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■夏の日の想い出・あの子は誰? who's that girl(2)

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タカが録画した動画をパソコンで再生する。どこかの大学教授とかいう人が出ていて、ローズ+リリーの声をホルマント分析した結果などを説明している。
 
「そういう訳で、基本的には10代の女性の声というのは間違いありませんが」
と教授は断言した。
 
「凄いね。断言しちゃってるよ」とタカ。
「まあ、男の子の声という可能性を考えてもみなかったのかもね」
「ふつう、ケイちゃんの声聴いて男の子の声とは思わないから」
「うん。あれ聴いた時に最初から男の子の声と思ったってのは、知り合いにふたりいるけど、どちらもMTFだからね」
「ああ」
 
(ふたりというのは和実と青葉)
 

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教授は説明を続ける。
 
「まずはメロディーを歌っている中性的な声。これがやはりケイちゃんの魅力ですよね。『遙かな夢』ではケイちゃんのもうひとつの声が聴けるのですが、たぶんこちらが本来のケイちゃんの声で、中性的な声は低い音域を出すのに特殊な発声法で作っている声ではないかと思います。ホルマントを見てみると、この中性的な声では倍音成分が少なくて、ちょっと人工的っぽいんです。ソプラノボイスの方は、ごく自然ですね」
 

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「そうなの?」とタカが訊く。
「確かに中性ボイスってのは、日常会話用に小学4〜5年生の時に作った声だよ。当時、声変わりが始まったものの男の子の声は使いたくなかったし、といって女の子の声を使うのはまだ恥ずかしかったから。でも『遙かな夢』のハイトーンを歌っているのはソプラノじゃなくて、アルトボイスで、本当のソプラノボイスは翌年1月に出した『涙の影』で披露したものなんだけどね」
 
「ああ。でもまだこの時点では『涙の影』は出てないからね」
「たしかに」
 

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動画の中の解説者は更に説明を続ける。
 
「しかしこの中性的な声にしてもソプラノボイスにしても、どちらも音程とリズムが極めて正確で、本来の位置から全くずれていません。まるで機械で出しているかのような歌で。それで、このふたつはひょっとしたらボカロイドではないかと考えてみたんです」
「ああ、それなら納得できますね」
 
「だとすると、実はマリちゃんの声というのだけが、生の声で、ローズ+リリーというのは実は実質ひとりで、あと1〜2個の声はボカロイドである可能性もあるわけですか?」
「そうです、そうです。つまり新開発のボカロイドがどのくらい本物の歌手の声と思ってもらえるかの市場テストをしているのではないかと?」
 
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「でも、もしかしたらマリちゃんの声もボカロイドなのかも知れません。わざと音程やリズムを外して、それで人間っぽさを表現しているのかも」
「ああ、それは考えられますね」
 
「数ヶ月後には新ボカロイド《ローズ+リリー》なんてのが発売されるかも知れませんね」
 

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「マリちゃんの歌、無茶苦茶言われてるなあ」
「うふふ」
「いっそケイちゃんのボカロイドでも作ってみる?」とタカ。
「面白いかもね」と私は答える。
 
タカはまた別の動画を再生する。
 

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さっきのとは別のワイドショーからの録画のようである。
 
「これだけ騒がれているのに、正体が不明というので、誰かの覆面なのではという説もありますよね」
 
「KARION説というのはありましたよね。声質がやはり中高生の女性という感じなのですよね」
「でもKARIONは3人ですよ」
 
「『遙かな夢』は3つの声が聞こえますよね。低音部で三度唱しているのがマリちゃんと、ケイちゃんの低い方の声、高音のオブリガートを歌っているのがケイちゃんの高い方の声、とレコード会社からは説明があったのですが、実はこれが別の人の声で、聞いたら素直に思うように3人で歌っているのではないかとも考えられる訳です」
「なるほど」
 
「でもKARIONとは声が違いますよ」
「そこは声色なのか、あるいは少し電気的に加工したのか」
「ああ」
「マリちゃんの声ってKARIONの、こかぜちゃんの声に少し似てる気がするのですよ。あとふたつの声は、みそらちゃん・いづみちゃんの声と結構違いますが、あるいはオートチューンとかで加工したのかも。それで副作用として凄く正確な音程になっている可能性もあります」
「なるほどですね」
 
