[*
前頁][0
目次]
王女が私の女装をいたく気に入ってしまったため、私はそのあと毎晩女装させられることになった。
昼間は胸が目立たないよう胸にさらしを巻いて背広を着る。そして夜になると女物の服に着替えてサリーが来るのを待ち、精液を採取された上で王女のところに行き、夜の生活をする。
そのパターンが定着してしまうと、私も女装をごく普通に毎日の日課としてできるようになった。
そして半年が過ぎた。
それは突然のことだった。
サリーはごく普通の調子でこう言った。
「このたび目出度く、婿様の精子と姫様の卵子が受精に成功。現在4人の代理母の子宮に着床して順調に育っています。来年の夏には無事出産の予定です」
「そう、それはよかった。でも4人もいるの?」
「姫様は兄弟がおひとりしかなく大変でした。ですから姫様の子供は4人作ることになりました」
「そうなんだ」
「また精液のストックも100個以上冷凍で保存されていますので、これでもう・ケ様から精子を採取する必要はなくなりました。以後の採取は行いません」
「あ、そう」
サリーにもう口でしてもらえないとなると、ちょっとさみしい気もする。しかしこれからはもう普通に王女とできるようになるのだろうか。
そう考えた瞬間、サリーはとんでもないことを言った。
「つきましては、もう婿様の性器は不要になりましたので、切除させていただきます」
「へ?」
「男性性器がついたままですと、なにかのはずみに姫様と交わってしまい姫様妊娠などということになりかねません。私もいつも監視している訳ではありませんし。お世継ぎ様が大きくなるまえに姫様に万一のことがあってはいけません。それに姫様は婿様の股間には怖くて触ることができずにいます。そこで婿様から男性性器を除去しまして、普通の女性の形に形成手術させていただきます」
「なんで普通の女性の形にならないといけないの?ぼくは普通の男性だよ」
「でも姫様は男性はだめですから、お二人が末永く仲良く暮らしていっていただくには、婿様には女性の形になっていただくしかありません。今までは精子採取のため、それを保留していただけです」
「そんなばかな」
サリーが注射器を取り出した。
私は、冗談じゃない!と思い、サリーを思いっきり突き飛ばすと、ドアの方にむけてダッシュした。
しかしドアは開かなかった。
振り返ると、目の前にサリーがいた。注射器が立てられる。チクリと腕に痛みが走り、私はひざがガクっとなった。
「いやだー!」
私は叫んだように思ったが、もうその後は意識がなくなった。
気が付いた時、そばに王女の顔があった。王女は眠っていた。
私は最初自分がどこにいるのか分からない感じであった。が、記憶を呼び戻そうとしていて、ハッとそのことに思い至った。
私はおそるおそる股間に手をやった。
無い。。。。。。
信じられない思いだった。
棒と袋があったはずの場所に割れ目ができていた。そっと指を入れると湿った感じがする。後ろの方にたどっていくと、やがて穴があいていた。指を入れると、どこまでも入っていく。
私は指をいれたまま少しぼーっとしていた。
やがて涙が出てきた。
悲しいのだろうか。私には分からなかった。
その時王女が目を覚ました。
「あ、気が付いたのね。痛くない?」
痛み?そういえば少しあるような気がする。でも私は首を振った。
王女はベッドの中に潜り込んできた。
「ごめんなさいね。一生そばにいるから、許して」
王女は私の股間に手を持ってきた。そして割れ目の中にそっと手を入れて、その上の方のある場所を柔らかくもんでくれた。
「あ」
私は思わず声を出してしまった。
気持ちがいい、ような気がする。
王女は優しく優しく長い間、そこをもんでいた。
私は胸の中に熱い思いがこみあげてきた。
「許さない。だから一生君を離さない」
私はそういって王女の唇を吸った。王女も吸い返してきた。
私たちはいつまでもいつまでも、そうしていた。
誰かが入ってきたような気がする。あの歩き方はサリーのようだ。でも知るもんか。
サリーは私たちをずっと長く見ていた。そしてそのうち、また外に出ていった。
夜は更けていった。