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その時、ドアが開いて、まだ6〜7歳かな?という感じの女の子が入ってきた。「お姉ちゃん、おやつどこ?」とカロラインに訊く。
「あ、ごめん。こっちに全部持って来ちゃった。ここで食べて良いよ」
「うん」と言ってカロラインの隣に座り、テーブルの上のチョコを手に取る。
「可愛い!妹さん?」
「うん。今小学1年生。ユリアっていうの」
「あれ?カロラインの妹って5年生くらいじゃなかった?」
「5年生の妹もいるよ。シンシア。実はユリアはこないだまで弟だったんだ。ユリウスっていって」
「えー!?」
「顔立ちが可愛いから、お前女の子になった方がいいよ、いいよって唆して、先月から女の子の服を着せてるの」
「カロラインが唆したのか!」
「赤クラスなの?」
「普通クラスだよ。でも女の子の服着て学校に行ってる」
「ああ、今それもできるんだよね」
「ちゃんと赤い学生証も発行してもらったよ」
「私、友だちだいぶ増えた。男の子だった頃は全然友だちできなかったのに」
とユリアが言う。
「よかったね。でもユリアちゃん、ほんと可愛いもん」
「女の子になるなら料理とか裁縫覚えなさいってお母さんから言われて、今習ってるけど、なんだか楽しい」
「うん、料理や裁縫は楽しいよね」
「最初スカート穿くの恥ずかしかったけど、だいぶ慣れた。今ズボンより好き」
「私がユリアのタンスからズボンも男の子パンツも全部撤去して燃やしたから」
「過激な姉ちゃんだ」
「じゃ女の子の服着るしかなかったじゃん」
「最初パンティに穴がないからどうやっておしっこすればいいのかと思った」
「パンティは脱いでからおしっこするから、穴はいらないもんね」
「でも男の子だった時より可愛いの穿けるから好き」
「ああ、私も最初それが嬉しかったなあ」
「でも女の子パンティ穿いてると、ホントおちんちんは邪魔だよね」
「お姉ちゃん、私、おちんちん切られちゃうの?こないだお母ちゃんから、ユリアのおちんちんはいつ頃切ろうか?って言われた」
「4年生か5年生くらいになってから切ればいいよ。別に無理矢理切られちゃうことはないから。自分で切りたいな、他の女の子と同じ形にしたいなって思うようになったら、お姉ちゃんかお母ちゃんに言えば病院に連れて行くから。麻酔掛けてお医者さんに切ってもらうんだよ」
「痛い?」
「少し痛いけど、平気だよ。お姉ちゃんも平気だったから」
「おちんちん無くなったら、おしっこはどうすればいいの?」
「ちゃんとおしっこ出てくる穴作ってもらうから大丈夫」
「おっぱいは、おちんちん切ったら大きくなるの?」
「大きくなるお薬飲むんだよ。4年生になったら飲み始めようね」
「私、お母ちゃんみたいな大きなおっぱい、いいな」
「ユリアちゃん、可愛いお嫁さんになりそう」
「こないだクロードからもそんなこと言われた。可愛いねって言われてキスされちゃった」
「おお、もうボーイフレンドができてる!」
「この子、私より可愛くなるかもって気がするのよね」とカロライン。
「でも親は何か言わなかった?」
「私が女の子になっちゃったから、唯一の息子だったし。期待してたみたいだけど、この可愛い姿見て、一瞬で諦めたみたい」
「なるほど」
「どうせ女の子になっちゃうなら、ちゃんと娘として教育した方がいいし、というので、学生証も黒から赤に変えてもらったんだよね」
「まあ、カロライン見てたら、親もいい意味で諦めが付くよね」
おやつをだいぶ食べて満足したのか、ユリアは部屋から出て行った。
「でも、あんな可愛い子、男の子にしちゃうのはもったいないもんね」とサマンサ。「そうそう。可愛い子はどんどん女の子に変えちゃえばいいのよ」とカロライン。「ちょっと待って。それは本人の気持ち次第で」とアレクサンドラ。
「そう?私がもし衛生大臣になったら、美少年は全員10歳までに性転換させるべしって法律作っちゃお」
「カロラインが国会議員に立候補したら絶対投票しないようにしよう」
「だけど、ポーラなんかもっと過激だよ。20歳までに男の子のおちんちんは全部切っちゃえ、なんてこないだ言ってた」
「それ、国が滅亡するって」
「精子を保存しておけばいいじゃん。中学高校に精子採取施設を併設して、オナニーしたくなった男子はそこに行って出してくる。それか、18歳になったら、男の子は精子保存施設に1年か2年くらい収容して、週1回搾り取って冷凍保存。施設から出る時に去勢してしまう」とカロライン。
「えっと、男の子の人権は?」
「兵役よりマシじゃん。死なないし。搾り取る時は最高に気持ち良くなれるような刺激装置使うの。テンガでもいいけど。2年間も快感を味わい続けたら最高じゃん」
「牛の精子採取並みだね」
「いや、こないだポーラと話してたら、その手の話で盛り上がっちゃって」
「うちの国の戦時中の体制って、まだ生やさしかったんだね」
「でも2年間ひたすら出し続けてたら、さすがにみんな馬鹿にならない?」
とアレクサンドラ。
「大丈夫でしょ。元々男の子って、みんな毎日してるし」とメアリー。「え?そうなの?」と私。
「たいていの男の子はしてるみたいよ。1日に3〜4回する子もいるみたい」
とエミリー。
