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それで千里は死ぬ予定だったのを生き延びてしまったのである!
想定外の事態に、Q大神もP大神も自分が作った“千里の分岐体”を連れて深夜の病室に出て来た。A大神は満面の笑顔で出て来た。結果的には千里を助けたのは小春の献身であった。元気であれば千里はたぶん死神程度には負けないだろうとA大神は推察していた。
「私が4人いる!」
と“千里たち”(の内3人)は驚く。
C1 トレーナーにダウンコート
C2 セーラー服
C1p+K 病院着
Cd 病院着
「さて、この後、どうしようか?」
と立場的に一番上なので、自然と司会役になったA大神が言う。
「1人だけ留萌に残して後はどこかに連れてく?」
「どこに連れていくの〜?」
と千里たち。
「大丈夫、大丈夫、どこにも連れていかないよ」
「千里は3つ子だったことにしちゃうとかは?私が持って来たお人形だけ処分しておきますから」
とQ大神。(ほとんど生ゴミでも出す感覚)
「まあお人形は処分してもいいか」
「お墓くらいは作ってあげますよ」
「でもさ、千里って元々3-4人居るんじゃないかと思ったことない?」
とA大神。
「あります。あります。私、千里に神社の留守番してもらって出掛けた時に神社の外でも千里を見かけて、あっサボってる、と思ったら、神社にもちゃんと千里がいたのよ」
とP大神。
「でも既に3-4人いるのなら、更に3人増えると千里は7人くらいになる」
「曜日替わりで、千里サンデーから千里サタディまで1人ずつ活動させるとか」
などと半分ジョークのような会話(神様たちも想定外の事態に半ば思考停止している)をしていたが、やがて結論に達する。
「ひとりにまとめちゃおう」
ということで、この4人の千里は合体させられて1人の千里になってしまう。
この合体の時“魂が無い”お人形の Cd を“台木(だいぎ)”にして、3人の千里を“穂木”(ほぎ)として“接ぎ木(つぎき)”(grafting)するようにくっつけてしまった。
穂木 (scion)
C2(女の子)後の千里2
C1(男の娘)後の千里3
C1p+K(女の娘?)後の千里1(第1世代)
台木 (rootstock)
Cd(男の子)後の千里0
作業的には全員眠らせて、服も脱がせて裸にしてから“合体”させた。神様たちはこの“合体ロボ”ならぬ“合体千里”を便宜的に Cu (Chisato United) と呼んだ。
Cdを台木にしたのは、魂が無いので穂木にはならないこと。クローンで造り直していて、本来の千里に比べて生命力が強いと思われたことである。植物の接ぎ木の場合もだいたい生命力の強い個体を台木に使用する。元々の千里は、とっても死にやすい。
「この合体、永久にはもたないよね?」
「10年くらいもつかなあ」
「まあバラけてしまった時はその時で」
などと、神様たちは話していたのだが、これは結果的には 2017.4.16 23:00にこの“接続部分”の破壊が起きてしまい、千里は4人に完全分裂する。つまり、この合体は約14年もったことになる。
これが実は“落雷事件”の真相であり、A大神の指令で、収拾に借り出されたのが、久保早紀(丸山アイ)であった。ただ実際には、千里2(C2)が自主的に、きーちゃん・京平を使って交通整理をしてくれたので、かなり楽に進んだ。
2017.4の“落雷事件”では、いったん4つ(C1, C2, C1p+K, Cd)に分裂したものの、すぐに、C1p+K(第1世代の千里1)が Cd(千里0)と合体している。あの時は3人の千里が、大阪、桃香のアパート、羽田空港に散って、“お人形”の Cd が現場に残された。Cdは“お人形”で魂が無いから、意識も無いし自分で行動することができない。それで意識を失っているように見えたので、病院に運び込まれてしまった。
それで C1p+K が Cd に合体して“第2世代の千里1”C1p+K/Cd となる。
美鳳(H大神の配下)が2004年に千里に付ける“眷属セット”は、千里の本体?に付いたので、分裂事件の直後は千里0に付いていて、“第2世代の千里1”に合流することになる。
