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■少女たちのかくれんぼ(1)

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(C) Eriko Kawaguchi 2021-12-19
 
千里が小学2年生の1998年。
 
この頃のP神社境内での遊び仲間は、こういう子たちである。
 
・千里(日本人だけど、英語とフランス語は分かる)
 
・タマラ(アメリカ人だけど日本国籍で日本語と英語が話せる)
 
・リサ(スーダンとフランスの血を引くが日本国籍:フランス語と日本語が話せる。千里のことを“シサト”と呼ぶのは、この子)
 
・ソフィア(ロシア人とモルドヴィア人のハーフだけど日本国籍:ロシア語と日本語が分かるがモルドヴィア語は分からない)
 
・マリカ(タミル人だけど日本国籍:日本語と英語とタミル語とヒンドゥー語が分かる)
 
・ヴァニナ(アルゼンチンと日本の二重国籍:基本的にはスペイン語を話す。日本語を話すのはたどたどしいが、聞く分はだいたい分かる。千里は彼女のおかげでスペイン語も覚えた)
 
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よくこれだけの人種が集まったものである。3つ下くらいが中心のドーラたちの世代にはペルシャ人・モンゴル人・トンガ人もいた。
 

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この子たちは、各々のお国から持ち込んだ、様々な遊びをしていた。
だるまさんがころんだ(あるいは同様の赤信号・青信号)、ホットポテト(アメリカの遊び)、陣取りごっこ、ギャラリー(インドの遊び)、鬼ごっこ(あるいは同様の狼ゲーム)など、このグループは女子のグループではあるが、身体を使う遊びをよくしていた。それが言葉が通じにくいハンディを乗り越えやすいのもあったと思う。
 
この時期、この子たちはよく、かくれんぼ(Hide and Seek)をしていた。この時、誰が鬼("it")になるかはジャンケンで決めるのだが、たいていジャンケンでは千里が負ける。
 
「シサト、ほんとにジャンケン弱いね」
とリサなどからは言われていた。
 
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しかし千里は“最強の鬼”なのである。あっという間にみんなを見つけてしまう。
 
「シサト、みんなが隠れるところ見てない?」
とか言われて、鉢巻きで目隠しされ、更に最後は麻袋までかぶせられたものの、千里は「もういいかい? (Ready or Not?)」に返事が返ってこなくなると、5分ほどで全員を見つけてしまう。
 

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それである日(1998年夏)、とうとう
 
「Chisato, You are fired! I'll be "it"」(*1)
 
とタマラが宣言して、タマラが鬼になって、他の子が隠れた。
 
(*1) "it" means seeker,
 
するとタマラはなかなかみんなを見つけきれない。
 
3分くらい掛けて、やっと、割とトロい所のあるヴァニナを見つけ、それからマリカを見つけた。
 
まだ隠れている子たちは「うんうん。これこそ、かくれんぼだよ」とワクワクしながら隠れている。
 
タマラは神社境内をかなり探すのだが、10分くらいしてやっと木の上に登っているリサを見つける。これは男の子並みの運動能力を持つリサにしか隠れられない場所だった。
 
そして更に10分掛けて、神殿の下に潜り込んでいたソフィアをやっとのことで見つけた。つまり4人見つけるのに30分近く掛かったのである。(タマラはとりわけ勘が悪い気がする)
 
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残るは千里である。それで探すのだが、どうしても見つからない。タマラは不安になった。
 
「ね。お願い。みんなで千里を探して」
 
それで全員で探すが、どうしても見つけきれない。30分くらい探してから
「千里ちゃん、帰っちゃったんじゃない?」
という声が出る。
 
「うん。きっとそうだよ」
「私たち、隅から隅まで探したもん」
「帰ろ帰ろ」
 
ということで、みんな帰ってしまったのである(子供の無責任さ)。
 

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やがて日が落ちて、千里が帰宅しないので、千里の母は仲の良いタマラの母に電話してみた。
 
「千里ちゃん、まだ帰ってないんですか!?」
とタマラの母が驚く。それでタマラに問い糾す。
 
「私たち、かくれんぼしてたんです。じゃんけんすると、いつも千里が負けて鬼になるんだけど、千里って5分もしない内に全員を見つけてしまうんですよ。面白くないから、今日は私が鬼になったんですよね。それで千里も隠れたんだけど、どうしても千里は見つからないから、千里ちゃん、きっともう帰ったんだよと言って、みんな帰ってしまったんですけど」
 
「まさか、まだ隠れてるとか」
 
それで千里の母、タマラとその両親が神社に行き、探し始める。宮司さんに声を掛けて境内の灯りを点けてもらった。
 
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小春が出て来た。巫女衣装を着けている。
 
「千里が帰ってないの?」
 
「ああ、コハル。私たちかくれんぼしてたんだけど、誰も千里を見つけきれないから『千里ちゃん、きっともう帰ったんだよ』と言って帰ったんだけど、まだおうちに帰ってないらしくて」
 
