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■クリスマス・パーティー(3)

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蓉子がまた紙を4枚並べる。
「加賀君、この中から選んで」
 
「うーん。じゃこれ」
と言って加賀が選んだのは「食堂のおばちゃん風」と書かれている。
「ぶっ」
「でも、そのくらいが難易度は低いよ」
という声があがる。
 
「他のはどんなのだったの?」
と言うので蓉子が開けてみると、「セーラー服」「スクール水着」「OL風」
と書かれている。
 
「スクール水着なんて着て外を歩いてたら逮捕される!」
「まあ職務質問くらいはされるかもね」
 
「衣装はこれね。ロングスカートだから、足が完全に隠れる。足の毛は剃らなくてもいいよ」
「良かった」
「下着も今着ているののままでいいと思う」
 
「残念だなあ。セーラー服やOL風だったら、毛を剃ってあげようと思ってたのに」
「スクール水着なら、おちんちん切ってあげようと思ったのに」
「おいおい」
「だってスクール水着のお股の所が盛り上がっていたら、変態だよ」
 
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「桜野は女子の水着を着たことあるの?」と加賀。
「私たちふたりで夏にプールに行ったよ」などと鈴音が答える。
「それって、つまり女子の水着をつけたの?」
 
「隠し方があるんだよ。それにパレオ付きだったし」
と忍は答える。
「ああ、パレオがあれば、かなり問題は減るね」
「でもスクール水着にはパレオ付いてないしね」
 
それで加賀は学生服を脱ぎ、ワイシャツは着たままで、その上におばちゃんっぽいダサめのトレーナーを着る。そしてワゴンセールで買ったようなニットのロングスカートを穿く。ウェストが伸縮性のある作りなので、W82の加賀でも入る。
 

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「うーん・・・・」
と女子たちが悩んでいる。
 
「男にしか見えん」
「これじゃ女装にならんなあ」
「スカート穿いたからといって女に見える訳じゃないんだなあ」
 
「そうだ、眉毛切ってもいい?」
「えー!?」
「冬休みだから、いいじゃん」
「学校始まるまでには伸びるよ」
「ってか、加賀君なら明日までに伸びるかも」
「そうかも!」
 
ということで、忍がいつも使っている自分の眉毛切りと眉毛用カミソリを出して、鈴音が加賀の眉毛を細くしてあげた。
 
「ああ、眉毛でだいぶ印象変わったね」
「この程度のおばちゃんなら普通に居るよね」
 
ヒゲの剃り跡は、100円ショップのリキッドファンデと固形ファンデの二重塗りで何とか誤魔化した。しかしファンデを塗ってしまったので、バランス上、アイカラーと口紅(どちらも100円ショップ。お金は忍が出した)も入れることになったが、これは女子たちが楽しそうに塗ってあげていた。
 
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「これで何とか女に見えるようになったかな」
「ほんと?」
「鏡見てごらんよ」
 
と言って手鏡で顔を見せてあげると
「気持ち悪い!」
と本人は言っていた。
 
「このお化粧品は加賀にあげるから少し練習するといいよ」
「いや、やめとく。ハマったら怖い」
 
加賀は歩こうとして、いきなりスカートに足がぶつかり倒れていた。
 
「足の膝から下だけを動かす感じで歩かなきゃ倒れるよ」
と忍が教えてあげる。
「へー」
「腰でバランスを取る感じにすると可愛くなるよ」
「なんでお前、そういうの分かるの?」
と加賀が訊くが
 
「それだけたくさん女装で出歩いてるってことだよね」
と公子が代わりに答えていた。
 

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それで学校を出て、ぞろぞろと会場に向かう。校門の所に立っていた先生は、加賀を保護者か何かと思ったような雰囲気もあった。
 
「だけどふと思ったけど、桜野のことはみんな名前呼び捨てなのに、俺のことは苗字・君付けなんだな?」
と加賀が言う。
 
「ああ、忍は割と頻繁に女子たちと一緒に遊んでいるから」
「いつの間にか他の女子と同様の呼び方になっちゃったね」
「でも加賀も今日は女子だしね。名前呼びにする?」
「ああ、それもいいかな」
 
「じゃ、満男(みつお)?」
「えっと・・・・」
「男名前で呼ぶのは可哀想だよ」
「じゃ、満子(みつこ)で」
「でも満子(みつこ)って名前だったら絶対満子(まんこ)と呼ばれてからかわれてるね」
 
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「それ小学校の同級生にいたよ。本名は『まんこ』だったんだけど、本人は『みつこ』と呼んで欲しいと言ってたから、みんな『みつこ』『みっちゃん』
だったんだけどね」
「親もよく考えて名前付けなきゃね」
 