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「KARIONは、デビュー以来木ノ下大吉さんから楽曲を提供されていますね。でもまだ5万枚を超えるヒットが出てない。それで今回、彼女らの新たな可能性を探るために、上島雷太から楽曲をもらって変名を使って出してみたのでは、と」
「ああ、面白い推察ですね」
 

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「それで今日また別の説が浮上したということで、それを説明して頂けますか?」
 
「はい、それが新エピメタリズム説というものなんです」
「エピメタリズムというと、去年の春に解散しましたよね」
「そうなんですが、ちょうど、ローズ+リリーというのは、エピメタリズムと同世代なんですよ」
「ああ」
 
「この説が出てきたのは、マネージャーさんからなんです。ローズ+リリーのマネージャーさんは、はらちえみといって、昔サンデーシスターズにいた人なのですが、エピメタリズムでも途中から、この人がマネージャーをしていたのですよね」
「ほほお」
 
「エピメタリズムは、元々、恵通子・比輪子・芽依子・多毬子の4人で2004年に結成されたのですが、まもなく芽依子ちゃんが不祥事を起こしまして」
「お酒飲んでるところが、パッチリ写真に撮られていたんでしたね」
「それで、解雇されちゃったわけで、その時、マネージャーも同時に責任を問われて辞職に追い込まれまして」
「あの時はけっこうな騒動でした」
 
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「それで、以前ビリーブのマネージャーをしていて、その時ノートラブルだった、はらちえみさんが新しくマネージャーとして付いたんです」
「ビリーブとはまた懐かしいですね」
「ビリーブは2000年から2003年まで活動しました。ふたりとも現在は女優さんとして活躍していますね」
 
「はらちえみさんは、自身がアイドル出身なので、押さえつけられたり束縛されると、反発するという、この世代の特徴をよく分かっているんですね。ですからポイントだけ締めて、ルールは決めるけど自主性に任せるという主義なんですよ。それで、エピメタリズムの子たちにも慕われていたようですね」
 
「なるほど。酒飲むなとか男と付き合うなと言われていつも厳しく監視されてたら反発して監視の目をかいくぐって、デートしてみたりこっそり飲んでみたくなるけど、あんたらの自主性に任せるけど、彼氏作るとファンに嘆かれるよとかまだ飲酒できない年齢だからね、などと優しく言われたら、ちゃんとしなくちゃかな、と思う訳ですね」
「そんな感じです」
 
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「それでエピメタリズムの方も新メンバーに朱慶美ちゃんを加えて活動再開した訳ですが」
「この時《め》で始まる子じゃないんですね?なんて言われましたね」
「ええ、そもそも恵通子・比輪子・芽依子・多毬子の頭文字をとってエヒメタでしたからね」
「Akemi の中に me が入ってます、なんて苦しい説明してましたが」
 
「まあ、それでその後は、ノートラブルで2007年春まで約2年半新エピメタリズムは活動しました。それで、その後の4人の動向なのですが」
 
と言って、レポーターさんがパネルを用意する。4人の顔写真が出ていて、1枚ずつ、横の紙を剥がしていく。
 
「リーダーの恵通子ちゃんは現在、両親とともにフランスで暮らしています。そもそも恵通子ちゃんのお父さんが海外転勤になるので、それに付いて行くため辞めたいと言ったのが、エピメタリズム解散のきっかけとなったんですよね」
 
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「やはり、恵通子ちゃんの代わりのメンバーを入れて継続、という訳にはいかなかったんでしょうねぇ」
「4人の年齢的な問題もあったと思います。当時高校2年生でしたから、大学進学を考えて、勉強に集中したいという雰囲気もあったようで」
 
「比輪子ちゃんだけですね。進学の意志が無かったのは」
「比輪子ちゃんは、しばらくモデルなどとして活動した後、ギャラクシアン・ガールズに入りましたね」
「ええ。今はそちらで現役活躍中です」
 
