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■赤と青(4)

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小6以上の赤クラスの場合、2年以上赤クラスをしている子は女性ホルモンを飲まなければならない。つまり4年生の時からずっと赤クラスにいる子は全員女性ホルモンを飲むことになる。私などはもう昨年から飲んでいて、けっこうおっぱいが膨らんでいたが、今年から飲み始める子たちは、みんな
「早くおっぱい大きくしたかったんだ」
などと言っていた。
 
赤クラスにいて女性ホルモンを摂取していると、勃起能力は失われるので、次回以降の検査はほぼ確実に不合格になり、ずっと赤クラスにいるか、性転換手術を受けて女子クラス行きになるかである。
 
ヘンリエッタは女性ホルモンなんか飲みたくない!と言って抵抗し、最初の内は学校監視員に身体を押さえつけられて、無理矢理飲まされたりしていたのでさすがにひどすぎると言って赤クラス・元赤クラスの生徒全員で校長に抗議した。校長も(赤クラスの子は本来女子と同様の扱いなので)女生徒に乱暴なことはさせないと約束し、取り敢えず2週間だけ彼女へのホルモン投与は中断された。しかしヘンリエッタは結局親から説得されて、自主的にホルモン剤を飲むようになった。それでも彼女はしばしば「もう男の子に戻れなくなった」といって泣いていた。
 
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もっとも私たちは彼女が聞いていないところで
「でもへティーってけっこう性格的には女の子だよね」
と言っていた。
「女の子の悪い面を持ってるよね。泣き虫だし嫉妬深いし見栄っ張りだし」
「でもへティー、料理はうまいから、いいお嫁さんになれると思うけどなあ」
 

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小6では連続でなくても、通算2年以上赤クラスにいる子は希望すれば性転換手術を受けられるので、5月にウララ、ヴィクトリア、ロベルタの3人が手術を受け、女子クラスに移動した。
 
ウララは男子クラスに行っていたのは強制的に男性器の強化がおこなわれた3年生後期だけである。昨年性転換したカロラインとポーラに次いで赤クラス在籍が長い。ヴィクトリアも2年生前期と3年生後期以外は赤クラスにいた。ふたりの親も彼女たちを自分の娘としか思っていなかった。これで2年生後期に赤クラスにいた4人は全員性転換を終えた。
 
ロベルタは3年前期と4年前期に赤クラスにいた後、昨年1年間赤クラスをしただけなので赤クラス在籍期間は短いが、昨年検査拒否をして自主的に赤クラスに来た子なので、その時点でもう早い時期に性転換手術を受けたいということで親とも話をしていたようであった。
 
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ウララとヴィクトリアの性転換は自然なものに思えたが、ロベルタが性転換したのは、何だか自分が追い越されてしまった気がした。また1年前期に性別を疑われて一時的に女子クラスに入れられた子で、まだ性転換してないのは私だけになってしまい、取り残されてしまった気もした。
 
赤クラスの在籍期間として、ヴィクトリアたちの次に長いのが私とアレクサンドラ、そしてヘンリエッタである。ヘンリエッタは粘れる所まで粘るつもりのようだったが、私はよくこの時期アレクサンドラと「いつ手術を受ける?」
なんて話をしていた。
 
私も小学校を卒業してから手術を受ける手はあるのだが、小学生の内に性転換したのと中学生以降に性転換したのとでは、大きな違いが出てくる。
 
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中学生以降に性転換した場合、戸籍上に性別や名前の訂正記録が残される。しかし、小学生の内に性転換した場合は、戸籍上は最初から女の子であったかのような記述になり、性別訂正の跡も男の子だった時の名前も残らない。つまり小学生の内に転換するような子は元々女の子だったのだ、という考え方である。
 
そのため、赤クラスにいる子の多くは小学生のうちに性転換することを考えていた。赤クラスの子の中で小学生のうちに性転換手術を受けることができないのは、5年生以降にこちらに入ってきた3人で、残りの7人は全員手術を受ける権利がある。
 

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結局私とアレクサンドラは、7月に相次いで手術を受けることにした。
 
手術前日、私は両親に連れられて病院に行く。検査を受けてそのまま病室に入れられる。まだ男の子なので男性用の病室である。全身麻酔での手術なのでもう病院に入った時から絶食である。お腹が空いたので、手術されることより何だかそちらの方が気になった。看護婦さんが私の陰毛を全部剃ってくれた。
 
