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■栄光に向かって走れ(4)

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それでレオナはミハイルの泊まっている部屋に一緒に行った。選手のフロアには警備のSPが立っているが、選手が女を連れ込むのはよくあることだからか、特に咎められたりはしなかった。
 
部屋に入ると、レオナは服を全部脱いでしまった。
 
「ほんとに女になっちゃったんだ?」
「何度死のうと思ったか分からない。でもオリンピックに出ずに死ねるかと思って」
 
「レオン、オリンピックが終わったら死ぬつもりなんだ?」
 
「・・・頼む。止めないでくれ」
「なせ死にたいの?」
「こんな身体で生きて行きたくないよ」
 
「・・・レオナって呼んでいい?」
「うん。俺、女になっちゃったし」
 
「レオナ。オリンピックが終わったら結婚しないか?だから死ぬのはやめろよ」
「結婚!? ミハイルと?」
「実は俺、レオナのこと好きだった。でも男同士でこんな感情持ってはいけないと自分を抑えていた」
 
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「ミハイル・・・・」
「オリンピック終わったら、指輪買ってあげるからさ」
「・・・・」
 
ミハイルはレオナを抱きしめるとキスをした。
 
そしてベッドに押し倒す。
 

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レオナはされるがままにされていたものの、頭の中は混乱していた。
 
好きだったって!?俺は友達のつもりだったのに!
 
ミハイルがレオナの身体のあちこちにキスをする。
 
「おっぱい大きいね」
「なんかお腹の脂肪を取っておっぱいのところにくっつけたんだって」
「なるほど。ウェストくびれてるのは、そのせいか。でもレオナ可愛いよ」
 
可愛い!?
 
そんなこと言われたのは初めてだ。
 
それで頭に血が上ってボーっとしていたら、ミハイルのおちんちんがレオナの中に入ってきた。きゃー! 入れられちゃった!!!!
 
ミハイルがレオナにキスしたままピストン運動する。レオナは放心状態だったが、結構気持ちいいな、これと思っていた。
 
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だけど俺、男とセックスしちまったよ。でもまあいいか。ミハイルなら許してもいい気がする。
 
やがてミハイルはレオナの中で逝った。脱力したミハイルの背中をレオナは愛おしむように撫でていた。
 

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夜中に目が覚めてふたりで冷蔵庫に入っているイパーナ産ワインで乾杯した。ライスで作ったワインという話だったがすっきりした味わいだ。
 
「私さ、夜中に起きておちんちん触ろうとして、あ、無かったんだと思って凄く落ち込んだりするのよね」
 
レオナは姉の前でも使ったことのなかった女言葉で半ばひとりごとのように言った。
 
「確かに俺が自分の股間触ってチンコ無かったらショックだろうな。だけどレオナにチンコ無かったらさ、俺のチンコ代わりに触って遊んでもいいよ」
 
「それもいいかもねー」
と言って、レオナは少し救われたような気分になった。やはり死ぬのやめようかな。。。。
 
「ところでさ」
「ん?」
「レオナのお股触らせろよ。俺、女のお股なんて、あまりじっくりと触ったことないから」
「もう!」
 
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ミハイルは明かりを付けてじっくりとそのあたりを観察して
「すげー!」
「これいつでも触っていいよね?」
などと言っている。
 
「ミハイルも女になる手術受けたら触りたい放題になるよ」
「レオナのを触るから自分のは改造しなくてもいい」
 

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男子のマラソンは最終日に行われるが、女子のマラソンは初日に行われた。世界中から集まった100人くらいの選手で一斉にスタートする。激しい順位争いの中から、アフリカの選手が3人飛び出し、その後を主催国イパーナの選手が2人、ユナイテド国・ステート国・シノワ国の選手が1人ずつが追い、そこに、レオナとユリアの姉妹が追いついて、10人で先頭集団が形成された。
 
レースはアフリカの選手がかなりのハイペースで飛ばす。このまま行くと世界新記録になるかもとレオナは腕時計を見ながら思った。
 
15km地点から緩やかな坂に入る。ここでシノワ国の選手とステート国の選手が遅れた。20km地点でやっと坂は終わるが、ここでアフリカの選手の1人が唐突に棄権した。
 
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ああ、ラビットだったのかとレオナは思った。前半のペースを作るためのペースメーカーとしてこのレースに参加していたのだろう。
 
30km地点までにアフリカの選手がもうひとりとユナイテド国の選手が遅れる。残るはアフリカの選手1人、イパーナの選手2人、それにユリア・レオナ姉妹の合計5人である。
 

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35km地点で、イパーナの王宮が見えた。イパーナは古い国である。その国の伝説では3000年も前に卓越した王が現れて国を建てたと言われている。その古い国の伝統的な建築が美しい姿を見せている。この国の王家もその3000年前から一度も絶えずに続いているのだという。30年か40年単位で血を見る権力争いでトップが交代しているうちの国も少し見習わなければならないかもとレオナはふと思った。
 
しかしここでイパーナの選手のひとりがスパートを掛けた。アフリカの選手が必死にそれに付いていく。ユリアとレオナも声を掛け合って付いていく。結果的にもうひとりのイパーナの選手が置いてきぼりになって4人の争いになった。
 
