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■棹無き世界(2)

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「おちんちん無くなったから、今日からはこの下着ね」
とお母さんから言われて、前開きの無い、ショーツを渡される。これは男の子用のショーツで、女の子用のショーツとの違いは玉袋を収納するだけのスペースの余裕があることである。
 
はあ・・と思いながらノブトはショーツを穿いた。もうおちんちんが無いので2度と今までのようなブリーフを穿くことは無い。でも小学生になったらもうブリーフからは卒業だもんね〜。
 
そのあと黒いスカートを渡される。
 
「小学生の間はスカートだからね」
「うん」
と言ってノブトはスカートを初めて穿いた。
 
中学生になると男子はズボン、女子はスカートになるのだが、小学生は男女ともスカートを穿くのが普通である。ただ、女の子はミニスカート、男の子は膝丈スカートを穿く傾向があるので、だいたいそれで男女を区別することができる。 
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ノブトがカーテンから出ると、下着姿のスズカが代わりにお医者さんの所に行く。女の子の場合は、股間の形状を確認されて、女の子の形であって、本人が性別女を選択している限りは何も施術されない(性別男を選択している場合は、女子の尿道口に接続して使える疑似ペニスを装着されるが、手術して身体にくっつける訳ではない。中学進学の際にあらためて男子を選択する場合は初めて手術になり同時に卵巣の摘出が行われる)。
 
スズカがお医者さんの所に進んだので、次のコージがこちらに来て、身長と体重の測定をされることになる。コージはスカート姿のノブトを見て
 
「どうだった?」
と訊く。
 
「全然痛くなかったよ」
「うん。僕も痛くないよとは聞いたけどね。でもなんかまだ怖い」
「一瞬で済むから」
「ああ、僕も今日からはスカートになるのか」
とコージが言うと、コージのお母さんは
 
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「可愛いスカート用意しているからね」
とにこにこ顔であった。
 

全員の身体検査と性器調整が終わった所で、あらためて担任の先生からお話があった。特に今日おちんちんを取った子、また男の子から女の子に変わった子は、慣れるまではおしっこするのにも、あるいは普通に歩くのにも違和感があるだろうけどすぐ普通になるからと言っていた。
 
エルカ先生は生まれた時は男の子で小学校に入る時はまだ男の子を選択したものの、4年生進級時に女の子を選択して手術を受け女性に生まれ変わったのだそうである。
 
「私も小学校に入った時におちんちんが無くなった時はしばらく変な感じだったし、4年生になって女の子になった時はまたすごーく変な感じだったけど、3日で新しい身体に慣れたからね」
 
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などと先生は言っていた。
 
「今日は男の子を選択した子も、やはり女の子がいいなと思ったら遠慮無く先生やお母さんに相談してね。4年生になる前でも、変わりたい子はいつでも変わることができるからね」
 

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その日家に帰ると、あらためて2人の姉から
 
「入学おめでとう」
と言われた。その日は入学お祝いと、おちんちんを取って、おとなへの1歩を踏み出したお祝いということで、お母さんがケーキを焼いてくれて、他にも鶏の唐揚げを作ってくれて、みんなで食べた。お父さんも嬉しそうにビールを飲んでいる。
 
「でも昔は。男の子はおとなになっても、おちんちん付けたままだったんでしょう? どうして切るようになったの?」
 
「まあ、子供には難しい話だけど、おちんちんが付いているとそれ使って悪いことする人が多かったからだよ。それで世の中からおちんちんを無くそうということになったんだよ」
とお父さんは説明する。
 
「悪いことって、立ち小便とか?」
「うーん。まあいろいろだな」
 
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とお父さんは詳しいことは口をつぐむ。どうも「子供には話せないこと」のようだなとノブトは感じた。
 

「でもセブン・カット法が施行されて最初の頃は大混乱だったみたいね」
 
「うん。当時世界の人口は約30億人で、その内半分の約15億人が男だからね。その15億人のペニスを全部切るというので大変な作業だったんだよ」
 
「わあ」
 
「背景としては、70年ほど前の2106年に発明された無痛去勢機の登場が大きい。それまでもおちんちんを切りたい人ってのは結構いたんだけど、物凄く感じやすい場所を切るから麻酔を掛けて手術しても激しい痛みに耐える必要があったんだよね。ところが、この無痛去勢機を使うと、一瞬で何の痛みも無くおちんちんが切れるというので凄い評判になって、あっという間に大ヒット商品になったんだよ」
 
