広告:ここはグリーン・ウッド (第5巻) (白泉社文庫)
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■夏の日の想い出・小3編(2)

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僕は物心付いた頃から、遊ぶ相手といえば女の子ばかりだったし、幼稚園の時もいつも女の子たちの輪の中にいた。そして小学校の2〜3年頃までは、やはり同様に女の子たちと遊んでいることが多かった。もちろん麻央ともよく遊んだし、もうひとりの重要な親友であるリナたちや、また他の女の子たちとも一緒に鬼ごっこしたり、お絵描きしたり、しりとりなどして遊んでいた。
 
僕はお絵描きが好きで、特にセーラームーンやキューティーハニーなど、美少女の絵を描くのがうまかったので、友達からよく「天王はるか様、描いて」とか「ハリケーンハニー描いて」などと注文を受けたりすることもあった。
 
僕が女の子とばかり遊んでいて、男の子と全然遊ばないので、心配した担任の先生が、少し優しそうな感じの男の子に頼んで「遊んであげて」などと言ったりしたこともあった。誘われて、遊ぶものの、野球とかすると僕は打っては三振、守ってはトンネルだし、1度フォアボールで出塁した時も、ベースから離れたらいけないことを知らずにタッチアウトされる。という訳ですぐに誘われなくなった。
 
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テレビゲームに誘ってくれた男の子もいたが、僕はどうもああいうのはなじめなかった。僕は結果が最初から定まっていることをするのが嫌いなのだ。また男の子たちの会話にそもそも付いていけない感じだったし、男の子の論理ってのがサッパリ分からなかった。なんであんなに意地張るんだろうとか、なんで殴り合ったりするのかなあ、などといつも思っていた。
 
また僕は割とボーっとしている性格だったので、女の子たちとしりとりなどしていても、
 
「冬子ちゃんの番だよ」と言われて気付き
「ごめん、ごめん、今何だったっけ?」
「かぶとむし」
「じゃ、しまうま」
 
などという感じだった。男の子とサッカーやってても、プレイ中にぼーっとしていてボールが来ても気付かずやり過ごしてしまうことが多々だった。もっとも、運動神経が悪いので、気付いていてもうまく蹴れなかったのだが・・・
 
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そういう訳で、結局はあまり男の子たちとは遊ばなくなり、やはり女の子たちと遊んでいることが多かった。そんな女の子たちからは
 
「冬子ちゃん、性格も女の子っぽいよね」
「性格というか、発想が女の子だよね」
「冬子ちゃん、本当の女の子だったら良かったのにね」
などというのはよく言われた。
 
女の子たちからもよく『冬子ちゃん』と呼ばれていたが、男子たちが嘲笑気味にそう呼ぶのに対して女子たちは親しみを込めて自分たちの仲間として、女子に準じる存在として、そう呼んでくれていた感じだった。
 
「冬子ちゃん、髪、少し伸ばすと可愛くなるよ」
とも言われた。僕は小学校に上がる時に、髪を短く切られてしまったのである。
 
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「あ、冬は幼稚園の頃はすごく長い髪だったよ」
と幼稚園の時からの同級生でもあるリナに言われる。
「わあ、可愛かったろうなあ」
「うん。可愛かった。うちの幼稚園の年長組の中で2番目の美人だったよ」
とリナ。
 
「2番目?1番は誰だったの?」
「それはもちろん私に決まってるじゃん」
「自分で1番の美人と言うのは、凄い自信だな」
 
「髪長くしてたんなら、スカートとかも似合いそう」
「いっそ、おちんちん取っちゃってスカート穿かない?」
 
などといったことも言われていた。ああ、おちんちん取っちゃうとスカート穿いてもいいのかな、などと思ったりして、でもどうすれば取れるのかな?などというのも悩んで、ねじったり引っ張ったりしてみたが取れなかった。
 
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でもスカートは、おちんちんを取らないまま体験することになる。
 

小学3年生の夏休み、一応有志の参加(実際には3年生の9割ほどが参加)ということで、日帰りキャンプに行った。「少年自然の家」というところを利用するもので、かまどで料理を作ったり、キャンプファイヤをしたりして、夕方帰ってくるコースである。
 
朝学校に集合して、バスで少年自然の家まで行く。付属の体育館の中で、伝言ゲームをしたり、歌を歌ったりしていたが、やがて男女に分かれて、男子はマラソン、女子はテニスということになった。
 
