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■夏の日の想い出・再稼働の日々(2)
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目次 8
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ボクたちは体を入れ替えて、今度はボクが政子のお股を舐めてあげた。政子の息づかいがゆっくりになっていく。気持ち良くなってるかな?
「ね・・・・あそこに指でいいから入れて」
「それはまずいよ」
「指の先ちょっと入れるだけでいいから。処女膜まで届かない程度」
「じゃ、ちょっとだけ」
ボクは恐る恐る指を少しだけ入れる。湿度のある感触にドキドキする。
「あ、たぶんその辺り。前の方に押しつける感じで」
「こんな感じ?」
「うん。そんな感じ。。。。ほんとはそれを、おちんちんでしてくれるといいんだけどね」
「ごめんね。ボクおちんちん無いから」
「無いんじゃ仕方ないね。指でして。これからもずっと」
「じゃ、マーサに彼氏ができるまで」
「彼氏ができてからも冬にして欲しい」
「それ、絶対変」
ヴァギナの入口のちょっと先を指で刺激しながら、ボクは政子のクリちゃんを舐め続けた。政子がかなり昂揚しているのは分かる。しばらくやっていたら、突然あふれるように液体が流れ出てきた。
「わっ・・・」
「・・・・へへへ。逝っちゃった。こんなの起きたの初めて」と政子。
「えっと、逝く前に気持ち良くなりすぎたら停めるルール」
「ごめん、ごめん、まだ逝かないと思ってたから。でもこれ普通の逝く感覚とは少し違ってたんだもん。あ、ごめん」
と言うと政子はベッドの中から手を伸ばして、自分のバッグの中から遊園地で買ったキャラクターのレターセットを取り出し、愛用のボールペンを取り出すと詩を書き始めた。ボクは優しく政子の肩を抱いて、詩作を見守った。
「ごめんねー、中断しちゃって」
「ううん。いいんだよ。こちらも結構楽しんだから」
「そう?」
「ボクは政子に奉仕することで気持ち良くなるから」
「冬って割とMだもんね」
「あ、SよりはMだと思う」
「でもHの最中に詩を書き始めたら、たいていの男は怒るだろうなあ」
「優しい人はいると思うよ」
「そうかな。そういう彼氏を作りたいな」
やがて詩を書き上げる。『エクスタシー』というタイトルが付いている。いいのかなあ?とボクは心の中で苦笑した。
「これに曲を付けられる?」
「うん。マーサが書くのを見ながら頭の中でイメージしてた」
政子がバッグの中から五線紙を取りだしてくれたので、ボールペンを受け取り音符を書き始める。時々音が分からなくなり、携帯のピアノアプリで確認した。完成して歌ってみせる。
「エロっぽい!いい!」
といって政子はボクにキスした。
「ね。本気で私、冬にヴァージンあげたくなった。受け取ってくれない?」
「ボク、おちんちん無いから無理だよ」
「・・・そうか。。。。。冬におちんちんがある時にすれば良かったなあ」
「ごめんね」
ボクは政子にキスをした。舌を入れあってディープキスになった。
「そろそろ帰る?」
「そうだね。あまり遅くなってもいけないし。。。。でも私、マジで冬のおちんちんって、しばらく見てない。金沢での一夜が最後だよね。まだ付いてるの?それとも、こっそり取っちゃってたりしない?」
「取っちゃったら、嬉しくて政子に言ってると思う」
「そうだよね! でも取る時はさ」
「うん」
「前もって言って欲しい」
「それは必ず言うよ」
ホテルを出て、今度こそ家に帰ろうと道を歩いていた時、ボクは急に気になる言葉を思い出した。
「さっきマーサが言ってた言葉が気になって」
「なに?」
「今できることをしなきゃ、って」
「ああ。何をするの?」
「うん。少し考える」
連休中、ボクはその後毎日政子の家を訪問し、一緒にまじめに勉強をした。
気分転換に一緒にお菓子作りをしたり、また通信カラオケの選定や設定などもしていた。ボクたちが一緒にクッキーやパウンドケーキなど作っていると、政子のお母さんは「ほんとに女の子同士って雰囲気ね」などと言って微笑ましい感じで見ていてくれた。
政子と遊園地に行った翌日、まだ連休中ではあったが、ボクは秋月さんに電話した。
「今回のアルバムの収録予定曲の中で、一部いろいろ気になっていた曲がありまして」
「はい」