「でもこんな格好で外を歩くの恥ずかしい」
と加賀は言っている。
 
「忍は全然恥ずかしがってない感じだけど」
「私も最初の頃は恥ずかしかったよ」
「慣れだよねー」
「つまり慣れるくらい女装で出歩いているのか?」
 

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「でもこれトイレどうしたらいいんだろ?」
と加賀が言うので
「あ。私が付き添ってあげるよ」
と忍は答える。
 
「付きそうって、どっちに?」
「どっちって?」
「いや、その男子トイレ?それとも・・・」
「女子トイレに決まってる」
「その格好で男子トイレに入ったら『おばちゃん、混んでるからって男トイレに来るなよ』と言われるね」
 
「でも女トイレに入っていいもの?」
「まあ気付かれたら通報されるかもね」
 
などと言っている内に駅まで来たが、ホームで何だか加賀がもじもじしてる。
 
「満子、もしかしてトイレ?」
「えっと。。。スカートって何だか足が冷えてさ」
 
「じゃ、私付き添ってあげるねー」
と言って、忍は加賀の手を取り、トイレの方に行く。男女表示の前で加賀が一瞬躊躇う感覚はあったが、強引にそのまま手を引いて女子トイレに入る。
 
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「満子、声を出さない方がいいよ」
と小声で言ったら、頷いている。
 

年末が近いのもあるのだろう。トイレは混んでいた。列が出来ているのでそれに並ぶ。
 
「まあ、待つしかないね。駅の女子トイレなんて、いつもこうだから早めに行く必要があるんだよ」
と忍は小声で加賀に言うが、加賀は、『いつも』女子トイレに入っているのか?と忍に訊きたい気分であった。
 
かなり待ってから個室が空いた所で、忍は先に入るように加賀に言った。加賀は頷いて中に入る。少し待ってもうひとつ空いたので、忍も中に入って念のため出しておいた。忍が個室から出ても、まだ加賀は中にいるようだ。少し待ったら出てきたが、スカートの後ろが乱れている。
 
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「ちょっと待って」
と言って直してあげた。
 
「スカートって慣れてないと、結構後ろが乱れていることに気付かないんだよ」
と小声で言う。
 
つまり忍はそういうことに気付くくらいスカートに慣れているのか?と加賀は訊きたい気分だった。それでまた手洗いの列に並んで、やっとトイレの外に出た。
 
「何だか潜入スパイになった気分だった」
と加賀は言う。
 
「慣れたら平気になるよ」
「慣れたくねー!」
「ふふふ」
「それに臭いが強烈だった」
 
確かに男子の加賀には女子トイレの臭いはたまらないだろう。特に駅のトイレは換気が悪いし掃除も行き届いていないので臭いが強い。
 
「それも慣れたら平気になるよ」
「いや、だから慣れたくない」
 
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みんなの所に戻り、一緒に新宿に出て、会場のホテルに行く。受付でチケットを照合して中に入る。みんな赤いバラのリボンを付けてもらったが、係の人は加賀を見て
「お客様、もしかして、男性の方でしょうか?」
と訊いた。
 
そばにいた公子が
「女装していたらOKですよね?」
と訊くので
「はい、構いません。が、それではこちらのリボンを付けてください」と言って、ピンクのバラのリボンを渡した。
 
「このリボンを付けている方が男子トイレに入っていても咎めないようにホテルのスタッフに言っておりますので」
と係の人。
 
なるほどー。そういう了解を取っているわけだ。加賀はそれを聞いてホッとしているようだった。
 
「これで安心してジュースが飲める!」
「よかったね」
 
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「だけど係の人、忍には何も言わずに赤いリボン渡したね」
「そりゃ、忍は女にしか見えないもん」
 
「じゃ、俺はやはり男に見えるの?」
「いや、ふつうにこのくらいのおばちゃんはいるよー」
「あの受付の人、かなりリードの達人っぽい」
 
「恐らく本人も女装者じゃないのかな」
「ああ、そうなのかも」
 
「リードって何?」
「女装している男だというのがバレること。バレないのをパスと言うんだよ」
「つまり、忍はパスしてるけど、満子はリードされちゃったね」
 
「でもあの受付の人が女装者だとしたら、女装者にもパスしてしまう忍の女装レベルは凄く高いということだよね」
 
「でも忍はお化粧もしてないのに」
「パスできる人は、むしろ素顔でもパスできる。女か男かというのを判断する時にいちばん重要なのは《雰囲気》だから」
「へー」
「ってか、制服の女子高生がお化粧してたら、その方が不自然」
「確かに」
 
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「忍、ヒゲはどうしてるの?」
「抜いてるよー。剃ったら跡が目立つから」
「なるほどねー」
 

