広告:まりあ†ほりっく 第4巻 [DVD]
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■続・赤と青(2)

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自宅に戻って旅行のことを母に言うと「あら、いいわね」と言った。
お母さん同士で電話で話し合い、今度の連休に一緒に女4人で温泉にいくことが決まった。
 
その日の夕飯は私が作った。中学に入って以来、平日はずっと私が御飯作りの当番である。休日は母が作ってくれる。
「フェリーは料理うまいよ」
「小学2年の時からずっとやってるもん」
「いいお嫁さんになれるね」
「うん。お嫁さんに行けたらいいね」
 
性転換して女の子になった人は、男心も女心も分かるし、男女分離政策のせいで、あまり女子との会話になれていない男の人たちからも話し易いということで、子供が産めないという問題さえ気にしなければ理想的な奥さんだといわれていた。実際、性転換して女の子になった人たちは結婚率自体はどうしても低いものの、結婚した後の離婚率がひじょうに小さいのである。
 
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テレビを付けると、いきなり「おちんちん取ってバリプロン島へ行こう」なんてCMが流れて私は吹き出してしまった。
 
性転換手術が普及していて、今は少し大きな町の病院ならどこででも性転換手術は受けることができる。企業も社員の性別変更に寛容だ。性転換手術なんて盲腸の手術みたいんもんですよ、なんて言っている人もある。まあ、おちんちんを切るのか、虫垂を切るのかの違いかも知れないが。病院が多いから、手術を受ける側も選択肢が多い。そういう訳で全国チェーンの病院の中にはテレビCMを流す所もあった。旅行や宝石などのおまけを付ける所も出て来ているのである。
 
テレビのドラマで、主人公が性転換して女の子になり、看護婦さんになって苦労しながらも精神的に成長し、やがて幼なじみの彼氏と結婚して幸せをつかむ、なんてストーリーのものが放映されていた。主人公を演じるのは本当に小学生の時に性転換して女の子になった人気女優さんで、性転換するシーンでは本物の性転換手術の映像が流されていた。その回の視聴率は凄かった。
 
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メンバーが4人とも性転換した女の子というユニットが、そのドラマの主題歌を歌っていた。大ヒットを連発している人気ユニットであった。みんな声変わりの前に女性ホルモンの摂取を始めているので、女の子の声を持っていた。
 

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赤クラスは中学2年までである。これは小学校の6年以降、おちんちん検査の基準が変わらないので、それ以降で新たに赤クラスに来る子はほとんどいなかったため「三年連続赤クラスなら性転換」のルールで、全ての赤クラスの子が中学2年が終わるまでに条件を満たし、性転換手術を受けて全員女子クラスに移籍して、赤クラスが自然消滅するためであった。
 
新制度になってからは、中学になってから自主的に赤クラスに移籍する子も出て来たしずっと赤クラスにいても性転換手術を受けない子も出て来たため、赤クラスは中3や高校でも必要では?という意見も出てはいたものの、戦後様々改革しなければならないものが多く、後回しにされている感じだった。
 
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この時点で私たちの学年の赤クラスにはロザンナとオリアーナの2人が在籍していた。ふたりとも5年生になって初めて赤クラスに来た子であり、女性ホルモンは継続して服用していて既に立派なおっぱいができている。むろんおちんちんは立たないし睾丸は機能停止している。あとはもう性転換手術を受けるだけだったし、赤クラスがなくなる中2の最後までには手術を受けると言っていたのだが、その週の週末、ロザンナがとうとう性転換手術を受けた。
 
元赤クラスの同級生がみんな病室に御見舞い&お祝いに行った。彼女は4年生の時から密かに女性ホルモンを飲んでいたので、肉体のトランスを始めてから4年でやっと女の子の身体になることができて、ほんとに嬉しがっていた。手術後は女子病室なので、元赤クラスの子の中で男の子に戻ってしまったヘンリーは入室できないが、彼は手術前に男子病室にいた間に御見舞いに来てくれたらしい。サマンサはベッドに横たわって痛みに耐えているロザンナから、ヘティーにも御礼言っておいてねと言われ、またふたりの仲の進捗も聞かれて照れていた。
 
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「もう手術後のお股は見た?」
「今朝はじめて見た。凄くきれいと思った」
「あ、私も手術後そう思った」とみんなが言う。
「なんか感動だよね。よく今までおちんちんなんて変なもの付けてたなと思ったし、よけいなものがないお股を見て触って、ほんとにスッキリした形になれて嬉しいって思った」
 
