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■全国女子化学校案内(3)

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◆性教育と自慰 
 
「女子化学校での性教育って、やはり進んでるんでしょ?」
「ええ。性別に関する医学的な処置を小学4年生には始めないといけないので、それ以前に性の仕組みをちゃんと理解していてもらわないと困るんですよね。ですから、男女の性器の違いとか、生殖の仕組みとかを、小学校の低学年からしっかり教えます。セックスについても小学3年生になったら実写ビデオなども見せて教えます。知らないとまずいですから」
 
「小学4年生くらいから性ホルモンの投与を始める所が多いですよね」
「ええ。ですから、その時点でホルモンを取ることの意味が分かってないといけません。子供を作ることはできなくなる訳ですから」
 
「自慰に対して厳しい学校もあると聞いたのですが」
「男の子になりたい女の子ではあまり問題無いのですが、女の子になりたい男の子の場合、自慰をたくさんされると、せっかく女性ホルモンを投与しても自慰によって睾丸が活発に活動することで、その効果が打ち消しになってしまう場合があります。そのため、たいていの女子化学校で、自慰は厳しく禁止されています」
 
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「でも禁止して止められるものではないでしょう?」
「それをしてしまう世代ですからね。自慰できないように貞操帯を付けさせる所もありますが、トイレや寮の個室をモニターしていて、自慰をしていたり、自慰をした形跡が見つかると、罰が与えられるという所もあるようです」
 
「どういう罰なんですか?」
「性転換した人の伝記を読ませて感想文を書かせたり、作業奉仕させる場合もありますね。それこそ貞操帯を取り付けられる場合もあります」
 
「自慰したら去勢ってことは?」
「しばしば女子化学校を描いた漫画なんかでは、自慰が見つかった児童が保健室に強制連行されて去勢されてしまう、なんてのが描かれていますが、まあ、そんなことする所は無いと思いますよ、多分」
 
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「去勢は最初から親の承諾書を取っていると聞きましたが」
「そうですね。性転換手術に関しては、個別に承諾書を手術の24時間以内に取ることが義務づけられていますが、去勢とホルモン投与については入学・編入する時点で、承諾書は提出してもらっています」
 
「じゃ、いつ去勢されても文句言えないわけですね」
「でも強引に去勢したら、学校と生徒との間の信頼関係が損なわれますから、強制手術は無いですよ、おそらく」
 
「女の子式の自慰なら咎められないとも聞きましたが」
「ええ。禁止されているのはだいたい男の子型の自慰のみです。女の子式に指で押さえてグリグリするのは、女の子としての自覚を促すとして、むしろ推奨されていたりします」
 
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「でもそれやって大きくなったりしないんですか?」
「小学4年生からホルモンを摂取していると、中学に入る頃には去勢していなくても、もう勃起能力は失われているので、グリグリしても大きくなったりはしませんね」
 
「勃起神経を切られるという話も聞きますが」
「それは希望者のみですね。去勢するのなら神経を切る必要はありません。去勢はまだ先にしたいけど勃起はしたくないと本人が希望する場合に、その手術をすることもあります」
 

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◆法的な背景 
 
近年全国に多数の女子化学校が出来た背景には、やはり法的なバックアップ体制が出来たのが大きい。中でも「性別適正化三法」は基本である。
 
●年少者性別適正化法 
 ・心理的な性別の発達が戸籍上の性別と異なる10歳以上18歳未満の児童生徒には本人または親権者が望めば積極的に適正な性別に身体を変化させていく治療をして良い。 
 ・心理的に女性として発達している13歳以下の男子、または将来女性になりたいと本人が願っている男子、あるいは親権者がそれを願っている男子には声変わりが起きる前にホルモン投与や去勢によって男性化を止める処置を行うことを推奨する。 
 
 ・戸籍上の性別と異なる性別で就学を希望する児童・生徒にはできるだけその希望に沿った対応をする。 
 ・ホルモン投与や去勢を行う前に最低1年以上、希望する性で生活していることが望ましい。 
 
