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■男の娘とりかえばや物語・ふたつの妊娠(2)

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左衛門と対策について話し合った後、涼道は「急用ができた」と言って、内裏に行くと、宣耀殿に居る姉・花子を訪ねました。
 
なお内裏の略図は↓(再掲)

 
(東宮は昭陽舎(梨壺)、花子は宣耀殿、天皇の女御は、凝花舎(梅壺)・弘徽殿・麗景殿)
 
「つまり私にあんたの奥さんを抱いてくれってこと?」
「今夜は頼む。してやらないと、あの子は僕に許してもらえなかったと思うと思うんだよ」
 
「私が抱いてもいいの?」
「今夜は仕方ない。頼む」
「分かった。だったら、あんたは今夜は私の代わりにここで尚侍(ないしのかみ)の代理をして」
 
「それってまさか・・・」
「もちろん私の服を着てね」
「女装するの〜〜〜?」
「あんた、女のくせに」
 
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それで2人は服を交換し、男装の花子が“涼道”として右大臣宅に帰宅したのでした。
 

「お帰りなさいませ。お仕事は片付いたのですか?」
と言って左衛門が迎えてくれます。
 
「うん。片付けてきた」
と言って、軽く夕餉(ゆうげ)を食べます。
 
「萌子、遅くなってごめん」
と“涼道”は萌子に声を掛けますが、萌子は昼間の事件があったので、許してもらえるだろうかと不安そうな顔をしています。
 
“涼道”は帳(とばり)の中に入り、萌子に口づけをしました。
「殿様、ごめんなさい。実は今日・・・・」
と言いかけた萌子の口を“涼道”は自分の唇で塞ぎました。
 
「何も言わなくてよい。そなたの気持ちは分かっている」
と言うと、“涼道”は萌子の服を全部脱がせ、念入りに彼女を愛してあげました。
 
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乳を吸われ、あそこを刺激され、そして深く“涼道”の愛の印が萌子の体内に入ってくると、萌子は感激のあまり声をあげ、涙を流しました。
 
それで萌子は自分は殿に許されたんだ、というのを実感することができたのです。
 
その夜、“涼道”は何度も何度も萌子を貫き、彼女を逝かせてあげました。
 
萌子は
「あれ〜、殿様、女みたいにおっぱいがある」
と思ったものの、そういえば過去にも涼道の胸に触ると女のように弾力があったことを思い出し、男の人にも胸が大きい人いるのね、と思い直しました。(さすがウブな姫君である)
 

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さて、一方の“花子”のほうは、慣れない女装をして、居心地の悪い気分で宣耀殿の自室に籠もっていましたが、夜も随分更けた頃、東宮のところからお使いが来て、呼ばれますので、梨壺に参上します。
 
「こんな夜半(よわ)に何かありましたでしょうか」
「おお、来たか。今夜も夜伽(よとぎ)をしてくれ」
「はい。何か本でも読みましょうか」
「それでは伊勢物語でも読んでくれ」
「かしこまりました」
 
(伊勢物語は仮名で書かれているので、漢字が苦手な(本物の)花子でも読める)
 
それで雪子の部屋の本棚から、雪子腹心の女房・越前に伊勢物語の写本を取ってもらい、“花子”は雪子の帳(とばり)の中に入って、本を読み始めました。
 
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(以下は読みやすいように漢字仮名交じりで記す)
 
(前略)男のもとより、かくなむ、
筒井筒、井筒にかけし麿がたけ、過ぎにけらしな妹見ざるまに
女、返し、
比べこし、振り分け髪も肩過ぎぬ、君ならずして誰かあぐべき
など言ひ言ひて、つひに本意のごとく逢ひにけり。
(中略)
男、異心ありてかかるにやあらむと思ひ疑ひて、前栽の中に隠れ居て、河内へ往ぬる顔にて見れば、この女、いとよう化粧じて、うちながめて、
 
風吹けば沖つ白波たつた山夜半にや君がひとり越ゆらむ
 
と読みけるを聞きて、限りなく悲しと思ひて、河内へも行かずなりにけり。
 
(大意)
幼なじみの男と女がいた。おとなになってから各々縁談などもあったが、ふたりはずっとお互いのことを思っていた。そして男は女に歌を送る。
 
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《小さい頃、一緒に背比べしたあの筒井筒、私の背丈は、とうにあの井筒を超えてしまいました。愛しいあなたを見ないうちに》
 