「私見つけられるよ」
と小春は笑顔で言った。
 
「ほんと?」
 
それで小春は草履を履くと、境内に出た。そして少し考えるようにしていたが、やがて、燈籠の裏側に行って
「ここで寝てるよ」
と言った。
 
燈籠の裏側が小さな凹みになっており、千里はそこに入り込んでいたのである。どうも待ちくたびれたのか眠っているようだ。この場所は普通に見ただけでは気付かない。
 
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「千里!」
と母が声を出したが、狭くて母はそこに行けない。
 
タマラが言った。
「チサト、見っけ!」
 
千里は目を覚まし
「あん、見つかっちゃった」
と言って出て来た。
 
「小春はかくれんぼの達人だ」
とタマラが言うが
 
「千里の居場所なら分かるけど、他の子は私には分からない」
と小春は穏やかに言った。
 
なお、この後、千里は、かくれんぼをする時は“審判”の地位を与えられて、鬼にも隠れる側にも入らないことになった!千里は面白くなかったが、千里が強すぎて、勝負にならないのである。
 
また燈籠の裏側の凹みは危険だということになり、コンクリートで埋めてふさいでしまった!
 

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翌年、1999年度。千里が小学3年生の時。この年は色々なイベントが起きている。
 
1999.04.08(木) フィリピン人の勲男、ブラジルと日本の二重国籍の姫が転校してくる。
1999.07.20(火) 母からヴァイオリンをもらう。
1999.10.09(土) 旭川でフランス人のパーティー。千里はダーツでパンフルートゲット。
1999.10.17(日) タマラの父がバスケットのゴールを作ってくれる。蓮菜・恵香が遊び仲間に加わる。
1999.12.06(月) 留実子が転校してくる
1999.12.12(日) タマラ・リサ・千里・玲羅・ヒメ・オトメ・コハル・留実子・勲男で温泉に
1999.12.24(金) 勲男一家が国外退去に。この時の騒動で千里のヴァイオリンが壊れ、勲男から代わりにキーボードをもらう。
2000.02.07(月) 千里の母がパートに出る(水産物加工)
2000.02.26(土) 姫一家とタマラ一家が引っ越して行く
2000.03.03(金) ひな祭り 蓮菜、千里、玲羅、留実子、リサ、恵香、佳美、美那
2000.03.26(日) 千里と留実子の入れ替わり温泉作戦
 
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1999.12.12の温泉では勲男以外女湯に入っているが、千里は終始タオルで前を隠していた。留実子はちんちんを見られないように隠していると思ったようだが、千里にちんちんなど付いてないのを何度も見ている妹の玲羅は“ちんちんが付いてない”のを留実子さんに隠していると考えていた。
 

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12月下旬に、勲男一家の不法滞在が発覚して国外退去になった後、神社で遊ぶグループの中に男の子がいなくて、色々不便なこともあった。それで、リサがしばしばカナダ人のジャンを連れてくるようになった(早い話が雑用係)。
 
千里の目にはジャンはリサに気があるようにも見えたが、元気いっぱいで体力もあるリサは、文学少年?っぽいジャンには全く興味が無いようであった。実際、ジャンは、リサどころか、タマラにも千里にも腕相撲で勝てなかった。
 
なお彼の名前は Jean と書いてジャンと読む。最初タマラが
「女の子の名前みたい」
 
と言ったが、英語・フランス語の両方が分かる千里が解説して言った。
 
「この名前は、英語だとジーンと読んで女名前だけど、フランス語ではジャンと読んで男名前なんだよ」
 
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「へー!そんなのがあるんだ」
 
(千里はタマラと話すために英語を覚え、リサと話すためにフランス語を覚えた)
 
「マルコとかも、日本人なら女だけど、イタリア人なら男だし」
「そういえばそうだ」
 
自分の名前のことを解説してくれた千里のことを、ジャンが熱い視線で見ていたことに、千里本人も、他の女子たちも、全く気付かなかった。
 

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それは2月中旬の日曜日のことだった(恐らく2000.2.13 Sun)。この日、千里は母と一緒に旭川に行き、美輪子と一緒にバレンタインのイベントに出ていた。美輪子がペアの招待券をもらったものの、一緒に行くようなボーイフレンドもいないし、お姉ちゃん一緒に行かない?と誘ったのである。
 
「でもそれ男女のカップルじゃないの?」
「女同士はOKなんだって。姉妹とか友だち同士とか」
「レズのカップルもいたりして」
と津気子が言うと
「それは恋人同士だから最も問題ないと思うよ」
と美輪子は言った。
 
