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■受験生に****は不要!!・起(2)

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2月になった。最初の私立を受けに行く。市内の高校なので普通に家で朝ご飯を食べてから出かけた。午前中に国語と数学。午後から英語。ところが数学を解いている最中に急に気分が悪くなってきた。何とか書き上げたけど、最後の方はどう書いたかよく覚えてない。まずいなぁと思う。そこに、同級生の亀井美夏が声を掛けてきた。「どうしたの?顔が青いよ」「うん、ちょっと気分が悪くなっちゃって」「風邪?あ、そうだ。私お薬持ってるよ。飲む?」「うん。ありがとう。助かる」
 
美夏はポーチから錠剤2種類と粉薬を取り出した。「錠剤は2錠ずつ飲んでね」
「まるで病院からもらった薬みたい」「うん。こないだ私が風邪引いた時のだけど、早く治っちゃったから、とっといたんだ。全部あげる。返さなくていいから」と美夏はまるごとボクに渡してくれた。「じゃ、どこかで水を貰うよ」
と言って、ボクは教室を出た。職員室か何かを探して歩くのだが、初めて来た学校なのでよく分からない。ボクは完璧に迷子になってしまった。困った。
 
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その内もう午後の試験開始の5分前になってしまう。ボクは諦めて教室に戻ることにした。それもかなり苦労したが、何とか開始ギリギリの時刻に戻ることが出来た。仕方ない。このまま頑張るしかない。幸い、英語は比較的得意だ。ボクはできるだけ急いで解答を書き上げると、速攻で答案を提出。家に帰った。そしてそのまま御飯も食べずに寝てしまった。幸いにも翌朝には体調は戻った。
 
一週間後、もうひとつの私立の受験に行く。今度は少し離れたY市にある高校なので電車で前日にY市内に入りホテルに一泊する。ママが付いてくる予定だったのだけど、急に親戚の法事の手伝いの手が足りなくなって、そちらに行くことになりボク一人で行く。一人で大丈夫だよと言ったし、ママもどうせこの高校には通るまいと思っているから、どうでもいいのだろう。この学校はそもそも制服の無いところで、私服で構わないようなので、ボクはポロシャツにジーパン、それに普段着ているスタジャンだけでは寒そうだったので去年お嫁さんに行った姉の使っていたダウンジャケットを借りて出かけた。
 
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遅刻したらまずいので前日は11時には勉強を中断して寝た。寒い日なので、暖房を全開にして寝る。
 
目が覚めたのは明け方5時頃だった。ノドが痛い。暖房を全開にしたのがまずかったかも知れない。部屋がひどく乾燥しているようだ。ボクはお風呂場の戸を開けて、バスタブにお湯を溜める。これで、この湯気で少しは良くなるはず。(*1)
 
それにしてもノドが痛い。うがいはしたけど、そのくらいではなおらない。そうだ。ボクは突然こないだ美夏からもらった薬のことを思い出した。あの時は結局飲めないままになってしまったので、カバンに入っていた。
 
2錠ずつと言ってたよな。でも、たくさん飲んだらすぐに効くかな。4錠飲んじゃおう(*2)。ボクはそう思うと、錠剤を4つずつ飲み、粉薬の方だけ1回分を水と一緒に飲み干した。本当はここで寝た方がいいのだろうけど、今の時間から寝ると遅刻が怖い。ボクはもう起きて勉強することにした。
 
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(*1)これをやりますと、火事と誤認されてスプリンクラーが作動する場合があります。乾燥しすぎた時は窓を開けちゃうのが一番。
 
(*2)薬を決められた量以上飲むと、命にかかわることもあります。これはとても危険です。
 
試験は9時からだけど交通機関が止まったりしたら困るので、7時にはホテルを出て会場へ向かった。何事もなく8時前に到着。しかし既に来ている受験生もある。8時には校舎が開けられて、教室に入ることが出来た。試験は今回は午前中に英語と国語、午後から数学。ところが英語が始まる前にボクはかなり気分が悪くなってきた。頭がガンガン痛い。幸い熱は出ていないようなのだが体中がたるい感じで、思考能力が急低下。こりゃだめだ、と思ったけど、そもそも期待していない学校だから、気にせずとにかく答案だけは書いて帰ることにした。
 
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結局本来は得意な英語も含めて三教科とも、どんな問題が出て、どんな解答を書いたかほとんど記憶に残っていない状況で答案を出し、数学の答案を終了時刻の10分前に提出して、ボクは帰りの駅に向かった。すると不思議なことに駅に着いた頃、気分が随分良くなってしまった。こんなことってあるんだ。きっとこの高校はボクには縁が無いんだろうな。ボクはそう思うと電車に乗り込んだ。
 
しばらくして改札に回ってきた女の車掌さんが「キミ気分でも悪いの?」と聞いた。そうか。まだ顔色は回復していないのかも知れない。「ええ。でもだいぶ良くなってきました」と答える。「この車両は人が多いからなぁ。隣の車両に移るといいよ。あちら今日はかなり空いてるから」と車掌さんはボクを連れて隣の車両に移り、空いている席を指示してくれた。
 
