広告:わが輩は「男の娘」である!-コンペイトウ書房-いがらし奈波
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■ドール(2)

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普通の男の子は11歳か12歳くらいで声変わりが来る。その前に10歳か11歳くらいでオナニーを覚え、精通が来る。ヒゲも生え始める。
 
でもボクたちドールには声変わりは来ない。ヒゲも生えない。精通も来ないし、オナニーもしない。ボクはクラスで他の男の子たちがオナニーの話をしているのを聞いても、別に自分でしたいという気にはならなかった。
 
学校のトイレでちょっとおちんちんをいじってみたけど、こんなのいじって本当に気持ちいいのかなあ、とよく分からない気分だった。ボクたちには一応睾丸も付いているけど、多分男の子としての機能は無いんだろう。だいたい毎日切断されて、毎朝新しいのが生えてくるので、生えて来ても半日の命。機能を発揮する間もないのかも知れない。だからボクたちには多分男性ホルモンはほとんど無いのだろう。だからきっとオナニーしようという気にもならないんだろうな。
 
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ボクはそんなことを考えていた。
 
一方で、クラスの女の子たちは胸が膨らんで来始めていた。中にはブラジャーを付けている子もいる。そして生理が始まる子もいる。ボクはむしろ彼女たちの生態の方に興味を持った。
 
先輩のFドールから聞いてる。やがてボクもFになったら、生理が始まるし、胸も膨らみ始めるということを。中にはFになる前に胸が膨らみ始める子もいるらしい。トモちゃんなどはFになってから胸は大きくなり始めたみたいだが、マミさんなどは、先に胸が膨らみ始めたという。
 

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やがてボクは小学校を卒業し、中学生になった。
 
中学生の男子は基本的には丸刈りである。しかしボクは特に許可をもらって、胸くらいまでの髪を維持していた。おちんちんは切っても半日で生えてくるけど、髪は切ってしまうと肩くらいまでの長さになるのにも半年以上掛かる。
 
学年の中で男子で長髪を維持しているのは、半分くらいがドールだろうけど、一般の生徒はその訳を知らない。他に、歌手や役者をしている子、病弱で医師の指示で長髪にしている子、性同一性障害の診断書をもらっている子などが、長髪のままにしている。ボクたちは、歌手とかもしてないし病弱そうにも見えないし、あるいは性同一性障害なのかも、と周囲から思われている雰囲気もあった。
 
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実際、中学になってから、結構同級生の女の子が話しかけてくるようになった。ボクたちは女の子としての教養を鍛えられているから、彼女たちとは充分話が合う。男の子のアイドルの話とか、ファッションの流行の話とかでもわりと話が盛り上がった。
 
「ね、ね、女の子の服も着るんでしょ?」
「着るけど、だいたい和服だなあ」
「へー! 和服が着れるって凄い! 和服でもいいから、日曜とかその服で出てきて、一緒に遊ばない?」
「ごめーん。土日は、三味線とか、おとこのお稽古とか入ってて」
 
「おとこの稽古?」
「間違い、おことの稽古」
「びっくりした!」
 

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実際、ボクたちは平日は男の子の服を着て学校に行っていたが、土日は身体は男の子の身体のままであっても、女の子の和服を着て、三味線、お琴、胡弓、そして唄や踊りのお稽古に通っていた。
 
ボクはNドールなので、お店では無地の着物を着ているが、お稽古に出かける時はだいたい自分の好きな小紋の和服を着ていた。他のNの子はよく金魚とか蝶々とかの柄の小紋に兵児帯をしていたが、私はFに準じる扱いなので、花柄の大柄な小紋に半幅帯を締めていた。(Fだと付下げに袋帯である)
 
ボクたちは物心付いた頃から、三味線や太鼓のお稽古をしていた。でも、そもそもボクたちって、どこから来たのだろう。それはタカコさんも知らないと言っていたし、平川先生も知らないらしかった。ボクが小学校を卒業してしまったので、平川先生とは学校では会わなくなったものの、相変わらず2〜3ヶ月に1度やってきては、ボクと夜通しお酒を飲みながらお話をしていた。
 
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そしてそれは中学2年生の7月。もう学校も終わって、ちょうど夏休みに入ったところだった。その日のお客様の相手をして夜のお供をして、身体に変化が出る前、3時半にボクは寝床を抜け出して自分の部屋に戻った。まだ朝まで少し時間があるので、寝ようと思い、着替えていたら、突然お腹が痛くなった。うっと思ってトイレに駆け込んだが、お股から血が出てきているのを見て仰天する。
 
何!? 何が起きたの?
 
