広告:メイプル戦記 (第2巻) (白泉社文庫)
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■Shinkon・理彩的見解(3)

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「じゃ、命(めい)の性別判定資料としてこの写真を」
などといって理彩が自分のiPhoneに入っている写真を京都組に見せている。のぞき込んだら、僕の下着写真だ!
「可愛い!」と声が上がってる。
 
「ちょっとー、そんなの見せないでよ」と抗議するが理彩は
「いいじゃん、可愛いものはみんなで共有」などと言っている。
 
「ボディラインが完璧に女の子」
「ね、おっぱいあるよね、これ」
「お股のところ、どう見ても付いてるようには見えない」
 
「これ高3の夏休みの写真だよ」
「じゃ、その頃はもう既に女の子の身体になってたのね」
「命(めい)、20歳過ぎたら戸籍の性別も変更できるんだよ」
「命(めい)はお料理も得意だし優しいし、いいお嫁さんになりそう」
 
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僕はどう答えていいか困ってしまった。
 
「でもおちんちん無くなっちゃったんなら、理彩、命(めい)と結婚出来なくなっちゃったね」
「あ、大丈夫。私レズだから」などと理彩は言っている。
「だから、命(めい)は戸籍の性別は敢えて変更せずに私と結婚してくれるのよ」
 
「ああ、なるほど!」
「じゃ、ふたりともウェディングドレス着て結婚式?」
「そうそう。式挙げる時はみんな来てね」
「うん、いいよ」
「応援しちゃう」
 
僕が性転換しちゃったって話が既成事実化されつつある!と僕は少し焦ったが、理彩が堂々と人前で僕と結婚すると発言したことの方が、僕は嬉しかった。でも結婚式で、僕もウェディングドレス着るの〜!?
 
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そういう感じで僕はゴールデンウィークの頃には、男の子としての生活を続ける自信を失い始め、もう学校に女の子の格好で出て行っちゃおうかな、いっそ身体も改造しちゃおうかな、などと思い始めていた。なお、この時期既にヒゲは永久脱毛していたし、髪は高3の12月に切って以降は切らずに伸ばしていたので、この頃は髪だけ見たら女にしか見えないくらいになっていた。
 
そんな5月の上旬。僕は世にも不思議な体験をすることになる。
 
毎晩深夜に不思議な訪問者があり、僕はその訪問者の男性と毎晩セックスをした。しかもそのセックスをする時だけ僕の身体は女の子になっていたのであった。女の子の身体に変化するのは実は以前からけっこう体験していたものの(僕がナプキンを常備していたのはそのため)、その身体でセックスまでしてしまうというのは、ほんとに驚きの体験だった。
 
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彼の訪問は途切れることが無かった。普段はだいたい夜中の1時くらいに来ている感じだったが、3時頃まで起きていたら、寝てすぐにやってきた。アパートにいなかったらどうだろうと思ってファミレスで一晩過ごしてみたら、明け方うとうととしていた時に、彼はやってきて、彼としている間周囲には何も無いような感じだった。
 
ある時は、理彩のアパートに泊まって、理彩とHしたのだが、その日は理彩とたっぷり愛し合った後、疲れて眠ってしまったところに来訪された。その時、理彩はそばにいたはずなのに、何も見ていないと言う。どうも僕はその夜の訪問者とセックスする間、異次元空間のような所にいるようであった。
 
2ヶ月ほど訪問は続いたが、彼は7月4日に「次は3月に来る」と言ったまま来なくなってしまった。そして僕はその後で自分が妊娠していることに気づく。しかしその自分が妊娠しているということに気づく少し前の時期、僕はとても体調が悪くて困っていた。
 
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そんなことを理彩に言うと
「少し疲れてるんじゃない?女装して気分転換するとかは?」
などと言う。
 
「そうだなあ。。。でも女物の服あまり持ってないし」
「嘘つくのは良くないよ。でも持ってないというのなら貸してあげるよ」
 
と言って、理彩はその日の内にぼくのアパートまで自分の服を数セットに、女物の下着(新品)まで持ってきてくれた。
 
僕も「うん。女装はいいよね」と思い、理彩が持って来てくれた服を身につけてみると、少し気分がすっきりする。ちょっとその格好でコンビニに行って、お化粧品少し(マニキュアとアイカラー)と生理用ナプキンを買ってきたら、もっとすっきりした。
 