手術は翌朝から始まった。裸にされて手術着を着せられ、ストレッチャーに乗せられて手術室の控え室に入る。ここで先生から
「念のため再度聞きますが、手術をほんとに受けますか?手術したらもう2度と元の男の子の身体には戻れませんよ?」
と、両親のいないところで尋ねられる。
 
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私は「女の子になりたいです。手術してください」と言った。
医師は頷くと、「では麻酔を打ちますよ」と言って注射をする。これで私の意識は遠くなった。
 
目が覚めた時は病室にいるようだった。まだ麻酔が効いているので身体の感覚が遠い。お母さんがそばにいて「あ。目が覚めたね」と言うと、優しく頬を撫でてくれた。それで私は自分が女の子の身体になったことを確信した。
 
私は手術後は女性用の病室に入れられていた。まわりのベッドにいたお姉さんたちが「あ、性転換手術したんだ。女の子になれておめでとう」と言ってくれた。
 
しかし麻酔が切れてくると猛烈な痛みが襲ってきた。以前手術を受けて女の子になった元クラスメイトから、無茶苦茶痛いよという話は聞いていたものの、ホントに痛かった。誰か助けて〜、と思うがとにかく我慢するしかない。痛み止めも処方してもらったが、ほとんど効き目を感じなかった。
 
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手術当日はまだ何も食べられなくて、翌日も夕方まで点滴だけだった。夕方になってから、ジュースみたいなのを飲んだ。そして翌々日の朝から、やっと柔らかく煮たジャガイモと人参入りのスープを食べることができた。
 
医師の診察を受けて大丈夫のようですねと言われる。こちらは全然大丈夫な気分ではなかったが、3日目からは病院食もふつうの食事になった。昔は性転換手術は手術後半月くらい寝てないといけなかったらしいのだが、おちんちん検査と赤クラス・青クラスの制度ができてから性転換する人(その9割が小中学生)が急増し、それに伴って急速に技術も発展し、術後の回復も早くなって一週間で退院できるようになったらしい。
 
私も4日目くらいになると、かなり痛みもやわらいできて、その日初めて包帯が取られて、自分のお股を見ることが出来た。
 
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「きれい」と私は思った。おちんちんもタマタマも無くなっていて、きれいな割れ目ちゃんができている。まだ手術跡の縫合した傷はあるもののスッキリとした女の子の形になっていて感動した。
 
看護婦さんが「ちょっと開けてみようね」といって、割れ目ちゃんを優しく開く。「このあたりがクリトリス」と言われたところを触られると何だか気持ちいい。「ここが尿道口。ここからおしっこが出るの」などと触れるが、それはよく分からない。「そしてここにヴァギナがあるからね」と言われ、指の先を少し入れられた。そんな場所にそんな器官が出来たというのが、また不思議な感覚だった。
 
「このヴァギナがないとお嫁さんになれないからね。セックスのことは知ってるよね?」と訊かれるが私は「はい。知ってます」と答える。私たちは4年生の時子供ができる仕組みやセックスのことなどを授業で習った。図解や実際にセックスしている所のビデオなどを見て学習していた。お嫁さんになるということは、男の人のおちんちんを自分のヴァギナに受け入れることだと教えられた。
 
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4日目は包帯を取ったところでお股の洗浄をされ、そのあと尿道にカテーテルを挿入されてまた包帯をされてしまった。5日目から包帯は取られ、病室に置かれた、オマルで排尿をしたが、おしっこの出方が今までと全然違うので、物凄く戸惑った。最初はとにかく飛び散って、看護婦さんを呼び拭き取ってもらった。「慣れたらそんなには飛び散らなくなるからね」と言われた。
 
6日目からはオマルでなくて、病院のトイレまで行って、おしっこをすることができるようになった。おしっこの飛び先のコントロールは看護婦さんからもお母さんからも言われて、すこしだけできるようになった。私は女の子の身体で生きて行くことに2日くらい前よりは自信を持てた。
 
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そして7日目に私は簡単な診察を受け、経過は万全ですと言われ、退院した。その日家に戻ると晩ご飯は「豚肉のフィカレチア」だった。2年生の時に初めて赤クラスに入れられた時以来だ。とうとう私も本当の女の子になることができたので、またこの料理を食べることになった。
 
