【クリスマス事件】(上)

目次
 
「ねぇねぇ、雑誌に心理テストが載ってたのよ。ハルト、やってみない?」
 
クラスメイトの女子、アリナが寄ってきたので、ボクはとりあえず質問に答えることにした。
 
「友達が殴られていました。君は?報復に行く?介抱しに行く?」
「取り敢えず、殴られていた子の介抱が先だよ。報復が必要ならするけど、その後」
 
「友達と廊下でぶつかりそうになりました。その時、道を譲る?先に通ろうとする?」
「譲る。だって先に通ろうとしたら本当にぶつかるかも知れないもん」
 
「お料理の本と戦車の本、どちらを読みたい?」
「戦争は嫌いだなあ。お料理の本がマシかなあ、あまり料理に興味は無いけど」
 
「お花の図鑑とピストルの図鑑、どちらを買いたい?」
「人殺しの道具って嫌い。お花にも興味は無いけど、そちらがいい」
 
「ハルト、あんた射撃の成績、学年1なのにピストル嫌いなんだ?」
「もしかしてピストルは嫌いだけどライフルは好きだとか?」
「射撃の授業は、授業だから仕方なくやってるけど、あまり好きじゃない。
それに授業で撃つのはあくまで的(まと)だもん」
「でもどっちみち兵役に行ったら人を撃たないといけないよ」
「それ、憂鬱〜」
 
男の子である以上、18歳になったら兵役が待っている。兵役というのはつまり戦争に行くということで、戦争に行けば自分が撃たなければ撃たれるだけだ。
 
「シンデレラの話とジャックと豆の木、どちらが好き?」
「シンデレラかなあ」
 
「赤い鞄と青い鞄、どちらを持ちたい?」
「黒が好き」
「赤か青か」
「赤かなあ。青ってボクあまり好きじゃないんだよね」
 
「数学と国語、どちらが好き?」
「国語。ボク、図形の問題が苦手」
 
「男の人が何人かお酒を飲んで楽しそうにしています。女の人が数人、おやつを食べながら何か話しています。どちらのグループの輪に加わりたいですか?」
「ボクお酒は飲めないから女の人の方かな」
 
「歩く時、内股ですか?外股ですか?」
「あ、ボクわりと内股なんだよねー」
 
「生まれ変わるとしたら、女の子がいい?男の子がいい?」
「えー?また男の子の方がいいな」
 
「採点します。点数は90点」
「へー。それ何のテストだったの?」
 
「女の子らしさのテスト」
「え〜〜!?」
 
「今何人かやったけど、女子でも今の所最高が70点」
「うっそー」
「だから、ハルトはここにいる女子の誰よりも女らしい」
「あはは」
「もうこれは、いっそ男の子はやめて女の子になった方がいいレベル」
「女の子になると言われても・・・」
 
「ちょっと手術しちゃえばいいじゃん」
「手術して女の子になれるの?」
「性転換手術って言うんだよ。知らない?」
「知らなかった!」
 
「6組のマイクが先週、性転換手術受けて女の子になったんだよ」
「それも知らなかった!」
「名前もマイコって変えて。凄く可愛い女の子になってるよ」
「へー。でもマイクって優しい性格だったから、女の子でも行けるかもね」
 
「ハルトもたぶん女の子で行ける」
「別に女になりたくはないよ」
 

そんなことを学校で女子のクラスメイトたちと話したものの、ボクは女の子になる手術って、どういう手術なんだろう?と考えて、何だかドキドキした。
 
女の子って、みんな髪が長いし。髪を長くするのかな? あと女の子はみんなおっぱいがあるし。おっぱいも大きくするんだろうか?お母ちゃんもお姉ちゃんもおっぱい大きいもんなあ。妹はまだ小さいから大しておっぱいが無い。でもこれから少しずつ大きくなるのかな。
 
ボクは当時、女の子と男の子の違いというのが実はよく分かっていなかった。
 

その日はクラス運営委員で女子のアリナ、ネリカ、男子のトマスとボクの4人で一緒に来週のクリスマスの行事のことで放課後一緒に打ち合わせた。クラスの予算で100クロナくらいのささやかな文具やアクセサリーなどを買って、サンタガールに扮した女子数名に配ってもらおうということで話がまとまる。他にクッキーやジュースなどを買ってみんなで食べることにする。
 