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やがて僕は自分が妊娠していることに気づき、理彩に付き添ってもらって産婦人科の検診を受けた。お医者さんとも話し合った上で、僕はこの子を産みたいと主張し、お医者さんもずっと妊娠の状態をチェックしてくれることになった。ただ、お医者さんからは、妊娠が進めば、乳房が大きくなるとともに男性機能は次第に弱くなって消失するだろうと言われた。
 
「たぶん、妊娠が終わっても、男性としての機能は回復しませんよ」
「はい、それでいいです」
と僕は言い切った。
 
病院を出たあと僕たちはお昼を一緒に食べたが、理彩は
 
「男性機能無くなってもいいです、と命(めい)は断言したね」と僕を見ながら言う。
「とうとう、男を辞める覚悟が出来たのね?」
 
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「先のことは分からないけど、とにかく今はこの子優先」
「男性として不能になっちゃったら、もうセックスもしてあげられないね」
「今、すごーく理彩とセックスしたい」
「じゃ、しようよ」と理彩は笑顔で言った。
 
僕たちはホテルに行った。アパートだと昼間友人が訪ねてくる可能性もあるし、壁が薄いから隣に聞こえないように気をつけてしないといけない。その日は声なども出して、思いっきりしたい気分だった。
 
理彩はいつものように正常位とか騎乗位でやると、ぼくのお腹を圧迫してよくないからと言って最初は側位、そのあと松葉で結合した。ただし2戦目はきちんと立たなくて、無理矢理押し込んではみたものの、発射もできなかった。
 
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「命(めい)の乳首少し立ってるよね」
などと言いながら理彩は僕の乳首を舐めてくれた。高校時代にも乳首は結構舐められていたけど、特に快感は無かった。でも今は凄く敏感に感じてしまう。
 
「でもセックス気持ちいい。本当は毎日やりたいくらい」と僕は言った。「毎日したければ、してあげるよ」と理彩が優しい顔で言う。
「でも、○○君ともデートするんでしょ?」
「実は○○とは別れた」
「えー!?」
「いやー、命(めい)とした時のコンちゃんが見つかっちゃってさ。やっぱり他にも男がいるのか。浮気女とは付き合えんって言われて」
「ありゃー。ごめん。僕が持ち帰ってれば良かったね」
 
「でも潮時だった気もしてね。私、そろそろ彼に飽きて来てたし。最近ケンカが増えてたし」
「理彩、中学や高校の時も、他の男の子と時々デートしてたけど、あまり長続きしてなかったね」
 
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「うん。命(めい)以外の子と4ヶ月以上付き合ったことがない。でもこのタイミングで私がフリーになっちゃったのって、きっと命(めい)のサポートをするためという気がするよ。男の身で妊娠しちゃうなんて、多分、女性の協力がないと、社会的にもいろいろ困ったことが起きるよ」
「そうかも知れないね」
 
「だけどやっぱり男性能力落ちてるみたいね。6月は3発できた日もあったのに。そういえば最近は1発しかしてなかったよね」
「やはりホルモン的に女性になりつつあるんだろうなあ」
 
「命(めい)のおちんちんが立つ間は、セックスしてあげるよ」
「妊娠が進むと女性ホルモンがもっともっと分泌されるだろうから、もう立たなくなっちゃうんだろうね」
 
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「ニューハーフさんで、女性ホルモンを飲んでる人って、女性ホルモン飲むのやめても、もう男性としての機能は回復しないらしいから、命(めい)もたぶんそういう状態になっちゃうよ」
 
「まあ、仕方ないね、それは」
「仕方ないって思えるんだね。やっぱり、命(めい)って実はおちんちん無くなってもいいとか、むしろ無くしたいって思ってない?」
 
「ちょっとだけ。女の子になりたいって気持ちは昔から少しあった」
「そんなのずっと前から分かってるよ。でも、命(めい)がおっぱい大きくなって、赤ちゃん産んで、おちんちんも取っちゃって女の子になっても、私は命(めい)の友だちだし、恋人でもあるからね。私、元々バイだし」
 
「もう、恋人でいいの?」
「取り敢えず今、彼氏がいないし。また他の男の子を見つけたらそちらを恋人にするよ。来年の2月までは」
「頑張るね」
「でもちゃんと命(めい)の妊娠のサポートもするからね」
「ありがとう。とりあえずこの子が生まれるまではサポートして欲しい」
「うん」
 
