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■TSBコンテスト(2)

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半年ほどたったとき、朝突然「今日は去勢します」といわれて麻酔を打たれ、手術室に連れて行かれた。下半身を固定しての部分麻酔で手術が行われた。これで私は完全に男ではなくなった。摘出した睾丸は資料として保存する必要があるので渡せないと言われたが、別にもらってもしょうがないので「O.K. O.K.」と言っておいた。
 
去勢手術の傷が癒えた頃、女性としての生活テストを始めると言われ、買い物に行ったり、図書館に行ったり、展覧会やコンサートに行ったりなどということを毎日させられるようになった。そして1ヶ月後、今度は女性として仕事をしてもらうといわれ、私は玲子に連れられて病院から電車で30分ほど行ったところにある会社につれていかれ、面接を受けさせられた。
 
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面接をしてくれた人は私を気に入ってくれたようで、採用が決まった。また私は病院を出て近くのアパートに一人で住むことになった。この頃には私の胸はAカップ程度には成長していた。しかしオナニーは毎日続けていた。睾丸を取ってしまったのでもう精液は出ないのだが何やら透明な液が出ていた。
 
会社での仕事は簡単な事務作業で、エクセルやワードを使って書類をまとめる仕事だったので、楽勝であった。この頃までには私の英語もかなりまともになってきていた。私は毎朝アパートで起きてはお弁当を作り、女物のスーツを着てはお化粧をして電車で会社に出かける典型的なOLとなった。
 
最初はかなりビクビクものであったが、次第に慣れてきた。問題は会社の人達が私が男と知っているのかということであったが、それについて一週間に一度くらい様子を見に来る玲子は黙って笑って「とにかくバレないようにちゃんと女の子してなさい」とだけ言った。
 
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そしてOLを半年ほどした時、ある金曜日、普段通り会社から戻ってくると玲子が待っていた。「今から性転換手術をするからね」と言われた。私はとても心の準備ができなかったが、玲子は強引である。即車に乗せて病院に連れて行き簡単な検査の後麻酔を打たれた。「目が覚めた時はもう女の子よ」
私は何も考えるひまがないまま、深い眠りにおちていった。
 

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けだるい感覚が私を目覚めさせた。何かまわりが騒々しい。軽い頭痛がする。「えーっと何だっけ」私は何が何だか分からない感じで天井を見つめた。
 
そうだった。私は性転換手術を受けたんだった。借金で首が回らなくなって会社も辞めなければならなくなっていた時に玲子に会った。そして性転換のコンテストのモデルになることを勧められ、アメリカに渡った。そしてホルモンの投与を受け、OLとして生活して、そして突然今から手術するからと通告されて病院に連れて行かれ、麻酔を打たれて....ということは、ここは病院か?
 
と思ったが、どうもそういう場所ではないような気がする。私はもう一度自分の記憶を辿ってみたが、やはり手術を受けた所で記憶が途絶えている。少しずつ意識が回復してきた。やはりまわりは騒々しい。一体ここはどこなのか。
 
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私は起きあがった。そこは小さな部屋で下は柔らかいタイルカーペットが敷かれていて、私は毛布を掛けられて寝せられていた。まわりには誰もいない。しかし少なくとも、病院の一室には見えない。大きな姿見がある。私は移動してその前に立ってみた。ドキっとする。
 
随分見慣れたとはいっても、まだ自分ではないみたいだ。セミロングの髪、きれいにお化粧されている。濃緑のスカートスーツを着ていて、内側は白いブラウス。通勤に使っていた服だ。美人だよな、と実は思う。見とれていてハッと大事なことを思い出した。そうだ!手術されたんだった。
 
私は回りに人がいないことを確認して座っておそるおそる、あの付近に手をやってみた。
 
感触が明らかに違う。私は大きく息を付いた。パンツを下げてみる。そこにはそれまで有ったものは無かった。覚悟していたこととはいえ少しショック。しかしまぁ仕方ない。自分で決めたことだ。触るとまだ少し痛い。腫れているような感じもする。あまりまだ直視したくない気がする。私はパンツをあげた。
 
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しかしここは本当にどこなのだろう。病院とは思えない感じ。身の回りを確認すると小さなハンドバックがひとつあった。見覚えはないが私に与えられたものであろうか。そっと中を開けてみる。
 
女物の財布。これは私がアメリカに来てから買って使っていたものだ。中を見ると日本円で1万円札2枚・千円札が10枚と小銭が少々入っている。口紅とコンパクト。ハンカチとティッシュ。
 
日本国政府発行のパスポート。そこには最近の私の写真が貼られていたが、名前は山橋美智子・女性となっていた。生年月日は自分の誕生日だが名前は聞いたこともない名前。このパスポートを使えということだろうか。
 
履歴書が一枚。そこにはやはり私の写真が貼られていて「山橋美智子」の履歴が書かれていた。本籍地と住所に書かれているのは東京の知らない住所。そして知らない学校の名前が出身校として書かれていた。最後の大学を出たあと、アメリカにずっといたことになっている。
 
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他に何か無いかなと思って探してみると、ポケットの中から一枚の紙片が出てきた。航空券?? そして荷物タグ!?
 
