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■男の娘とりかえばや物語・ふたつの妊娠(3)

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ところで仲昌王について、涼道はひとつの作戦を考えました。
 
これまで、仲昌には冷たい態度を取っていたのを、取り敢えず2人だけで会っている時はできるだけ優しくしてあげます。それで当面彼は他の女にはあまり手を出そうとしないでしょう。しかし、その2人だけになる機会自体はめったに作らないようにして、職場の中にあったり、あるいは若い上達部・殿上人の集団の中に身を置いていたりするのです。そうすることで彼は涼道に対する欠乏症の状態になり、得るのが困難なものには情熱を注ぐので飽きるまでに時間が掛かるだろうと考えたのです。
 
このあたりは涼道自身に男の心と女の心が混在していて、その双方を理解することから考えた作戦でした。
 
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ただこのやり方は、彼を性的欲求不満にしてしまいます。そこで彼はガス抜きをすることにしました。
 

涼道はその日の午後、近衛府で仲昌に会った時言いました。
 
「今日は小夜の誕生祝いなんだよ。お祝いにくる人もたくさん居るから、もし良かったら君も来てよ」
 
「涼ちゃんはどうするの?」
 
涼道は他の誰が聞いているか分からない所で「涼ちゃん」はやめろーと内心思いながら言います。
 
「今日は土佐国の件で文書を書かないといけない。たぶん徹夜になると思う」
「ありゃ、父親が祝いに出なくていいの?」
「昨日の内に内輪の祝いは済ませたんだよ」
「なるほどー」
 

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それで仲昌は夕方、仕事を終えてから右大臣宅にやってきました。確かに訪問客が何人も居て、小夜も乳母が抱っこして披露されています。右大臣が満面の笑顔ですが、涼道の姿は見えません。仕事をしているはずですから当然でしょう。仲昌は、左衛門や、ふだん四の君の部屋を警護している左衛門の弟までこの宴席に来ているのを認識します。
 
念のため左衛門に声を掛けます。
 
「姫と会えない?」
「できません。姫様のことは諦めて下さい」
「まだ起きてる?」
「お答えできません」
と全くつれない反応です。
 
それで仲昌は諦めて帰ったふりをすることにしました。
 

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そしてもっと遅くなり、時が宵(よひ)から夜半(よは)になった頃、こっそりと右大臣宅の庭に忍び込むのです。
 
家人に見つからないように、わざわざ黒い服を着てそっと侵入しました。
 
萌子の部屋は灯りが落としてあるようです。仲昌は音を立てないようにしてあがりこみ、帳台の中に入りました。中で寝ていた女がギクッとして起き上がろうとするのを押しとどめ、
 
「大きな声を出さないで。会いたかったよ」
と言って抱きしめました。
 
「私も好き」
と女が小声で言うので、仲昌は萌子のことが愛おしくなり強く抱きしめました。そうか。本当は自分のことが好きなのか、と有頂天です。
 
「僕も好きだよ」
と言い、女の服を脱がせます。そして乳首を吸い、あそこを刺激し、そろそろいいかなという所で結合しました。仲昌は久しぶりに萌子と逢えたという感情から、彼女を3回、4回と愛しました。
 
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さすがに疲れたなと思い、口づけをしてから少し眠ります。
 

二十六夜の月が昇ってきて、仲昌はその明かりで目が覚めました。
 
やはり萌子もいいなあ。何よりも“ふつうの女”だし、などと思って彼女の顔を見ます。
 
「え!?」
 
仲昌が声をあげてしまったので、女も目を覚ましました。
 
「中将様、私嬉しい」
などと女は言っています。
 
「誰だっけ?」
と仲昌は言ってから
「あ、君は尚侍(ないしのかみ:花子)の侍女じゃないか?なんでこんな所に居るの?」
 
それは尚侍の侍女でよく仲昌の手紙を仲介してくれていた、筑紫の君という女でした。
 
「私、物忌みの時に中将様を手引きしたことで叱られて尚侍様の侍女を首になってしまったんです」
「それは済まなかった」
 
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「それでどうしよう?と思っていたら、兄上の中納言様(涼道)が雇ってくださって」
「そうだったの!?」
「中納言様がお忙しいので、日々、中納言様の文を奥方様(萌子)に伝える仕事を主として、しております」
 

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「へー!」
 
と言ってから、仲昌は言いました。
 
「でもなんで君、ここに居る訳?」
「はい、今夜は奥方様は方違え(かたたがえ)で知り合いの御邸宅にいらっしゃってまして」
「方違え〜〜〜!?」
 
「それで私がここで留守番をしているように中納言様から言われました」
 
やられた〜〜〜!!と仲昌は思います。
 
「でも中将様と会えるなんて思いもよりませんでした。私幸せです」
「そう?なんならもう1度“する”?」
「はい。して下さい!」
 
と筑紫の君は嬉しそうな顔で言いました。
 
それで仲昌も
『ま、いっか。こいつだって女だし』
と思って、再度彼女を抱いたのでした。
 
結局この後、筑紫の君はしばしば仲昌の家にも呼ばれて床を共にすることになり、実質的に仲昌の妻の1人となってしまうのですが、それは彼女を自分の妻の身代わりに仕立てた涼道にとって予想外のことを後に引き起こします。
 
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萌子が妊娠しました。右大臣はまた大喜びです。これも中納言が最近ちゃんと娘とよく寝ていたからであろうと嬉しそうに語っていました。
 
この問題について、涼道と左衛門は、萌子の聞いていない所で話し合いました?
 