「サンタガールは誰がやるんだっけ?」
とトマス君が言う。
「まあ私とアリナはやるよね?」
とネリカ。
「まあ運営委員だから仕方ない」
とアリナ。
「40人に配るからなあ。できたらあと2人くらい欲しい」
 
「誰か適当に女子を徴用したら?」
「そうだね。ジュナとかイリヤあたりに声を掛けてみるかなあ」
「あるいは、トマスとハルトがサンタガールの衣装付けてやるか」
「やだ」
「男が女の服を着るのは戒律に反する」
「じゃ女になるとか?」
「やだ」
「ちょっと手術受ければいいじゃん」
「俺チンコ無くしたくねーよ」
とトマスが言った。
 
それでボクは、あれ〜?女の子になる手術って、もしかしておちんちん取るのかな?と思い至った。そういえば、たぶん女の子にはおちんちん無いよね?でもおちんちん無くなったら、おしっことかどうすればいいんだろう?女の子って、おしっこしないんだっけ?? 女の子ってトイレは大をする時みたいに座ってしているみたいだけど、もしかしておしっこはうんこと一緒に出るの?なんかそれも嫌だなあ。
 

誰がサンタガールをするかについては、また後で検討することにして、その日は取り敢えず、先生からお金をもらって4人でプレゼントを買いに行った。
クッキーは女子数人で作るという話になり、お菓子作りの得意な子何人かに声を掛けて、この週末に作るということであった。
 

12月21日(金)。その日、うちではクリスマスのお祝いを少し早めにすることになった。お父さんがお仕事でコラビアまで行ってこないといけないので、その前にしておこうということになったのである。
 
七面鳥の丸焼き、ローストビーフ、それにケーキなども用意する。この日だけは10歳以上の子供もシャンパンを飲んでもいいことになっているので、姉のローザが栓を抜き、みんなのグラスに注いだ。
 
「メリー・クリスマス!」
と言って乾杯し、それを飲んで、ケーキや料理を食べる。
 
「美味しいね!」
「うん。クリスマスっていいね〜」
 
「お父さんはいつ帰ってくるの?」
「明日の夕方出発して、帰りは1月中旬くらいになると思う」
「大変ね」
「コラビアって結構ぶっそうなんじゃないの?」
「まああの国は国民全員が武装してるから、喧嘩が起きると片方は死ぬって国だな」
「怖〜」
「あなた、武器は持っていくの?」
と母が心配そうに言う。
「護身用に6連発のリボルバーと銃弾を24発持って行く。使うハメにならないことを祈っているけどね」
 
「殺されるのも嫌だけど、相手を殺すのも嫌よね」
「うん。それはそうだけど、殺されそうになったら先に殺るしかないから」
「そういうことにならないことを祈ってるわ」
「うん。俺も祈ってる」
 

「だけどうちの国はなかなか戦争が終結しないことを除けば国内の治安は比較的いいよね」
と母が言う。
「まあ国境方面は悲惨だし、戦いも一進一退で決着の目処が立たないけど国内は凶悪犯罪も少ないしね」
と父。
「でもこないだの劇場立てこもり事件は酷かったね」
と姉が言う。
「うん。特殊部隊ももう少しうまくやれなかったかね。人質100人の内90人死亡というのは、あんまりだ」
と父。
「突入の時にかなり混乱したし、ホロウファントム側が乱射したみたいだから」
と母。
「立てこもっていた人は3人だったんでしょ?それにしては犠牲者が多すぎる」
と姉。
「その人数も把握できてなかったみたいだね。それに立てこもってすぐの段階で大人の男は全員殺されたらしいし。抵抗されると面倒というので」
と父は言った。
 
「人質は女子供だけでいいということか」
「少ない人数で多数の人質を管理しようとするとそうなるのかもね」
 

そういうぶっそうな話もあったものの、その日はだいたいは楽しい話が多かった。
姉のローザは来年大学に進学するが、姉の成績なら楽勝っぽい。ボクは再来年高校に進学しなければならない。ボクは体育以外は成績があまり良くないので「お前塾に行く?」などと言われたものの「ボク勉強頑張るから」と言って、その話はパスさせてもらった。妹はまだ小学生だから気楽なようである。
 
それで20時頃になるとクリスマスのディナーは終わりである。子供たち3人で食器をキッチンに運び、お母さんとお姉さん、それにボクの3人で洗った。
妹のカレアにはもう寝るように言った。
 
