【ジョイの診察室・生理が来ない】(1)

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カインドリー・ジョイはその日最初の患者を診察室に入れた。
 
その子は可愛い猫キャラのセーターと膝丈のプリーツスカートを穿いて、母親に連れられてやってきた。
 
「小5になるのですが、生理もまだですし、胸も膨らんできてないので大丈夫かなと思い、一度お医者さんに診てもらおうと思いまして」
「そうですか。ちょっと診てみましょう」
 
ジョイは少女に上半身を見せるように言った。
 
彼女は可愛い声で「はい」と返事し、恥ずかしそうな素振りでセーターを脱ぐと、ブラウスのボタンを外し、キャミソールのすそをまくりあげた。
 
確かに胸の膨らみが全くない。個人差はあるが、このくらいの子であれば初潮がまだであっても多少胸が膨らんでいてもよいはずだ。発毛はどうなのだろう?
 
「ちょっとそこのベッドに横になって、おまたも見せてもらえますか?」
 
少女は一瞬ためらったようだが、少し大きく息をするとキャミソールを戻してから、ベッドに横たわり、スカートをめくってショーツを下げた。
 
『えっ?』
ジョイは心の中で驚いた。
 
改めて少女の保険証を確認した。性別は女になっている。ジョイは母親の顔と少女の顔を再度見る。まぁ、そういうことか。時々あるんだよね、これ。
 
「これでは生理がこないですね。生理の出てくる口が塞がっています」
「あら?それでは手術とか必要なのでしょうか?」
 
母親は明らかにそれを求めている。
 
「陰唇が癒着しているのでそれを開ける必要がありますね。また陰核も肥大化しているので少し縮小したほうがよいでしょう。尿道の付け替えも必要ですね。また手術後しばらく、女性ホルモンを摂取した方がいいです」
 
「ではぜひ手術とホルモンとお願いします」
 
ジョイは念のため少女にも尋ねた。
 
「君はそれでいいの?」
「はい、お願いします」
 
「分かりました。全身麻酔の手術になりますが子供の全身麻酔には専門の麻酔科医が必要なので、スタッフのそろう日時をちょっと確認しますね・・・・・来週の水曜日はよろしいですか?」
 
「はい」
 
「では前々日からの入院になりますので来週月曜日の午前中に来院してください。手術後一週間ほど経過を見て問題なければ、それで退院に
なります」
 
ジョイは端末から水曜日に手術の予約を入れた。
 
「ではよろしくお願いします」
 
母娘が出て行ったあと、ジョイは首を振ってため息をつくと手術の摘要に、性器再設定手術(Genitals Reassignment Surgery)と記入した。
 
 
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【ジョイの診察室・生理が来ない】(1)