■夏の日の想い出・受験生の夏(2)

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ローズ+リリーの活動休止以来、ボクは一応「男子高校生」に戻ったのだけど、いくつかそれ以前とは変わってしまったことがあった。
 
ひとつは髪を伸ばしはじめたこと。ひとつは女物の下着を常用するようになったこと。それからヒゲを抜くようになったこと、足の毛はいつも処理しておくようになったこと。それからオナニーはしないようになったこと。トイレは(男の子の服を着ている時でも)いつも個室を使うようになったこと。
 
ローズ+リリーを始めた当初は、女物の服は政子の所におかせてもらっていたから、自分の家と政子の家を往復する時、それから学校に行く時などは男の子の服だったし、下着も男物のブリーフとシャツを着ていた。しかし仕事を離れて、プライベートでも女装外出するようになった頃から、しばしば政子の家で男の子の服に戻っても、実は女物の下着は着けたまま、ということもするようになった。次に政子の家に行って、女物の服を着る時に、下着は新しい女物の下着に交換するという方式である。
 
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そういうことをする場合、もしオナニーしてしまうと、どうしても下着にシミを付けてしまう。女物の下着は政子が洗ってくれていたので、それは避けたい。それでボクは女物の下着を着けている間、オナニーは我慢するようにした。最初はけっこう辛くて触りたくて触りたくて仕方なかったものの何とか堪えた。 
しかしオナニーという形でしなくても性的に興奮してしまうと、少し漏れ出してくる。そこでその程度では下着を汚さないようにするのに、ボクはパンティライナーを使うことにした。最初パンティライナーを自分で買いに行った時は凄く恥ずかしかったものの、やがて女の子の格好で女の子だけが使うものを買っているという感覚が、ボクを精神的に興奮させた。それはおちんちんで興奮するのとは別の感覚だった。やがて女の子の服を着て外を歩いているということ自体の高揚感でボクは性的に満足できるようになってきた。それはまるで自分の心の中に男の心と女の心があって、両者が一体となることで、いわば精神の中でセックスしているような感覚であった。その快感はおちんちんをいじって得る快感よりずっと大きい気がしていた。
 
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しかし自分の中にある「男の心」と「女の心」の中で、次第に女の心の方が主役になることが多くなっていったのであった。ローズ+リリーの活動を停止した頃、ボクは既にそういう状態になっていたので、高2の3学期からボクは髪を伸ばし始めたのであった(ローズ+リリーをしていた頃はハーフウィッグを使っていた)。
 
また女の子の心が大きくなってきたことから、ボクは男の子の服を着ている時でも、立ったままおちんちんを出しておしっこをするということに抵抗を感じるようになった。そこでボクは高2の3学期2月に学校に復帰してから(1月はローズ+リリーの騒動の余波で学校を休んだ)一応学生服を着ているから男子トイレには入るのだけど、おしっこだけの時も個室を使用するようになった。
 
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高2の秋頃からボクは主としてネットを使って、女装のこと、性転換のこと、またホルモンのことなども調べるようになった。性転換手術の画像とか最初見た時は凄いショックだったけど、その内自分がそんな手術されるシーンを想像したりするようになった。ホルモンについてもけっこう調べて、それを入手する方法も知ったが、まだその頃はさすがに怖くて手が出せなかった。でもコンビニでエステミックスは買って、実はローズ+リリーの活動をしていた頃から時々飲んでみたりしていた。高3の春頃からは毎日飲むようになった。オナニーせずに済んでいたのはあるいはエステミックスのおかげなのかも知れない。エステミックスで少しおっぱいも大きくなったりしないかなと期待したのだけど、それはさすがに無理っぽかった。ただ乳首が立っていることが多くなったような気はしていたし、乳首が敏感になった気もしていた。 
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ネットで見つけたもうひとつ大きなものがタックだった。最初見た時からこれは凄い!と思った。接着剤タックはテープタックの応用と書かれていたので、まずはそれを練習しようと思って、必要な道具をドラッグストアで買ってきた。最初はなかなかうまく行かず、簡単に外れてしまっていたものの、次第に長時間維持することができるようになっていった。そして接着剤タックまでできるようになったのは高3の6月頃だった。ボクはいつしかほとんど常時タックしているようになっていた。そしてタックしていれば立っておしっこはできないので、結果的にトイレは個室しか使えないことにもなってしまったのだった。 
ローズ+リリーの活動が終わった後、政子の家に置かせてもらっていた女物の服や下着は自宅に引き取ったのだが、初めの数日はおとなしく男物の服と下着を着ていたものの、無理に男装しているような感じですごく変な気分だったので、まずパンティは女物に替えた。
 
