで唾液を取って、簡易検査キットに掛ける。原町カペラも一緒に検査された。しばらく待っている間に、カペラ担当の小野市花マネージャーも飛んできた。
「川井さんは陽性です。コロナに感染しています」
「え〜〜!?」
「森下さん(原町カペラ)は陰性ですが、感染してから3日くらいは検査にひっかからないので、経過観察が必要です」
「どうすればいいの?」
「川井さんは、正式のPCR検査が受けられるよう連絡しましょう」
山口が提携医に連絡すると、往診して下さるということだったので、そのまま待つ、先生は20分ほどで来てくださった。ちょうどお昼の休診時間帯だったのが良かった、ζζプロからも連絡を受けて月里マネージャーが飛んできた。
「コロナウィルス感染症の疑いが濃厚ですね。簡易検査キットでも陽性になっているのなら、罹っている可能性が高いと思います。PCR検査を受けることをお勧めします」
「受けられるようにお願いします」
それで医師が検査センターに連絡し、月里マネージャーがζζプロの車で彼女を検査センターに連れて行った。
カペラは濃厚接触者になるが、万一感染していたとしてもすぐには検査できないので、取り敢えず3〜4日、自己隔離の上で様子を見ることになった。ちなみにカペラはワクチン接種済みである。(§§ミュージックのA契約の子および信濃町ガーネルズ本部メンバー、マネージャーなどのスタッフは全員接種済み)
「じゃ、私、寮の部屋で引きこもっていればいいですか?」
「いや、隔離期間は寮には入れられない」
と小野は言う。
「ではどこで?」
「ここで少し待ってて」
「はい」
待っている内にドライバーの橋本さんも来るので、カペラはどこか適当なアパートか何かに連れて行かれて隔離になるのだろうかと思った。しかし橋本さんもここで少し待機のようである。
カペラたちがしばらく待っていると、何か音がする。窓の外を見たらクレーンで庭に“部屋”が置かれるので驚く。
“部屋”は3つ置かれ、作業員たちがその間をボルトで留めているようだった。そして更にこの部屋の上に、重ねるようにして部屋が3個置かれ、それもボルトで留められた。更に2階に登る階段が取り付けられる。水道工事・電気工事の人も来て、カペラたちが見ている内にほんの1時間ほどで“アパート”ができてしまった。花ちゃんがアパートの部屋に101,102,103,201,202,203 というプレートを取り付けた。
「隔離用のアパート作ったから、比南代(原町カペラ)ちゃん、悪いけど2週間ここで暮らして。外出禁止で。これ鍵」
と言って、203と書かれた札のついた鍵を渡された。
「2時間でアパートが建つんですね!」
「ユニット工法だから」
「2階なんですね」
「1階は感染者が出た場合の自宅療養用。2階が濃厚接触者や外国からの帰国者用の隔離部屋。ウィルスは空気より重いから、感染者は必ず下にする必要がある」
「へー!」
「橋本さん(運転手さん)も申し訳無いですけど、2週間の隔離をお願いできますか。外出禁止で。その間はずっと勤務していたことになりますので」
と言って、花ちゃんは彼に201の鍵を渡した。
「分かりました。でも私、男てすけど、女子寮内に居ていいんですか?」
「女装してもいいですよ」
彼は奥さんに連絡して着替えなどを持って来てもらうようだった。
「エロ本とか男性用生理用品(*5)も必要でしたら用意しますが」
と花ちゃんが言うと
「女房に頼みます!」
と言って橋本さんは赤くなっていた。
(*5)テンガのこと。
様子を見ていた、ひまわりが
「あのぉ、このアパートに自動で荷揚げするシステムの導入とかは?」
と言う。確かに階段を登って配膳するのは大変そうである。
「そうだなあ」
と花ちゃんが少し悩んでいたら、まだ残っていた播磨工務店の青池が言った。
「リフト作ればいいんですか?すぐ作らせますよ」
と言って、すぐに部材を持ってこさせ、ほんの1時間で作ってくれたのでその日の夕食の配膳にも間に合うこととなった!