「えー?信じられない。そんなに楽しいものなの?」とアレクサンドラ。「いや、ただの本能だと思う」とサマンサ。
「サマンサは男の子時代、日に何回とかしてたの?」とアレクサンドラ。
「私はしてないよ。オナニーは習慣だから、しないと決めたら、しなくてもいいのよ」
「いや。それはサマンサだけ。ふつうの男の子は我慢しようとしても我慢できないって」とメアリー。
「そうなのかなあ。結局、私射精したのって、おちんちん検査の時だけ。というか勃起も検査の時だけ。発射訓練も実は触るふりだけ。だから毎回おちんちん握られて地面を引きずり回されてた。当時の傷がまだ背中に残ってるよ」
「わあ・・・・」
「でも、やっぱり強制的に何何とかいうのは、よくないよ」と私。
「そうだね。じゃ、中学、高校、大学に入る時、自主的に1回ずつ採取とか」
とカロライン。
「根本的に発想が変わってない!」
勉強会が終わってから、私はエミリーと一緒に歩いて帰った。私たちがふたりで並んで帰ろうとしていたら、サマンサから
「頑張ってね」と声を掛けられたので
「そちらもね」と返した。
エミリーは「さっさとヘンリーとセックスしちゃいなよ」と言った。
「そちらさんもね」と言われたが、エミリーは
「私たちは、したもん」と答える。
「え?フェリシアとしたことないって、さっき言ってなかった?」
「男の子時代はしてないよ。フェリーが女の子になってから、した」
「そうか!」
「一度やったほうがお互いの信頼関係も深まるよ」
「そうだよね。。。。今度誘惑しちゃおうかな。彼、自分がちゃんと男の子としてセックスできるか自信が無いみたいで」
「それなら、なおさらやった方がいいよ。優しくしてあげて。そしたら自信が出て、きっとうまく立つから。フェラとかもしてあげるといいし、彼の場合、後ろに指でもいいから入れてあげると興奮するよ、きっと」
「それ行けるかも。今度頑張ってみるかな・・・・」
などとサマンサは言ってた。
「でも、やっぱり平和な時代になったんだね」
「うん。あんな馬鹿話ができるのも、そのおかげだよね」
私たちは川に沿った土手の上を一緒に歩いていた。河原で小学2〜3年生くらいの子供たちが遊んでいるのが見える。男女混合だ。昔はこんなことはできなかった。遊びも全部男女分離されていた。いい風景だね、なんて言う。
「カロラインは割と前からみんな女の子にしちゃえとか言ってたね」
「あれはね。。。。本人が小さい頃から可愛いとか女の子らしいとか周囲から言われて、それがまんざらでもなくて、つい成り行きで女の子になっちゃって、女の子として順応してるし、女の子ライフも楽しんではいるけど、内心は少し男の子になってみたかった気持ちもあるんだよ。みんな女の子にしちゃえ、というのは、きっとそういう気持ちの反動」
「ああ、そうかもね」
「ポーラとかウララもたぶん同類」
「その3人が同類だったら、フェリーも同類だったりして」
「あはは。私たち4人は小学1年生でいきなり女子クラスに入れられたから」
「あの日。フェリーが女子クラスに恥ずかしそうに入ってきたのを見た時、あ、フェリーって女の子だったのかって思って。結局その認識が今まで続いている気がする」
「あの日、女子クラスは居心地悪かったけど、後で男子クラスに行ったら、女子クラスに戻りたくなった」
「ふふ。でもユリアちゃん、自分の意志で女の子になりたいのかなあ」
「4年生頃までには、自分の性別意識はハッキリすると思うよ。それから男の子でいたいと思ったら、女の子やめればいいと思う。ホルモンとか飲み始める前に、そのあたりは自分で決められるでしょ」
「じゃ、あまり心配することないか」
「うん。その点はカロラインも見極めてあげると思うな。自分の大事な妹なんだから。でもあれだけ可愛かったらおちんちん切ってあげたくなるよね」
「・・・・・やっぱりカロラインと同じ発想じゃん」
「あはは」
「でもフェリーはどうなの?フェリーも実は男の子になりたい気持ちもあった?」
「成り行きって面はあるけど、女の子になれて良かったと思ってる。でも、カロラインなんて物心ついた頃から女の子の服を着てたというし。小1の時も髪長くして充分女の子に見えてたし。男の子の生活体験してないから男の子もしてみれば良かったかなと思うんだろうけど、私は赤クラスに行くまでは男の子してたから、それで、もう充分」
「じゃ、いいか。私も男の子のフェリーって、あまり想像できなくて」
「だって私は女の子だもん」
そういう返事にエミリーは微笑んだ。
私たちは周囲に人がいないのを確認して、近くの木の陰に入る。
そしてしっかり抱き合って、長く深いキスをした。5分以上はしてた。
「お勉強も頑張ろうね」
「一緒の高校、一緒の大学に行こう」
「同性だから一緒に女子高・女子大行けるしね」
「大学入ったら一緒に暮らすのもありかもね」
「あ、同棲してみたい気がする」
「フェリーの方がお料理うまいから、同棲したらお料理任せるね」
「うん」
私たちは再度キスしてから、木の陰から出ると、エミリーの家に向かって歩き始めた。日が落ちるまでに彼女を送り届けて、それから彼女の家に置いてきた自転車で帰宅するのだ。
エミリーの手を取ると、向こうも握り返して、ニコリと笑う。手をつないだ.まま、私たちは歩いて行った。