女は返歌する。
 
《あの時比べたりした私の振り分け髪も、肩より長くなってしまいました。あなた以外の誰のために髪上げをしましょうか》
 
それで2人は双方の親を説得して結婚した。
 
長く経つ内に、男はいつか河内に愛人ができてしまった。しばしば家を空けて女の元に通うのだが、妻は嫉妬するような様子も見せない。それで男はひょっとしてこいつにも男がいるのではないかと疑う。そこである晩、河内に行ったふりをして庭に隠れていた。すると妻がきれいに化粧しているので、やはり・・・と思ったのだが、妻は河内の方を見て歌を詠んだ。
 
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《風か吹けば白波が立つ(*1)。その竜田山をあの人はたったひとりで夜半に越えていくのでしょうか》
 
妻が自分の身を案じていることを知り、男は感動して、もう河内の女の所に行くのはやめ、ずっと妻だけを愛して過ごした。
 
(*1)「沖つ白波たつた山」は、「白波が立つ」と「竜田山」の掛詞(かけことば)。竜田山は、河内と大和の国境にある山。
 

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雪子は「いい話だなあ」と言って感動し、涙を流している。“花子”も自分と四の君のことなど考えて、読みながら涙が出てしまった。
 
「よし。感動した所で今夜は寝よう。帷子(かたびら)を降ろすように」
と雪子が言うので
 
「はい、添い寝させて頂きます」
と言って“花子”は帳台の周囲の帷子を降ろして外から見えないようにした上で、雪子のそば、畳の上に横になります(雪子は畳の上に敷いた敷物の上に横になる)。
 
ところが見ていると、雪子は服を全部脱いでしまい、裸になってしまいました。
 
「寒くないですか?」
と心配して尋ねます。この日は10月13日で、現代の暦で言えば、11月下旬です。
 
(平安時代は現代よりかなり平均気温が低い。歴史上も特異な低温時代。特に京都の冬は寒い)
 
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「そなたも脱げ」
「えっと、それはちょっと問題が」
「構わんから脱げ」
と言って、雪子は強引に“花子”の服を脱がせてしまいます。立場が立場だけに抵抗することは許されません(それで雪子はいつも(本物の)花子にパワハラ・セクハラしている)。
 

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雪子が“花子”の裸を見て、戸惑っています。
 
「そなた、ハゼはどうしたのだ?」
「あいにく持ってません」
「まさか、とうとう女になりたくなって、ハゼを切ってしまったのか?」
 
(ちょっと待て。姉上は普段、東宮様と何してるんだ?と思う)
 
「ごめんなさい。私、実は涼道です」
 
東宮様が度々姉に自分の代理をさせていたということは、自分たちの性別のこともご存じなのだろうと思い、涼道は正直に告白しました。
 
「なんだ。びっくりした。だったら、お前でもよい。私の夜の相手をせよ」
と言って、雪子は涼道を押し倒してしまったのでした。
 
「あ〜れ〜!?」
 
そしてその夜、涼道は何度も何度も“入れられて”不覚にも何度も何度も絶頂を体験することになります。それは仲昌にされたのとはまるで違う、とても気持ちのよいものでした。涼道はまぐわいというものがこんなに気持ちよいものであることを初めて知りました。
 
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夜半(よわ)も過ぎて、そろそろ暁(あかつき)が始まるという時分、涼道が目を覚ますと、少しして雪子も目覚めたようです。
 
「あのぉ、東宮様、もしかして、ハゼをお持ちなのですか?」
と涼道は疑問に感じたことを言ってみました。
 
「ああ。私がハゼを持っていたら、次の帝になったかも知れないが、残念ながら持っていないから、私は主上(おかみ)に男の子が生まれるまでの、つなぎの皇太子にすぎん」
と雪子は言っています。
 
正直、帝に男の子が生まれず、本当に雪子が帝位を継いだ場合、女帝の子供には皇位継承権が無いので、次の天皇の座をめぐって下手すると血を見る争いが起きるかも知れないと涼道も思っていました。いちばん近い血筋になるのは仲昌王ですが、彼には全く人望がありません。吉野の宮にも男の子がありませんし、娘たちは母親が唐人なので天皇にしようとすると異論続出でしょう。日本に定着してから何世代か経った人なら、桓武天皇(母が百済系の渡来人一族)のような前例がありますが、海子たちは唐人の血が濃すぎます。
 
