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■夏の日の想い出・ボクたちの秘め事(3)
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翌月の全国ツアーがまたなかなか凄かった。ボクたちは放課後は相変わらず放送局に行ったり、ライブハウスで歌ったり、またスタジオに入って年末に発売予定の次のシングル(『甘い蜜』)の録音作業をしたりしていたのだが、土日には全国各地に、まさに飛んでいってコンサートをしたのである。
8日(土)は横浜なので問題なかったが9日(日)は札幌なので飛行機で日帰り。15日(土)は小松まで飛行機で行って金沢公演。そのまま金沢で泊まって翌16日(日)はサンダーバードで大阪に移動し大阪公演。終了後飛行機で帰還。
22日(土)は飛行機で飛んでいって岡山公演。その後福岡に移動して泊まって翌日福岡公演。終了後飛行機で東京に戻ってきた後、翌日の振替休日24日は仙台公演で、これはまた飛行機で往復。最後は29日(土)が名古屋公演で新幹線日帰り。ツアー最終日の30日(日)は東京公演。
といった日程であった。そして実はこのツアーの最中の25日から28日までは何と学校の修学旅行(東京から新幹線往復で九州行き)が入るという、恐ろしいことになっていたのであった。「唐本冬子」名義で作ってもらったマイレージカードには先月のキャンペーンでの移動も含めてマイルがどんどん積算されていった。
コンサートの演目は当時は持ち歌が少なかったのでカバー曲が多かった。MCを交えて20曲歌ったが、オープニングは『ふたりの愛ランド』。続けて『遙かな夢』
を歌ってから、プリプリの『Diamonds』、JITTERIN'JINNの『夏祭り』、t.A.T.u.の『All the things she said』、と続け、真ん中付近でリリーフラワーズの曲でである『七色テントウ虫』。ラストが『その時』。アンコールが『明るい水』、セカンドアンコールはボク自身でピアノを弾きながら松田聖子の『Sweet Memories』
といったものを基本にして、日によって多少の演目を変更していたので実際に歌った曲数は30曲ほどに及ぶ。
この時のリハーサル・本番が全部録音されていたお陰で翌年の夏、ボクたちの休養中に、それを音源としてベスト盤が発売できたのであった。
(ベスト盤の音源は、このツアーの録音と12月のロシアフェアの録音がベース)
ツアーの日程では、金沢と岡山に泊まりが入るのだが、この宿泊はツアーの主催となる★★レコードの秋月さんが移動のチケットと一緒に手配してくれていた。秋月さん自身も主催者スタッフとして今回のツアーにずっと帯同してくれていた。
「あ、ツインなんですか?」
とボクは金沢のホテルで秋月さんに訊いた。
「うん。ふたり仲がいいみたいだし。若い女の子2人だからね。シングルにするよりツインにしてあげたほうが、おしゃべりとかしながら休めて、疲れが取れるかなと思ってね」
などと秋月さんは言っていた。
「あ、私もその方が嬉しい!」と政子。
「そうね。それもいいかもね」と須藤さんも頷いていた。
ツアーには他にも帯同スタッフはいたのだが、ボクと政子、須藤さん・秋月さんの4人で一緒に食事をすることが多かった。秋月さんはボクたち以外にも何組かアイドルなどの担当もしていて、そういうツアーの帯同もよくやっているらしく固有名詞を出さない範囲で、いろいろ面白い話などもしてくれて、ボクたちは楽しむことができた。特にオフレコだよと言われて聞いた「裏話」の類には「きゃー」と思わず叫びたくなるものもあった。
「須藤さん、この世界長いからなあ。うちの先輩にも知ってる人が随分いるもん。この世界の様々な話知ってると思うんだけど、昔のことあまり話しませんよね」
と秋月さん。
「まあ、話したくても話せないこともあるしね」と須藤さん。
「須藤さんがローズ+リリーをプロデュースしてると聞いて、へー、そんな会社でやってたのか。大手でバリバリやっててもおかしくない人なのに。でもさすが、大物アーティストを発掘したね、なんて言ってた人もいましたよ」
「大物アーティストってひょっとして私たちのこと?」
とボクと政子は顔を見合わせて言う。
