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■棹無き世界(4)

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カズヤはふと気になった。
 
「そういえばこの1ヶ月、ずいぶんセックスしたけどさ。マナミ、生理はいつ来たんだっけ?」
 
「えっと・・・前回来たのは2月6日かな」
とマナミはカレンダーを見て言う。
 
「ちょっと待って。まさかその後、生理来てないの?」
「うん。でも私の生理って凄く不安定だから3ヶ月くらい来ないこともあるよ。来月くらいには来るんじゃないかなあ」
 
カズヤは突然厳しい表情になるとマナミの部屋のカレンダーを見た。
 
「このさ。赤いシールが貼ってあるのが生理の来た日?」
「うん。2月6日の前は12月5日だったんだよね。だから1月は一度も生理が来てない」
 
「この小さな緑のポチが付いているのが、もしかして僕とセックしした日?」
「良くわかるね」
 
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「最初にセックスした日は、最後の生理から二週間後だ」
とカズヤは言う。
 
「え?どういう意味?」
 
「マナミ、性教育ちゃんと聞いてる? 生理の後、女の子は卵胞期になって卵巣の中で卵子が育っていく。そして約2週間後に排卵が発生する」
 
「排卵って生理のこと?」
「違うよ。卵子が卵巣から出て子宮に移動しようとする。そこに精子が来ると受精する。卵子は受精してもしなくてもとにかく子宮まで来る。この後が黄体期で、受精しなかった卵子は約2週間で子宮の壁から剥がれて排出される。それが生理だよ」
 
マナミは意味が分からないようでキョトンとしている。
 
「そして卵子が受精した場合は、生理が起きることなく、受精卵が子宮に着床したまま育っていく。そして十月十日の後、赤ちゃん誕生」
 
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「え?」
 
「マナミ妊娠したのでは?」
 
「え〜〜〜〜!?」
とマナミは驚いてから
 
「でも私たち避妊したよね?」
と訊き直してくる。
 
「避妊したつもりだけど、失敗した可能性はある。避妊具に小さな穴が開いててそこから精子が漏れたり、あるいはそれ以外のルートで精子が子宮内に到達する場合もある。僕たち、セックスした後、避妊具を外して、手も洗わずにお互いのに触ったりしてた。それで付着した液から精子がマナミの体内に侵入した可能性もある」
 
「嘘。どうしよう?」
 

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カズヤは頭を抱えた。
 
「取り敢えず産婦人科に行って妊娠しているかどうかを確認しようよ」
「あ、うん」
 
それでふたりは電話帳で調べた産婦人科に行ってみた。おしっこを取られる。それを検査すると、妊娠しているかどうかが分かるらしい。ふたりは20分ほど待たされた上で診察室に通される。
 
「妊娠してますね。ちょっと超音波でも確認しましょう」
と言われ、マナミはお腹を露出させられ、何かクリームのようなものを塗られた上で、スティック上の器具を近づけられる。モニターに何か画像が映る。 
「これが子宮の中。ほら、赤ちゃんがいるでしょ?」
 
「うっそー!?」
とマナミは驚いている。
 
「これ大きさから見て8週目くらいですよ」
「え〜〜!?」
 
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「最終月経はいつですか?」
「あ。えっと2月6日です」
「うーん。だったら9週になるな。予定日は11月13日です」
 
「私・・・お母さんになっちゃうの?」
とマナミは自分の置かれた状況を理解できないかのように言った。
 
「お母さんになるようなことをふたりでしたんでしょ?あんたたち結婚はしてるよね?」
と産科医が訊く。
 
「あ、えっと。結婚する約束はしてますけど、まだ届け出は出してません」
「あんたたち何歳?」
「えっと16歳です」
「だったらまだ2年は届けを出せないじゃん」
と言った上で
 
「ちょっと控え室で待ってて」
と言われるので、いったんふたりで控え室に戻る。
 

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マナミは事態をまだ十分呑み込めていないようで
「私どうしたらいいんだろう?」
などと言っている。
 
カズヤは考えていた。そうだ。お医者さんが言ったように、自分たちは母と父になるようなことをしたんだ。自分はその責任を取らなければならない。そしてマナミを守ってあげなければいけない。
 
カズヤは急速に強い責任感を感じ始めた。
 

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しばらく控え室で待っていた時、カズヤは病院の外に停まる車の音を聞いた。 
車?
 