「お前のことは最初から娘を授かったんだと思うことにしたから」
とお父さんは言った。
「私はずっと前からこの子のことは娘と思ってましたけどね」
とお母さん。
「ありがとう、お父さん、お母さん。私、幸せ」
 
翌日、市役所から私の性別が女に変更されたという通知が届いた。性転換手術が終わった時点で病院から役場に届けが出されるので、それで性別は訂正されるのである。
 
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アレクサンドラは私が退院したのと入れ替わりで病院に行き手術を受けた。9月になってから、ペネロペとカーミラも手術を受けた。
 
私たちはみんな女子クラスに編入され、6年生の後期も赤クラスに残っているのは6人になった。女子クラスの生徒と赤クラスの生徒は自由に話せるので、彼女たちと話していたがビビアンとミラも卒業前には性転換手術を受けると言っていた。だから卒業式を赤クラスのまま迎えるのは、たぶんロザンナ、オリアーナ、サマンサの手術条件を満たしていない3人と、手術を受けたくないと言っているヘンリエッタになるであろう。
 
ヘンリエッタは6年生を終えると「連続3年赤クラス」として性転換手術を受けることを勧告される。それを拒否すると、とりあえずもう男の子ではないとして、戸籍から性別が抹消され、健康保険に加入できないとか正社員になれないなど、色々社会的な不都合が出てくる。しかしそれでもいいから、今の身体のままでいようかななどと言っていた。もっとも彼女は女性ホルモンを(渋々)飲んでいるので、おっぱいも膨らんでいるし、もうおちんちんは立たない。
 
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私はエミリーと同じクラスになることができたので、それまで以上に仲良くすることができた。女子クラスの雰囲気は、実際問題として赤クラスとほとんど変わらなかった。ただ女の子たちは生理があるから、そういう話題は新鮮に感じた。私たちはふつうの女の子たちと平気で生理のことも話していた。自分では使わないのに、エミリーたちに乗せられて、ついナプキンを買ってしまった。お母さんから「あんた、こんなの買ってきて何するの?」などと言われたが。
 
11月には修学旅行があった。私たちは女子なので普通に他の女の子たちと一緒のグループで行動した。女の子同士の行動はほんとに楽しかった。お風呂も他の女子と一緒に入り、わいわい騒いで楽しんだ。この頃、私はおっぱいもけっこう発達していて、エミリーと大差無いくらいにまでなっていた。
 
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修学旅行の行き先は国土のいちばん南にあるバリプロン島であった。11月は私たちの住んでいる地域ではもう雪が降るのだが、バリプロン島はまだ暖かかった。楽園のようなその穏和な気候の中で、珍しい南の島の風物を見、また郷土料理を食べながら、私たちはおしゃべりに興じていた。私はこの旅行で、再度自分が女の子である喜びを感じていた。
 
その修学旅行の最終日、みんながテレビに釘付けになっていたので、何だろうと思って見ていたら、この国を25年間統治してきた挙国大統一党政権が分裂して、首相が交代したというニュースだった。
 
17年ぶりに国民の前に姿を現した国王が、新首相を任命し、新首相は隣国との戦争をやめる意向を表明。ただちに和平交渉を始めると述べていた。隣国の政権もその発言を歓迎する旨のコメントを発表。戦闘停止命令が双方の軍に出された。また20年間にわたって首相の座にあった前首相は逮捕されたということであった。
 
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「実質的なクーデターだね」とカロラインが言った。
「やっぱり国王陛下は噂通り、今まで幽閉されていたみたいね」とエミリー。「え?そうだったんだ?」と私。
「フェリーは政治とかに疎いみたいだよね」
「うん。さっぱり分からない」
 
「おちんちん検査も無くなるのかなあ」
「発射訓練とかは無くなるといいね」
「賛成、私もあんなの見たくない」
「祝いの舞はあってもいいと思うな」
 
私とエミリーはテレビの前から離れて、テラスに出た。赤い太陽が水平線に沈んでいく所だった。ほどなく夕焼け空に変わる。
 
「赤クラスなんて制度が無かったら、フェリーは男の子のままだった?」
「どうだろう。。。自分で女の子になりたいと思ってたかも」
「そうだよね。そんな気がするよ」
 
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エミリーは微笑んで、私のバストを撫でた。
 
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