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●年少者の性別変更に関する特例法(通称年少者性別変更法) 
 ・戸籍上男性である20歳未満の者が、陰茎・陰嚢・睾丸が無く、陰唇があり、乳房が女性的な形状である場合は家庭裁判所の審判を経て戸籍を女性に変更して良い。 
 ・上記の場合、膣の存在は要求しない。また13歳未満の場合は乳房の形状は問わない。 
 ・戸籍上女性である20歳未満の者が、卵巣・子宮・陰唇が無く、乳房も男性的な形状である場合は、家庭裁判所の審判を経て戸籍を男性に変更して良い。
 
 ・上記の場合、陰茎の存在は要求しない。 
 ・親権者の承認が必要である。 
 ・当人が婚姻中である場合は、配偶者の許可が必要である。(離婚は求めない) 
 
●性別適正化治療助成法 
 ・年少者性別適正化法に基づく、性器の摘出または切除・形成手術、乳房の形成・切除手術の費用は7割を公的に負担する。
 ・性別適正化教育の認定学校内で上記の治療を行う場合は、残り3割相当額の助成金を交付する。
 ・性別適正化教育の認定学校が生徒に投与・支給するホルモン剤の費用は全額を助成する。
 
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またスポーツ界では、睾丸摘出後1年以上(五輪出場は2年以上)が経過し、その間適正なホルモン投与が行われている元男子選手は女子選手として大会に出場可能であるとした。また卵巣摘出済みで乳房が男性的形状である元女子選手はただちに男子選手として大会に出場可能である。
 
女子中学・女子高・女子大、また男子中学・男子高・男子大学では、性転換後(戸籍の変更が可能な身体の状態になった後)1年以上経過している場合、入学を認めるとした。ただし学籍簿・卒業証書はその性別にあわせた名前でのみ発行するので、戸籍の変更をしなかった場合は、公的な試験を受けようとした時、大卒などとして認められない可能性がある。
 
性別適性化教育の認定学校になるためには、去勢・性転換手術・ホルモン治療・医療脱毛などをする設備を持っていて、その設備を運用するための医師・看護師などが常駐していること、性別問題でのカウンセリングをおこなえるスタッフが常駐していること、また通常の性別の生徒と一緒に教育をおこなう場合は性犯罪などが起きないよう充分留意したシステムが作られていること、などが条件となる。
 
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■女丘女子学園(京都府/幼稚園・小学・中学・高校・短大・四年制大学) 
 
・入学資格 3歳以上の者 
・女装 ◎ ホルモン ◎ 豊胸 ○ 去勢 ◎ 性転換 ◎ 通学制 
・進学 高校卒業後3割が同じ学園の短大・四年制大学に、5割が他の短大・四年制大学に進学している。
・特徴 元々がお嬢様学校であったものが、性転換を志向する男子生徒も受け入れるようになったので、マナーなどに関する指導が厳しい。また基本はふつうの女子学園なので、男子枠はあまり多くなく、小学校1クラス、中学・高校2クラスである。また性転換前の男子は元々女子である生徒と会話を交わしてはいけないことになっている。
 
※幼稚園は普通の共学 
※短大・四年制大学はふつうの女子大。ただし戸籍上男子のまま入学して女子化教育を受けることもできる。 
※小学4年生以上に女性ホルモンを投与する。途中入学の場合は、入学後半年たってから投与を開始する(本人が希望すれば最初から投与することも可能) 
※小学6年生の卒業式前日に去勢式を行い、全員去勢する。去勢が終わっていないと小学校の卒業証書をもらえない。 
※中学から入った生徒は1年生3学期の修了式の前日に去勢式を行う。 
※高校1年の3学期に性転換手術を行う。性転換手術を受けない場合は1年生の課程修了とともに退学となる。 
※本人が希望すれば、中学生以上であれば性転換手術を受けても良い。 
 
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生徒File.023.**真由美 
旧名真輔。女性志向は生れつきだったが、それをひた隠しにしていた。自分の体が男性化していくのに耐えられず京都市内の他の高校に行くと親をだましてこの高校に入学。すぐにホルモン投与を始め翌月には去勢。そのまま3学期に他の生徒と一緒に性転換手術を受けたが、これが親にバレた時は、両親は一時ショックで寝込んだという。戸籍に関しては親の意向で改名を先行し、性別は20歳になってから変更することにしている。高校卒業後は京都市内の私立大学英文科に進学。将来は通訳になりたいと語っている。
 