「どう思われます?」
「微妙だよね」
 
萌子の最終月経は、9月27日でした。つまり計算上、14日後の10月12日頃に受精したことになります。ただ萌子はわりと生理不順なので、数日の前後はあり得ます。
 
10月13日に、例の事件が起きています。その日、午前中に萌子は仲昌にレイプされ、そして夜中には“涼道”と通常の性交をしています。
 
「殿様、あの日以降、姫様との交わりは?」
と左衛門はダイレクトに訊きます。このあたりはハッキリさせないと困るのです。
 
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「実はあの後は数日、交わる所までは行っていない。君だから言うけど、実は僕は元々弱いんだよ。だから疲れている時は立たないんだ」
「ああ、そんな気はしておりました」
 
左衛門としても、涼道が萌子と一緒に過ごしても必ずしもまぐわいしないのは、きっと性的に弱いせいなのだろうというのは想像していました。
 

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「ということは13日にできた子というのは間違い無いですね」
「そうだと思う」
「ではどちらの子供かは・・・」
と左衛門が悩むように言いましたが、涼道は無言でその部屋を出ます。そして、萌子の私室に向かいます。左衛門が慌ててその後を追います。
 
「いい?」
と声を掛けてから、涼道は萌子の帳(とばり)の中に入りました。萌子は不安そうな顔をしています。涼道は萌子に口づけをしました。
 
「萌子、知ってる?結婚というのはね。夫は妻が産んだ子を自分の子供として育てるという契約なんだよ」
 
「私・・・自分でもよく分からない」
「だから、この子は僕の子供」
と涼道は萌子のお腹に手を当てて言いました。
 
「ごめんなさい、ごめんなさい」
「何も泣くことは無い。君は僕の最愛の妻なのだから」
と涼道は言うと、萌子を抱きました。
 
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そしてその夜、涼道は萌子の火門(ほと)を何度も何度も貫いてあげたのです。萌子は夫が許してくれていることを再認識し、涙を流して喜びながら、今までにも増して気持ちの良い、その快楽に身を委ねていました。
 

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涼道が父の左大臣宅に寄ると、左大臣も萌子の妊娠を耳にしたようで、困ったような顔をしています。
 
「四の君が妊娠したと聞いたが」
「ご心配なく。僕の子供ですから」
「お前、女を孕ませられるの?」
と左大臣は驚いたような顔をしています。
 
「僕ももう4年くらい男をやってますから。女くらい孕ませますよ」
「そうなのか?だったら良いが」
 
どうも左大臣は思考停止気味っぽいですが、そばに居る母・秋姫は笑っていました。この人は達観しているよな、そればかりは見習いたい、と涼道は思うのでした。
 
「そうだ。果物をもらったんだよ。食べて行きなさい」
と父が勧めます。
 
それは伊予国で穫れたという蜜柑(みかん)でした。蜜柑は涼道も大好きです。
 
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「頂きます」
と言って、食べようとしたのですが、なぜか食が進みません。そして食べている内に吐き気をもよおしてしまい、庭に駆け下りました。
 
「どうしたんだ?」
と父が心配して言いますが、母の秋姫は
 
「奥方が妊娠したから、あんたまで妊娠したんだっりしてね」
と言いました。
 
え!?
 
涼道は考えました。本来は10月12日くらいに月のものは来るはずでした。今日は10月30日です。これまでも2ヶ月経ってやっと月のものが来たこともあって、今回も乱れているのだろうと思っていたのですが・・・まさか。。。。
 
そういえば、妊娠した妻(萌子)も、自分と同様に吐き気をもよおしたりしていたぞ。まさか・・・・自分も本当に妊娠したのでは!?だから月の物が来ないのでは?
 
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「大丈夫です。疲れが溜まっているのかも」
と、取り敢えず父には取り繕っておきます。
 
「お前、激務だからなあ」
と父は心配そうに言ったのですが、涼道は目の前が真っ暗になる気分でした。
 

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涼道は妊娠のことを誰かに相談したい気分でしたが、その相談相手を思いつきませんでした。自分が男として立派にやっているとして喜んでいる父には話せません。そもそも自分を男だと思い込んでいる右大臣や萌子には絶対に話せません。思い悩んだ涼道は結局、不本意ではあるものの、仲昌に話すしかないと思い、六条辺りの家に彼を呼び出しました。
 
すると宰相中将は驚いたものの、こうなっては他に選択肢は無い。女の姿に戻って、私と暮らそうと言いました。涼道としても、そんな形で世間から姿を消すことにはためらいがあるものの、では他に選択肢があるか?というと全く思いつきません。
 
「それしかないのかなあ」
と涼道は曖昧なことばを吐きましたが、どうも仲昌はそれを自分と一緒に暮らすことに同意したものと受けとったようでもありました。
 
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涼道はその日は悩みながら、仲昌と別れました。
 

翌日、涼道が仕事を終えてから、右大臣宅に帰宅すると、左衛門が何か握っています。
 
「それは何?」
「あ、いえ。捨てるものですから」
「見せなさい」
と言って、やや強引に取り上げます。
 
「何だこれは?」
と涼道は声をあげました。何と、仲昌から萌子への恋文だったのです。
 
「殿様。誤解しないでください。中将様からの手紙は私が全部握りつぶして、奥方様には決して見せておりませんし、奥方様も中将様に手紙を書いたりすることはありません」
と左衛門は弁解している。
 
「それは分かっているよ。これからもそれで頼む」
と涼道は答えました。
 
「はい」
 

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