広告:僕が女装して弾いてみたらバレそうな件-IDコミックス-REXコミックス-真西-まり
[携帯Top] [文字サイズ]

■夏の日の想い出・花と眠る牛(4)

[*前p 0目次 8時間索引 #次p]
1  2  3  4  5  6  7  8 
前頁 次頁 時間索引目次

↓ ↑ Bottom Top

「で、おちんちん付けたの?」
 
「その時、私がおちんちん付けて男になっていたら、KARIONは女の子2人、男から女に変わった子、女から男に変わった子の4人組になってたのかな」
 
「かなりコンセプトの違うユニットになってるな」
「レインボー・フルート・バンズみたい」
「実際は4人とも生まれながらの女だからね」
「私、生まれた時は男だったけど」
「生まれた直後に性転換したんだから、女に生まれたのと同じ」
「なぜいつのまに、そういう話に・・・」
 
「でもおちんちん付けるってどうやるんだろ?」
「どこまで本当か知らないけど、近い内におちんちん取ることになっている子がいるから、その子からもらってくっつけるなんて話もあったみたい」
 
↓ ↑ Bottom Top

「あ、きっとそれが冬だ」
「それいつ頃?」
 
「小学6年の時」
「じゃ冬じゃないな」
 
「冬は小学5年生の時点で既に女の子の身体であったことが確定済だから」
と政子。
 
「そんなのいつ確定したのよ?」
と私は言った。
 
櫛紀香さんが思わず股間を押さえていた。
 

↓ ↑ Bottom Top

KARIONのシングル『四つの鐘』に封入されていた投票券によるKARIONベストアルバム構成曲を選ぶ投票は、この春のツアーの最中、5月1日にいったん中間結果が発表された。
 
ここまでKARIONが発表した曲はシングルとアルバム合わせて162曲ある。その中でベストアルバムに収録する予定の曲は13曲+KARION自身が選ぶ1曲であるが、投票上位24位までが発表された。
 
1.『雪うさぎたち』 2.『白猫のマンボ』 3.『アメノウズメ』 4.『海を渡りて君の元へ』 5.『水色のラブレター』 6.『星の海』 7.『秋風のサイクリング』 8.『あなたが遺した物』 9.『Crystal Tunes』 10.『僕の愛の全て』 11.『雪のフーガ』 12.『金色のペンダント』 13.『幸せな鐘の調べ』 14.『歌う花たち』 15.『Snow Squall in Summer』 16.『優視線』 17.『春風の告白』 18.『キャンドルライン』 19.『スノーファンタジー』 20.『愛の悪魔』 21.『FUTAMATA大作戦』 22.『ハーモニックリズム』 23.『食の喜び』 24.『コスモデート』
 
↓ ↑ Bottom Top

また、同時に投票券の入手方法の追加が発表された。
 
gSongs store, Artemis, Tabiya, Direct-CD, および★★チャンネルから、投票終了までの期間中KARIONのどのシングルまたはアルバムでも、まるごと購入した人に投票用IDが表示されることになったのである。
 
「とってもあからさまな何とか商法なんですけどー」
 
という声はネットで見かけられたものの、どのCDでも良いというのは比較的好意的に受け止められたようであった。実際には、初期のあまり売れていなかったCDや、極端に売れ行きが悪く、改訂版を出したことをアナウンスしなかったので結果的に買った人の少なかった『恋のブザービーター』などのダウンロードが多かったようである。またネットの反応を見ていると、gSongs storeで過去に買っていた人が、今年1月から営業開始した★★チャンネルに新規登録して再度ダウンロードしたりするケースもあったようである。
 
↓ ↑ Bottom Top

データ形式が gSongs store は 256K AAC, Artemis は256K mp3, Tabiyaは320K MP4, Dirct-CDは320K AAC, ★★チャンネルは 320K AAC/WMA/mp3選択方式 と各々形式が違うので、自分が過去にダウンロードしたのと違う形式のも取っておこうという人もあったようである。
 

↓ ↑ Bottom Top

ところで、私がローズクォーツのライブ冒頭に「ホログラフィ出演」したことが伝わると、ローズクォーツのチケットが売り切れた以外にも、もうひとつ波紋が起きていた。それが5月5日の日程である。この日、名古屋で、ローズクォーツ、ローズ+リリー、KARIONに加えて渡部賢一グランドオーケストラのコンサートもある。時間を見ると
 