20時半頃には洗い物も終わり、明日からの出張に備えて準備をしているお父さん、寝ているカレアを除く3人でおしゃべりし、21時半にはボクも寝た。ローザはまだしばらく母と話しているようであった。
 

12月22日(土)。朝起きるとボクは枕元のクリスマスブーツを見てみた。本当はクリスマスのプレゼントは25日の朝に渡されるべきなのだが、お父さんの出張で日程がずれたので、プレゼントも今朝もらうことになった。
 
それでブーツの中身を取り出したのだが、ボクは困惑した。
 
入っているのが、可愛いスカートが2枚、可愛い猫のキャラクターの女の子パンティが3枚、赤いマフラー、そして可愛い雪の結晶のような透明なピアスなのである。
 
これ、お姉ちゃんか妹のと間違ったのでは? 
ボクはそう思い、ブーツにそれらの品を戻してから居間に出て言った。
 
「おはよう。早かったね」
と母がボクに声を掛ける。
 
「お母さん、このクリスマスブーツ、女の子の服が入ってる。これお姉ちゃんかカレアのと間違ったんじゃないかなあ」
とボクは言った。
 
「どれどれ?」
と言って母は中身を見てみる。
 
「これサイズがW61だね。ローザはW67を穿いてるし、カレアはW57を穿いてるから、ローザには小さすぎるし、カレアには大きすぎるよ。あんたのものだと思うけど」
 
「でもこれスカートだよ? それにピアスとか、女の子のアクセサリーでは?」
「あんたも中学生だしね〜。そろそろピアスを開けていいころだと思ってたよ」
「男でもピアスするの〜?」
 
「あら、せっかくサンタさんが女の子の服をくれたんだもん。あんた女の子になったら?」
「なんで〜〜!?」
 
「女の子になったらたくさん可愛い服を着られるよ」
「そんなの着なくていい」
「可愛い服嫌い?」
「嫌いじゃないけど、女の服は嫌だよ」
「女の子になったら戦争に行かなくてもいいよ」
「戦争は嫌だけど、そのために女の子にはなりたくないよ」
 
男子は高校を卒業したら全員3年間の兵役に就かなければならない。大学に進学する場合は兵役を終えてからになる。ただし兵役で3人に1人は戦死すると言われている。
 
「あんた銃がうまいから兵役になったら狙撃兵になると思うよ。あんた沢山人を殺さないといけないよ」
「それは憂鬱だけど・・・・」
 
ボクは確かに昨年は射撃の成績はトップだったのである。でもそれはあくまで的(まと)を撃つ場合だ。人に向かって自分が撃てるだろうかというのは心の中でずっと葛藤があった。
 
「あんた結構お嫁さんになる素質あると思うけどなあ」
「ボク、料理とか分からないし」
「女の子になってから練習すればいいよ。ちょっと病院に電話してみよう」
「え〜〜!?」
 
ボクはてっきり母の冗談だと思っていたのだが、母が病院に電話すると言い出したことで、まさかこれマジ?と思い、大いに焦った。
 
「どうもいつもお世話になっています。うちの息子のハルトに性転換手術を受けさせたいのですが、手術のスケジュール、入れられます?」
「あ、そうですか。今日の午後が空いてますか。じゃそれでお願いします」
と言って母は電話を切ってしまった。
 
「ちょっとぉ!」
「良かったね。スケジュール空いてるって。午後から手術受けましょう」
と母。
「なんでそうなるの〜?」
「ハルト、あんた女の子向きの性格だと思うよ」
と母は言った。
 
そこに父が起きてきたので、ボクは父に助けを求めた。
 
「お父さん、お母さんがボクに女の子になれって言うんだけど」
「なんで?」
と父が訊く。
 
「サンタクロースがハルトのクリスマスブーツに女の子の服を入れてたんだって。だから、せっかく女の子の服をもらったのなら、いっそ何の子になっちゃったらと言っていた所」
と母。
 
「ああ、いいんじゃない?」
と父。
 
え〜〜!? 
「それでオーマ病院に電話したら、今日の午後なら性転換手術できるって」
「ああ。じゃ手術受けてくればいいね」
 
ここに至って、ボクはこれは母と父が予め相談してボクを女の子にしてしまおうと決めたのだということに思い至った。でも嫌だよぉ、女の子になんかなりたくないよ!! 
そこに姉のローザが起きてくる。
 
