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■夏の日の想い出・歌を紡ぐ人たち(2)

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数ヶ月後、私が実は戸籍上男であったことが写真週刊誌の報道で明らかになり、それがきっかけで、私たちがきちんと「親権者が承諾した」マネジメント契約書を交わしていないことが明らかになったことで、私たちは活動停止に追い込まれてしまった。
 
私たちは当時人気急上昇中で、様々なイベントへの出演の予定が入っていたし、全国ツアーの予定などもあったが、それが全部吹き飛んでしまった。取り敢えず目前に迫っていたクリスマスライブには、同じ事務所の後輩ピューリーズが出演することになった。
 
しかしまだメジャーデビューもしていないピューリーズではとても私たちの代替全ては務められなかった。
 
私は当時、家から外に出ることもできなかったし、使っていた携帯を父に取り上げられてしまって、どことも連絡が取れなかったが、深夜姉の部屋に行き、姉に頼み込んで携帯を借り、町添さんの携帯に掛けた。(私の携帯のアドレス帳は父が初期化してしまったが、実はパソコンにバックアップを取っていたので番号は分かった)
 
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「夜分恐れ入ります。ご迷惑お掛けしております。ローズ+リリーのケイです」
「ケイちゃん! 今どこか遠くに行ってるの? 親戚の家にでも避難してるんじゃないかとか報道が言ってたけど」
 
「いえ。自宅で親から軟禁状態です」
「ああ、自宅か。それが一番安心できるかもね」
 
「それで、私たちが動けなくなって、かなりあちこちにご迷惑掛けてるんじゃないかと思って」
「うん。実は、様々なイベントで、君たちが出演するはずだったものに誰を出すか悩んでる」
 
「もし良かったら XANFUS 使ってもらえないでしょうか?同じ2人組ですし」
「ああ。そんな子たちがいたね!」
 

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「彼女たちと私たち偶然にもイベント会場などで何度か鉢合わせてしていて彼女たちの歌を聴いてますが、うまいんですよ。売れてないのが本当に惜しいと思ってて」
「へー。そんなにうまい?」
 
「ええ。私たちとはちょっとタイプが違って。かなり激しいダンスをしながら歌うので、マウスシンクを多用してますが、実は生で歌ってもかなりうまいんです」
「ほほお。ちょっと僕も彼女たちの歌を少し聴いてみるかな」
「よろしくお願いします」
 
「XANFUSと仲良しなの?」
「はい。会えばお互いハグしあって、友情を確認しあっています」
「へー。女の子同士の気安さだね。あ、ごめん。君男の子だったんだよね?」
 
「あ、いえ。私は自分では女の子のつもりなので」
「そうだよね? その言葉聞いて、ちょっと安心した」
「済みません。混乱を生じるような状態で」
 
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「ここだけの話、身体とかいじってるの? どうにも君が男の子だなんて信じられなくて」
「町添部長は口が硬そうなのでお話しします。手術とかはしてません。でも、マリにも親にも言ってませんが、女性ホルモンは実は6年くらいやってます」
 
「なるほど。それゆえのその声か」
「ええ。声変わりは一応来たのですが、かなり軽く済みました。二次性徴もむしろ女性的に発現したし。おかげで友人からは触った感触が女の子みたいとか言われますけど」
 
「君、凄いハイトーンの声も持ってるもんね。今月末発売予定だったCDの中の『涙の影』は完全にソプラノだし」
「ええ。あまり公開してませんが。実はあの声より更に上の声も持ってます」
「そうなの? ぜひそれ一度聞きたいなあ」
 
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「では、ほとぼりが冷めた頃に」
「うんうん。ね、ひとつだけ聞かせて。ほとぼりが冷めたら、また歌手活動する気ある?」
 
「ぜひまたしたいです」と私は即答した。
「うん。それを僕も楽しみにしてるよ」と町添さんは楽しそうに言った。
 
このことばが思えばその後のローズ+リリーの運命を決めたと言ってもよいかも知れない。
 
こうして私は姉の協力のおかげで、密かに町添さんと度々連絡を取ることができていたのだが、私が推薦した通り、ローズ+リリーに割り当てられていたイベント関係の出演予定の多くが XANFUS に振り替えられた。そして、それをきっかけにXANFUS の人気が上昇しはじめ、彼女たちの2枚目のシングルはゴールドディスクを達成して、スターダムへの道を歩き始めたのであった(1枚目のシングルも最終的にはゴールドディスクになったが、12月末時点では2000枚程度しか売れていなかった)。
 
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そして騒動も落ち着き、自宅軟禁状態にあった私と政子もまた高校に出て行く。私は自分の女装が全国に報道されたので、もう開き直って学校にも女物の下着を付けて出て行くようになった。そして、それ以降の私は学校でも「半分女」
のように扱ってもらったので、結構快適であった。
 
