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■サンタガール(2)

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店長はおもむろにボクのほうに向かって訊いた。
「ね、君このバイトやってくれる気無い?服はそのサンタガールの衣装。トナカイさんのカチューシャ付き。女の子仕様なのでフリルのスカートだけど」
「もしかして女の子で通すと・・・・」
「うん。もし君さえ良ければ」
「やります」
ボクは即答していた。え?なぜボクは同意しちゃったの??
 
「助かるよ。でも絶対条件はバイト中は女の子として行動すること。
君のその声なら中性的だから、充分女の子と思ってもらえると思う。
でも女らしい動作を気を付けて。万一男とバレちゃうと大問題だから」
「ゆうちゃんなら大丈夫ですよ」
「でも少しメイクしたほうがいいかな」
「髪型ももう少し可愛く整えて、眉毛も細くしたほうがいいな。そうだ。美容室で整えてもらって、メイクもしてもらっちゃうといいかも」
「おっけー。美容室代は俺のポケットマネーで出すから、みゆきちゃん、彼女−彼女と言うよ、君はもう女の子だから、この店では−彼女を連れて美容室、行ってきてよ」
「了解です。ゆうちゃん行こう」
 
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ボクはみゆきちゃんの運転する車に乗って、おしゃれな感じの美容室に行った。みゆきちゃんから、女の子で通すのに一人称を「ボク」ではなく「わたし」にしてと言われた。美容室まで行く途中の車の中で何度も
「わたし、○○です」と声に出して言う練習をさせられた。
なんかすごく恥ずかしい。
でもずっと言っていると、なんとなく慣れてきた。
 
美容室では髪を少し切られて、軽くパーマを掛けられ、前髪も眉毛くらいのところで揃えて、カールするようにされた。凄く女の子っぽい。
きゃー。こんな髪型にしちゃって、ボク・・いやわたしと言わなくっちゃ。わたし普段の生活どうしたらいいのかしら?(女の子の言葉ってこんな感じ?)眉毛もほとんど削られて凄く細くなった。更にはメイク!ひぇー。こんなの初めて。
 
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1時間ほどの間に物凄く女の子っぽくなったわたしを見て、みゆきちゃんが呆れたように言う。「うちの店のチームでいちばんの美人になっちゃったよ。妬んじゃうくらい。たくさん配達先入れるから頑張ってね」
 
「はい」わたしは少し頬を赤らめながら言った。
 
「ねえ、ふだんから女の子の服着たりしてないの?」「女装は初めてです」
「じゃ、女の子の下着とかも持ってないよね」「そんなの持ってません」
「じゃ、それ買いに行こう。店長からその分のお金ももらってるから」
「えー?女の子の下着つけるんですか?」
「だってサンタガールの衣装の下に男物の下着付けてて、何かで見られたら困るし。普段から女子用下着付けてるんなら、それを付けてもらえばいいけど、持ってないなら、お店の費用で買っちゃうから、バイト中はそれを付けてくれる?」
「はい」
 
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みゆきちゃんに連れられてスーパーの女性用下着コーナーに行った。
きゃー、こんな所歩くだけでも恥ずかしい。
 
「ゆうちゃん、細いからなあ。ブラはたぶん70くらいでいいかな。
カップサイズはCにしようか。」
ブラのサイズなんて、さっぱり分からないからお任せである。
「C65とC70を1枚ずつ買ってみようか。実際につけてみて合いそうなほうを少し買い足すことにして。さすがに試着できないしなあ」
「それと、これ付けてね」と言われてみゆきちゃんが選んだのはガードルだ。
「万一、バイト中にいたずらん坊が起っきしちゃうとやばいからさ。
これで押さえておいてくれるかな」
 
みゆきちゃんは一通りの下着を買うとわたしにその袋を渡して
「ちょっとトイレに入ってこれつけてみてきて」と言った。
 
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「えー今ですか?」
「だって今日の午後から配達してもらうよ」「はい」
私がその袋を持って男子トイレに入って行こうとすると
 
走ってきたみゆきちゃんと取り押さえられた。
「待った。君は女子トイレ」
 
かあ。。。。女子トイレ。
そうか女で通すからにはトイレも女子用に入るのか! ひぇー。
 
わたしは躊躇ったけど、仕方ないと思い直すと勇気を出して女子トイレに入った。
 
痴漢!とかいって騒がれないだろうか。ドキドキ。
中に入ると男子トイレで見慣れた小便器が無い。個室のドアだけが並んでいる。不思議な感じだ。身近に存在していたはずなのに、今まで知らなかった世界だ。
 
手洗いのところでお化粧を直している人がいる。
個室の並んでいる手前で3人ほどの若い女性が並んでいた。
私はできるだけ他の人と顔を合わせないようにして、行列の後ろに並んだ。男とバレたら・・・あ、でもお化粧してるんだった。じゃ大丈夫かな。
 
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自分の順番が来るまで、ほんとに心臓がどきどきして息苦しいくらいだった。列の先頭になり個室のドアが開くと、わたしはその中に飛び込み大きく息をした。
 
とてもきれい。
男子トイレで個室に入る頻度ってそう無いので、このスーパーでは個室に入ったことなかった。しかしこの個室はとてもおしゃれな感じのデザインになっている。ストッキング交換にお使い下さいと書かれた台がある。そこで着替えればいいのか。
 
服を全部脱いで、まずパンティーを穿く。こんな小さいのが入るのか?と思ったらちゃんと入った。でも・・・・飛び出しちゃう。どうしよう。そうだ、下に向けてみよう。 入った。でも膨らみが何か変。
こんな膨らみ、無ければきれいに穿けるのに・・・邪魔だなあ。
でもまさか取るわけにはもいかないし。
 
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ガードルを穿いた。きつい。でもこれなら大きくなっても目立たないかな。
 
ブラジャー・・・・どうやって付けるんだ。
そうだ。母ちゃんは前でホックとめてぐるっと180度回してたな。
C65で行ける感じだった。C70では少しゆるい。
でも・・・・カップがこんなに飛び出していて・・・・・ひぃー。
ほんとはここにバストが収まるんだよな。わたし胸無いし・・・・
などと思ったりすると、ちょっと変な気分になってきた。
 
子供の頃から女の子とよく間違われていたから、小学生の頃は同級生から、性転換すればいいのに、なんて言われたこともある。そんな頃を思い出していた。
 
小学2〜3年生の頃までは女の子の友達のほうが多かったけど、思春期になる頃につれ、女の子たちとは少しずつ疎遠になった。
でも男の子とはあまり話が合わなくて、友達が少なくなった。
 
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わたしは女の子の下着をつけた上に、自分の上着を着ると、今まで着ていた下着をまとめてトイレの外に出た。
 
「お待たせしました。C65で良かったです」
「了解。少し買い足して行こうね。ショーツはSで良かった?」「はい」
「じゃ5セットくらい買っていこう」
 
そのあとみゆきちゃんに連れられて私は化粧品売場に行き、何点か化粧品を買ってもらった。説明されたけど、さっぱり分からない。
「じゃ、メイクは私がしてあげるから、これ一応持ち歩いてね」「はい」
 
「じゃ、御飯食べてから、お店に戻ろう。配達は3時からだから少し休めるよ」
 
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