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「それにさ。女物の下着の感触に慣れちゃうと、男物の下着付けること自体に違和感があってね・・・ナイロンのショーツとか恋しくなって、女物に戻しちゃった」などと携帯で政子と話していたら
「冬はもうきっと男の子には戻れないと思うな」
と政子は言っていた。実際、ボクは一週間もしないうちに家の中でしばしばスカートを穿くようになった。父が何か言ったけど「家の中だし、いいじゃん」などと答えたりしていた。
 
姉は「女装してるなというのには薄々気付いていたけどさ、冬がこんなに可愛くなるとは思ってなかった」などといって、自分が着ないスカートとかブラウスとかを少し譲ってくれたりした。また通販で買ったものの実物を見たら気に入らなかったり、派手すぎて自分では使えないと思ったりした下着を「使わない?」なんていってくれることもあった。おかげでボクのタンスにはかなりどぎついデザインのブラジャーやパンティなども納められた。 
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しかしそういう生活をしていても学校に行く時は学生服を着なければならないのがちょっと辛い感じだった。ボクも女子の制服着たいなあ、などと思って、女子のクラスメイトたちを眺めたりしていた。ある時同じクラスの仁恵から「なんか視線を感じるんだけど」と言われたので正直に「女子の制服、ボクも着たいな、とか思っちゃって」と言ったら、「一度貸してあげようか?」と言われて、放課後に貸してくれた。仁恵が更衣室でジャージに着替えてきてから「どうぞ」といって渡してくれた。
 
教室の片隅を女子数名でブロックしてくれたので、ボクはそこで着替えた。「女の子のパンティ穿いてるんだ」
「なんだ、ブラジャーも付けてるのね」
などとブロックして取り囲んでいる女子たちから言われる。
「でもウェスト、くびれてる−」
「足も細い−」
 
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「足がすべすべ。ムダ毛処理してるの?」
「それはずっとしてるよ。ソイエだよ」
「わー。でもミニスカートとか穿いてたもんね」
「うん。家の中では今でもスカート穿いてるけど、それで外出するなと親から停められてる」「へー」
 
「ね、おまたに膨らみがないけど、もしかしてもう手術済み?」
「おまたの付近は企業秘密」
とだけ答えておいた。
 
女子制服を着たボクは可愛いと言われた。
「私のスカート、W61なのに、ちゃんとファスナーしまるね。というか少し余ってる?59のスカートでも入ったりして」と仁恵。
「ローズ+リリーしてた頃は64のスカートだったんだけど、あの頃から少しダイエットしたから」「でもさすが。凄く自然に女の子だよね」
「うんうん。女装してる男の子には見えない」
同じ教室にいて遠巻きに見ていた男子のクラスメイトたちからも
「お前、そちら着てたほうが合ってる感じだ」などと言われた。
 
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鏡に映してみてボクもちょっと感動していた。
 
うちの学校は携帯の持ち込み禁止なので、記念写真とかは撮れなかったけど、あれはとてもいい想い出になった。隣のクラスにいてボクの女子制服姿を見逃した政子からは後で「そんな時は私も呼んでよ」と言われた。仁恵たちとはその後、垣根無い感じでよくおしゃべりを楽しんだ。その頃から、ボクは女子のクラスメイトたちと会話の輪に入っていることが多くなり、男子のクラスメイトとは話をする機会が減っていった。
 