小学生・幼稚園生については“女の子に限り”、おとなが同伴する場合は、おとな1ペアにつき1名入場できるという話だった。
 
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最初玲羅に声を掛けたが、玲羅はこの手のイベントがあまり好きじゃないのに加えて、この日は見たいテレビがあった。それで行かないと言うので、千里を連れて行くことにした。
 
千里は女の子の服(赤いセーターにロングのタータンチェック巻きスカート・黒いタイツ、セーラースターズの靴:半額で売ってた!)を買ってもらい、物凄く喜んでいた。
 
入口の所では入場者にチョコレートがプレゼントされていたが、おとなは生チョコの箱をもらったのだが、小学生の千里は、おジャ魔女のチョコレートをもらい、大満足だった。
 

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「バレンタインってなぁに?」
「女の子が男の子にチョコレートを贈るイベントだよ」
「なんでおくるの?」
「好きだから、付き合ってください、という意味じゃないの?」
 
「すきだったら、いつでもそう言えばいいと思うな」
「まあそれはそうだ」
「それにチョコレートなんて、男の子はすきじゃないと思う」
「それはよく言われることだ」
 
イベントでは、チョコレートで作ったお城とか馬車とかが展示されていて、千里も
「すごーい」
と言って、見とれていた。
 
昨年9月(1999.9.9 9:09:09!)にデビューした、アイドルグループ・色鉛筆のミニライブがあり
「私もああいうのやりたーい」
と千里は言った。
 
「ああ、あんたなら女の子アイドルになれるかもね」
と美輪子は言ったが、津気子は悩んでいた。
 
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また会場では多数の限定チョコが販売されていたので、千里はいくつかチョコを買ってもらい、喜んでいた。むろん玲羅へのお土産チョコも買った。
 

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充分イベントを楽しんで、最終バスで留萌に戻った。
 
旭川18:20-20:17留萌
 
それで駅近くの駐車場に駐めていた車(パセリ)で自宅に戻る。
 
「お母ちゃん、朝も思ったけど、この車、音が変」
「うん。こないだからどうも調子悪い。夏のボーナス出たら買い替えようかなあ」
と母は言っていたのだが、その前に買い替えるはめになる。
 
自宅そばに車を駐め、自宅に入ろうとしていたら、近所に住むヤヨイ(タマラの母)から声を掛けられた。
 
「村山さん、ちょうど良かった。実は(ジャン・)カミュ君が行方不明になってて」
「え〜〜〜!?」
 
「この天候だから、朝まで待つと命の危険があるから、消防団も出ているけど、それ以外にもPTAで動ける人は出て探しているの。疲れてる所、申し訳無いけど、村山さんも捜索に加わってくれない?」
 
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「分かった。荷物置いたら行く。どこ行けばいい?」
「取り敢えず公民館に」
「OK」
 

それで千里と母は取り敢えず自宅に戻って荷物を置いた。父は
「悪いけど、俺は明日の朝船を出さないといけないから寝てる」
ということで寝ている。
 
それで千里を置いて母は出かけて行った。千里は父からあれこれ声を掛けられるので閉口した。寝てるなら眠ってればいいのに!!
 
母はとりあえず公民館に行ったのだが、ヤヨイから頼まれる。彼女も夫のピーターも捜索に出ているので、自宅はタマラと幼い妹のマユラだけらしい。心細いからもしよかったら千里ちゃんに、うちに来てタマラたちと一緒に居てもらえないかと。それで津気子は自宅に電話する。千里は喜んで、チョコのお土産(玲羅の分は残す:玲羅は寝ているので自宅に放置)を持ち、50mほど離れたタマラの家に移動した。
 
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捜索は16時頃から始まったのだが、22時をすぎてもジャン君の行方は分からず、捜索している人の間に焦りが見えてくる。この日は大雪で、気温は既にマイナス10℃を下回っている。このままでは凍死の可能性もある。
 
しかし町の大人総動員に近い体制で捜索を続けるのは困難なので、23時になったら、警察・消防以外の人は帰すことになった。
 
それでヤヨイも津気子も23時過ぎには自宅に戻った(ピーターはもう少し頑張ると言って捜索隊に残った)。
 
津気子は、きっと千里はもうタマラの家で寝ているだろうから、そのままにしておこうと思った。武矢が船を出すため4時には家を出るので、3時には起きて朝御飯を作り、送り出さなければならない。それで、お米を研いで炊飯器をセットしてから、ふだん千里が寝ている布団に潜り込む。目覚まし時計だけではなく、時計のアラーム、携帯のアラームまで掛けて仮眠した。
 
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パートは明日は休ませてもらおうかな、などと思いながら睡眠に落ちていく。
 