「お姉ちゃん、お母さんとお父さんがボクに女の子になれって言って、今日の午後、性転換手術を受けるようにいわれたんだけど」
 
「へー。まあいいんじゃない。あんた結構女の子向けの性格だと思ってたよ」
「え〜〜!?」
 
「あんたそもそも男の子の友だちより女の子の友だちの方が多いでしょ?」
「うん。ボクあまり男の子の友だちができない」
「それはつまりハルトが女の子的な性格だからだよ。もうここらで女の子になっちゃった方がいいよ」
「うっそー」
 
そこに妹のカレアも起きてくる。ボクは藁をもすがる思いでカレアに訊いた。
 
「カレア、お父ちゃんもお母ちゃんも、お姉ちゃんまで、ボクに女の子になれと言って、今日の午後、女の子になる手術を受けろというんだけど」
 
「あ、お兄ちゃん、お姉ちゃんになるの?」
「えっと、手術受けちゃったら、カレアのお姉ちゃんかな」
 
「私、お姉ちゃんが2人欲しいなと思ってたんだよねー」
 
がーん。。。。。
 
「それにお兄ちゃんがお姉ちゃんになれば、温泉に行った時、3人で一緒にお風呂に入れるし」
とカレア。
 
「あ、それはいいよね。私も娘3人と一緒にお風呂に入れたらいいなあ」
と母が言う。
 
「ボクはお父ちゃんと一緒に男湯に入るよぉ」
とボクは言うが「すまーん。俺忙しくとお前達と一緒に温泉とか行けなくて。俺としては子供3人、みんな母さんと一緒にお風呂に入れるほうが安心かな」
 
ひっどーい。みんな寄ってたかってボクを女の子にしようとする!! 

それで結局、ボクはお父さんの運転する車に乗せられ、オーマ病院に連れていかれた。母が助手席、後部座席にローザ、ボク、カレアと並んで座った。
 
母と2人で診察室に入る。
 
「はい。ちょっとズボンとパンツ脱いで、お股を私に見せてね」
とオーマ先生は言う。
 
それでボクが脱ぐと先生はボクのおちんちんやタマタマに触った。
 
「ふーん。触ると大きくなるんだね」
「それはなりますよー」
「発毛はしてるね」
「小学4年生の頃から生え始めました」
「オナニーはいつ頃からしてる?」
「4年生の時です。でも当時はいけないことかも知れないと思って我慢するようにしてました。でも5年生になるともう我慢できなくなりました」
「今どのくらいの頻度でしてますか?」
「週に1度くらいです」
 
「了解。じゃちょっと反応度を調べてみようか」
 
そういうと先生はボクのおちんちんをいじり始めた。
 
ひぇー! 
とは思うものの、身体は正直だ。おちんちんは大きくなって、ほんの2〜3分ほどで液が出てきた。先生はその液を容器に取ると、顕微鏡で調べている。
 
「うん。ちゃんと精子は入っているね。じゃこの液はこのまま冷凍保存するね」
と先生。
「はい、お願いします」
と母。
 
「女の子になる手術の内容を一応説明します」
とオーマ先生は言った。
 
「基本的には男の子にあって女の子には無いものは全部除去します。そして女の子にあって男の子にないものを作ります」
 
「おちんちん、タマタマ、タマタマの入っている袋は全部取ります」
 
やはりおちんちん取るのか!? 
「そして割れ目ちゃんを作り、栗ちゃんとヴァギナを作ります」
と先生は言ったが、ボクは意味が分からなかった。
 
「結果的にこういう形になります」
と言って先生は写真を見せてくれた。
 
左側の写真にはおちんちんとタマタマが写っている。でも右側の写真にはそれがなくて、何だか縦の筋がある。
 
「これは昨年手術した18歳の人の写真です。左が手術前で右が手術後です」
 
え〜!?これ同じ人なの!? ボクのお股もこんな形になっちゃうの!?? 
「この縦の筋が割れ目ちゃんね。この中に栗ちゃんとか、おしっこの出てくるところとか、ヴァギナが隠れています」
 
