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■夏の日の想い出・ふたりの結婚式(3)

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政子の結婚式は2025年9月14(日)大安に行われた。新婦側の参列者は3月の私の結婚式の時とほぼ同じである。やはりミュージシャンが多いので、披露宴の余興は、今回富士宮ノエルとスターキッズだけにしてもらい、他は二次会で演奏してもらうことにした。また、今度も上島先生ご夫妻が媒酌人を買って出てくれた。
 
「でも同じ年に結婚するなんて、ほんとにケイちゃん・マリちゃんは仲が良いね」
と上島先生も言う。
「あ、それ町添社長からも言われました」
と私たちは言った。
 
「でも子供7人育ててるって凄いね。創作活動の方もフル回転なのに。うちは子供2人でも、てんてこ舞いだよ」
「子供3人目くらいからは、もう増えてもどうにでもなる気になってきました」
と政子。
 
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「でも、先生の所のお子さんふたりが、うちのあやめ・かえでと同い年ですね。今いちばん可愛いさかりでしょ?」
「うん。上の4人は、僕自身あまり子供の顔を見に行ってやれなかったから、やはり家の中に子供がいるというのは、いいね」
と言う先生は、ふつうの父親の顔になっていた。
 
披露宴での「友人代表」のスピーチは政子の友人代表は私、貴昭の友人代表は正望がしたが、みんなから『3月の式でもそうだったけど、おまえら友人というより家族じゃん』と言われた。
 
新郎新婦への花束贈呈は、今回は紗緒里・安貴穂の姉妹にやらせた。娘2人から花束を受け取り、貴昭は感動して涙を流していた。
 

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貴昭が涙を流してるのを見て、唐突に政子が叫んだ。
「冬〜! 歌おうよ」
 
「新婦が歌うの?」と私は笑顔で尋ねる。
「感動したら歌うんだよ。冬、ピアノ弾いてよ」
「OK」
と私は返事したが、ちょっと思い直して
「あやめに弾かせていい?」と訊いた。
 
「うん。いいよ」と言うので、私は披露宴会場のドアを開けて、そこで弟や姉妹たちと遊んでいたあやめに声を掛けた。
 
「あやめ、ちょっと来てピアノ弾いて」
「いいよ。何弾けばいいの?」
 
「こないだから練習してたでしょ? カノン」
「おっけー」
 
あやめが披露宴会場に入り、ピアノの前に座ると、パッヘルベルのカノンを小さな指で弾き始める。私は政子の右に立ち(政子が貴昭の右にいるので)、一緒に歌い始めた。
 
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「バラの香り、秘密の園、深き愛、優しい声」
「ユリの花の、白き思い、甘い囁き、熱い思い」
 
私の歌と政子の歌がまさにカノン(追いかけっこ)をしていく。
 
「永久(とわ)の愛を誓った時から、ふたりの心は天を駈けて」
「遥か時空の遠き果てまで、共に喜び共に楽しみ」
 
そう歌いながら、私は政子の手と貴昭の手を重ねてあげた。ふたりが微笑んで見つめ合っている。そして、私と政子の歌は愛を祝福していく。
 
あやめの指が、ソミファ・ソミファ・ソ・ソラシドレファ、というカノンの和音を奏でて行く。私と政子の声が調和して、天に響くような感覚であった。
 

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披露宴が終わり、二次会が始まる前、ロビーで私が子供たちの様々な「報告」
を聞いていたら、肩をトントンする人がいる。振り返ると、KARIONの和泉だった。
 
「素敵な披露宴だったね」
「ありがとう」
「春の披露宴の時も思ったけどさ」
「うん?」
「表面的には、冬と彼氏、政子ちゃんと彼氏の各々の披露宴なのに、何だか冬と政子ちゃんの披露宴でもあるかのようだった」
「あはは」
 
「そしてさ、KARIONが、どうしてもローズ+リリーや XANFUS を越えられない理由(わけ)が分かった気がした。さっきのカノン聴いて」と和泉。
「へ?」
 
「だって3人じゃ結婚できないもん」
「えっと・・・・・」
 
「XANFUSのふたりは堂々と結婚式挙げちゃったからね」
「まあ30すぎたらレコード会社も文句言わないから」と私も笑って答える。
 
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「マリとケイは・・・・かなり以前に既に結婚済みだしね」
「ふふふ」
「やはりね・・・あの歌、重婚宣言なのね?」
「カノンって三重奏だからね」
「意味深だなあ」
 