マラソンは自然の家のそばにある遊歩道、約1kmを一周してくるコースである。
 
「ビリになった子には罰ゲームしてもらうから、お前ら張り切って走れ」
と言われてスタートする。
 
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僕は体力無いし、運動は苦手なので、少し走ったところで息切れして、その後は走ったり歩いたりを繰り返す状態になった、最初の頃、前の方に見えていた友人たちの姿が全然見えなくなる。それでも道に迷うような所は無いので、僕は何とか頑張って走って行った。
 
ぜいぜい息を切らして戻って来たら
「お〜、唐本お前がいたのかぁ!助かった」
とひとりの級友が声をあげる。
 
「どうしたの?」
と僕はまだハーハー言いながら聞く。
 
「俺が最後みたいだったから、俺が罰ゲームすることになるかと思ったぞ」
「じゃ、僕が罰ゲーム? 何するの?」
 
「今日一日スカート穿いて過ごしてもらう」
「あはは」
 
僕はその場でズボンを脱ぐように言われ、脱ぐと、没収されて帰りに返すと言われる。そして代わりに真っ赤なスカートを渡された。きゃースカートだ!穿いてみたかったんだ!
 
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などと思いながら、穿く。ウェストはゴムになっているので、問題無く穿けた。丈はちょうど膝くらいである。プリーツスカートなので、そのプリーツが揺れて不思議な感じ。ああ、でも風通しが良い。スースーして気持ちいいな。マラソンで汗を掻いていたので助かる、と思った。
 
僕がちょっと自己陶酔していたら、周囲が戸惑うような視線である。
「みんな、どうしたの?」
 
「いや、スカート姿似合ってるなと思って」
「ふつうに女の子に見えちゃう」
「むしろ可愛い女の子って感じ」
「本人も何だか嬉しがってない?」
「先生、これ全然罰ゲームになってないかも」
 
「唐本、お前ふだんからスカート穿いてるんだっけ?」
「えー? 穿いたことないですけど」
「それにしては・・・・・」
「初めてスカート穿いたとは思えないね」
 
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「やっぱ、お前チンコ付いてないだろ?」
 

僕のスカート姿は女子たちにも好評だった。
 
「わあ、何だか可愛い」
「冬ちゃん、スカートがやっぱり似合うんだね」
「もう今度から学校にはスカートでおいでよ」
「とりあえず今日はこの格好のままでおうちに帰るといいよね」
「うんうん。きっとお母さんにも可愛いって言われるよ」
「そのまま女の子にしてもらえたりしてね」
 
その後、お昼の準備では、女の子たちが野菜などを切っている間に男の子たちが石を組んでかまどを作ることになっていたのだが、僕は何となく女の子たちに「冬ちゃんは、こっちこっち」と言われて連れて行かれ、野菜を切ることになった。
 
「冬ちゃん、切るのうまいね」
「冬ちゃん、ジャガイモの皮剥ける?」と女の先生。
「あ、最近練習してるんです。やらせてください」
と言って、僕はペティナイフを使ってジヤガイモの皮を剥き始めた。皮を薄く剥き、芽はナイフの角でえぐるのを見て「おお、ちゃんと出来てる」と褒められる。
 
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「包丁の刃を内側に向けてるんで、よくやってるなというのが分かるよ。お料理したことのない子は怖がって刃を外側に向けるんだよね」
「外側に向けたらうまく力が入らないです」
 
「おうちで、よくお料理の手伝いしてるの?」と先生。
「はい。野菜を切ったり、天麩羅の衣を作ったり、玉子焼き作ったりしてます」
「わあ、玉子焼き作れるの?」
「ええ。1年生の時にいっぱい練習したので。今は毎朝作ってますよ」
「すごいね」
「冬ちゃん、お嫁さんになれるよ」
「あ。ちょっとなりたいかも」
「へー、やはり」
 
「でもさ、冬ちゃんっていつもおどおどしてる感じなのに、お料理してるとなんだか活き活きしてるね」
「そうそう。全然違う」
「きっと、お料理するのが天職なんだね」
「あ、違うと思う」とリナ。
「というと?」
「冬はさ、たぶんスカート穿いてるから元気なんだよ」
「ああ、そうかも!」
 
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この頃は、僕はまだその意味が分からなかった。
 

その日は何だか女の子たちとの距離がいちだんと近くなったような感じで、午後のフリータイムでは、ずっと女子たちのグループの中にいて、一緒に花飾りを作ったりフリスビーをして遊んだりして楽しんだ。
 