航空券は12月10日13:00 ロサンゼルス発東京行きと書かれている。この便に乗れということ?? 一体今は何日の何時なんだろう。私は部屋の中にほかに物がないことを確認すると、バッグを持ち外に出てみることにした。靴は私が最近履き慣れていた靴が出口のところに置いてある。
 
外に出る。ちょっとまぶしい。人がけっこう忙しげに歩いている。私はしばらく歩き回り、どうやらここがロサンゼルス空港のターミナルの中であることに気づいた。時刻は10:30。売店に行って新聞の日付を見る。それで今日が12月10日であることが分かった。持っているチケットの便の出発まであまり時間がない。
 
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しかし何がどうなっているのだろう。性転換コンテストはもう終わってしまったのだろうか。それにしても何か説明があっていいはずなのに。そもそも私が玲子に連れて行かれて住んでいたのは東海岸のボルチモアである。ここがまだワシントンとかせめてニューヨークというのだったら分かるが、なぜ西海岸のロサンゼルス??それもさっぱり分からない。玲子に電話してみようと思い電話を探した。そして掛けようとして小銭を出そうとして「あっ」と思う。日本円しか財布には入っていなかった!! これでは掛けられない。どうする?
 
私は待合室の椅子に座って少しだけ考えた。しかし結論は明らかだった。この持っているチケットの便に乗る以外の道は無い。荷物タグがあった。それを成田で受け取れば、何かが分かるかも知れない。私は立ち上がった。
 
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正直言って飛行機に乗っている内にお腹が空いてきたので、機内食が待ち遠しかった。食べて落ち着くとトイレに行きたくなる。席を立って化粧室の中に入ったところで、ちょっと気になった。うまくできるかな?
 
パンツをさげて便器に腰掛ける。初めての体験である。事前のオリエンテーションで、手術して間もない人はけっこうおしっこが飛び散り、コントロールも聞きにくいと聞いていた。しかし着替えもないし失敗できない。トイレットペーパーを少し取って構え、おそるおそる筋肉を少しずつ弛めてみた。
 
備え有れば憂い無し、とはよく言ったものである。私はグシャグシャになったトイレットペーパーを便器の中に落とすと、さらにトイレットペーパーを取りあまり擦らないように気を付けながら、よくよくその付近を拭いた。これ日本に戻ったら随分自分で練習しないといけないんだろうな、と思った。きれいに手を洗って席に戻り、シートベルトを締めて、私は大きくためいきを付いた。
 
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成田に着いたのは夕方である。しかしロスでもそうだったが、この知らない名前のパスポートで入出国管理を通るのはちょっと勇気がいる。しかし今は本来の高多啓太のパスポートの方が使い辛い身である。特に不審がられることもなくホッとした。荷物を受け取る。中身を確かめたいがその付近で開けるわけにも行かない。空港内のサービスカウンターで都内のあまり高くないホテルを予約し、成田エクスプレスで東京に出る。
 
ホテルにチェックインする。住所を書かねばならない。機内でよくよく眺めて頭に入っていた「山橋美智子」の住所と電話番号を記入した。そこがどこかは知らないが、ホテルがそこに電話することもないだろうから構わないだろう。しかし未だに性別の所でFに○を付けるのはドキドキする。
 
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部屋に入ってまずシャワーをあびた。汗が流せて気持ちいい。あの付近はまだ直視するのがこわいので、手の感触で丁寧に洗った。なんとも不思議な感触だ。しかしこの身体とこれからずっと付き合っていかなければならないのだ。
 
身体を拭いてから部屋の姿見の前で自分の裸体を見てみる。いいプロポーションだ。アメリカでずっと鍛えられたおかげで、ちゃんと腰のくひれがある。胸もホルモン療法のおかげで充分に発達している。そして、今まで股間にあった男性を示すものが消滅している。女の子っとどんな感じなのかなと思って、今までもそれを股の間にはさんで鏡を見てみたことはある。今はちょうどそんな感じだが別に股には何もはさんでない。その証拠に少し足を広げてみる。そこはスッキリして代わりに小さな割れ目があった。
 
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あまりこの状態を見ていたくもないのでバスローブを着てベッドに行き、荷物を開けてみた。着替えが少々。お化粧道具一式。ディレーターがサイズ違いで数本入っているのを見た時はドキっとした。これをこれから一生使わなければならないのだ。ため息を付き首を振ってテーブルの上に置く。他はこれといった特別な物が入っていない。困った。ポケットの中から通帳と印鑑が出てきた。これも山橋美智子名義。使っていいということなのだろう。金額を見てびっくりする。100万円入っている。取り敢えず御飯を食べるのには苦労せずに済みそうだ。それから鍵。もしかしたら書かれていた住所の場所の鍵なのかも知れない。とすると、そこに行ってみると、何か分かるかも知れないと思った。何とかなりそうな気がしたところで安心すると眠くなった。機内では必ずしもよく眠れなかった。
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