生徒File.024.**美登里 
旧名登。小学生の頃からスカートを履いて通学していて級友からもほぼ女性と認知されていたが、中学に行くと学生服を着なければならなくなるので京都市内の私服でいい学校に行こうと学校案内を見ていてここを知った。中1で去勢し、高1でみんなと一緒に性転換手術をしたが、両親がなかなか認めてくれず戸籍の変更は高3の2学期にやっと完了した。高校卒業後は奈良女子大に進学。
 
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生徒File.025.**麻美 
旧名研一。自由な家風の家庭に育ち、服装も男物女物にこだわらずに着ていた。思春期を迎えて自分は女として生きていく方が良さそうだと思うようになり、両親も認めてくれたので中学から入学。中1で去勢、高1で他の生徒と一緒に性転換し、すぐに戸籍を女性に変更。高校卒業後は滋賀医科大に進学。
 
生徒File.026.**鈴子 
旧名俊充。小学生の頃から時々こっそりと姉のスカートや下着を身に付けていた。それが5年生の時に家族にバレ、ひどく叱られたが余計女性志向は強くなり、中学から入学、入学後すぐに性転換手術をしてしまった。姉のとりなしで両親と和解、中3で戸籍も女性にすることができた。高校卒業後は京都市立芸術大学に進学。
 
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生徒File.027.**幸子 
本名幸一。家が老舗の呉服屋で、女性の着物を自分でも実際に着て女性の気持ちを少しでも理解したいと考え、高校から入学した。去勢・ホルモン・性転換が必須であることを知らなかったが、手術を受けるように言われて「別に男性器は無くてもいいし」と思い、一気に性転換手術を受ける。両親はびっくりしたが、女物の服が似合ってるし、そういう生き方もいいよね、と認めてくれて戸籍も女性に変更した。高校卒業後は美容師の資格を取っておこうというので、美容学校に進学した。
 

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◆優待性転換 
 
「女子化学校に通っている生徒の家族は安価に性転換手術を受けられると聞いたのですが」
 
「明文化されてないですが、そういう対応をしている所は多いですね」
「どういうケースがあるんですか?」
 
「お父さんやお兄さんが本人に先立って性転換するケースが多いです」
「ほほお」
 
「本人が性転換手術に不安を感じている場合に、お父さんやお兄さんが先に手術を受けて、ほら大丈夫だったでしょ。お前も安心して受けようね、という
 
お手本を見せるというのが多いです。その場合は、手術スタッフの研修名目で実質無料で性転換手術が受けられます」
 
「お手本を見せるために男性器を放棄するんですか!?」
「女性化傾向って、わりと遺伝するんですよね。ですから女性志向のある子のお父さんやお兄さんには、けっこう元々女性志向のある人が多いんです」
「はあ」
 
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「それにもう子作りを終わっている夫婦の場合は、夫が性転換しても構わないという妻も多いですから」
「もう、おちんちんは用済みってやつですか?」
「そうです。性転換して女同士になって、かえって夜の生活が復活する場合も多いようですよ。そのくらいの夫婦ってセックスレスになっていること多いし」
「なるほど」
 
「兄弟でふたりとも女性志向があるというケースも多いですから。兄が先に女子化学校に入った場合は、弟も入ることが多いです。でも兄はそういう傾向を隠していてふつうの学校に行っていたものの、弟が女子化学校に入って、それで兄も『実は僕も女の子になりたい』と言い出すことも多いです。そういう場合、できるだけ早く性転換してあげないと、男性化が進みすぎるので、弟より先に性転換するという場合もよくあるようです」
 
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「兄弟から姉妹に変わっちゃうんですね」
「そうですね。親としては孫が見られなくなるからショックに思う親もあるようですが」
 
「だいたいどのくらいの比率なんですか?」
「正確な統計は取られていませんが、父子から母娘になるケースが年間100件くらい、兄弟から姉妹になるケースは年間300件くらいあると言われています」
 

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