この個体は C1p, K, Cd という3つの生命の火を持つ“トリプルシステム”である。そしてこの個体が2017.7 にクロガーと実質相打ちになった。
つまりクロガーと実質対決したのは生命力の強いCdを含むトリプル個体であった。他の“単発機”個体が対決していたら、その後の蘇生は不可能だった。実際、あの時は、C1p, Cdの2つの生命の火が消えたものの、K(小春)の生命の火からC1pに再点火して蘇生している。ただし小春は力尽きて死亡した。Cdの消息は不明。
このあたりはあまりにも予定調和すぎて、A大神も呆れることになる。
さて、2003年4月10日3:00AM頃の留萌に話を戻す。
Cdをベースにして、C1, C2, C1p+K の3人を合体させ Cu にしてみると、表面的には台木である、Cd 由来の身体が出ていた。
「どうして台木が表面に出る?」
「分からない。こんなことやったの初めてだし」
「穂木のどれかが表面に出ると思ったのに」
と神様たちも戸惑っている。
「そういえばなんで男の子なの?」
実はこの合体した千里には立派な男性器がついてるし、胸も無い。
「それが千里の体細胞を取ってクローンで肉体を作ってみたら男の子の身体になったからびっくりしたんです。何か間違ったかもと思っとけど、身代わりなら性別違っててもあまり大きな問題ではないし」
とQ大神は説明した。
「いや実は千里は3歳までは男の子だったんだよ」
とP大神。
「嘘!?」
とQ大神は驚く。
「ちんちん付いてたら、女子中学生するのは大変だよね」
「体育の時の着替えでも困るし」
「提案。性転換して女の子にしてあげましょう」
「おお、それがいい」
というので、千里はP大神の力で性転換され、女の子になってしまった。
ところがである。
「何故男の子に戻る!?」
千里をせっかく性転換させたのに、ほんの5分もすると勝手に男の子の形に戻ってしまうのである。
「私がやる」
と言ってA大神が性転換を掛けて、千里を強制的に女の子に変える。
ところがやはり5分も経つと勝手に男の形に戻ってしまう。
「なんてしぶとい、ちんちんなんだ」
「まるで雑草のようなちんちんだ」
「物理的に切ってみたらどうだろう?」
それで
「痛いだろうけど、ごめんね」
と言って、ちんちんをハサミで切り落としてみた。ところが5分もしない内にちんちんは勝手に生えてくる。
「どうなってんのよ?この子」
「千里は男性器のマトリックス(母型)でも持ってるの!?」
「もしかして。この子、今テトラマー(四重体)になっているから、万一どれかが欠けたりしても、他のから補充されて元の形に戻ってしまうとか」
「え?でも男性器があったのはCdのみのはず」
A大神がハッとしたようにして言った。
「分かった。表面に出ているのは、あくまで内包されている四重体の中のどれかのコピーにすぎない。だから、表面のコピーをいくら変えても、内側に隠れているもののコピーが再現されるだけ」
「つまり内包されているものがパトリックス(父型)になって、そこから自動的に外側に正像のブリントが作られるわけか」
「だとしたら、この子、殺そうとしても死なない。腕の1〜2本切断してもすぐ新しい腕が生えてくるだろうね」
「じゃ、ちんちんくらい切ってもまた生えてくる訳だ」
「だったら、この子を一度分解して元の4人に戻してから、Cdを性転換させて全員女の子に変えた上で再結合するとかは?」
とQ大神が言う。
「分解・・・できます?各々のユニットに傷を付けずに」
とP大神はA大神を見て言う。
「私には自信無い」
とA大神。
「A大神様ができないなら誰にもできない」
「T大御神様とかK姫様とかならできるかも知れないけど」
「お願いする?」
「そんなの知れたら、叱られるだけと思う」
「うん。こんなことしてるのは、あくまで内緒」
「死ぬ筈の人を助けちゃったら、代わりに2-3人殺してこいとか言われかねない」
「じゃ、どうする?」
「こうなったら、仕方ないから、この子には男として生きてもらうというのは?」
「それだと、この子、発狂すると思う。何年も掛けてやっと女の子になれたのに」
