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■神様のお陰・高2編(3)

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「命(めい)、お願いがあるの」と理彩は真剣な顔で言った。
「何?」
「セックスして欲しいの」
「・・・・・ごめん。避妊具の用意が無い」
「生でして欲しいの」
「それはまずいよ」
「ちょっと入れるだけでもいいの。これ実はおまじないなの。私を守って」
「理彩を守るのに、それが必要なの?」
「うん」
「分かった。じゃ、ちょっとだけね」
 
「私、裸になるね」
「じゃ、僕も」
ふたりは裸になり、ちょっと微笑んで一緒にベッドの中に潜り込んだ。命(めい)はタックも外した。
 
「命(めい)の足がすべすべで気持ちいい。女の子みたいで素敵」
「理彩ってバイだもんね」
「うん」
「じゃ、処女膜の前で停めるから」
「もっと深く入れてもいいよ。中出ししてもいいよ。今日は安全日だから」
「奥まで入れた方がいいの?」
「できたらその方が確実」
「じゃ入れるけど、射精しないうちに抜く」
「うん。それでいい」
 
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「時間掛けると、射精しやすくなっちゃうから、立ったらすぐ入れるから、セルフサービスで濡らしておいてもらえる」
「うん」
 
命(めい)は理彩が濡れるのを待ってから、自分のを立てた。そしてこのくらいの堅さなら行けるかなというところまで立ったところで、ゆっくりとインサートした。う、これ、気持ち良すぎる。出してしまいたくなる。でも、生で入れて中で放出するわけにはいかない。
 
「抜くよ」
「うん」
 
抜いたおちんちんに血がついている。今自分は理彩のバージンをもらっちゃったんだというのを認識した。
「痛くない?」
「大丈夫だよ。女の子はいつか体験することだから」
 
命(めい)は物凄く理彩のことが愛おしくなった。
「理彩」
と呼びかけると、その唇にキスをした。
 
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「ね、ふつうにセックスしちゃおうよ。今日は絶対大丈夫だから」
と理彩が言う。命(めい)はその誘惑に負けてしまった。
 
若い激情がふたりを動かしていった。やがて力尽きて並んで寝る姿勢になる。「ソーミーショーリョー」と理彩が言った。
「何それ?」と命(めい)が訊く。
「御守りのことば。少し寝ない?」
「うん」
 
命(めい)は初めての体験にかなり興奮していたのだが、理彩に身体をなでられていたら、いつの間にか眠ってしまった。
 

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命(めい)は目を覚ました時、今自分がどこにいるのか、よく分からなかった。が、すぐに理彩の部屋だということに気がつく。
 
「あれ、ごめん。眠っちゃってたみたい」と命(めい)が起き上がって言う。「おはよう」と学習机に座っていた理彩が笑顔で答える。
 
「あれ?僕、裸だ。なんでだろう?」
「ふふふ。私の悪戯」
「え、そうなの?」
 
理彩は命(めい)がさきほどのことを全然覚えてない風であるので、それで逆に自分に掛かってくるかも知れなかったものがキャンセルされたことを確信した。
 
祈年祭の踊りを引き受けた時、あの踊りを踊ると妊娠するという噂があることを思い出した。ただ、それをキャンセルする方法があり、それは踊りを踊ってから4月頃までの間に誰かと1回でも生でセックスすることだというのであった。
 
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「ただ、セックスした相手はそのことを覚えてないんだよねー」
と先輩の女子が言っていた。
「何それ?何度しても?」
「いや、1度だけ。2度目からは向こうも覚えてる。でも、それで妊娠すると大変。相手は覚えがないと主張するから」
 
「じゃ、自分の排卵周期を把握しておいて、安全日にすればいいのかな」
「安全日のつもりでも、セックスで排卵する場合もあるから、できちゃった時はできちゃった時だね。いつもしている相手なら、万一できた時も責任取ってくれるんじゃない?」
「なるほど」
 

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その日、目を覚ました命(めい)はちゃんと服を着て、ふつうに理彩とおしゃべりしながら勉強を続けた。服はもちろん女の子の服!である。最初に着たのとは別の服を理彩の見立てで着ていた。
 