「他に誰がいる?」と笑顔で秋月さん。
「でも須藤さんって、そんな大物プロデューサーだったんだ!」と政子。
「キャリアが長いだけで実績とか無いよ。実績あったら、今頃左団扇の印税生活してるって」と須藤さんは笑って言っていた。
食事が終わった後、ボクたちは「ちょっとコンビニまで行ってきます」と言って一緒に出かけ、コンビニでポテチやチョコ、お煎餅や飲み物、などを調達して、ホテルに戻って来た。ロビーに居た須藤さんが寄ってきて
「これ持ってて。持ってるかも知れないけど念のため」
と言って小さな箱を素早く政子が持っているエコバッグに入れた。
「了解です!」
と政子が敬礼をするような動作をする。
「一応自分達でも持ってますけど、ありがたく頂きます」
と付け加えた。須藤さんは頷いて
「若いし、好きだったら仕方ないから止めないけど、妊娠だけは絶対避けてね」
とボクの方に言う。
「はい」
とボクは素直に返事して、政子と一緒に部屋に引き上げた。
部屋に入ってからボクたちはキスをしてから、ベッドの縁に腰掛ける。
「これ、どうしようか?」と政子は避妊具の箱を指先でくるくる回す。器用だなと思ってボクはそれを見ていた。
「ボクたちには必要無い気がするけどなあ・・・・」
「取り敢えずここに置いておくね」と言って政子はテーブルの上に置いた。
「ちなみに冬も持ってる?」
「もちろん。いつもの場所に入ってるよ」
「よしよし。ところでさ。この2つのベッド、くっつけちゃわない?
私寝相が悪いから、くっつけてた方が落ちにくいと思うのよね」
「そうだね」
そんなことを言いながらボクたちは2つのベッドをくっつけた。
「ね、冬、先にシャワー浴びてきて。私ちょっとメールしたいから」
「うん。いいよ」
と言ってボクは浴室に入り、シャワーを浴びた。お股のテープタックを外してきれいに洗う。この時期、ボクはローズ+リリーで活動する時だけテープタックしておき、終わったら外していた。(但し学校から直接放送局などに移動するような日は、朝からタックしていた)
服を着て浴室から出てくると「おつかれー。じゃ私もシャワー浴びてくるね」
と言って、政子は浴室に入っていく。
ボクは勉強道具を出して数学の因数分解の問題に取り組んだ。政子の問題集も出ているので、きっとメールした後、ボクが浴室から出てくるまでやっていたのだろう。
やがて政子が出てくる・・・・が、裸だ!
「ね・・・目のやり場に困るから、せめてガウンでも着ない?」
「あ、汗が引いたら着るよ。でも今更じゃん。私の裸は何度も見てる癖に」
「そりゃそうだけどさ」
いきなり政子はボクのお股に触った。
「ふーん。タック外したのか」
「寝る時は外すよ」
「外さない日もあるのに」
「うーん。その辺は気分」
「外したってことは、男の子機能を使うよってこと?」
「使わないよ−」
「使ってもいいのに。避妊具もあるし、今晩はふたりで燃える?」
「やめとこうよ、そういうのは」
「ね、ベッドに入って話そうよ」
「いいけど、ガウン着ないの?」
「後で。ね。冬も服脱いじゃいなよ」
「そうだね・・・」
ボクは服を脱いで裸になってベッドの中に潜り込んだ。政子も隣に潜りこんでくる。むろん裸のままだ。
「えへへ。裸のお付き合いってしてみたかったの」
と言って、ボクの身体にしがみついてくる。
「今夜は裸のまま、くっついて寝ようよ」
「いいけど、危険じゃない?」
「危険物は、これかな?」
と言って、政子はそこをいきなりつかんだ。
「ちょっと待った。ね。一枚枕元に置いておかない?」
「やばくなったら装着できるように?」
「うーんと。。。むしろこうしない?ボクたち、基本的にはお友達じゃん」
「うん。それは認める」
「だから、今夜セックスはしない」
「しないの?」
「したら恋人になっちゃうと思うんだよね」
「私、恋人になってもいいけどな」
「もう少し、友だちのままでいない?」とボク。
「そうだなあ・・・まあいいか」
「だから1枚ここに置いておいてさ」
「恋人になってもいいと思ったら使うのね」
「そうそう。どちらにしても妊娠は避けるようにしようよ」
「そうだね。私やっぱりまだ子供育てる自信無いし」
「ボクもまだ父親になる心の準備がないよ」
「じゃ、こうしない?」と政子。
「ん?」
「お互いのあそこに触るの自由」
「えー?」