ヤヨイが帰宅すると、いったん寝ていたタマラと千里が起きて
「ジャン、見つかった?」
と訊く。
 
「まだ見つかってないけど、きっと消防団か警察の人が見つけてくれるよ」
とヤヨイは2人に言った。
 
その時、タマラが言った。
「千里、ジャンを見つけてあげられない?だって、千里は、かくれんぼの達人だもん」
 
「そういえばそうだったね」
とヤヨイも言う。
 
「だったら、夜が明けたら、あんたたちで探してあげない?私も付き添うから」
とヤヨイは言うが、タマラは
「今行こうよ。だってこんなに寒いのに朝まで待ったら、死んじゃうよ」
と言う。
「私も少し寝たから大丈夫だよ」
と千里も言う。
 
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「だったら探しに行こうか」
とヤヨイは言って、夫のランド・クルーザーのエンジンを掛け、取り敢えず暖機した。(夜中でこの雪の中、自分のフィットでは無理だと思いランクルを使うことにした)
 

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車を暖めながら、少し話をする。
 
「ジャンはどこで行方が分からなくなったの?」
「午前中は柔道の稽古に行ってたらしい。稽古場は駅前の三朝ビル。それでお昼をマクドナルドでみんなで食べて、解散したらしい。みんなバスで帰ったけど、ジャンは身体を鍛えると言って走って帰ったらしい」
 
「服装は?」
 
「柔道の稽古で汗を掻いたから下着も交換して、トレーナー・青いセーターの上に白いダウンコートを着てたけど、ジョギングするのに邪魔だからと言って、ダウンコートはリュックに入れてたって」
 
「だったら寒くなったらダウンコート着てるね」
「そうしてくれていることを祈ってる。一応ホッカイロも持ってる」
「だったら無事だと思う。ね?千里」
 
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「外の方が探しやすいから、車に乗り込もう」
「うん」
 
それで3人でランクルに乗り込む。
 
千里は目を瞑って考えるようにしていたが、やがて言った。
「ジャン君、見っけ。(波動があるから)生きてるけど、怪我とかしてるかどうかまでは分からない」
 
「もう見つけたの!?」
 

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それでヤヨイは、千里が言うように千里たちの住むC町からゆっくりと海岸沿いに留萌駅方面に南下する。途中で「その道を左に」と千里が言うので、左折する。更に「そこを右」「そこを左」と千里は言う。
 
最後の付近は、細い道で除雪車が入ってないようだった。積雪しているが、車は4WDなので何とか道を進む。ヤヨイはやはりフィットではなくランクルで正解だったなと思った。
 
「停めて」
 
それで車を停め、懐中電灯を持って3人で降りた。
 
「居た!」
 
と千里が懐中電灯の灯りを向ける。彼は地蔵堂のかげになる場所、道路脇の斜面に座りこむようにしていた。ちゃんとダウンコートは着ている。
 
「Oh! Jean!」
とタマラが声を掛ける。
 
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「Tamara! Chisato!」
とジャンが情けない声で言った。
 
「What's matter?」
(どうしたの?)
「My leg is pinched between those pipes, and I cannot pull out」
(足がそこの管の間にはさまっちゃって。それが抜けなくて)
「Oh dear!」
(大変!)
 
彼は足を滑らせて道路から滑り落ち、ここで停まったものの、足が管の間にはさまってしまったらしい。
 
ヤヨイはランクルを転回させて、車のライトで、ジャンがいる付近を照らした。そして、ヤヨイと千里が協力して管の隙間から彼の足を抜く。力のある大人が引いたほうがいいので、千里が溝に降りてパイプを押し広げた(少々本気を出す)。それで何とか足を引き抜くことができた。
 
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「Chisato, Your shoes are ducking」
(千里、君の靴がグチャグチャ)
 
今日買ってもらったばかりのセーラースターズの靴が泥だらけ・水びたしである。
 
「I don't care」
(気にしないよ)
 
普通なら雪の中、長靴を履くのだが、この日は買ってもらったばかりの靴をタマラに見せたかったので、タマラの家までは50m程度だしと思い、これを履いてきていた。千里もちょっと失敗したかなと思っていた。
 
ジャンのダウンコートは雪でかなり濡れているので脱がせてから車に乗せる。車に積んでいる毛布を身体に掛けてあげる。千里も靴と靴下を脱いで裸足になった。ヤヨイがタオルで千里の足を拭き、膝掛けを足に掛けてくれた。
 
「I shaked hands to the cars passing, but no one has been aware of me」
(通り掛かる車に手を振ったりしたけど、誰も気付いてくれなかった)
 
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「You have been waking?」
(ずっと起きてたの?)
「I have struggled tp keep awaking, because I would be frozen to death if I had slept」
(寝たら凍死すると思って頑張って起きてた)
 

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