市街地では基本的に車の通行は禁止されている。通行できるのは救急車などの緊急車両のみである。
 
病院なのだから、救急車が来るのは変なことではない。
 
しかし・・・・
 
カズヤは突然「その可能性」に気づくと、マナミの手を取って言った。 
「逃げよう」
「え?」
 

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戸惑っているマナミの手を引いて、そっと病院の奥の方に行く。廊下の角を曲がった時、表のドアがやや荒々しく開く音を聞いた。やはりそうだ。 
勝手口があるのを見て、カズヤはそこから表に出た。
 
「靴が無いよぉ」
「その程度気にしないで」
「それに病院代まだ払ってないのに」
「死にたくなかったら、一緒に逃げよう」
「死ぬ〜〜〜!?」
「あのお医者さん、僕たちが結婚もしてないのに子供を作ったというので、警察に通報したんだよ。捕まったら、ふたりとも死刑になる」
 
「うっそ〜!?」
 

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ふたりは小走りに町を行く。
 
「でも私たち、住所も名前も書いちゃったよ」
「うん。だからもう家にも戻れない」
「え〜〜?じゃどこに行くの?」
「少し考えるけど、もう少し病院から離れようよ」
 
10分くらい走った所にスーパーがあったので中に入り、サンダルを買った。それをマナミに履かせると、マナミも少し落ち着いたようだ。
 
「誰かこういうのを相談できる子がいないかな」
「アケミはどうだろう?」
「よし。電話してみよう」
 
それでマナミの腕時計を借りて、アケミのシークレットサインをタップする。すると電話がつながる。
 
「アケミちゃん。ちょっと相談があるんだけど」
「ありゃ。マナミかと思ったらカズヤなんだ。あんたたちさあ、できてるでしょ?」
とアケミが言う。
 
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「うん。そのことで何か参考になる話が聞けないかと思って。実は追われてる」
「は?」
「マナミを妊娠させてしまって。それで産科に行ったら11月13日が予定日だと言われたんだけど、警察に通報されてしまって」
 
「ばっかだねえ。普通の病院に行けばそうなる。先に私に相談してくれたら、ちゃんと内緒にしてくれる病院を紹介したのに」
 
「僕が浅はかだったよ。それでマナミも僕自身も命の危険にさらしてしまった」
「うん。あんたたち、捕まれば死刑だよ。カズヤは即処刑されるし、マナミも赤ちゃんを産んだら処刑される」
 
「何か逃げ道は無いかな」
 
アケミは電話の向こうでため息をついていたが
 
「取り敢えず、私が言う病院に行って、そこで相談してみて」
「分かった」
 
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それでふたりは電車を乗り継いで、アケミが教えてくれた病院まで行った。 
「あんたたち、すでに手配されているよ」
と言って、そこの病院の医師はネット上に公示されている手配情報を見せてくれた。
 
「きゃー」
「捕まれば死刑だし、警官に見つかって逃げたらその場で射殺されても文句がいえない」
「ひぇー」
 
「あんたたち、子供はどうするつもり?」
 
マナミはしばらく考えていた。
 
「私、この子産みたい」
 
医師はうなずいている。
 
「その赤ちゃんを中絶してもいいのなら、即中絶して、処女膜再生術をして体力の回復を待ち出頭する手もある。そして自分達は決してセックスはしていないし、妊娠というのは誤診だと主張する」
 
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「通るんですか?そんな言い訳」
「弁護士の腕が良ければ通るよ」
「そういうもんなんだ?」
 
「私のお父さんが弁護士です」
とマナミが言う。
 
「だったら中絶してお父さんを頼るのがひとつの手」
「はい」
「でも中絶したくないんでしょ?」
「私、この赤ちゃん、殺したくない」
 
「だったら、この国から逃げ出すしかないね」
「外国に逃亡するんですか?」
「外国に逃げても、どこの国でも未婚の男女のセックスは重罪だよ」
 
「どうしたらいいんでしょう?」
「この世界の外側に逃げればいいのさ」
「宇宙にでも行くんでしょうか?」
 

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すると医師は立ち上がって、こちらを見ずに言った。
 
「その国の名はガンダーラ。どこにあるか知る者はいない。でもそこはどんな国も干渉できない独自の世界」
 
「そんな国があるんですか!」
 
「私も直接行く道は知らない。でも行き道を知っている人にたどり着ける人なら知っている。その人も直接の行き方は知らないけど、他の人を案内できる」
 
「何人かをたどっていけば、いつかそこに到達できるんですね?」
「本当に到達できるのかは私も知らないよ」
 
「そこに行きます」
 

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「ただね」
と医師は言った。
 
「そこは女だけの国なんだよ。男子禁制」
 
「だったらマナミだけでもそこに送り届けます。マナミさえ無事なら僕は死刑になってもいいです」
とカズヤは言った。
 
「カズヤ・・・・」
とマナミは感動しているようである。
 
「死にたかったら死ぬのはかまわないけど、あんたも女になればいいんだよ」
「あ!」
 
「女になるのは嫌?」
「かまいません。マナミと一緒にそこに逃げ込めるなら」
 
「うん。じゃ、今すぐ女になろうか」
と言って医師は笑顔で箱形の機械を取り出した。
 
カズヤは頭を掻いた。
 
結局僕のおちんちん切られちゃうのか!!
 