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「へー。そんなにおちんちん取りたい人がいたんだ?」
 
「みんな取りたいけど、痛いしなあと思っていたんだと思う。結構邪魔に思っていた男は多かったんだよ」
 
「でもその無痛去勢機の開発はたいへんだったみたいね」
とお母さんが言う。
 
「うん。最初の段階では3Dプリンタで作った、人間の肉と同じ素材の人工男性器を使ってひたすら実験をして、それから動物を使っての実験もしたけど最終段階ではどうしても人間で実験する必要があった。それでボランティアを募った。こんなのに応募する人なんているかなと思ったら、殺到したらしい」
 
「へー!」
「でも最初の段階ではまだ結構痛かったらしい。それを数年掛けて改良していって、ほとんど痛みの無いものになったんだ」
 
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「わあ」
 
「基本は、おちんちんの中身は根本から切るけど、皮は少し上の方で切るんだよね。そして切断した直後にその皮で切断面を覆って神経や毛細血管をつないでしまう。その作業を0.1秒以内にやると、ほとんど痛みを感じないことがわかったんだ」
 
「あ。今日切られた時、すぐ終わったからびっくりした」
 
「今はもっと改良されていて0.01秒以内に切断・縫合が終わるようになっているからね」
 
「なるほどー」
 

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「最初開発されたものは、ペニスだけを切断するもので、しかもペニスは全切断して、おしっこを出す穴だけが身体の表面に残る方式だったんだ。でもその後バリエーションがいろいろ出てね」
 
「へー」
 
「まず要望が多かった睾丸も一緒に除去するモデルが2108年に登場した。それからバリエーションとして切断したペニスをそのまま保存液を満たしたガラス瓶の中で半永久的に保存して飾っておけるものが登場した。しかし大事なのが2112年に登場した亀頭接続型なんだよ」
 
「今ではおちんちん切る場合は亀頭接続するのが常識だもんね」
「そうそう」
 
「初期の去勢機はおちんちんを全部取ってしまうから、性的な欲求を満足させることもできなくなっていた」
 
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「せいてきよっきゅうって?」
 
「ノブト、おちんちんいじってて大きくなって、気持ちよくなったことない?」
「ある」
と言ってノブトは恥ずかしそうに下を向く。
 
「それが性的欲求だよ」
「へー」
 
「亀頭接続型はペニスの根本から亀頭底部までを切除した上で、亀頭を直接体表に接続する。それでそこを刺激することで性的な快感が得られる。おちんちんは無い方がいいけど、性的快感は失いたくないと思っていた人たちに支持されたんだよ。だから、これ以降は亀頭接続方式でペニス切断する人が多くなった」
 
「あの時期は、男の子のアイドル歌手が『僕もおちんちん切っちゃいました』とCMやってたらしいね」
 
「うん。それで切ろうかなと思った男の子、彼女に『おちんちん無い方がいい』と言われて切る男の子が続出したんだよね」
 
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「あの時代、18歳から28歳の男子の1割近くがおちんちん切ったらしいね」
 
「うん。あの時代から、もう今の流れはできちゃったんだよ」
 

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「あともうひとつは2120年になって、一気に性転換して女の子の形に変えてしまうタイプが登場する。これはさすがに処置時間が掛かるから無痛という訳にはいかなかったんだけど、それまでは性転換するには手術代100デナリくらい払って、3時間くらいの手術を受けないといけなかったのが、この去勢機を使うと機械代は10デナリで、手術時間も10秒くらいだから、凄く売れたんだよね」
 
「女の子になりたい男の子は結構いる気がする。ポールちゃんとか幼稚園の頃から女の子になりたいなりたいと言っていたし」
 
「今日女の子になったの?」
「うん。女の子にしてもらって、すごく喜んでいた。名前もポーラに変えたんだよ」
「よかったね」
 
「今では性転換までするタイプでも値段は1デナリ程度まで下がって、施術時間は3秒くらいだからね。無痛ではないけど、痛いのもちょっとで済む」
 
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「ユウコちゃんは性転換したけど、結構痛かったと言ってた」
「ユウコちゃんって元ユウタちゃん?」
「そうそう。あの子はお母さんが巫女さんで、その跡取りにしたかったみたいだし。それで女の子になってね、とずっと言われてたんだって。実際これまでもけっこう巫女服を着て巫女舞とか習ってたらしいよ」
 