「その編曲をこちらでしたいのですが、いいですか?」
「ええ。でもボーカルは録り直せないですが」
「それに影響が出ないように編曲します」
「ではお願いします」
「じゃ、今から言う曲の、使用予定音源を送ってくれませんか?そのボーカルを活かせる形で編曲しますので。『遙かな夢』『涙の影』『ふたりの愛ランド』
『長い道』『Sweet Memories』・・・」
と言って、ボクは曲名をいくつか挙げた。
ベストアルバムの発売日は★★レコードがボクたちのレコードを自由に出せる期限の6月19日より少しだけ前、6月10日(水)となることが決まった。水曜日が発売日の場合、ショップは前日の火曜日から商品を店頭に並べる。メーカーが月曜日に荷を発送すると火曜日にショップに商品が到着して丁度良い。売上の統計は月曜から日曜までが単位なので、このサイクルがランキングの上位を狙うにはいちばん有利である。(月曜日に荷が届くように送ることはできない)そこで、人気歌手のCDは水曜日を発売日に設定されることが多い。★★レコードがボクたちのベストアルバムを水曜に出すと言ったことで、ボクは町添さんが、かなり本気であることを感じた。(実際このアルバムの制作は町添さん自身が陣頭指揮を執り、「制作者」の名前は町添さんになっていた)
町添さんが本気っぽいし、政子も何だかやる気を出しているしで、ボクも結構音楽活動への復帰に向けて気合いが入ってきた。ボクは連休中に秋月さんに連絡したように、いくつかの曲で、こちらで編曲譜面を作り、MIDIデータごと秋月さんに送った。実際の制作では一部このボクが作った打ち込みデータの音をそのまま使用したケースもあった。(ボクが直接編曲をしなかった曲の編曲は、基本的にコンサートの時の編曲を流用することにした)
このベストアルパム『ローズ+リリーの長い道』は、発売後半月で15万枚を売るヒットとなった。
この時、発売日にはボクらのサイン色紙を全国4ヶ所で合計300枚限定で配布した。また、7月にはボクらのメッセージを録音でFMの全国ネット番組で流した。このメッセージの中でボクらは未公開曲『あの街角で』の一節を12秒間だけボクのピアノ演奏でふたりで歌って流した。
こうして「ローズ+リリー」の活動は、表面的には6月10日のベスト版発売でいったん終了したにも関わらず、実際には逆にこのアルバム制作の時期を起点にボクたちは再稼働を始めたのである。
この頃、ボクは密かに、ベスト版とは別の新たな音源の制作も行っていた。
ローズ+リリーを始める直前に、ボクと政子は貸しスタジオを3時間だけ借りて自分たちで作った曲を歌って録音するということをしていた。そのデータは直後にローズ+リリーで忙しくなってしまったため、放置していたのだが、ボクは7月にFM放送でボクたちのメッセージを流した直後から、このデータのミクシング作業に取りかかった。受検勉強と、夏休みに通った自動車学校の講習の合間に作業していたので時間はかかったが、8月末頃には一応の完成を見る。どこにも出しはしないが、ボクと政子の2人だけで聴いてみた。政子も「懐かしい」などと言って楽しそうに聴いていた。
このいわば「第1自主制作アルバム」は、高2の7月初旬までに書いた曲を収録したものであるが、ボクと政子はその後もしばしば曲を書いていて、この頃までにはそれがまた溜まってきつつあった。ボクも政子も「またそのうち録音しよう」などと言っていたのだが、受検勉強はどんどん忙しくなってくるし、なかなかその機会が訪れなかった。
夏休みの間は、自動車学校通いで明け暮れた感じではあったが、受検勉強のほうもしっかりやっていた。この時期、ボクが自動車学校通いで、なかなか日中家にいないので、政子は「塾でも行ってみようかな」などと言って、週3日のペースで塾に通い始めた。しかし夜中には、昔からやっていたように、携帯をつなぎっぱなしにして、時々会話したりしながら一緒に勉強した。
以前はこの時間帯はボクが勉強しながらずっと歌っていたが、この時期は政子がカラオケを掛けて歌っていることが多かった。時々歌い方についてアドバイスを求められたりもした。政子が歌も勉強も腕を上げてきているのを肌に感じて、またボクの方もエンジンをしっかり掛けていった。
たまに政子は突然沈黙する。その時は、ああたぶん詩を書いてるなと思ったがたいていそういう時はFAXで詩が送られてくるので、ボクはそれに曲を付けて歌ってあげた。そうやって、受検勉強をしながらも曲がまた出来ていった。