夕方、先生たちが広場に薪を積み上げ、石油を掛けて火を点ける。僕たちはその周りを習いたてのフォークダンスを踊りながら廻っていた。男子と女子でふたえの輪になっている。僕はスカートを穿いているので女の方に入れと言われて、内側の女子の方の輪で踊っていた。少し踊っている内にパートナーがずれていって、僕は隣のクラスの男の子たちと組む。
「唐本チンコ取ったの?」
などと言われたりする。
「えへへ。内緒」
 
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そのうち当時憧れていた泰世君と組んだ。僕が笑顔で会釈すると、彼もニコッと微笑んだ。僕は胸がキュンっとなった。彼と手をつないで踊る。きゃー、嬉しい−!! それは至福の1分間だった。
 
キャンプファイヤーが終わるともう帰る時刻である。僕はやっとズボンを返してもらったが、
「唐本、お前今日は家に帰るまでずっとスカートを穿いているように」
などと言われてしまう。
「そのスカートは記念にあげるから、それ穿いて学校に出て来てもいいぞ」
などとも先生は言っていた。
 
それで結局僕はスカートのまま帰りのバスに乗り込んだ。、女の子たちと一緒に座り、おしゃべりに花を咲かせる。そして学校で解散。僕はそのまま近所に住んでいる女の子たちと一緒に帰りながらおしゃべりを続けていた。
 
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「でもそのスカート、いつ脱ぐの?」
と突然、小さい頃からの親友・リナに言われる。
 
「え?家に帰るまでそのままでいろと言われたから」
「あれ、冗談だと思うなあ」
と別の友人・美佳が言う。
 
「えー!?」
 
「冬って何か言われると、それそのまま受け入れちゃうよね」とリナ。
「そうそう。麻央が気付いたらいろいろ教えてあげてるけど、今日は麻央が来てないもんね」と美佳。
「私はスカート穿いた冬も可愛いなと思ったから言わなかったんだけどね」
とリナ。
 
「もう脱いでもいいのかな?」
「脱いでもいいし、冬がスカート穿いてるの好きなら穿いてていいし」
「先生も言ってたけど、好きなら今度からスカートで通学してきてもいいし」
 
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「・・・・穿き替えようかな」
「その方がいいかもね」
 
僕は近くのマンションの隙間に入って、ズボンを穿き、それからスカートを脱いだ。
 
「お待たせ〜」
「スカート穿いた冬を見慣れちゃったら、ズボン穿いてても女の子に見える気がする」
と美佳が言う。
 
「ああ、気がする、気がする」と別の子。
「そう? ズボン穿いててもスカート穿いてても、僕は僕だと思うけど」
「つまり、冬は中身が女の子なんだ!」
「あ、そうかも」
リナは何も言わずにニヤニヤとしていた。
 

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僕はその日穿いたスカートを洗濯物の中に入れておいた。翌日母から訊かれる。
 
「ねえ、このスカート誰の?」
「あ、僕の。昨日のキャンプでゲームしてて穿いたんだよ」
「へー」
「記念にあげると言われたからもらってきた」
「ああ、冬ならスカート似合うかもね」と中2の姉が笑って言っていた。
 
そのスカートは僕のタンスの隅に格納され、その当時の僕にとって宝物になった。
 

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その頃、僕はだいたいリナたち近所に住む女の子たちと誘い合って学校に通っていた。その通学路の途中にかなり高い崖があり、手摺りが付けられていた。
 
「この手すり作る前に、男の子がここから落ちたんだって」とリナ。
「へー」
「それで危ないということで手すり作ったらしいよ」
「その落ちた男の子って、どうなったの?死んだの」
「ううん。死にはしなかったけど、落ちた時に、おちんちんに木の枝が刺さったんだって」
「きゃー」
「それで、おちんちんダメになって切っちゃったらしいよ」
「わあ」
 
「おちんちん無くなっちゃった男の子って、どうしたんだろうね・・・」と僕。「おしっこするのに困るかもね」と美佳。
「おしっこは女の子と同じように座ってするしかないよね」とリナ。
「いっそ、女の子に変えてもらった方がいいかもね」と美佳。
 
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「そんなことできるの?」
「うちのお兄ちゃんの友だちの友だちの大学生が、男の子だったけど、手術して女の子に変えてもらったらしいよ」
「へー、すごーい」
「二十歳(はたち)になったら、男から女に変えたり、女から男に変えたりする手術を受ける人、時々いるんだって」
 
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