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「この車両は女性専用だから、男の人から覗かれる心配もないから安心して楽にしててね」
 
『え?』と思った時はもう車掌さんは向こうに行ってしまった。そうか姉のダウンジャケット借りてきたし、受験前で床屋さんにも3ヶ月くらい行ってなくて髪が伸びてるし、女の子と間違われたのだ。
 
改めて周りを少し見回すと、本当に女の人ばかり。きゃー、こんな所にいてもし男とバレたら、と思ったが、身体検査されてもおちんちん付いてないし。むしろ今自分は女の権利があるのかも知れない、という気がしてきた。じゃ別に構わないか。ボクは急に安心してしまった。そしてその安心感が気持ちいい眠りを誘い、ボクは熟睡した。自分の降りる駅に着く頃には、その睡眠もあって、すっかり体調は良くなった。
 
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電車を降りて、出札を通る前にトイレに行こうと思ったのだが、ホームに降りたところでバッタリとさっきの車掌さんと出会った。「先ほどはありがとうございました。おかげでぐっすり眠れました」ボクはできるだけ高いトーンを使ってお礼を言った。「良かったね。さっきは声の調子も悪かったみたいだったしね。私もこの駅で列車を見送ったら交替なんだ」という。その声は....さっきは男の地声だったし。「あ、トイレでしょ。どうぞどうぞ」ボクの進行方向を見て彼女は言う。こうなると、この人が見ている所で男子トイレには入れない。えい、仕方ない。ボクは勇気を出して女子トイレに入った。
 
トイレの中ではボックスは埋まっていて、中年の女性が2人順番を待っていた。ボクは開き直って、その行列の後ろに並んだ。さすがに前の2人とあまり顔を見合わせたくないから、横を向いたり後ろを向いたりする。ところが、その後から今度は若い女性が入ってきた。きゃー。ボクはさすがに恥ずかしくてその人とあまり顔を合わせないようにした。もっともあまりオドオドしたらまるで痴漢だ。ボクは自分は女の子、女の子。そう思いこむことにした。
 
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幸い、すぐにボックスが続けざまに3つ空いた。ボクはボックスの中に飛び込むと大きく肩で息をした。おしっこを済ませてから外の様子をうかがう。できれば人がいなくなってから出たいのだけど、どうやら人数は逆に増えてきているよう。ボクは諦めて、水を流したあと勇気を出して外に出て.....今度は手を洗う列に並ぶはめになった。もう開き直りの連続だ。順番が来て、手を洗うともう急いでトイレを出て、出札を通った。
 

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次の公立の入試まで約三週間。時期が時期だけに何度か体調を崩したが、その度に、美夏からもらった薬の残りを飲んでおいた。すると、この薬、どうも飲むとしばらくして頭痛が来て身体に倦怠感が発生するのだが、それが過ぎると体調がとてもよくなることが分かった。どうやら、こないだの受験の時にはその頭痛が出るピークに、ちょうど試験時間がぶつかってしまったのかも知れない。まぁ、元々通りそうにない学校だから構わないけど。
 
ボクは相変わらず勉強に集中していた。もうおちんちんが無いという状態を不便とは思わないようになってきていた。ボクにとっては、これが日常という感じになりつつあった。ボクがよく勉強している様子にママも安心している。
 
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でも、その頃からボクは少し身体に違和感を感じ始めていた。実は少し胸が張っている感じが良くするのだ。何だか微妙に胸が膨らんでいるような気もする。男性ホルモンが無くなったことでひょっとしたら身体が多少女性化しているのかも知れない。でも3月末になったら睾丸も戻してもらえるから、普通に戻るだろう。ボクは気にしないことにした。
 
やがて3月になる。私立の発表が公立より先にある。最初に受けた学校。何と落ちていた。これはちょっとショック。やはり体調を崩したのが敗因だったのだろう。試験問題は易しかった。だから逆に点数が高くないと合格しなかったのだろう。ママも「死んでも公立通るのよ」と言う。いや、死んだら困るんだけど。
 
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そして2番目に受けた学校。何と通っていた。ウソ!体調が悪くて何を書いたか全然記憶が無いのだけど、それがタマタマ正解確率が高かったのかも知れない。友人に聞くと難問が多かったらしいからある程度の点数が出れば通ったのだろう。ママは大喜びだった。一転して「頑張ったのね」と言うが、実は偶然の産物だ。さて、そこに入る気があれば公立の受験日の前日に設定されている期限までに入学金と1年分の授業料を納めておかねばならない。結局入らない場合は授業料は返してくれるが入学金は戻ってこない。やや大きな金額なのでママはパパが長期出張で行っているブラジルに国際電話を掛けて随分話し合っていた。しかし、一応入金しておくことになったようだ。
 
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「でも公立も頑張ってね」とママは言う。うちの家計ではそこの私立はやや大変なんだろうなと思う。ボクも当然公立を頑張るつもりでいた。
 

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