13:00-15:00 KARION 名古屋チェリーホール(3000) 但しサイン会が-15:30
14:00-16:00 渡部賢一 名古屋市民ホール(2300)
18:30-20:30 ローズクォーツ 名古屋ドラゴンホール(1400)
19:00-21:00 ローズ+リリー 名古屋リリープラザ(5000)
 
となっている。KARIONのコンサート後のサイン会が終わっても、渡部賢一グランドオーケストラのコンサートはまだ30分残っている。ということは、それから駆け付ければオーケストラのアンコール付近には顔を出すことができるのではないか? という憶測をする人たちが出てきたのである。
 
↓ ↑ Bottom Top

「ホログラフィ出演じゃなくてリアル出演だったりして」
「4ホールとも名古屋市内だから移動可能ではある」
「しかしいくらなんでも1日に4つの公演に出るのは無茶では?」
「いや、ケイならあり得る」
 
渡部賢一グランドオーケストラは東京と大阪で2000席の会場を使用し、他の都市では1300-1700席の会場を使用していたのだが、名古屋だけ実は2300席もある会場を使っている。これは同じ日にローズクォーツがちょうどいいサイズのドラゴンホールを使っているので、仕方無く少し大きめのホールにしたのでここはチケットが結構余っていたのだが、この《ホログラフィ出演》の話が知られてから、ケイがここに顔を出すのでは?マリちゃんも来るかも?などと噂が噂を呼び、名古屋公演のチケットがこのあと数日で売り切れてしまった。
 
↓ ↑ Bottom Top

「お客さんの憶測を呼ぶというのは有効なセールス手法だね」
「何度もは使えませんけどね」
 
と私と町添さんは言い合った。
 

↓ ↑ Bottom Top

私は5月4日横浜エリーナでのローズ+リリーのライブが終わった後、政子と一緒に名古屋に新幹線で移動し、名古屋市内のホテルで泊まった。
 
そして5日朝、まだ寝てるという政子をホテルに放置し(ホテルのロビーで部屋の鍵を窓香に預け)、KARIONの公演が行われる名古屋チェリーホールに入った。
 
トラベリングベルズのメンバー、ピアニストの美野里、ヴァイオリニストの夢美、フルーティストの風花、グロッケンの敏、管楽器奏者の七美花らと共にリハーサルをする。
 
一息ついた所でゲストコーナーに出演するAPAKのメンバーがやってくる。彼女らは今回のツアーでは午後一番のKARIONのライブに出た後、夕方くらいにその会場近くのどこかのライブハウスで演奏するという、なかなかヘビーな営業をしている。
 
↓ ↑ Bottom Top

「でもKARIONライブに出ているおかげで、じわじわとCDが売れているんですよ。昨日の東京でとうとう1000枚越えましたし」
とギターのAkkoが言う。
 
「一週間ちょっとで1000枚売れたんなら上出来だね」
と私は言ったのだが
 
「あ、違います。APAK結成以来の累計で1000枚突破した所で」
とAkkoが頭を掻きながら訂正する。
「この一週間では300枚かな」
 
「いや、それでもめでたい」
「うん。私が昔入ってたアイドルグループなんて2年掛けて50枚だったよ。APAKと同じ横浜レコード」
と小風が言うと
 
「私が入ってたユニットは2年で3000枚くらいだったかな。こちらも横浜レコード」
と美空が言うので
 
「それは大ヒット!」
と和泉と小風が言う。
 
↓ ↑ Bottom Top

「インディーズでそんなに売れたら、普通メジャーデビューの話が来ない?」
「DRKというユニットだったんだけどね。メンバーが高校卒業して、バラバラになるから解散したんだよ」
「へー」
 
「それにメンバーの大半が在籍していた学校が進学校でバイト禁止だったんだよね。でもインディーズなら趣味の範囲ということで学校が許可してくれていたんだ。だからどっちみちメジャーの可能性は無かった」
 
「あれ? それって、美空のお姉さんのバンドじゃなくて?」
 
「姉ちゃんのバンドはまだ続いてるよ。今は私の代わりのベーシスト入れてるから、私はもう関わってないけどね。DRKのほうは中学3年から高校1年の頃にやってたんだよ。KARIONに入るから脱退したんだよね」
 
↓ ↑ Bottom Top

「そんなことしてたのか」
「全然知らなかった」
「というか、初めて聞いた」
「いや、私が抜けた後も、CDが売れ続けていて印税もらってたから、言ったらやばいかなと思って黙ってた。そろそろ時効かなと思って」
 
