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■春七(2)
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目次 #
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『関東不思議探訪』の制作現場
「神田あきらちゃんってアクアちゃんの親戚なの?」
と番組セミレギュラーのカップソープか訊いた。
「そうです。遠い親戚なんですよ。それでうちの姉妹でアクアの子供の頃の役を何度かしました、同じ顔で7人揃ってるから子供の成長過程の描写に便利らしいです」
「今の発言はアクアと同じ顔という意味では無くて姉妹同士で同じ顔ということね」
「はい。そうです」
「で、どういう親戚なの?」
{三従姉妹違い(みいとこちがい)というんです 英語だと
third cousin onece removed」
「なにそれ?」
「兄弟姉妹の子供同士は従姉妹(いとこ) cousinですよね」
「ちょっと待て」
と言って何か書いている。
「うん。確かにそうだ」
と自分の親戚の誰かで確認したようだ。
「従姉妹の子供同士は又従兄弟(またいとこ)です。“はとこ”ともいいますが」
「ああ言う言う」
「又従兄弟(またいとこ)の子供同士を三従姉妹(みいとこ)と言います」
「ほほお」
「三従姉妹のこどもを三従姉妹違いと言うんです」
「三従姉妹の子度同士?」
「それは四従姉妹(よいとこ)だと思います。子供同士では無く三従姉妹の片方の子供がもう片方から見ると“三従姉妹違い”なんです」
「よう分からん」
「うちの祖父の白河夜船とワンティスの高岡猛獅さんが又従兄弟だったんです」
「ああ、その話は聞いたことある。それで白河夜船さんが店長してたライブハウスにワンティスが出てたって」
(正確には出演していたのはワンティスの前身にあたるワンバン)
「そうなんですよ。だからうちの母の白雪りんごとアクアちゃんが三従姉妹になります」
「ふむふむ」
「だから私はその娘で、三従姉妹違いです」
「結局よく分からん親戚やな」
「まあそんなものですね」
「それであの道路を走る資格があるんだ?」
「HFRCの特別会員証頂きました。A級ライセンスは講習会に参加して取りました」
「A級ライセンスって講習会に参加するだけで取れるんか」
「ええ。とれますよ」
「それで主婦になったのか」
「幸せです」
「ということで以下そのレポートである」
バレンタイン特集:ティファニーと朝食を:高校生主婦ポルシェで夕飯のお買い物
という字幕が表示される
「ちと待て。真ん中までは良いけど後半は何やねん」
とカップソープが突っ込む。
「まあビデオ見ていただけたら」
と谷崎潤子。
バレンタイン前日←字幕
白雪りんごが言った
「あきら、明日あんたの結婚式だから」
「え〜〜〜!?」
「相手はこの人ね」
そこにセーラー服を着た槇原歌音登場。
「私女の子と結婚するの?」
「ぼくは男の子だよ。これ僕の写真集ね」
写真集“Kanon in Kabazawa”が紹介される。
兼六園・尾山神社・長町・東茶屋街・金沢別院・老舗記念館・金沢大学・21世紀美術館などなど金沢の名所でセーラー服の歌音が映っている。友禅工房では振袖を着ている。
「やはり女の子なのでは・・・」
「デートしようよ」
と言われて、ハイヤーを呼んで移動。素敵なレストランでお食事をする。
千葉市の小高い丘にあるレストラン“九十九里の風”
服装は歌音はセーラー服、あきらは制服風のブレザーとスカート(衣裳)である。
コース料理を食べながらおしゃべりをする。
「好きになっちゃった。結婚して」
「指輪くれたら」
「じゃ買いに行こうよ」
それで銀座のティファニーに行き指輪を選ぶ。(デートの時の服のまま!)