2学期に入ると、礼美・仁恵・琴絵なども一緒に毎週土曜日、勉強会をするようになった。ボクたちは着実に成績を上げて行っていた。
11月に入ってすぐ、秋月さんから連絡があり、ローズ+リリーがBH音楽賞を受賞することになったと言われた。『甘い蜜/涙の影』が80万枚ほど売れていることを受けたものであった。
久しぶりにおそろいのミニスカの衣装(秋月さんがこの授賞式用にわざわざ見繕ってくれていたらしい)を着て、賞状と盾を受け取り、笑顔で写真に収まる。
「政子、こういう場に出るの平気になってきたみたい」
と控室に戻ってからボクは言った。
「うん。結構快感だよね」
などと言っていたら、一緒に音楽賞を受賞したAYAから声を掛けられた。
「受賞おめでとう」
「そちらも受賞おめでとう」
「去年何度か会った時は忙しくてなかなか話せなかったもんね。一度ゆっくり話したいね」
などとAYAがいう。
「ゆみちゃん凄く忙しそう。今日はこれからまた仕事?」とボクは尋ねる。
「そうなのよ。5時からFM局に出て、そのあとCDショップ数ヶ所でイベント」
「たいへんそう・・・・そちらは大学には行かないの?」
「うん。行かない。でも私も受検しますって言えば良かったな。少しは休ませてもらえたろうに」
「この仕事って体力使うよね」
「ほんと。でも久しぶりにふたりを見たけど、元気そうで安心したよ」
「ありがとう」
「ね?15分くらいだけお茶飲まない?」
とAYAが言うので、ボクたちは手早く着換えて、ふつうの服装に戻ってから、高校の制服?に戻ったAYAと一緒に近くのカフェに入った。
「夏にさ、凄く短い秒数だったけど、FMでふたりの生歌を流したじゃん」とAYA。
「うん」
「私、ショックを覚えたのよね」
「ショック?」
「だって、ふたりとも凄くうまくなってるんだもん。ケイちゃんも上達してたけど、マリちゃんの上達が特に凄いと思った」
「マリはね。この春からずっとカラオケを自宅に入れて勉強しながらひたすら歌ってるし、体力と肺活量付けるのに毎朝ジョギングしてるんだよ」
政子がそのカラオケを最近あまりやってない風なのは知っていたが、ボクは敢えてその点には触れなかった。
「凄い!」とAYAは本当に感激している様子。
「私さあ、音楽活動を休養しているふたりがこれだけ実力を付けてきているなら、こちらも負けられないなと思って、最近あらためて歌のレッスンに通ってるのよね」
「7月に出た『束の間の恋』と先週出た『赤い時間』との間に明らかな歌唱力の差があるとボクも思ってた。ゆみちゃんも頑張ってるから、ボクも頑張らなきゃと思ったよ」
「わあ、聴いてくれてるんだ」
「AYAのCDは全部持ってる。**堂の限定版も★★レコードの人に頼んで1枚ゲットした」
「すごーい。って私もローズ+リリーのCDは全部持ってるけどね」
「ありがとう」
「私たちっていいライバルなのかもね。でもふたりの歌をもう少し長い秒数聴きたいなあ。最近の音源とか無いよね?」
「うん。さすがに受検勉強が忙しくて」
「ああ、今日時間があったらカラオケにでも誘いたい所なのに」
AYAはとても残念がっていた。
AYAが放送局に行かなきゃと言って出て行った後、ボクと政子はまだしばらく話し込んでいた。
「AYAちゃんからは、私の歌うまくなったと言われたけど、私まだまだ下手だと思うなあ」と政子。
「最近、どちらかというと前よりずっと下手になっちゃった気がしてさ。それで少しカラオケ休んでるのよね」
「それはね・・・多分、マーサの耳が肥えて来たんだよ」
「へ?」
「以前は自分の歌が下手であることに気付いてなかった」
「やっぱり下手なのか!」
「それは以前の話だよ。でもマーサはたくさん歌の練習して、どういうのがうまい歌かというのが分かってきた。だから自分の歌がその理想値に比べて低いから自信を失っちゃったんだよ」
「あぁ・・・・」
「こういうので、人はけっこうスランプに陥るんだよね。これ歌だけじゃなくて学校の勉強でもそうだけどさ」
「確かに」
「だから、自信喪失したというのは、実はマーサが実力を付けてきた証拠なの」
「ちょっと待って。私、言いくるめられないからね」
「ふふふ」
「ああ、でもちょっとカラオケ屋さんにでも行ってみようかな」
「うん。行こうよ。1時間くらいならいいよね」
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