「うーん。それは過去のCDだから、契約上問題無いと思うよ」
と私は言った。
 
花恋も
「私も問題無いと思います。社長も気にしないと思いますよ」
と言った。
 
「でもそれ1度社長に言っておいた方がいい」
と和泉は言う。
 

↓ ↑ Bottom Top

「実を言うとね」
と美空が切り出す。
 
「そのユニット、実は私が参加した最後の録音をKARIONの契約が発効した直前2007年12月15日にやってるんだよね」
「うむむ」
「なんて微妙な」
 
「KARIONの契約は確かに12月17日から有効」
「でもその前に音源製作やってるし、プロモーションライブもしてるし」
 
「一応違反にはならないはず。でもそれも含めて一度社長に言っといた方がいい」
と和泉。
 
「やはりそうかなー」
 
「私も付いててあげるからさ」
と和泉は言った。
「私もね」
と小風。
「私も付いてるよ。それに私自身、似たような論理でローズ+リリーの契約発効前の日付でKARIONの録音やったし」
 
「ああ、そういうのやったねー」
 
↓ ↑ Bottom Top


やがてKARIONの公演が始まる。
 
今回のツアーでは各公演の進行は全く同じである。初日と同様に最初は鐘の中に隠れていて、3人だけが並んでいる状態からスタートする。それで点呼して声は4つなのに姿が3人しか見えないという話になり、小風が鐘を撞いて私が姿を現す。
 
ライブの様子は先の公演を見た人たちがたくさんブログやmixi日記などに書いているので、とっくにネタバレしているのだが、みんな「お約束の展開」を楽しんでくれた。ただアンコールなどで話すMCの内容は毎日考えて話しているのでネタを考えるのが大変だった。美空は専らその土地の食べ物の話をしていた。
 
15:00少し過ぎた所でライブが終わり、この会場では入場者3000人の中から抽選で120人にサインを書いた。これが15:40頃に終了した。
 
↓ ↑ Bottom Top

ロビーにいるファンに手を振って楽屋に下がる。そして私はそのまま裏口に行き、ライダースーツを着て手袋をし、ヘルメットをかぶって、そこで待機してくれていた★★レコードの染宮さんという人のバイク(ハーレーだ!)のタンデムシートに座り、しっかり抱きつく。
 
「じゃ、行くよ」
ということで出発。
 
KARIONの公演会場チェリーホールから、渡部賢一グランドオーケストラの公演会場名古屋市民ホールまでは2.6kmある。これをバイクで走ると7-8分で着く。この染宮さんはオートバイの国際ライセンスを持っている人で、今回の移動で万が一にも事故があったら大変ということで、町添さんが指名して私を運んでくれることになったのであった。
 
↓ ↑ Bottom Top

「町添部長から、万一事故起こしたら★★レコードが倒産するからなんて言われましたけど、私は20年間無事故無違反ですから」
と染宮さんが言う。
 
「わあ、凄いですね。私も一応無事故無違反だけど、免許取って4年半だからまだブルーなんですよね。KARIONのリーダーの和泉は原付と小特を16歳で取っていたので既にゴールド免許なんですけど」
 
「小特って、フルビッター狙い?」
「ですです」
 
「私もフルビッター目指してたんですけどね」
「ああ、中型免許創設で、その時点で普通免許持っている人はフルビッターになれなくなっちゃいましたね」
「悔しかったですよー」
 
「私の親戚にもそう言ってた人がいました」
 
「でもゴールド免許維持したいですね。スピード1割上げても到着時刻は1%も変わりませんから、速度遵守がいいですよ」
と染宮さんは言う。
 
↓ ↑ Bottom Top

「ええ。私も交通法規遵守の誓約書を事務所に出してますから。AYAなんかは免許取ってすぐの頃にお尻を壁にぶつけて、事務所に免許取り上げられちゃったらしいですけど」
 
「あはは。初心者の内はその程度やりますけどね。でもAYAちゃん凄いですね。思わずあの写真集買っちゃいましたよ」
「いや、私もよくやるなと思いました」
 
 
↓ ↑ Bottom Top

前頁 次頁 時間索引目次

[*前p 0目次 8時間索引 #次p]
1  2  3  4  5  6  7  8 
夏の日の想い出・花と眠る牛(4)

広告:【Amazon-co-jp限定】アニメ「Back-Street-Girls-ゴクドルズ-」-DVD-BOX-アニメ描き下ろしゴクドルズ応援フラッグ