「だから、3Pって手もあるかもよ」
「そっかぁ。そういう道もあることはあるか?」
「男の子も入れて6Pとか」
「うっ。それ、やってみたい!」
と言って、和泉は楽しそうに笑った。
 

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二次会の席上で、多数のアーティストが演奏してくれていた時、★★レコードの町添社長が寄ってきて、小さい声で言った。
 
「披露宴で、あやめちゃん、堂々と弾いてたね」
「子供だから、緊張するってのを知らないんですよ」
「ピアノ凄くうまいし。7歳?」
「まだ6歳です。2月で7歳になります。ピアノとヴァイオリンとフルートを3歳の時から習わせていますが」
 
「僕ね、60歳になったら会長に退いて、誰か若い人にでも社長は任せようかと思ってたんだけど気が変わった」
「まだ引退には早いですよ」
「あやめちゃんがデビューするまでは頑張るよ」
「ありがとうございます。須藤も同じことを言ってました」
 
町添さんは頷いた。
 
「でさ、ちょっとちょっと」と言って、町添さんは私の耳に直接口を付けるようにして、ささやいた。
「あやめちゃんのお父さんって、まさかケイちゃん?」
と訊いた。
 
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「ええ、そうです。妹のかえでもです」
と言って、私はにこやかに微笑んだ。町添さんが口の硬い人と分かっているから、私はこの人には何も隠さない。
 
「そうだったのか! じゃ、かえでちゃんがデビューするまで頑張る」
「社長、まだまだ現役プロデューサーできますよ」
「そうだなあ。誰かのプロデュースしてみるかな」
 

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「ママとパパの結婚式も素敵だったけど、お母ちゃんとお父ちゃんの結婚式も素敵だったね」
と家に帰ってから夏絵は言った。
 
「ありがとう」
「あやめから聞いたけど、ママとお母ちゃんも結婚してるんでしょ?」
「そうだよ」
 
「じゃ、あとはパパとお父ちゃんが結婚すると完璧かな?」
「いや、それはしないと思うよ」
 
「男の人同士では結婚できないの? それなら、パパが女の人になっちゃえばいいかも。ママも昔、男の人だったのに手術して女の人になったんだよね」
「そうだよ。でもパパは別に女の人になりたいとは思わないと思うよ」
「ふーん。何だか難しい」
 
「まあ、女の人になる手術を受けなくても、男の人同士で結婚する人はいるけど、別にパパとお父ちゃんは愛し合ってはいないから」
「嫌いなの?」
「そんなことないよ。ただのお友だち」
「ああ、お友だちか!」
と言って、夏絵は何となく納得したようであった。
 
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「しかしさあ、あやめも、夏絵も、『パパ女の人にならないの?』とか訊いたけど、なんでだろうね?」
と私は、うちに遊びにきていた奈緒の前で自分に問いかけるように言った。
 
「面白いね。正望さんより、貴昭さんの方が、むしろ女性的な感じなのに」
「正望はたぶん・・・・女装癖とかは無いよね?」
「さあね。隠してるのかもよ、冬には」と奈緒は言った。
「うーん・・・・」
「女装していることを隠すことについては、冬こそ天才的だったけどね」
「うむむ・・・」
 

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政子は新婚旅行から戻って来たあと、貴昭の家の方に住むのだろうと思っていたのだが(貴昭の家はうちから100mも離れていない)・・・・ずっとこちらの家にいるので、訊いてみた。
 
「ね、向こうの家に行かなくてもいいの?」
「うん。私の家はここだもん」
「でも結婚したのに」
「冬だって、結婚してもここにそのまま住んでるじゃん」
「う・・・」
「それにここにいないと、私、御飯食べられないもん」
「うむむ」
 
もちろん御飯を作るのは私の仕事である。これだけの人数の御飯を作っていると、もう食堂のおばちゃんの気分であるが。(私が仕事で不在の時は政子の母やうちの母が頑張って作ってくれる)
 