ふつうにおしゃべりしながら、あれだけ気持ちいいことしたのに、命(めい)が覚えてないってのは寂しいなという気もした。あらためてセックスに誘ってしまおうかという気もする。今度は避妊具も用意して。。。。でも買うのちょっと恥ずかしいな。
 
「ん?どうしたの?」と命(めい)が訊いた。理彩が少し考え事をしているふうだったので、命(めい)が心配したのだが、まさかセックスしたいと思ってたとも言えない。
「うん。大丈夫。そうだ、これ命(めい)にあげるね」
 
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と言うと、理彩は机の引き出しから、ハートの形の箱に入ったチョコを取り出し命(めい)に渡した。
 
「わあ、バレンタイン!」
「へへ。私たち恋人じゃないけど、こういうのはいいよね」
「僕は理彩のこと好きだし、いつでも恋人になっていいけど」
「そのうちね」
「でもありがとう」
「うん」
 
命(めい)が本当に嬉しそうにしているのを見て、理彩は何か機会があったら、恋人になっちゃってもいいかな、という気もしてくるのであった。また西川君とのことは気にする必要もないということも確信した。命(めい)の心は全部自分のところにある。何と言っても実は1度身体の上でも結びついたんだからね。命(めい)が覚えてないのが残念だけど。
 
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理彩と命(めい)は高校3年になる時、進路を訊かれて「阪大」と答えた。直前に受けた模試で「お勧めの受験校」という欄に、各々の希望学部(理彩は医学部、命(めい)は理学部)で阪大と京大が表示されていたので「京都より大阪の方が好きかな」などと言って回答した。
 
その時点で、ふたりとも大阪大学・京都大学というのがどういう大学かよく分かっていなかった。「お前達ふたりとも、あと少し頑張ると東大の合格ラインも越えるぞ」と言われたが、ふたりとも「東京は遠いし」などと答えた。先生たちものんびりしていたが、生徒ものんびりしたものである。ちなみにこの高校から東大理1に合格した人が20年前に1人いたらしい。
 
しかしふたりが阪大を受けると聞いて、理彩のおじさんが「そんな上位校を受けるなら、ちゃんと受検勉強しなきゃだめだ」と言って、ゴールデン・ウィークに行なわれる塾の強化合宿にふたりで行って来いと言い、申し込みをしてくれた。(2011.04-05)
 
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それでふたりで出かけて行ったが、場所は兵庫県の山の中の温泉であった。そこの温泉ホテルが会場になっていた。朝7時から夜9時まで12時間コースで授業が行われる(昼食と夕食時に休憩。初日は13時から、最終日は12時まで)。これが4月29日から5月3日まで4泊5日という日程である。2日は平日なのだが、この合宿に参加する子はその日学校は休むことになる。(この年のゴールデンウィークは5月2日と6日が平日で、3日ずつの休み2つに分断されていた)
 
「自然の豊かなところでみっちり鍛えようということなんだって」
「でもここ、うちの村より開けてない?」
「同感」
 
などと言いながら、ふたりとも受付を済ませた。
「命(めい)は部屋はどこ?」
「えっと・・・712って書いてある。7階かな」
「・・・・」
「どうしたの?」
「私も712」
「え?」
「なんで同室なの?」
「取り敢えず行ってみようか」
 
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ということで行ってみると、7階のエレベータを降りた所で「このフロアは女性専用です。男性の立入はご遠慮下さい」と書いた立て札が立っている。
 
「えっと・・・僕どうしよう?」
「ああ、だいたい読めた。いいから部屋に行こうよ」
と言って、理彩は命(めい)の腕を取り、部屋まで行った。いちばん端の部屋で、目の前に自販機のコーナーがあるし、すぐそばに非常口がある。
 