そして6月に私たちの「ベストアルバム」が発売された。コンサートのリハーサルを録音した音源を丁寧にノイズ除去して整えたものに、スタジオで演奏した楽器の音を加えて、まるでふつうにレコーディングしたかのように作りあげたアルバムである。恐らくふつうにアルバムを制作するのの10倍以上のコストが掛かっている。しかしこのアルバムは30万枚を売って、制作費用を充分すぎるほど取り戻したのであった。
 
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このアルバムの制作指揮は町添さんが直接おこない、サウンドの調整には下川先生もかなり関わったようであったが、アレンジは多くの曲で私が行ったので私は頻繁に担当の秋月さんや町添さんなどとやりとりをしていた。そして1度だけ政子も連れて、★★レコードを訪問した。5月中旬のことだった。
 
その時、★★レコードのロビーで偶然にも XANFUS と遭遇した。私は自分の性別問題があったので、ちょっと躊躇したのだが、彼女たちの方から私たちにハグを求めてきたので、私たちは半年ぶりにハグしあって友情の確認をした。
 
「やっぱりケイちゃん、ハグした感触が女の子だよ〜」
「男の子だってのが嘘ってことないの?」
「ごめんね〜。戸籍上は男の子なんだよね。でも自分では女の子のつもりなんだけど」と私。
 
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「だったら全然問題無いね」と音羽。
「うんうん。これからも友情の確認しようね」と光帆。
「うん、しようしよう」と政子も笑顔で言った。
 
政子自身、★★レコードに足を運ぶのにあまり気が進まない感じだったのだが、ここで XANFUS と遭遇して「友情の確認」をしたことで、かなり気分がよくなった感もあった。
 
「それに私たちケイちゃんに感謝しないと」と音羽。
「何?」と政子が訊く。
 
「私たち、ローズ+リリーが出るはずだったイベントに1月から3月に掛けてたくさん振り替えで出演したんだけどさ。町添さんがこっそり教えてくれたんだよ。私たちを使ってと推薦したのがケイちゃんだって」
 
「へー。ケイって町添さんと連絡取り合ってたんだ?」
「その話は内緒にしといて。その話が表に出ると、私も町添さんも困るし」
 
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「でも私たちが契約切られずに、たくさんCDとか売れたのもケイちゃんのお陰だし」
「だって、私たち友だちじゃない。だから、そんなことで貸し借りは無し」
と私は言った。
 
「そうだよねー。よし再度友情確認の儀式」と音羽が言って、私たちはまたお互いにハグしあった。
 

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私たちの振り替えを務めた、もう一方のユニット、ピューリーズも同様に私たちの代わりにイベントに出たことから知名度が上がり、メジャーデビューすることになる。彼女たちは私たちより1つ下の学年なので、私たちが大学1年の夏頃から、大学受験のための休養期間に入った。
 
私たちを売っていた△△社としては、私たちがコケて、それに代わって稼ぎ手となったピューリーズが休養期間に入り、この時期一時的に稼ぎ手が無くなってしまった。
 
それを救ったのが「ピューリーズの妹分」スリファーズであった。彼女たちはまだ中学生であったが、ひじょうに高い歌唱力を持っていて、ピューリーズの妹分とは言っていたが、実際問題としてピューリーズより上手かった。
 
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彼女らはピューリーズに楽曲を提供していた堂崎先生から楽曲をもらう予定だったのだが、その時期、堂崎先生が調子を落として楽曲の創作ができない状態に陥っていた。ピューリーズはうまい具合に休養期間に入ったから良いのだが、スリファーズは困る、という話になっていた時、ひょんなきっかけから私と政子が彼女たちに楽曲を提供することになってしまった。スリファーズのリーダーでソプラノの春奈がどこからどう見ても女の子にしか見えないのに実は戸籍上は男の子というのに私が親近感を持ち、政子が興味を持ったのもあった。
 
彼女たちはインディーズでの実績が無かったので、レコード会社としては大して売れないだろうと思ったのだが、ミステリアスな春奈の雰囲気もあってメジャーデビュー曲がいきなり26万枚売れて、最初は品切れで大変だった。
 
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そんな春奈と私たちはデビュー曲発売の10日ほど前の日曜日、都内で偶然遭遇した。
 

その時期、私はローズクォーツの新譜『バーチャル・クリスマス』の録音作業をしていたのだが、だいたいその日までに作業はあらかた完了し、明日は微調整だけすればいいねという話になり、夕方17時で解散した。政子に電話して
「終わった。今から帰るね」
と言うと、
「冬〜、お腹空いたよ〜。私今日朝から何も食べてないよぉ」
などと言う。
 
そういえば冷凍室の食品ストックが尽きていたのだが、忙しいので補充できずにいた。何も無くても適当に食材を買ってきて何か適当に作るだろうと思っていたのだが・・・・
 
「カップ麺でも買ってきて食べれば良かったのに」
「お腹空いて買いに行く気力無い。冬〜、私しゃぶしゃぶがいっぱい食べたい」
「お腹空いてると言う割に贅沢なこと言うね。どこかの食べ放題にでも行く?」
「あ、行く行く。今どこにいるの?」
「今日は品川区の****スタジオに来てるんだけどね」
「あ、だったら、近くに**天然温泉があるよね」
 