「もうほんと小学5年生まで待たずに、小学1年生くらいで手術受けたかったと思ったよ」などと、みんなの中で最初に手術を受けたカロラインなどはいう。
 
「でもある程度おちんちんが成長して、ヴァギナの材料として充分なサイズになってから手術したほうがいいんでしょ?」
「だいたいそういう意見だよね。でも私、物心ついた頃から女の子になりたかったし」
 
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「でもおちんちんのサイズじゃなくて、本人の性別意識で赤クラスに行けるようになったのは、いいことだよね」
「ほんとほんと」
 
「ライルなんか、今の制度だったら自分は赤クラスに行って女の子になりたかった、なんて言ってるよ」
「ああ、ライルって確かに女性的な性格かもね」
「でもライル、おちんちんのサイズがいつもクラスでトップだったらしい」
「ああ、可哀想」
「でもそれなら、このあと自主的に性転換しちゃうかもね」
「うん。もし性転換するなら応援してあげたいね」
 
取り敢えずは、ライルに女子制服で学校に出てくるように、そそのかしてあげようよ、なんてみんなで言っていた。
 
「でも寂しくなるなあ。ロジーが一般クラスに移ったら、赤クラスは私ひとりだけになっちゃう」とオリアーナ。
 
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「オリーも早く性転換すればいいのに」とみんなから言われる。
「お母さんは私の性転換に賛成してくれてるんだけど、お父さんがまだ渋ってるのよね。お母さんの承諾さえあれば手術は受けられるけど、もう少し頑張って説得してみる」
「だって、オリーの身体じゃ、もう男の子としては生きられないのに」
「私も男の子に戻る気なんて、全く無い」
 
「ヘティーが男の子に戻れたのは与えられた女性ホルモンをけっこう飲まずにこっそり捨ててたからだからね。まともに女性ホルモンを1年も飲んでれば、もう男の子には戻れなくなるもん」とサマンサ。
「オリーはもう3年半飲んでるもんね」
 
「でも捨てるっていってもゴミ箱に捨てたらバレるでしょ?」
「口に含んだままトイレに行って吐いたり、私がこっそりもらって代わりに飲んだりしてたよ」とサマンサ。
「その頃から、けっこう仲良かったんだ!」
 
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「ヘンリー、最初はホルモン剤飲むの凄く嫌がったから監視員に無理矢理飲まされてたでしょ。私が『女の子になることにしました。自分で飲みます』と言えって言ったの。それで自主的に飲むようになったってんで、監視員も付かなくなったから、そういう抜け道ができるようになったのよね」
「わあ、頭脳プレイだったんだ!」
 
「私たち、ふたりの関係は隠してたからマークされてなかったのもある。でもヘティーが男子クラスにいた小学2年の時から、私実質的にヘティーの彼女だったの。何度もキスしたし。でもそれを徹底的に隠してた」とサマンサ。
「わあ」
「全然気付かなかった」
 
「私が5年生まで男子クラスにいたのは、ひょっとしてヘティーが女の子になっちゃったら、私は男の子のまま女の子のヘティーと結婚した方がいいのかな、というのを考えてたのもあるのよね」
「そうだったのか」
 
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「声変わりする前にはホルモン飲み始めたかったし、もうあれが自分が女の子になれる限界と思ったのと、ヘティーはやはり男の子として生きるつもりだと思ったから私も6年生で赤クラスに行ったけどね。フェリシアとエミリーとかは凄く仲良いから、協力して変な事しないかとかマークされてた感じだよね」
 
「あ、それは意識してた。ふたりだけで話してる時に見えない視線を感じることあったもん。アレクサンドラとリアナなんかもそうでしょ?」と私。
「うん。明らかに監視されてた。それでさ、私、将来リアナとレスビアン結婚しようかと思ってる」とアレクサンドラ。
「おお、やっちゃえ、やっちゃえ」
 
この国では当事者同士の自由意志で、同性でも結婚することはできる。戦時中は男同士で結婚する場合は、どちらかが3年以内に性転換手術を受けることが条件だったが戦後はその義務も無くなった。女同士は昔から普通に結婚可能であった。母の友人にも女同士で結婚したカップルがいて、時々うちにふたりで遊びに来ていた。
 
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10月の連休がやってきて、私は母と、エミリーとエミリーの母と4人でアルモシア温泉に行った。500年前に開発されたという古い温泉である。ここは温泉の成分に女性ホルモン類似物質が含まれているので男性は入浴禁止であるが、若い女性には、おっぱいが大きくなるといって人気だし、中年女性には更年期障害が軽減されるといって人気である。温泉に来ている客は果たして女性ばかりであった。
 