クリスマス会の会場は、ほんとにたくさんケーキ(プティサイズ)が置いてあり、みんな嬉しそうに取って来ては食べていた。ケーキ以外に、フライドチキンとかローストビーフにサラダなども置いてある。
 
飲み物もたくさんあるので、コーラとかジュースとか飲んでいる。シャンパンやワイン、ビールなども置いてあるが、もちろんそういうのには手を出さない。スタッフの人も制服の女子高生には求められてもアルコールは渡さないであろう。
 
ただひとり、保護者のおばちゃん風の加賀を除いては。
 
「これ、どうしよう?」
「どうしたの?」
「お客様いかがですか? と言われたんで、つい受け取っちゃったけど、これジュースじゃないみたい」
 
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「ああ、これはシャンパンだね」
「誰かスタッフの人に返せばいいよ。うっかり受け取っちゃったけど、未成年なのでとか言って」
「未成年というよりふつうにおばちゃんに見えるけどね」
「アルコール飲めないのでと言えばいいよ」
 
加賀はトイレにも行ってきたようだが、男子トイレに入れるということだったのでひとりで行かせておいた。しかし戻ってくると
 
「おばちゃん、こっち違うと、他の客に言われた」
などと言っている。
 
「なんて答えたの?」
「性転換してるんで、と言った」
 
「それって、女から男に性転換したのか」
「あるいは男から女に性転換したのか」
「どちらなのか聞いた方も判断に迷ったかもね」
 
「忍はトイレはどうしてるの?」
「普通に行ってるけど」
「どっちに?」
「もちろん女子トイレだよ。女子制服を着て男子トイレには行けないよ」
「何も言われなかった?」
「何を?」
 
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「まあ、全然不自然さが無いもんねー」
 
「でも、鈴音、彼氏がこんな感じでいいの?」
と蓉子が訊く。
 
「別に構わないし、可愛いのは良いこと」
と鈴音。
 
「どうも鈴音が煽っている分もあるとみた」
と公子は言う。
 

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パーティー会場では、弦楽四重奏で、クリスマスっぽい曲が演奏されていた。
 
アデステ・フィデレス、ファースト・ノエル、ジョイ・トゥ・ザ・ワールド、ひいらぎ飾ろう、もみの木、グローリア、グリーン・スリーブス、スカボロ・フェア、ホワイト・クリスマス、ファースト・オブ・メイ、赤鼻のトナカイ、サンタが町にやってくる、ラスト・クリスマス、クリスマス・イブ、恋人がサンタクロース、ジングル・ベル、きよしこの夜。
 
「ところで受験する人たちは、もうみんな志望校決まってるの?」
と専門学校組で、のんびりと構えている蓉子が訊く。
 
「私はWS」
「私はHB」
「なんか凄い学校ばかりだ」
「MJ〜」
「少し安心した」
「JS女子〜」
「凄く安心した」
 
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「私はOS大の工学部」
と恥ずかしそうに加賀が言う。このパーティーが始まった頃は自分のことを『俺』と言っていたものの、『女の子が俺と言ってはいけません』と言われてなんとか『私』と言っているが、凄く言いにくそうだ。
 
「鈴音と忍は〜?」
「TK大の理学部だよー」
「男女交際たっぷりしといて、そういう所を狙うというのは許せんな」
「男女交際じゃなくて女女交際だったりして」
「うむむむ」
 
「ふたりとも自宅から通うの? そこに合格した場合」
「山手線に近い所にアパート借りて暮らそうかと言ってる。やはり毎日この距離を通学するのはけっこう辛い」
「もしかして同棲するつもり?」
「同棲というか、一緒に暮らすだけだよ」
「ますます許せんな」
 
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「だけどふたりだけで暮らしたら、忍は1日中女装生活になったりして」
と蓉子が言う。
 
「ああ、忍はそのつもりだと思うけど」
と鈴音は言う。
「えっと・・・」
と忍は困っている様子。
 
「ああ。じゃ大学には女装で通うつもりなんだ?」
「最初から女子として受験したりして」
「ああ、受験にも女子制服で行けばいいよね」
「えっと・・・」
 
「卒業するまでには性転換してしまっていたりして」
「いっそ受験前に性転換しちゃうとか」
 
「でも忍のおちんちん無くなっちゃったら、鈴音は困らないの?」
「別にいいよ。取る前に精子を冷凍保存しておいてくれたら」
「なるほどー」
「私たちセックスはしないから、実際今はレスピアンと似たようなことしてるよ」
「ほほお」
 
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「じゃ、精子さえあれば、おちんちんは用済みか」
「それなら、取っちゃってもいいよね」
「私も彼氏にそれ勧めてみようかな」
 
「お前ら怖いこと言ってるな」と加賀。
 

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