「あの子、霊感が強いみたいだからいい巫女さんになるかも」
とマユカが言う。
 
「ノブト、あんたも女の子になって私の後継いで会計士になるつもりない?」
と母。
 
「お姉ちゃんたちに言ってよ」
とノブトは答えた。
 
民事弁護士と会計士は女性しか就けない職業である。刑事弁護士・裁判官・検察官・会計士補・税理士・司法書士などは男性でも女性でも就ける。そのため司法インターンを終えて法曹資格を取得した後で、性転換して女性になり民事弁護士になる人もいるし、会計事務所に勤めていて会計士補を数年やった後で会計士の試験に合格したあと性転換して女性になり会計士登録する人もいる。
 
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「まあそれで2130年になってセブンカット法が施行されたんだけど、国によっては結構乱暴な方法で『ペニス狩り』をしたみたいね」
 
「うん。いろいろ過激な話を聞くね」
 
「ゴンドワナ地方やアトランティス地方には、そういう乱暴なことした国がかなりあった。軍隊が各村を回っては、男を全員並ばせて、次から次へと軍刀で切って行ったとか」
 
「痛いんじゃないの?」
「貧乏な国ではずいぶん安くなってきたとはいえ、男性国民全員分の無痛去勢機を買うお金がなかったんだよ」
 
「わあ」
「そういう国でもお金持ちは無痛去勢機を自分で買って自主的に切ったり、あるいは病院で切ってもらったりしたみたい」
 
「なるほど」
「わざわざお金を掛けて病院でお医者さんの手作業で切ってもらうと、自分の好きな形にお股をデザインできるから」
 
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「確かに」
 
「おしっこの出る位置をどの付近にするのがいいかは、お医者さんの間でもかなり意見が食い違っていたんだよ」
 
「ぼくトイレに行って凄く後ろの方から出るからびっくりした」
「うん。今は女の子のおしっこの出る位置と合わせるのが主流だから」
「へー。これ、女の子と同じ位置なのか」
 
「性転換する訳ではないけど、割れ目ちゃんを作って、亀頭をその中に収納するという希望は結構多かったらしい」
 
「それ少し後で去勢機でもできるようになったよね」
「そうそう。それができるタイプが出たのは2132年」
 

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「うちの国では10年がかりで断茎を進めたんだよね。毎年7歳,17歳,27歳,37歳,47歳,57歳,67歳,77歳に到達した人のおちんちんを切る」
 
「87歳は?」
「80歳以上はこの法律の免除対象だったんだよ。もう今は生き残っている人はいないけどね」
 
「最後のペニス保持者が15年くらい前に亡くなったはずだよ」
 
「じゃ、もうおちんちんのある大人の人って居ないの?」
「のはずなんだが・・・・」
と言ってお父さんは口を濁す。
 
「あくまで噂なんだけど、遙か海の向こうの誰も知らない小さな島に、世界連邦に所属しない国があって、そこだけおちんちんを切ることはせずにおちんちんを付けた大人がいるという噂がある」
 
「わあ、僕そこに行きたかった」
 
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「でも不思議な話もあって」
「うん」
「そこに住んでいるのはみんな女だとも言うんだよ」
「女の人なら、おちんちん無いよね」
「まあ、だからそのあたりがただの伝説なんだと思う」
「へー」
 

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「セブンカット法施行当時、7のつく年に切るといっても対象者は400万人くらいになるから一度にはできない。それで月単位で分散したんだよね」
 
「そうそう。7歳は10月の小学校入学式と同時に切る」
「うん。そのシステムが今も残っているんだよね」
「17歳の高校2年生は2学期が始まる4月に切る」
 
「あとは27歳が12月、37歳が1月、47歳が2月、57歳が3月、67歳が5月、77歳は11月と分散」
 
「学校の場合は集団でやりやすいけど、社会人の場合は招集状が出るから、届いた人は潔く病院に出頭して、無痛去勢機を支給されて、自分で好きな選択肢を選んで切断する。切断したペニスの存在を去勢機の中に確認されると、無事断茎済みの書類をもらえる」
 
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「何度も招集されても出頭しなかった場合は逮捕されて強制的に睾丸まで去勢」
 
「当時何とか去勢を逃れられないかと、あの手この手の手法があったらしいね」
「うん。女装して出頭していって、私すでに性転換してますから、と言う奴もいたらしいけど、即身体検査されて、男性器が確認されたら、本人の希望通り性転換手術を受けさせてあげる」
 
「なんか結構強引だ」
とヒロミが言っている。
 
「まあ切りたい人も多いけど、切られたくない人の方がずっと多いから、あの時期は本当に大変だったみたいだよ」
 
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