温泉旅館に到着して荷物を置くと、まずはみんなで温泉に入る。「女湯」と書かれたほうのドアを開けて脱衣場に入り、服を脱いだ。(ちなみに男湯は水道水)
 
「フェリシアちゃん、かなりおっぱい大きくなったね」とエミリーの母に言われた。「そうなのよ。私より大きいもんね」とエミリー。
「この子が女性ホルモン飲み始めておっぱい大きくなってきた時は、とうとうこの子も後戻りできない所に来ちゃったなって思ったけど、今はいい娘ができて良かったと思ってますよ」とうちの母。
 
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「性転換手術の跡ってもう痛まないの?」なんて言われながらエミリーの母からお股を触られる。
「もう全然痛くないです。最初の半年くらいは時々痛むことありましたけど」
 
私たちは浴槽に浸かって会話を続けた。
 
「昔は2-3年痛みが残ってたらしいね。それにダイレーションとかいって、おちんちんみたいな形のシリコンの棒を入れてヴァギナを広げるのをしないといけなかったんだって」
「うん。その話は聞いた。今ではそんなの必要ないからね」
 
「技術革新が凄いよね。昔は人工のヴァギナは濡れなかったらしいけど、今はちゃんと濡れるし。女の子から男の子に性転換する場合もちゃんと立つおちんちんが出来るし。そのうち女の子に性転換して子供が産めるようになるかもね」
「ああ、その研究も進んでるみたいよ。こないだ犬では成功したみたいだし」
 
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「卵子は無理だけど、子宮さえうまく作ることができれば妊娠は可能だもんね」
「将来、人間でもそんなことできるようになったら、フェリー、子供産んでみたい?」とエミリー。
「そうだなあ。私、中学に入った時のレントゲン検査では、骨盤が広いし形も本物の女の子のと似てますね、なんて言われたから、妊娠可能だったりして」
「もし妊娠したくなったら、私、卵子はあげるね」
「うん。ありがとう」
 
部屋に戻ってすぐに夕食の準備ができたという伝言が入ったので、みんなで大食堂に行き、御飯を食べた。
 
「ねえ、おかあさん、私フェリシアとたくさんおしゃべりしたいから、今夜は私とフェリシアで同じ部屋で、お母さん、フェリシアのお母さんと一緒とかにはできない?」とエミリー。
「あら、それもいいわね。私もルチアさんとおしゃべりしたいと思ってた」
 
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などといったエミリーの提案で、夕食後は荷物を移動して、私がエミリーたちの部屋に入り、エミリーのお母さんは、私と母がいた部屋に移動した。
 
ふたりきりになって私とエミリーはカーテンを締めてから抱き合ってキスした。
 
最初にキスしたのは小学2年生の時だった。自分たちが監視されているのは承知で、その監視の目をかいくぐってキスするのが、私たちの楽しみのひとつだった。友人の家の納屋で裸になってお互いの身体を観察したこともあるが、あの頃はまだセックスを知らなかった。彼女とは半年に1回くらいキスしていたし、そのひとつひとつのシチュエーションをしっかり覚えている。そして中学になってからは、監視などされなくなったのもあり、毎月1度はキスしていた。
 
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「こないだロザンナの病室でアレクサンドラが、リアナと同性婚するつもりなんて言ったんだよね。その時、私とエミの関係も話題にされてたから、そちらは?なんて聞かれないかってヒヤヒヤした」
「へー。言っちゃえばよかったのに。私フェリーと恋人ということでもいいよ」
 
「ほんとに?私もそういうことにしちゃおうかな」
「うちのお母さんは私たちの関係が友だち以上になってること気付いてると思う。フェリーのお母さんも。だから私たちを同じ部屋にしてくれたんだよ」
「そっかー。エミと同室になれそうで嬉しくて、そこまで考えなかった」
 
「フェリーが女の子にならなかった場合、私たちって男女の恋人になってたんだろうか?」
「男の子と女の子だと、まともに会話できなかったから厳しいかも。でも多分恋人になった後で、私女の子になってた」
 
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しばし私たちは見つめ合って、またキスした。
 
「今夜はさ・・・・しちゃっていいの?」
 
小学校の女子クラス・赤クラスの性教育では、男女のセックスの仕方に加えて女の子同士のセックスの仕方も、ビデオなどを流しながら教えられていた。だから、女の子はみんな、女の子同士でどう愛し合えばいいかを知っている。
 
「してくれなかったら、私怒る」とエミリー。
 
私たちはキスして、それからいっしょにベッドに入り、抱きしめ合った。
 

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