自動車学校で女子トイレの使用を認めてもらった時、ボクはここ1年ほどの自分の「女の子ライフ」を思い起こしながら、礼美とおしゃべりを続けていた。 
「だけど、ふと思ったんだけど」
「ん?」
「冬と話している時って、ほんと普通に女友達と話している時と同じ感覚」
「最近、ボクあまり男の子の友達とは話してないんだよね〜。学校に行っても話してるの女の子の友達とばかり。話題もそういう系統になってるから、もう男の子たちの話題について行けないかも」「話題もだけど、発想とか感覚とか、それが女の子なのよね」
「小学校の3年生頃までは友達というと女の子ばっかりだったし、元々の感覚がそうなってるのかもね」 
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「思春期になると、女の子は女の子、男の子は男の子でまとまろうとするから。でも、じゃ、けっこうその後は孤独な状態だっんじゃない?」「うん。高校に入って、マーサと出会うまでは、あまり心を割って話せる友達っていなかった。小学校高学年や中学生の頃は幼なじみの女の子たちとも何となく話しづらかったし。でもマーサは高校入った時に既にボーイフレンドがいたから、恋愛とかを意識せずに話をすることができたんだよね」「そうか。やはりマリちゃん(政子の芸名)との出会いって運命的だったんだ」
「うん。そんな気もする」
 
「そういえばこないだから、胸パッド入れてるよね」
「うんうん。シリコンのなんだ。感触が好きなのよね。ほら、触って」
「わあ、本物の胸みたいな感触」
「何となく胸が無いのは寂しい気がして。でも本物のおっぱい欲しいなあ」
「大学生になってから豊胸手術とかすればいいんじゃない?」
「うん。さすがに高校生のうちは親に認めてもらえないだろうから。ホルモン飲んじゃおうかとかも思うんだけど、まだ怖くて踏み切れないのよね」 
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「慎重にするべきだと思うよ。迷ってる内は飲んじゃだめ」
「うん。よくよく考えてからにする。あーでも小学生の頃からホルモン飲んでたりしたら、声で苦労しなかったのになあ」「冬の声は女の子の声にしか聞こえないよ」
「うん。学校でも家でも最近はこっちの声ばかり使ってて、男の子の声はもうほとんど使ってない。でもさ、男の子の声では2オクターブ半出るのに、女の子の声では2オクターブ弱しか出ないのよね、ボクの声って」「それは練習してれば出るようになるんじゃない?」
「うん。そう思うから週に2〜3回はカラオケ屋さんに行って発声練習してる。それとコーラス部にも入れさせてもらっていて、1学期は昼休みの練習に行ってソプラノで歌ってたんだ。夏休みになってからも少しだけ顔出させてもらってる」 
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「わー。ちゃんと鍛えてるのね。でも受験勉強しながら、コーラス部にも行って自動車学校にも来てって、忙しいね」「うん。でも塾に行ってる子たちよりは時間的な余裕があるかも。夏休みの特別講義とかで朝から晩までなんて凄すぎる」「私、塾は挫折しちゃった」
「ボクは塾に行く時間で自分で勉強したいと思って行ってない」
「うーん。同じ塾に行かないのでも意味合いが違う気がする」
「そう?だって自分のペースでやったほうが勉強は進むよ。自分と違うペースでどんどん講義が進んでいっても、ちゃんと理解できないままになるかあるいは暇すぎるか。オプションの授業は高校でやってくれる補習で充分かな」「確かに塾行ってても、さっぱり内容分からなかった」
「参考書見ながら、自分で理解できるまでゆっくりしたペースで考えてみるといいと思うな。結果的にはそれが学力アップの近道だよ」「うーん。そう言われるとできそうな気がしてきた。やってみようかな」
「うん。頑張って」
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