「二人部屋だね」
「これってさ・・・・・」
「命(めい)は女の子と間違えられたってことね。一緒に申し込んだ女の子同士だから、同じ部屋にしてくれたんだね」
 
「でも、受付も通ったのに」
「命(めい)って、見た目が中性的だもん。名前も男女どちらでも通るし。まあ、いいんじゃない。この5日間は女の子で通しなよ。私は命(めい)と同室になれて嬉しいし。一緒の部屋で過ごすのは平気だよ」
「うん。僕も平気だし、理彩と一緒にいられるのは嬉しい。でもいいんだろうか」
「バレない、バレない。何ならスカートとか穿く?」
「遠慮しとく」
とは言ったものの、お風呂場で足の毛の処理をやらされて、しっかりスカートを穿かされ、下着も女の子の下着を付けさせられた。
 
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「でもなんで僕用の下着を理彩、持って来てたのさ?」
「それは命(めい)に女装させるつもりだったからに決まってるじゃん」
「なんか予定調和だなあ」
 

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やがて授業が始まるのでふたりで講義室に行った。同じ国立理系コースなのでふたりの受講日程は同じである。先生が何だか凄い昂揚したノリで驚く。周囲の受講生も黙々と勉強している感じだ。命(めい)も理彩もこういう雰囲気の中で勉強するのは初めてだったので、最初は少し戸惑うくらいであった。
 
けっこう当てられる。命(めい)は英文読解の文章の朗読を指名されたが、発音がきれいなのを褒められた。ラジオの英語講座を毎日聴いている成果である。英作文はあまりにもきれいに訳しすぎて「それが本当だけど、受検では不正解にされるから、こう訳して」と指導されたりするほどであった。
 
理彩も数学で数列の一般式を出す問題をホワイトボードの前まで呼ばれてから問題を出されたが、数秒考えただけで答えを導き出したので、褒められた。これらのことで、ふたりとも同じクラスになった子から、かなり注目された感じであった。
 
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「へー。ふたりとも奈良県から出て来たんだ?」
「うちのおじさんから、刺激になるから行って来いと言われて。うちの高校じゃ授業ものんびりしてるし、受験対策とか何も無いから」
「ああ。田舎の学校だとそうかもね」
「進路指導の先生、九州大学を私立で福岡大学を国立と思い込んでたよ」
「なんで?」
「だって関西大学や中部大学が私立で大阪大学や名古屋大学が国立だから、それとの類推」
「それはさすがにのんびりしすぎ」
 
何人かの女の子たちと仲良くなり、理彩も命(めい)も携帯のアドレスの交換をした。しかし誰も命(めい)が男の子であることには全然気付いていない雰囲気であった。
 

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17時から18時の間が夕食であったが、夕食を取る大広間にもずっと英語の放送が流されていた。どうもBBC製作のドラマのようである。
 
「えー?赤本・黒本を知らないの?」
「何か受験対策の本?」
「各大学やセンター試験の過去の入試問題をまとめた本だよ」
「そんな本があるんだ?」
理彩たちが、ほんとに受験対策をこれまで全然していなかった風なので、みんなが参考になる本、絶対やっておくべき参考書や問題集などを教えてくれた。こういう情報も田舎では全く入ってきていなかった。理彩はほんとにここに来て良かったと思った。
 
公式の類もあまり知らなかったのをかなり教えてもらった。元素記号の覚え方も理彩たちは「水兵離別僕の船(H He Li Be B C N O F Ne)」までしか知らなかったので、その先を教えてもらって「へー」と感心する。
 
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「なーに間があるシップはすぐ来らあ(Na Mg Al Si P S Cl Ar)だよ」
「その先は僕が覚えたのは切るかスコッチ馬喰(ばくろう)マン(K Ca Sc Ti V Cr Mn)、鉄のコルトに銅炎かげる(Fe Co Ni Cu Zn Ga Ge)明日は千秋楽(As Se Br Kr)」
「うーん。そのあたりになると、語呂合わせを元素記号に翻訳するのに難易度を感じる」
 
「貸そうかな。まあ・あてにすな、ひどすぎる借金、ってのもあるよ」
「何だっけ?」
「イオン化傾向だよ。K Ca Na Mg Al Zn Fe Ni Sn Pb H Cu Hg Ag Pt Au」
「面白ーい。初めて知った」
「あ、私が知ってるのはその前にリッチだな。って付いてる。リチウムだけど。リッチだな、貸りるかな(Li K Ca Na)、以下同文」
「貸そうかなという人と借りるかなという人がいるよね」
 
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