「じゃしあがったら届けさせるね」
「はい」
(本当にティファニーに行ったのは1月で歌音はメンズスーツを着た)←字幕でコメント
2月14日朝←(字幕)
何かが飛んでいる様子が画面に映る。
「鳥だ」(月子の声)
「飛行機だ」(カップ知るかの声)
「違う。あれはドローンだ!」(矢田ディレクターの声)
カメラがズームアップすると6枚羽根のドローンが飛んでいる。
ドローンは一軒の家の2階ベランダに置かれたテーブルに着地した。
部屋から、神田あきらが出てくる。
一方室内のカメラ(谷崎潤子)はお布団に寝ている神田あきらが目覚めて起き上がり、掃き出し窓を開けてベランダに出る様子を撮す。
「あら、朝食が届いたのね」
と言って椅子に座り、ドローン(羽根停止済)に乗っているトレイのカバーを外す。
「美味しそうな御飯」
と言って食べ始める。
牛乳にストローを刺して飲む。スライスされたキウイを食べる、野菜サラダを食べる。トーストにウィンナーを載せ野菜も載せて一緒に食べる、マグカップに入ったコンソメスープを飲む。
「これは何かな」
と言って容器のふたを開けると指輪が。
「あら素敵」
と言って自分で左手薬指に填め、うっとりする。
家の前にかっこいい車が停まる。“ブガッティ・シロン(約3億円)”という字幕。
「あきらちゃん、迎えにきたよ」
と言っているのはマリである。ドライバーはマリとケイのドライバー佐良しのぶ(HFRC会員)←字幕。
母の白雪りんごが部屋に入って来て、ウェディングドレスにお着替えの後、あきらの手を握り、玄関まで連れて行く。カメラは背中を追う。それで母と一緒に車に乗る。谷崎潤子は助手席に乗る。
約1時間掛けて八王寺に行く。八王寺林業の南側のゲートで一時停止。ゲートが開いて中に入る。
HFRCのロゴが入った整備士服を着たスタッフが数人出て来て、と特製タイヤを履かせる、(「特製タイヤ(約350万円)」という字幕)
佐良しのぶが特別キーで車を始動する。ぐいぐいスピードをあげて420lm/hに達したのがカメラに映される。やがて車は減速して一旦停止。ウェディングドレスを着た神田あきら自身が運転席に座り150km/hでスパイラルロードを上って行く。
(花嫁が凄いスビードで車を走らせる:『カリオストロの城』へのオマージュ)
約30分で頂上のパーキングに到達する。
2t車が駐まっており、側面を開けると神殿がある。
番組ではおなじみ、越谷F神社の辛島宮司と巫女衣裳の女性4人(1人は番組でおなじみの“外人巫女”佐力リサ。一人は銀組レギュラーの村山千里)が出てくる。
「私レギュラーだっけ?」
と千里が訊いた。
「ほぼ毎回出てますよ」
と谷崎潤子。
「うん。いつも出とる」
とカップ知るか。
「よく、どこかの神社で箒持って掃除してる」
と多くの視聴者の声。
「これから結婚式でーす」
とマリが言う。
歌音とその両親、あきらの父が出て来て参列する。白河夜船、ケイとアクア(ドレス姿)も出て来て参列した。
(ケイは白雪りんごの弟の妻の従妹)
「じゅね、やめるなら今が最後のチャンス。このままおうちに帰ってもいいんだよ」
と母の白雪りんごが最終意思確認する。佐良も
「おうちにお連れしますよ。番組は醍醐春海とケイで何とかしますから。ふたりとも、この手のハプニングに強いし」
と言う。しかし本人は
「結婚します」
と言って車を降りた。
巫女さん2人が新郎新婦にお祓いをして、新郎新婦が神前に出る。笛(千里)と太鼓(リサ)が鳴る中、神職が祝詞を奏上する。
「かけまくも賢きF大神の御前(おんまえ)にて、かしこみかしこみ申す。石川県金沢市に住まいする梨原志望(のりもち)が息子・可能(よしたか)と、東京都世田谷区に住まいする白雪範人が娘・じゅねの婚礼(とつぎのいやわざ)、執り行わん・・・・・・・」
神田あきらはこの祝詞を聞いたとき「私ほんとに結婚するのか」という気持ちになったらしい。
(辛島宮司は“理解”がありすぎるので、可能のことを“息子”でいいのか。娘ではないのか、と事前に確認していた!辛島は過去に同性カップルやMTF/FTMさんも多数結んでいる)
なお服装は、歌音がタキシード、あきらが白いウェディングドレスである。あきらは「歌音にウェディングドレス着せたい」
と言っていたが歌音は「式では駄目」と言って謝絶した。
式は滞り無く進み三三九度が行われる。これに母里酒造のノンアルコール清酒“お酒じゃないの〜?”が使用された。新郎新婦が20歳未満だからである。親族堅めの盃にも同じ物が使用された。
指輪交換・玉串奉奠・巫女舞・誓詞詠み上げと進み、神職のお話で式は終了した。
式の後は全員で山を降り(大型バス使用)、アクアの別荘に行った。
そしてここの広間で祝賀会をする。料理はまた母里酒家である。
今回は千里のコネがフル活用されている。
「歌音には是非この服を」
と神田あきらが言ってブルーのウェディングドレスを着せる。ウェディングドレス同士で並んだ記念写真を撮る。
出席者へのお土産はガトームーラン特製バウム・クーヘンであった。
仙台クレアの佐藤純が指導して、川口姉妹・高田舞花・竹下姉妹・金堂多江、それにパートさんたちも入れてパティシエ高岡の総力をあげて制作した。
双方の友人代表スピーチは、神谷内プロデューサーと秋風コスモスがした。乾杯の音頭は地獄大佐が取った。伊勢真珠・協界迷子・松梨詩恩・広沢ラナなどもスピーチした。
祝賀会ではアクア、ローズ+リリーの歌も披露された。親戚に民謡関係者も多くたくさん民謡も歌われた。神田あきらと同じ事務所で先輩主婦・坂出モナも歌った。
モナは
「私は高校の卒業式の後で結婚したから高校生主婦にはならなかったのよね」
などと言っていた。
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