「あ、おしっこはできるんですね?」
「そりゃ女の子だっておしっこはできないと困る」
 
「この割れ目の中におしっこの出てくるおちんちんがあるんですか?」
「女の子はおちんちん無いよ。おしっこの出てくる穴がこの中にあるんだよ」
「穴なんですか?」
 
「おしっこの出てくる穴と、もうひとつ赤ちゃんが出てくる穴を作るから」
「赤ちゃん!?」
「女の子は赤ちゃん産まないといけないからね」
 
「へー」
「あんたもお嫁さんに行ったら、赤ちゃん産むことになるからね」
「きゃー」
 
「では1時間後に手術を始めます」
と先生が言うと、ボクはクラクラとする思いだった。
 

病室に案内され、看護婦さんがおちんちんやタマタマのふきんの毛を全部剃ってしまった。その上でアルコールできれいに拭かれる。ボクは毛を剃られる時も、アルコールで拭かれる時も、ドキドキして、おちんちんは大きくなったままであった。
 
「じゃ服を全部脱いでもらいます」
と言われ着ていた服を全部脱がされる。そしてゴムのような服?を着せられた。
そして病室のベッドからストレッチャーに移され、それで運ばれていく。
 
きゃー、ボクこのまま女の子になる手術を受けさせられちゃうの? 
 
いやだよぉ!! 

やがて手術室の中に運び込まれ、ストレッチャーから手術台の上に移される。
 
「それでは今から息子さんを女の子に変える性転換手術を行います。いいですか?」
とお医者さんは《母に》訊いた。
 
「はい。お願いします。息子を可愛い娘にしてあげて下さい」
と母は言った。
 
ちょっとぉ!ボクには手術していいかって訊かないの? 
とボクは思ったものの、注射を打たれる。それで眠くなって、この後のことはもう分からなくなった。
 

目が覚めるとボクは病室に寝ていた。
 
「あ、意識回復しましたね。君はもう立派な女の子になれたよ。おめでとう」
と傍で医師が言った。
 
「あんたもこれで立派な私の娘になれたね。あんたの名前はお父ちゃんと話しあって、ハルトあらためハルアにすることにしたから」
と母。
 
「え〜!?」
 
ボクって娘になっちゃったの? 
「ハルア、最初は戸惑うこともあるだろうけど、お前はきっと良いお嫁さんになれるだろうから、頑張れよ」
と父が言う。
 
お・・・お嫁さんになるの!? 
「ハルア、あんたはもう私の可愛い妹だからね」
と姉のローザ。
 
う・・・ボク、お姉ちゃんの妹なのか・・・ 
「ハルアお姉ちゃん、よろしくね。今度お母ちゃんと姉妹3人で温泉に行こう」
と妹のカレア。
 
う・・・ボク、妹のお姉ちゃんなのか・・・・ 

手術からもう1時間経っているということで、傷の様子を見ましょうと言って医師はボクのお股の所に巻かれている包帯を外した。
 
ボクは息を呑んだ。
 
これが女の子のお股なの!?? 
おちんちんとタマタマが無くなっていて、代わりに縦の筋ができている。写真で見たのと同じだ。医師はその筋を2本の指で押し広げた。
 
「ここにちょっとコリコリしたものがあるでしょ?」
「はい」
「これがクリトリス。傷の痛みが引いたら、これ触ると気持ち良くなるようになっているから」
「へー」
「女の子のオナニーはこのクリトリスをいじるんだよ」
「じゃおちんちんみたいなものですか?」
「そうそう。女の子のおちんちんだよ」
と医師は説明する。
 
「ここにおしっこが出てくる穴があるから」
「おしっこする時はそこから出てくるんですか?でもおしっこの飛ぶ方向とかどうすれば調整できるんですか?」
「まあ調整は無理だね。単に出てくるだけだから」
「うーん・・・」
 
「それからここがヴァギナ。赤ちゃんが出てくる穴だよ」
「わぁ・・・」
 
「取り敢えず手術が終わってから半年もしたら、ここから月の物が出てくるようになるから」
「何ですか?それ」
「女の子は毎月1回、赤ちゃんを産む準備が出来る。でも赤ちゃんができなかった時は、代わりに月の物が出てくる」
「小さな赤ちゃんですか?」
「赤ちゃんになりそこないの、血の塊だね」
「血が出るんですか!?」
「女の子はこれを50歳くらいになるまで毎月出さないといけないんだよ」
「なんか大変そう」
「男の子のオナニーとどちらが大変かは議論になるね」
 