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この時、涼道はまさかその問題を解決するのが自分になるとは夢にも思っていません。むしろ帝は、萌子の姉・虹子(梅壺女御)を深く愛しておられるので、早く2人の間に男の子が生まれないだろうかと、祈るように思っていました。
 

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「そなたに入れたのはこれだよ」
と言って、雪子は“それ”を涼道に手渡しました。
 
「これ、何をかぶせているんですか?」
「牛の腸で作ったかぶせ物だ。これを付けていると入れられる側は痛くない」
 
「この中身は・・・まさかパンですか?」
「そうそう。パンを焼いて3日くらい経ったものが、ちょうど良い硬さになるのだよ。焼いてすぐでは柔らかすぎて入れることができん」
 
「じゃ、私、パンとまぐわいしてしまったのですか?」
 

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「そなたは博識だから、天竺(てんじく:インド)の向こうの波斯(はし:ペルシャ)の更に向こうに希臘(しーら:ギリシャ)という国があるのを知っているであろう?」
 
「吉野宮様から習いました」
「その希臘(しーら)の国で、昔、長く続く戦争があってだな」
「はい」
「その戦争をやめさせようと、女たちが立ち上がったのだよ」
「へー」
「戦争をやめるまでは、男たちに一切、夜の営みを拒否すると宣言して、女だけで山に立て籠もってしまった」
「へー!」
 
「男たちは困って、中には自分の妻に会おうと、こっそり女の国に侵入を試みた男もいたが、警備の女たちで追い返してしまい、男たちを寄せ付けなかった。それでとうとう男たちは根負けして戦争をやめたのだよ」
 
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「それはいいことです。戦争はやむを得ずやりますけど、本当はできるだけしない方がいいのです」
 
「うん。それで女だけで立て籠もっている間にだな。男たちも女とできなくて寂しいが、当の女たちだって、男とできないのは寂しい」
 
「そういうもんですかね?」
 
「そうだよ。おぬしはそのあたりの女の心があまり分からないようだな」
「実はそうなんです。私は、女としては凄く不完全なんですよ」
「男としては優秀なのに」
「えへへ」
 
「まあそれで“したーい”という女たちがいるので、考え出したのが、この焼いたパンを使う方法だった」
「へー!!」
 

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「細長いパンを焼いて数日経つと適度に硬くなる。これをお互いに入れ合って性欲を満たしたのだな」
「なるほどー」
 
「その話を聞いていたのだが、実はパンというものがどんなものか、私も知らなかった。それが先日能登に行って、偶然にもパンの作り方が分かった。それで通常は丸いパンを焼かせているのだが、この話を確認するために、細長いパンも焼いて、取り敢えず自分ので試してみた。太さは何度か試行錯誤して、この直径1寸ちょうどのが良いことが分かった。ただ、これを直接入れると痛いんだな。それで、牛の腸で作った皮をかぶせる方法を思いついた。自分以外でも誰かで実験できないかと思っていたのだよ。今夜、お前が来たので、これは好都合と思って試してみた。気持ち良かった?」
 
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「気持ち良かったです!」
「よし。お前も奥方と試してみると良い。きっと奥方は喜ぶぞ」
「それいいかも」
「では毎日、そなたにも細長いパンを届けさせるな」
「毎日でなくてもいいです!」
「そうか。取り敢えず、牛の腸のかぶせものは5枚くらいやる」
と言って、雪子は涼道に桐の箱に入った皮を箱ごと渡してくれました。
 
「これきれいに洗って乾かした後、燭台に使う植物油を塗ればまた使えるから」
「油を塗るんですね」
「うん。そうしないとやはり痛い」
 
「ところで、そのパンはこの後、どうするんですか?」
「火鉢で焼いて食べる」
「食べるんですか〜?女に入れたものを」
「別に問題無かろう?皮の中だから汚れていないし。多少はついてるかも知れないが、あそこをお互いになめ合ったりすることを考えれば、食べるくらい平気だと思うぞ」
 
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「舐める?」
「奥方のサネを舐めたことない?」
「そんなことしたことありません」
「今度してやれ。それもきっと喜ぶぞ」
「試してみようかな・・・」
 
そういう訳で、この日、涼道は雪子から、たくさん“秘め事の技”を伝授されたのでした。
 

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男の娘とりかえばや物語・ふたつの妊娠(2)

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