イパーナの選手とアフリカの選手の間で激しいデッドヒートが続く。ユリアとレオナはそのふたりと少し距離を置いてその様子を見ていた。
 
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「あんた、体力残ってる?」
とユリアが訊く。
「十分」
とレオナは答える。
 
「行こうか?」
「行こう」
 
それで38km地点でふたりはスパートを掛けた。見る見る内に前方のふたりを捉え、一気に抜き去る。その後は全力疾走である。そしてやがてゴールの陸上競技場が見えてくる。
 

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「レオナ」
「うん?」
「ここからは私、あんたを蹴落としに掛かる」
「いちいち言わなくてもいいよ。でも金メダルは僕がもらうから」
「あんたさあ、いいかげん自分のことを《私》と言いなよ」
「金メダル取ったら言うよ。金玉取られちゃったから、金メダルで取り返す」
「ここで下ネタを言うか〜!?」
 
それでユリアは強烈なスパートを掛ける。しかしレオナも負けずにスパートする、ふたりとも物凄いスピードで競技場の中に入り、トラックを走る。2人はほとんど併走している。一瞬ユリアが前になるも、次の瞬間にはレオナが前になる。ほんとうに抜きつ抜かれつの状態でトラックを1周半回った。そしてゴールの紐が目の前に見える。
 
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気力を振り絞って足を動かす。地面を蹴る。胸を突き出す。くそー。姉貴の方が自分より胸が大きいよな。どうせなら俺も巨胸に改造してもらいたかったぞと思いながらゴール。
 
オーバーランした後、膝に両手をつけて呼吸しやすい体勢にする。激しく息をしている間に3位のイパーナの選手、僅差でアフリカの選手がゴールし、更にもうひとりのイパーナの選手もゴールする。
 
3位から5位までの選手の名前が電光掲示板に表示されるが1位・2位の名前が出ない。
 
「写真判定かな?」
「みたいね。でも私が勝ったと思ったけど」
とユリア。
「負けたとしたら胸の差かな」
とレオナ。
 
かなり時間が経ってから写真判定の結果が出たようである。
 
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1位ユリア・イワノヴナ、2位レオナ・イワノヴナと表示された。
 
ユリアはレオナの身体を抱きしめキスをした。
 
「キスするの?」
「祝福のキス。女の子同士だから、いいでしょ?」
「そうだねー。僕も女の子になっちゃったから」
「《私》と言いなさい」
「じゃ明日から」
 

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表彰式で、いちばん高いところに立った姉が金メダルを掛けてもらい、オリーブの冠もつけてもらい、拍手の中、観客席に投げキスをする。次にレオナが銀メダルをもらうと、観客席からわざわざソビリア語で「オカマ!」という声が掛かる。でもレオナは笑顔で観客に手を振った。すると観客も大きな拍手をしてくれた。最後に3位のイパーナ人が銅メダルをもらう。ひときわ大きな拍手が送られていた。
 
テレビ局が来てインタビューを求める。優勝したユリアは嬉しそうに喜びを語っていた。
 
「2位のレオナさんとは姉妹なんですよね?」
「そうです。私の可愛い妹です」
と言ってユリアはレオナを抱きしめた。レオナは姉にこんなに愛してもらっていたのかと思い、心がほんわかする気分だった。
 
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そのあと、レオナもインタビューされるが、記者はいろいろ尋ねたあとで「そういえば、レオナ・イワノヴナさんは、元は男性だったそうですが」などと言われる。それに対してレオナは笑顔でこう言った。
 
「女の身体って調子いいわよ。あなたもちょっと女になってみない?」
 
後日、このレオナの発言で、女になる男が100万人は増えたと言われたらしい。
 

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その日、宿舎に戻ってから夕食をゆっくり取った後、入浴し、またマッサージをしてもらった上で寝ていたら、急にお腹のあたりが変な感じになった。レオナはホテルの内線を使って姉に電話する。
 
「お姉ちゃん、何かお腹が痛い」
「どうしたの?」
 
と言って姉は飛んできた。が、レオナの様子を見てほほえむ。
 
「これは生理だよ」
「えーーー!?」
「あんた女の子になったから生理も始まったんだね」
「これどうすればいいの?」
 
「トイレに行って拭いてから、これをショーツに付けなさい」
と言って姉は生理用ナプキンを渡してくれた。
 
「これどうやって使うの?」
 
姉はやれやれという顔をして、とりあえず一緒にトイレに行き、レオナがその付近の血をペーパーで拭いた後、ナプキンを開封して、やり方を教えながらレオナのショーツに取り付けてくれた。
 
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「ある程度たまってきたら交換が必要だから」
「うん」
「薬屋さんとかに売っていると思うから、明日になったら買っておいで。今夜は私のを使うといいよ」
「ありがとう」
 
「でも生理が来たということは、これで本当にあんたも女になったんだね」
「お嫁さんにいける?」
 
「まあ元男でもいいという男性はいるかもね」
「実は僕、プロポーズされちゃったんだ」
 
「とりあえず自分のこと《僕》とか《俺》じゃなくて《私》と言えるようにならないとお嫁さんには行けないぞ」
「がんばる」
 
レオナはまだ頭の中が混乱しつつも、ミハイルと並んでウェディングドレスを着て結婚式を挙げる自分を想像していた。
 
 
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