「解雇された芽依子ちゃんの動向はつかんでますか?」
「あの事件のあと消息がつかめなかったのですが、どうも現在アメリカ在住のようです」
「はあ」
 
「それで、残るのが朱慶美ちゃん・多毬子ちゃんなのですが、ふたりとも現在は芸能活動はしていません。ふつうの高校生をしています」
「高校3年生ですよね?」
「そうです。インタビューを試みたのですが、受験で忙しいということで、遠慮して欲しいという申し入れがありました」
「ふんふん」
 
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「それでですね、朱慶美ちゃんの名前の文字の中に《慶》、多毬子ちゃんの名前の中に《毬》があるのですよね」
「おお!!!」
 
「朱慶美ちゃんって、物凄く歌唱力がありましたよね」
「そうそう。ローズ+リリーのケイちゃんもうまいですからね。実際問題として、朱慶美ちゃんはリーダーでメインボーカルの恵通子ちゃんよりうまいのでは、と言われていました。だからエピメタリズムのファンの大半は恵通子派と朱慶美派に別れていましたね」
 
「でも朱慶美ちゃんってのが凄く控えめな性格で、いつも恵通子ちゃんを立てていたんですよね」
「ええ。それでこのグループは崩壊せずにもっていたんですよね。でもやはり内心、恵通子ちゃんはかなりの対抗心持っていた感じで、結局自分で辞めると言い出したのも、そこに遠因があるのではという説も随分ありました」
 
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「実は当時、恵通子ちゃんが辞めたら、朱慶美ちゃんをメインボーカルにして補充メンバー誰か入れればいいのではという意見もあったらしいのですが、朱慶美ちゃんが、自分はエピメタリズムのメインにはならないと言って結局解散が決まったみたいで。実際継承してたら恵通子派のファンが猛反発したでしょうけどね」
「ああ」
 
「まあ、そういう訳で、ほとぼりが冷めるまで1年ほど待って、新しいユニットを稼働させたのではないかと。『エピメタのメイン』はしないと言うのだから、別のユニットにすればいいわけで。それで敢えて事務所も元の○○プロではなく協力会社の△△社にしたのではないかと。はらちえみさんは、エピメタ解散後すぐに△△社に移っているのですよ。それで再デビューに向けて準備し始めていたのかも知れません」
 
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「それなら、インディーズでの実績も無かった弱小プロダクションの無名の新人がいきなり売れっ子作家の上島雷太から曲をもらったというのも納得いきますよね」
「エピメタは最高で2万枚のヒット出してますから、実績としては充分ですもんね」
 
「ということで、ローズ+リリーのケイちゃんは実は朱慶美ちゃんで、マリちゃんというのは実は多毬子ちゃんではないか、というのが新しく出てきた説なんです」
「面白いですね」
 
「ローズ+リリーも事務所に照会してみたら、リーダーはマリちゃんらしいのですよ。普通ならメインボーカル取っててライブではMCもしてるケイちゃんがリーダーで良さそうなのに、そうしてないのはケイちゃんの控えめな性格というのが感じられて、それが朱慶美ちゃんの控えめな性格と通じる気もするんです」
 
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「ローズ+リリーがテレビなどに出てこないのも、受験勉強中で、忙しいので時間拘束の長いテレビを嫌っているのかも知れないですね」
「はい、それも考えられます」
 
「でも、エピメタリズムの縁があるので、はらちえみさんがマネージャーをしている、と」
「そうです、そうです」
 

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「そういえば、ローズ+リリーのリーダーってどうやって決めたの?」
とタカが訊いた。
「ああ。じゃんけんだよ」と私は答える。
「おっと!」
 
「私と政子でじゃんけんすると、8割くらい、政子が勝つんだけどね」
「冬ちゃんがじゃんけんに弱いんじゃない?」
「うん。そうかも知れない」
 
「でも、朱慶美ちゃん・多毬子ちゃんって、別に芸能活動してないよね、今でも」
「うんうん。エピメタリズム解散とともに完全に引退したみたいね」
「騒がれて迷惑だったろうなあ」
「ほんとほんと」
 

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