青池がテキパキと作業員たちに指示しているのを見て、カペラが
「かっこいいー!建設会社の女性幹部ってなんか憧れちゃう」
などと言っていた。
カペラはビアンやバイではなくストレートだが、それでも青池の格好良さには憧れたようである。本人が女性なのかどうかは怪しいが! ちなみに、青池は播磨工務店の社長ではないものの、多分いちばん偉い人:急な仕事だったので彼女?が対応してくれた。
なお、このアパートに配膳する分の食事は全て使い捨て食器を使用する。
それでカペラは取り敢えず2週間ここで隔離生活をしてもらうことになった。
4日後、8日後、2週間後に検査して陰性であれば寮に戻れる。むろんその間は仕事は休みになる。小野マネージャーは石川ポルカに連絡し、その間のカペラの仕事を代わってあげてと要請した。
また小野はカペラが出演している番組のあるテレビ局に連絡し、カペラが濃厚接触者になり2週間自己隔離するので、その間の仕事を石川ポルカの代役でお願いしたいと要請。全ての仕事で了承をもらった。
「私とポルカちゃんってわりとセット扱いされてて、どっちでもいいと思ってるテレビ局多いんですよ」
などとカペラは言っていた。
また花ちゃんはカペラの服を適当に少々と、彼女のパソコン・iPodを寮内のカペラの部屋から持って来てくれた(偶然寮内に居た桜井真理子が手伝ってくれた)。
PCR検査を受けた川井陽生はCOVID-19の極めて感染力の強いデルタ株に感染していることが判明して入院になった。入院施設が逼迫しているが、新型のデルタ株であることで優先してもらえたようである。
「私ひとり暮らしだから自宅療養とか言われたらどうしようと思った」
などと彼女は電話で言っていた。カペラを濃厚接触者にしてしまったことも謝っていたが、カペラは
「こんなのお互い様だから気にしないで。私も2週間休めるし」
と明るく応じた。
なお陽生は翌日から熱がかなり高くなり、息苦しくなって酸素吸入を受けた。しかしカペラほか数人の友人とメッセージ交換するので、かなり気が紛れた。またCS放送や、あけぼのテレビが見られるモニターを設置してもらったのでも随分救われた(二ユース見るのは禁止と言われ、スマホも取り上げられ、WWW閲覧できないように設定されショートメールだけできる端末を渡された)。
ζζプロの観世社長は川井陽生が出演していた番組のプロデューサーに緊急連絡を入れた。テレビ局側は仰天し、番組出演者全員の所属プロダクションに連絡。定められた期間の自己隔離をすることと、4日以上の後にPCR検査を受けて欲しいと要請した。
すると川井以外にも、タレントのAさんが、実は数日前から少し体調がおかしかったと言い、すぐにPCR検査をして陽性が判明した。彼もデルタ株だった。つまり、この番組出演者の中に最低2名のデルタ感染者がいたことになる。この番組の収録参加者から感染者が出ないかどうかは今は分からない。数日間、経緯を見守る必要がある。
川井陽生およびAさんの感染経路についても調査が行われた。その結果、2人が4日前に出演していた番組が怪しいということになった。そしてその出演者を追跡したところ、2人の他に10人の感染者がいたことが判明。クラスター認定された。感染者の内、熱か出ている2人が入院、他の8人は無症状だったがホテル療養となった。他の出演者と接触度の高いスタッフが取り敢えず自宅での自己隔離となった。
その感染者たちの濃厚接触者も調査され、ということでかなり感染が拡大する雰囲気だった。
今回の事態を受けて、コスモスは、当面の間、女子寮でも男子寮でも、友人(寮生を除く)を寮内の部屋に連れ込む行為は禁止することにした(本当は元々禁止されている)。必ずサロンで話すように館内放送を通して厳命した。女子寮はサロンを3つに区切った上に、臨時に3個外側に(ユニットハウス)増設した。男子寮もやはりユニットハウスを置いてサロンを増設した。
「建蔽率やばくないですか」
と桜井真理子が尋ねていたが
「恒久的な建築物じゃなくて仮設物だから問題無い」
などと花ちゃんは言っていた。
(違反という気がするが)
コスモスはカペラに電話を掛けた。
「大丈夫?」
「ご迷惑おかけしてすみません。今の所特に異常は無いです」
「よかった。でも暇でしょ?(誘導尋問)」
「暇で暇で。何か長編漫画でもアマゾンで頼もうかなと思ってる所です」
「じゃ暇つぶしにアルバム作ろうか」
「え〜〜〜!?」
(ラピスラズリと同じ手にカペラもひっかかる)
そういう訳で、カペラはこの2週間の隔離期間でアルバムを1枚作ることになった。
翌日には1曲目の譜面と仮歌入りの伴奏音源を渡されるので、それで練習する。むろんこの速度で楽曲を制作したのは松本花子である。この後、楽曲ができ次第、スコアと仮歌入りの音源を渡すので、1週間後から録音作業を始めると言われた。
ここで仮歌を入れたのは、直江ヒカル(上田信希)である。カペラは彼女の歌を聴いて
「男の娘なのに、どうして私より上の音まで出るの〜?」
と思った。
カペラの元々の声域より半音だけ高い音が1ヶ所だけだが使用されているのである。直江ヒカルはその音を楽々と出しているので、カペラは闘志を燃やした。
「男の娘に声域で負けては」
というので頑張って練習し、何とかその音を出せるようになったのである。
(ラピスラズリのアルバム制作で七尾ロマンに仮歌を歌わせたのと同じ手)
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【夏の日の想い出・ラブコール】(2)