「刺激するのも自由」
「うーんと」
「その代わり、気持ち良くなりすぎないようにするの」と政子は言う。
「なるほど」
「気持ち良くなりすぎたら正直に自己申告して。申告されたら、刺激しているほうは一時中断する」
「いいんじゃない?」
「それで、もっと気持ちよくなって、もうセックスしちゃおうと思ったら開封」
「ああ」
「でもまだセックスして子供作ったりする勇気が持てないなら我慢」
「じゃ、コンちゃんは御守りみたいなもんだね」とボクは言った。
「うんうん。御守り」
「不用意な妊娠を避ける御守りね」
「私と冬の友情を守る御守りだよ」
「同意」
「じゃそれで行こう。どちらを置いておく?冬が持ってる奴?須藤さんからもらったやつ?」
「せっかくもらったし、もらったのを1枚置いておこうか」
「OK」
政子は須藤さんからもらった避妊具の箱から1枚取り出すと、それを枕元に置いた。そして、あらためてベッドの中に潜り込み、ボクにからだを密着させた。
「よーし。じゃ、冬のを刺激しちゃおう」
「じゃ、ボクもマーサのを刺激しちゃおう」
ボクたちは微笑むとお互いのお股に手を伸ばした。政子はボクのを握ってあれこれいじっている。ボクも政子のあのあたりを指でまさぐった。女の子の秘部なんて、触るの初めてだ。かなりドキドキ。
「もっとしっかり刺激してよ」
「御免。触るの初めてだから勝手が分からなくて」
「えっとね・・・ここ触られると気持ちいい」
と言って、政子はボクの指をいちばん敏感な場所に誘導した。
「こちらはヴァギナだから、バージンもらってくれる気になったら入れてね」
「えーっと」
ボクたちはしばらくお互いを刺激しあって、快楽をむさぼった。
「・・・ね・・・・どうして大きくならないの?」
「感度が弱くなってるのかも。ずっと女の子生活してるから」
「でも毎日自分でしてないの?」
「・・・実はローズ+リリーを始めて以来、ずっとしてない」
本当は去年の夏以来1年以上していなかったのだが、この時はそこまで言えない気がした。
「えー?なんで?そんなの我慢できるものなの?」
「別に我慢はしてないよ。したくなったらしちゃうと思うけど、したくならないから」
「ふーん」
「ずっと女の子してるとさ。男の子の部分をいじることに心理的な抵抗を感じるの。女の子には付いてないはずのものだから」
「なるほど。身も心も女の子になっちゃってるわけか」
「そんな感じ」
「以前はしてたの?」
「一応健全な男子高校生だったと思うけど」
という自信はないけどね、と内心付け加えたくなったのは内緒である。
「今は健全な女子高校生なんだね」
「女子高校生って、どういうのが健全なんだろう・・・・」
「ね、もしかして本当に女の子になりたくなってない?」
「うーんと。そのあたりが微妙なところで。積極的に女の子になりたい訳じゃないけど、女の子になっちゃったら、それもいいかな、くらいの気持ち」
政子は頷いていた。
「でも冬って既に男の子はやめちゃってるよね?」
「確かに男の子という意識はほとんど残ってないかも」
「これもEDになっちゃったのかな?」
「ED・・・それは考えたことなかったな。でもボク多分女の子とセックスすることはないだろうから、使わない機能なら、できなくても構わないけど」
「よし。もっと刺激しちゃえ」
と言って政子は手を動かし始める。
「あ」
「やった。ちゃんと大きくなるじゃん。EDじゃなかったね」
「確認してくれてありがとう。でもごめん。ストップ。それやられるとさすがに逝っちゃうと思う」
「えー?もうストップなの?」
「開封する?」
「そうだなあ・・・・またにするか。ね。そしたらいっそタックしてよ」
「いいよ」
ボクはテープタックして、女の子の股間にしてしまった。
「よし。これで女の子同士♪この方が長時間楽しめそう」
「そうだね。適度に気持ちいい感じが継続していくかも」
「女の子同士のほうが、私たちいいのね。結局」
「そうなんだろうね」
「でも私のバージン、欲しくなったらいつでも言ってね。あげるから」
「バージンは今度また彼氏作ってから、その彼氏にあげなよ」
「冬にバージンあげたら彼氏作るよ」
「それ、変だよ、絶対」
「ふふふ」
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