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「うん?近くかな。よく分からないけど」
「そこの3階に入ってるしゃぶしゃぶ屋さんが、7000円食べ放題で、凄く美味しいんだよー」
「そりゃ7000円も出せば美味しいだろうね」
「そこ行こうよ。ついでに温泉にも入ればいいし」
「ああ。私もちょっと汗流したい気分だったから、行ってもいいかな」
「じゃ行く。**駅で待ち合わせしよう」
 
「・・・・マーサってカップ麺をコンビニまで買いに行く気力は無くてもしゃぶしゃぶを食べに**駅まで出てくる元気はあるんだ」
「当然」
 

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そういう訳で私たちは**駅で待ち合わせることにしたのだが、政子を待っていた時に、バッタリと春奈に出会った。
 
「あれ?ケイ先生。おはようございまーす」
「あ。春奈ちゃん。おはようございます」
 
「お仕事?」
「はい。お台場に行ってきました。今帰るところです。今日は4回公演で疲れました。どこか大きい風呂にでも行きたい気分」
「ああ。私も今マリと待ち合わせで、これから**天然温泉に行こうと思っていたところ。なんなら、一緒に来る?」
「はい、行きます!」
 
そういう訳で、少ししてやってきた政子と一緒に3人で**天然温泉に行くことになった。まずは、政子のお腹を満たすために、しゃぶしゃぶのお店に入る。「ここは私のおごりね」と言っておく。
「わーい。御御馳走様です」と春奈は素直に喜んでいる。
 
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しかし政子が食べ始めると春奈はポカーンとしてその様子を見つめていた。
「どうしたの?」
「いや。マリ先生のスピードが凄いです」
 
「マリは食べ放題の所でないと怖くて連れて来れないよ」
「3人で21000円の元が取れちゃいますよね、これ」
「そうそう。お店も女の子3人でこんなに食べるとは予想できないよね」
 
「私ね。女に生まれて良かったと思うのよね。こういう所で男性より安い料金で食べられるんだもん」
 
この店は男性10000円、女性7000円の食べ放題である。私は女性3人と告げて店に入った。実は3人のうち2人は戸籍上男性だが、戸籍上男性の2人が少食なのに対して戸籍上女性の1人が凄まじいペースで食べている。
 
「確かに女は得ですよね! でも私男の子してた頃も食欲は女の子並みって言われてた」と春奈。
「ああ、それは私も。同級生の女の子たちよりずっと少食だったから」と私。
 
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「私はギャル曽根が出てきた時に、まっちゃんみたいなのがいるね、と友だちから言われた」と政子。
 

「ああ。マリ先生はまっちゃんですか」
「政子だからね。春奈ちゃんは何て呼ばれてたの?」
「元の名前が宗春(むねはる)だったので、むっちゃんです。でも小学5年生の年末に年明けからは『春奈』になると宣言したら、それからは、はっちゃんと呼ばれるようになりました」
「へー」
 
「その名前で年賀状をくれと友だちに頼んだんです」
「ああ。使用実績を作るためね」
「はい。できるだけ早い時期に改名を申請するつもりです。性別は20歳まで変えられないけど、名前はその前にでも変えられるから」
「不便だよね。実態が女の子なのに男名前だと」
「中学の名簿は最初から春奈にしてもらったし」
「良かったね」
 
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「ケイ先生は名前はどうしてたんですか?」
「私は冬と呼んでるけど、小学校からの友だちの奈緒とかも冬と呼んでるね」
「うん。戸籍上は冬彦だからね。たいてい冬ちゃんで、親しい子は冬と呼び捨て」
「でもさ・・・『唐本冬子』と書かれた賞状が何枚かあるよね」
 
「よく間違われてたんだよ。昔からDMとかがよく冬彦じゃなくて冬子になってた。電話で伝えると『ふゆひこ』って結構『ふゆこ』に聞こえちゃう」
 
「でも高校時代の定期券なんて、冬彦の名前なのに性別・女になってたね」
「でもそれで咎められたことは1度も無い」
「あろうことか、生徒手帳の写真はなぜか女子制服着て写ってたんだ」
「・・・高校、男子制服で通われたんでしたよね? なんか男子制服着た写真が写真週刊誌に載ってたし」
 
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「ああ、あれ見た?」
「冬は高校の制服はなぜか夏服だけ女子の制服を持ってたんだよ。でもそれで通学してきたことなかったよね」
「うん。無かったね」と私は言った。
「・・・・・ちょっと待て。拷問して追求してみる必要がありそうな気がする」
と政子。
 

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■夏の日の想い出・歌を紡ぐ人たち(2)

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