「あ、ボクもうオナニーはできないんですかね」
「おちんちん無くなっちゃったから。でも代わりにクリトリスでオナニーできるんだよ」
「へー」
「でもクリトリスのオナニーは男の子みたいに毎日のようにしなくてもいいんだよ。月に1〜2度で済むと思う」
「そんなものですか」
 
「そしてクリトリスのオナニーはおちんちんのオナニーの100倍気持ちいいから」
 
「ほんとですか?」
「だから女の子になったことを後悔する子なんていないよ」
「ちょっと楽しみかも」
 

女の子になったから、女の子の服を着なければと言われる。
 
最初にクリスマスブーツに入っていた、猫のキャラクターの何だか可愛い女の子パンティを穿いた。
 
「左右で持ってみて、細い方が前だから」
「前の穴が無い」
「女の子はおちんちんが無いから、そこから出すものが無いから」
「あ、そうか」
 
それからブラジャーを渡される。
 
「でもボクおっぱい無いよ」
「おっぱいはすぐ膨らんで来るから。ブラジャーに慣れておこう」
「へー」
 
でも付け方が分からない! お姉ちゃんが教えてくれて、まずは両手を通し、それから後ろに手を回してホックを留めた。
 
「見えないから難しい」
「慣れたら簡単にできるようになるよ」
 
それから女の子シャツを着せられるが、これは男の子シャツとあまり変わらない。衿口の所にレースが付いているくらいだ。
 
それからクリスマスブーツに入っていたスカートを穿く。これはどちらが前かよく分からない。
 
「スカートの前後は女の子でもよく分からないものが多いんだよね。このスカートの場合はファスナーのある所が左側だと思う」
 
それでスカートの中に足を入れ腰まで引き上げる。ホックを留めてから左側のファスナーを上に揚げた。
 
「これズボンの代わりなの?」
「そうだよ。女の子はズボンは穿かないから」
「なんか凄く頼りない感じ」
「慣れれば平気」
「これパンティが見えちゃわない?」
「見られるのは平気だよ」
「そういうものなのか」
 
それからブラウスを渡されたが、ボタンが男の子のワイシャツと逆に付いているので、ボタンを留めるのに物凄く苦労した。
 
「これ留めにくい〜」
「それも慣れたら平気」
 

そこまで着たところでトイレの練習をしようと言われる。それでお姉ちゃんと看護婦さんと一緒にトイレに行く。でも足がスカートに引っかかってしまい、最初はいきなり転んでしまった。
 
何かスカートって歩きにくいよぉ! 
「膝より下だけを動かして歩くような感じで歩いてごらん」
と看護婦さんに教えてもらった。男の子から女の子に変わって最初はみんなそれで転ぶんですよ、と看護婦さんは言っていた。
 
トイレの所まで来て、ボクがうっかり男子用の方に入ろうとしたら「そちらは違う」
とお姉ちゃんに言われる。
 
「あんた女の子になったんだから、こっち」
と言って女子用に連れ込まれる。きゃー。
 
女子用トイレは、ずらっとドアが並んでいるだけである。何か変な感じ。凄く狭く感じる。そのドアのひとつを開けて中に入る。
 
「取り敢えず座って」
「うん」
 
ボクは大をする時のように便器に腰掛けた。ドアは開けたままでお姉ちゃんと看護婦さんが見ている。
 
「おしっこを出す時の感じは男の子も女の子も同じなんですよ」
と看護婦さんに言われる。
 
「うーん・・・」
 
でもおちんちんがあれば、小便器の前に立っておちんちんをズボンのファスナーから出したら自然におしっこは出ていたのだが、これどうすればいいんだろう? 
男の子と同じと言われても、おちんちんが無いから感覚が分からない。
 
「えっとね。大をする時の感覚は分かるよね?」
「はい」
「それと似たような感じで、でも後ろの方は引き締めたまま、前の方だけ緩めてみて」
と看護婦さんが言う。
 
それでそういう感じにしてみる。
 
「あ、出た」
「良かった、良かった」
 
おしっこは何だか身体から直接、下に落ちていくような感じ。これおしっこをしているというより、単に外に流れていってる感じ。積極的に「出す」んじゃなくて「出てる」というのに近い。でも、もうおちんちん無くなっちゃったから、これで慣れるしか無いのかなあ、とボクは思った。
 