そういう訳で、政子と貴昭の方も、結婚したからといって今までと何かが変わるわけでもなく、これまで通り、貴昭の「通い婚」の状態のまま続いていくことになる。
 
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この年、私と政子がそれぞれ結婚したことで、うちの家の住人の苗字はかなりややこしいことになった。
 
私と正望は木原姓、政子と貴昭は松山姓である。7人の子供のうち、元々貴昭の子供である紗緒里と安貴穂が松山姓、私が養子にしていたあやめ・大輝・かえで・博史の4人は唐本姓、そして夏絵は政子の養子なので中田姓である。
 
博史に関しては私が養子にせずに、政子と貴昭が結婚した上で、ふたりの養子にしたら?と言ったのだが、政子は「私が産んだ子はみんな冬の子供でもあるのだから養子にして欲しい」と言ったし、貴昭も苗字は気にしないというので養子にした(博史は政子が妊娠中に貴昭が胎児認知しているので法的には私と政子と貴昭の3人の子供になる)。
 
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そういう訳で「母親2人・父親2人・子供7人」の変則家庭は、子供の苗字も唐本・中田・松山という3つの姓が入り乱れることになった。
 
夏絵が中田の苗字のままになったことは、政子のお父さんにはちょっと嬉しいようであった。政子が産んだ子供を、大学生時代の約束通り、私が養子にしたのは、「まあ、冬子さんと政子は結婚しているようなものですしね」と言って受け入れてくれたものの、中田姓の子供がいないのを少し寂しく思っていたようでもあったので、その中で中田姓を名乗る夏絵の存在は政子のお父さんにとっては、大きなもののようである。
 
政子のお母さんは
「どうせお嫁に行けば、そっちの苗字名乗るのに」
などと言っていたが。
 
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「木原姓の子供がいなくてごめんなさい」と私は正望の母・美代さんに言ったのだが、
「うちの家は代々、血がつながっていかない家庭だから、問題無いよ」
などと美代さんは言っていた。
 
美代さん自体が養子であの家に入ったのだが、そもそも美代さんの養母も養子だった。そして正望は美代さんの夫が他の女性との間に作った子供(美代さんの養子になっている)というややこしい関係で、それ故に、美代さんは私みたいな変な嫁も受け入れてくれたのだろう。
 
政子は正望に「人工授精でなら、正望さんの子供、私が冬の代わりに産んでもいいよ」と言っていたのだが、正望は
「子供が7人もいるのに、また更に作らなくてもいいよ」
と笑って言っていった。
 
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ところが、そんなことを言っていたら、ある日うちに来ていた麻央が
「政子、仕事忙しいだろうし。私が産もうか?」
と言い出した。
 
「だって政子がまた妊娠したら、須藤さんの白髪がますます増えるよ」と麻央。
「ああ、確かに」
 
「私、もうひとりくらい産みたい気分だったのよね。でもさすがに4人育てる自信無いし。産んだだけで、あと冬が育ててくれるんなら、産んでもいいな」
 
「まあ確かに7人育てるのも8人育てるのも大差無い気はする」と私。
「なんかもう大家族スペシャルの世界になりつつあるもんね」と政子。
 
「何なら人工授精じゃなくて、生でやってもいいよ」と麻央。
「いや、それはさすがにまずすぎるよ」と正望は言ったが
「あ、私は麻央がモッチーと寝るのなら別に嫉妬しないよ」
と私は言い、麻央の夫・敏春までも
 
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「ああ、木原になら、麻央を一晩貸してもいいよ」などと言うので、正望も「えーっと・・・・」と迷うような表情をする。
 
「ね、正望さん、冬のヴァギナしか経験したことないよね?人工女じゃなくて天然女のヴァギナも1度経験してみない?」などと麻央。
「いや、それは・・・」と焦る正望。
 
「人工と天然って、差が分かるものなのかな?」と敏春。
「上島先生は人工ヴァギナの女の人とも何人かやったことあるらしいけど、差異は無いって言ってたね。個人差の範疇だって」と私。
「へー。さすが浮気の鉄人」
 
「ね、冬、もういっそ正望さんの精液搾り取って持っといでよ。私、子宮に入れちゃうから」と麻央。
 
「ほんとにやっちゃおうかな」
「ちょっと待ってくれー」
 
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■夏の日の想い出・ふたりの結婚式(3)

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