「この性器を除去したら復元されてしまうんでしょ?もっと貧弱な男性器に交換してみたらどうだろう?」
「男性器が付いてたらそのままになってる気がする」
「だったら、こないだ津久美ちゃんから外した男性器があるよ」
と言ってA大神が10月の手術で津久美から取り外した男性器セットを見せる。
「何この極小のちんちんは?」
「ほんとにちんちんなの?既にクリちゃんサイズじゃん」
「この子、たぶん女性ホルモンをしていたのだと思う。かなり萎縮してるけど千里は萎縮したちんちんでいいよね?」
「うーん。大きいちんちんは要らないけど、もう少しサイズのあるちんちんがいいと思いまーす」
「待って。だったら、ちんちん交換してくる」
「不要品交換会の感覚だな」
「ちんちんは不要品だよね」
その日、久保早紀(1994.10.05 12:55:06生 当時8歳)の所に唐突にA大神が現れるので、早紀は超大物の来訪に仰天した。
「ちづちゃん、久しぶり」
「ご無沙汰してました。今は“早紀”(さき)なんですけど」
「まあ、いいや。あんた、小さなちんちん要らない?」
「へ?」
「ほらこのちんちん、小さいから女の子パンティ穿いても全然響かないよ」
「すごーい。よくこんなちんちん落ちてましたね」
「あんたのちんちんと交換させてよ」
「いいですよ。大きすぎて困ってたんです」
当時の早紀のペニスは、通常時4cm・縮小時2cm程度であった(勃起はしない)。A大神が持ち込んだ(津久美由来の)性器は見た感じが1cm程度で、縮小すると肌の中に埋没して0cm以下になるという話であった。睾丸など赤ちゃんサイズである。
それで早紀は、自分の陰茎・睾丸をA大神が持ち込んだものと交換してもらった。
「この早紀ちゃんの性器は頂戴ね」
「はい、自由にお持ち下さい」
早紀はタックしなくても女児ショーツが穿けるので、喜んだ。あまりにも小さくて裸になっても、まるで付いてないように見えるので
「これでまた幼稚園の時みたいに女湯に入れる。女の子の裸も見放題」
などと危ないことを言っていた。
それでA大神は早紀から取り外した、ちんちんを持って来た。
「何この小さなちんちん?」
とQ大神が驚く。
「でもさっきのよりは大きいでしょ?」
「これ2.5cmくらいかなあ」
「8歳の男の娘から取り外してきた。本人は0cmのちんちんをもらって喜んでいた」
「でもこのくらいのサイズなら、千里にはちょうどいいかもね」
ということで、千里の立派すぎる陰茎・睾丸は、早紀(丸山アイ)由来の陰茎・睾丸と交換されたのであった。
しばらく様子を見る。
「元の形に戻らない。きっと、ちんちんが付いてさえいれば大丈夫なのよ」
「じゃ、男の娘として生きてもらうことで」
「恐らく今は内包されているCdの男性機能が強すぎるから表面に男性器が出てしまうのだと思う。2-3年女性ホルモン優位の状態にしておけば、Cdの男性機能は低下してCd自体が男の娘に変化する」
「そこまで行けば自然に女の子に性転換するかもね」
「たぶん高校に進学する頃までには女の子に戻れるんじゃないかなあ」
「中学生時代は申し訳無いけどモラトリウムを延長することにして」
「でもこの子、戸籍上既に女の子になってしまってるよ」
「戸籍を再訂正する?」
「再訂正はまず認可されないし、この子が自然に女の子に性転換した時に必要になるから、訂正前の戸籍をduplicateしておこう」
「つまり、千里が女の子に修正された戸籍と、修正前の男のままになっている戸籍が二重に存在する状態にする訳だ」
「それだと、この後、色々工作をしやすい気がする」
ということで、村山家の戸籍・住民票がまるごと二重化されてしまった。
後に、千里自身は、自分が長女になっている戸籍は美鳳が捏造したものと思い込んでいたが、本当はそちらこそが本物で、千里が長男になっている戸籍は、この時に神様会議の結果作られた“戸籍の残像”である。美鳳は千里が女になっている戸籍が存在することに気付いて、利用しただけである。
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女子中学生たちのフェイルセーフ(3)