私は少し痛みが治まるのを待ち、お股の所に少しトイレットペーパーを挟んで服を着て、誰かに相談しようと1階に降りた。入口の所に眠そうな顔をしたアツコさんがいたので声を掛ける。
 
「ちょっと相談があるのですが」
「どうしたの? こんな早い時間に」
「なんか血が出てきて・・・」
「あら、どこか怪我した?」
「それがよく分からなくて」
「どこなの?血が出てるのは?」
「あの・・・・お股の割れ目のところから」
 
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アツコさんは目をぱちくりさせた。そして大笑いした。
 
私は戸惑った。
 
「それはおめでとう」
「おめでとうって・・・・」
「ユウちゃん、初潮が来たのよ」
「ショチョウ?」
「月経だよ」
「あ!」
 
「月経のこと、知らなかった?」
「ううん。習ってはいたけど、自分に来るなんて・・・・まだFにもなってないのに」
 
「いや、もうFになったんだよ。だから、ユウちゃん、もうおちんちんは生えてこないよ」
「え・・・・」
 
「だから、もう学校も終りね。2学期からは学校に行く必要はない」
 
Fになるというのは、つまりおちんちんが生えてこなくなって、完全に女の子になることだというのは、薄々気付いていた。でも、まだ自分がそうなるのはもう少し先のことだとばかり思っていた。
 
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その朝、本当におちんちんは生えてこなかった。
 
もう立ちションもできないんだなあと思うとちょっと寂しい気もした。ああ、おちんちんが付いてる内に、オナニーの真似事とかも、もう少ししておけば良かったかなあ、なんて気もした。もうおちんちん無くなっちゃったから、あれで遊ぶこともできない。
 
女の子になったということで、ボクは初めて女の子の洋服も支給された。これまでは女の子の格好をする時は和服しか着ていなかったが、今後は外を歩く時に、洋服を着てもいいと言われた。
 
もう大人だからブラジャーも付けなさいと言われて、まだ胸が無いからということで、小さなカップのワイヤー無しのブラジャーを渡された。トモちゃんが「こうやって付けるんだよ」と言って付け方を教えてくれた。
 
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「後ろ手でホック留めるのって難しい!」
「女の子はそれできないとおかしいから、頑張って練習しよう」
 
ブラウスはボタンの付き方が男物のシャツと逆なので、どうにも留めるのが大変だった。これも頑張って練習しようねと言われる。
 
そして初めてスカートを穿いた。
 
わーい、これはちょっと穿いてみたい気がしてたんだよね〜。
 
「ユウちゃん、洋服も似合うね。スカート姿可愛い」
「えへへ」
 
自分でも鏡に映してみて可愛いという気がした。
 

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そしてその夜。ボクはFとして初めての夜を迎えることになった。
 
まだ成り立てなので自分のチームは編成されていない。数日中にNの子を数人割り振ってチームを作るという話だった。トモちゃんのサポート役もできなくなるけど、トモちゃんのドジは相変わらずなので、ボクの後任にレミちゃんがサポートで入ることになるらしい。
 
そしてボクは今日は初めてのFとしての夜なので「水揚げ」という特別な応対をすることになった。ふつう、このお店で遊ぶのに料金は1晩20-50万円である。しかし水揚げは最低でも2000万円という高額を払うことになる。タカコさんから水揚げの次第をしっかり昼間のうちに教えてもらっている。ベテランのジュンコさんと若いFが更に2人、私のサポートに入ってくれて、私は盛装してお客様を待った。
 
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本来のFの衣装は赤い花柄の振袖に袋帯であるが、今日はもっと華やかな色打掛を着て、帯も超豪華なものを締める。お化粧もジュンコさんにしてもらったが、物凄く念入りにされて、鏡を見て「これ、ボクの顔〜!?」と思ったくらいに凄かった。
 
やがて障子が開く。さて、どこのお金持ちの相手をすることになるのだろう、と思ったら、平川先生だった!
 
「先生、お金大丈夫?」
 
と思わずボクは言ってしまった。
 
「去年親父が亡くなって田舎の土地を相続した。それで山をひとつ売って、お前の水揚げ代を払った」
 
「きゃー」
 
ジュンコさんが三味線を弾き、もうひとりのFが唄を唄い、もうひとりのFが扇を持って舞を舞う。そして私は平川先生の傍でお酌をしていた。料理も豪華だったが、先生はその料理にはあまり手を付けていなかった。
 
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やがて宴は終わり、他のFたちは部屋を退出する。私は平川先生を誘って奥の部屋に行く。
 
「今夜は抱いてくださいますよね?」
「抱かないと水揚げにならないからね」
 
私は微笑んで先生に口付けした。
 
「でもお前たち、なんで学校には男の子の振りして通ってるの?」
「ふふふ。秘密」
 
先生はNの子は毎日おちんちんが生えて来て、それを毎日切っているというのは知らないみたい。まあ、言っても信じないだろうけどね。
 
ボクは先生の服を脱がして行った。そして股間の大きなものを口に含む。先生は立っていられなくなって膝を付いた。ボクは優しく先生を布団の上に寝せると、自分も服を脱ぎながら、しっかりと刺激して行った。
 
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「白石、お前まだ胸が無いな」
「まだ未熟者ですから」
「お前が20歳になったら身請けするから、それまでにちゃんとおっぱい大きくしとけ」
「私、Eカップくらいにはなる自信あるから」
「それを楽しみにしとこう」
 
「これからは来てくださる度に抱いてくださいますよね?」
「もちろん」
 
夜は静かに更けていった。先生が口の中で逝ってしまった後、ボクは少し先生のおちんちんを弄んだ。つい昨日の夕方までは自分にもこれが付いてたんだけどなあ。もう二度と自分には生えてこないものだから、何となく愛おしいような気もする。
 
でも女の子になるためには、付いてたら困るものだからね。無くなって良かったんだろうな。
 
さようなら、ボクのおちんちん。
 
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そんなことを考えながらボクはやさしく両手でそれをいじっていた。
 
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