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それでマナミは切る前に舐めてあげていいですか?と医師に尋ねる。
 
「まあ好きなようにして。10分間時間をあげる。その間に私はツナギをつけられる人に連絡するよ」
 
それでふたりは病室をひとつ借りて、そこでマナミがカズヤのおちんちんを舐めてくれた。物凄く気持ちが良かった。こんなことまでしてもらえるなんてと感動する。この子のためになら、本当に自分は何を捨てても良い。
 
そう思うと、男を捨てるくらい平気な気がした。
 
「じゃやっちゃってください」
と言ってカズヤは下半身の服を脱いで、医師に言った。
 

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「まあ切るのは今すぐでなくてもいいから。向こうに着いてから切ればいい。この機械はあげるから」
と言って、医師は性転換機能付き・無痛去勢機を渡してくれた。
 
「単なる去勢は無痛だけど、性転換のスイッチを選択してスタートボタンを押すと3秒くらい動いているから。その間は激痛に耐える必要がある」
 
「かまいません」
「男の身体のままガンダーラに上陸しようとしたら即射殺されるからね」
「ちゃんと女になります」
「よろしい。じゃ取り敢えず女の服に着替えて」
と言われて服を一式渡される。
 
カズヤはため息をついて今着ているを脱ぎ、その服を身につけた。
 
女物のショーツを穿くと、妙に圧迫されて変な気分だ。ブラジャーは何だか胸が締め付けられるようである。そしてスカートを穿くと、何だかくらくらとした。
 
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「カズヤ、性転換するんでしょ?スカートでめげてちゃダメ」
とマナミに言われる。
 
「うん。頑張る」
 
雰囲気を変えるために2人とも渡されたウィッグを頭に装着した。ロングヘアのウィッグを付けるとカズヤは何だか変な気分になった。
 
「じゃ病院の前に停まっている3321のナンバーの車に乗って」
と先生が言った。
 
「はい」
 

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ふたりが病院を出ると、その3321のナンバーを付けたパトカー!が寄ってきた。 
「行くよ」
「お願いします」
 
パトカーはふたりを乗せて町を走る。町の外に出るゲートの所で検問をしてる! 
検問の警官がパトカーの警官に声を掛ける。
 
「お疲れ〜。こういう顔の高校生男女が手配されているんだけど見なかった?」
「へー。凶悪そうな顔してるな。何したの?」
「まだ16歳のくせにセックスして赤ちゃん作ったらしい」
「そんな悪い奴は見つけ次第射殺だな」
「あれ?その後部座席に乗ってるのは?」
「ああ。この女2人はパチンコやってるのを捕まえた。矯正施設に連れて行く」
「まあ女2人連れは関係無いな」
 

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それで検問を抜けて郊外に出る。やがて小さな港の岸壁に停まった。
 
「そこの船に乗って」
「はい」
 
ふたりを乗せた小さな漁船が海を行く。その日は結構荒れていて二人は酔いそうだったが何とか持ちこたえた。ふたりはその後、救急車に乗せられた。 
「あんたたち、このカプセルに入って」
と言われて生命維持カプセルに入れられる。点滴の針も刺されたが、これで栄養が摂れるからいいんだと言われる。
 
やがて何かに積み込まれる感覚がある。
 
そして浮遊感!
 
どうも飛行機に乗せられたようだ。カズヤはマナミと話したかったが、カプセルの中ではそれもままならない。でもカプセルの壁をトントントンと叩いてみたら少し離れた所からトントントンと音が帰ってくる。それでマナミの無事を確認してカズヤはほっとした。
 
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その後、ふたりはカプセルに入れられたまま、また車で道を走り、大きな船に乗せられたりして、結局3日ほどに及ぶ旅をした。
 
そして
「そろそろ着くよ」
という声とともにカプセルを開けられた。40歳くらいの女性が優しい表情でこちらを見ている。
 
近くでマナミもカプセルから顔を出す。
 
「あ、だったら、僕性転換しないと」
「ん?あんた性転換したいの?」
「でもガンダーラって女性以外が上陸しようとしたら射殺されるって」
 
「それはそうだけど、女装していれば十分。身体まで性転換する必要は無い」
「そうなんですか!」
「でも性転換までする覚悟だったのなら女装で暮らすのはかまわないよね?」
「全然問題無いです」
 
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「特に夫婦者には緩いんだよ。独身の男が上陸しようとしたら審査対象」
 
「へー!」
 
「でもここは自分たちで畑を耕して自分たちの食べる分の食料は調達しないといけないけど、あんたたちやっていける?」
「頑張ります」
「よしよし」
 

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やがて船が島の桟橋に接岸する。
 
カズヤはマナミにキスをした。
 
「新入りの女子高生2名、お願いします。レスビアンの夫婦者で片方は妊娠しています」
とカズヤたちを送って来てくれた人が言う。
 
「ようこそ。この世にあらぬ島へ」
と上品な感じの女性が言った。
 
「奥さんが妊娠してるなら、旦那は2人分働けよ」
「はい。頑張ります」
 
カズヤは笑顔で答えた。マナミがキスしてくれた。
 
 
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