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僕たちは一度帰省し、僕が妊娠していること、そして出産までのサポートを理彩がするつもりであることを報告した。
 
僕と理彩の両親は驚いたものの、僕たちの考えを支持してくれて、いろいろ協力することも約束してくれた。そして僕は両親にも賛成してもらい、出産まで女装で暮らすことにした。男の格好をしている妊婦というのは、あまりにも奇異すぎる。幸いにも元々僕はふつうにしていても女に見えてしまうから女装での生活は好都合である。
 
女装での外出は高校時代までも理彩に乗せられてけっこう経験はしていたので、あまり戸惑いは無かった。実際高3の夏休みには予備校の講習を受けるため12日間にわたりフルタイム女装生活をしていたので、結果的にはあれがこの時期以降の生活の予行練習になった感もあった。結局、僕はこのあと一度も男装生活に戻ることは無かったのである。
 
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女子トイレは以前から結構使っていたし、高校時代など、男子の制服を着たまましばしば女子トイレに入っていて、それを見ても友人たちは何も言わなかったし、列が出来ている時は、前後の女子とあれこれおしゃべりしながら待っていた。理彩や春代など僕の手を取って「一緒にトイレに行こう」などと言って女子トイレに連れ込むこともあった。
 
理彩は「女の子生活にもっと慣れよう」などと言って、女性専用車両に乗せたり、女性専用の喫茶店に連れて行ったり、映画のレディースデイに行ったりした。女性だけにサービス品のつくランチでも、ちゃんとふたりともサービスのプリンをもらったが「でも高校時代に女装してなくても命(めい)って女性向けサービスをしてもらってたよね」などと言われた。
 
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更に理彩は僕をプールに連れて行き女子更衣室で着替えさせて(さすがに泳ぐ訳にはいかないので)ウォーキングをさせたり、更にはスーパー銭湯に連れて行って、女湯に一緒に入ったりもした。もっともプールは高校時代もしばしば女子更衣室で女子スクール水着に着替えて泳いでいたこともあったし、大学に入ってからも可愛い女の子水着を持って何度か行ったし、女湯も高3のゴールデンウィークの合宿の時に入っていたのを皮切りにその後何度か経験していたので、僕もそんなに緊張しなかった。
 
特にこの時期は少しバストが膨らんで来ていたので、女湯ではむしろ堂々としていることができた。
 

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この妊娠が発覚した時期、僕は家庭教師のアルバイトをしていた。高校3年生の女の子で、大阪市立大学の医学部を第一志望にしていたが、学校の先生から「絶対無理」と言われ、第二志望の近畿の某国立医科大でもE判定という状況であった(A:安全圏 B:ギリギリ C:頑張れ D:厳しい E:ほぼ無理)。こちらはついこないだまで受験勉強をしていたので、かなり等身大で接して教えることができた。
 
初日その家を訪問した時、僕は「あれ?女の子だったんだ」と思った。家庭教師の依頼はふつう、女生徒には女性講師、男子生徒には男性講師が依頼されることが多い。でもまあ何か縁があったのだろうと思って指導していたのだが、生徒からも、そのお母さんからも
「先生、まるで男の子みたいな服を着てる」
などと言われて、僕は『あれ?』と思ってしまった。
 
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もしかして、僕って女の子と思われて依頼されちゃった??
 
でも僕はその生徒にも、お母さんにも結構気に入ってもらえた気がしたので、次回行く時は、もっと中性っぽい服装にした。そして、そのうち妊娠が分かって完全女装生活に移行してしまってからは、このバイト先にも僕はふつうに女の子っぽい服で行くようになってしまった。すると、
 
「あら、今日は可愛い。先生、やはりそんな服装が似合いますよ」
などと言われるようになってしまった。
 
僕はちょっと面はゆい気もしたが、夏休み中、熱心にこの子の指導をして、即採点方式のネット模試で、目標にしていた某国立医科大で何とかC判定になるまでは学力向上させた。
 
しかしバイト先にも女の子の服で行くようになった結果、僕はもう男の子の服は全然着なくなってしまった。理彩は「もう男の子の服は要らないよねー」
などと言って、8月末には僕の男物の下着を全部捨ててしまったし、9月末には、ワイシャツや、どう見ても男物っぽいアウターなども古着屋さんに持って行き処分してしまったのであった。
 
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それで僕はもう女の子の服しか持っていない状況になった。
 

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Shinkon・理彩的見解(3)

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