それで終わってから立とうとしたら「拭いて」
と言われる。
 
「女の子はおしっこした後は紙で拭くんだよ」
「へー!」
 
それでトイレットペーパーを少し取って、拭くと結構濡れる。ほあ、こんなに濡れていたのか。何か女の子は大変だなと思った。男の子ならおちんちんを振れば済むのに。そうか。振ることができないから、拭かないといけないのか。
 

女の子になる手術なんて、無茶苦茶痛いんじゃないかと思っていたのだけど、痛みはほとんど無かった。本来は物凄く痛いのを神経の一部をブロックする小さなニードルが刺されているのと、体内に鎮静剤のカプセルが埋め込まれていて、向こう半年間はずっと痛みを抑えてくれるらしい。傷口はナノマシンで細かい縫合がされているので、よほど気をつけて見ないと分からない。ただ、触った時に感触が無いので、ああここも神経がブロックされているんだろうなとボクは思った。これらのマイクロニードルや鎮痛剤カプセルは半年後に再手術して取り出すことになるらしい(一部のマイクロニードルは溶けて身体に吸収されてしまうと言っていた)。
 
手術が終わってから3時間ほどで退院許可が出たので夕方5時頃、病院を出た。
病院に来たのが昼前で、手術は1時から2時頃まで1時間ほど掛かったようであった。ボクはそのまま市役所に連れられて行って、性転換届けを出した。
届けの用紙の左半分はお医者さんが書いた性転換手術証明書で、右側に両親の名前、ボクのこれまでの名前「ハルト」、新しい名前「ハルア」というのが記載されている。
 
「あら、あなた女の子になったの?」
と戸籍係の人がボクに訊く。
 
「はい」
と答えると 
「良かったねー。おめでとう」
などと言われる。
 
女の子になることが「おめでとう」なのか。そういえば病院の先生にもやはり「おめでとう」と言われた気がするなと思う。
 
「ありがとうございます」
「あなたなら、きっとりっぱな女になれるだろうから頑張ってね」
「はい」
 
市役所の人は証明書を見ている。
「陰茎・睾丸除去、陰嚢除去。大陰唇・小陰唇・陰核形成、膣・子宮・卵巣の自己移植、尿道口は女性様に変更」
と読み上げた上で「豊胸はしていないんですね?」
と訊かれる。
 
「まだ中学生なので、胸が無くてもそう不自然ではないだろうということで。
すぐ大きくなりますし」
と母が言う。
 
「分かりました。それではこれで受け付けます」
と係の人は言った。
 
それで戸籍係の人は戸籍を修正し、すぐに戸籍記載事項変更証明書を発行してくれた。これを学校に提出して登録を直してもらってと言われた。
 
旧氏名 ハルト・カラバン、新氏名 ハルア・カラバン旧性別 男 新性別 女 
と書かれている。ボクはそれを見てあらためて「そうか。ボク女の子になっちゃったのか」と思った。
 

市役所の後、みんなで空港に出張に出かけるお父さんを見送った。それから母は 
「じゃ、ちょっと温泉に入ってから帰ろう」
と言う。
 
それで市の郊外にある温泉に行く。入口が男湯と女湯に別れている。ボクは母に 
「じゃボクはこちらから入るから料金ちょうだい」
と言ったのだが「何言ってんの。あんた、女の子になったんだから、私たちと一緒だよ」
と言われる。
 
あ、そうか! 
それで母や姉・妹と一緒に女湯の方に入るがドキドキする。
 
きゃー。女湯なんて幼稚園の時以来だよ! 
見ると裸の女の人がたくさん居る。おっぱいを出したまま歩いている人がいる。
ボクは真正面に見た女性のおっぱいの形が円形に盛り上がっていて「わあ、きれいだなあ」と思った。
 

母も姉も妹も、適当な籠を取って服を脱ぎ始める。ボクもひとつ籠を取り、まずはブラウスを脱いだ。ボタン外すの大変! 
それからスカートを脱ぎ、シャツを脱ぎ、ブラジャーを外す。この外すのがうまくできず、結局姉にしてもらった。それからパンティを脱ぐと、あらためてもうおちんちんが無くなってしまい、割れ目ちゃんができている自分のお股を見ることになる。
 
「わあ、まるで女の子みたい」などと思ってから、女の子みたいも何も、女の子になっちゃったんだよなあ、とまたまた思い直す。
 
「何してんの?入るよ」
と姉から言われ、タオルを持って浴室に入る。
 
最初に流し場に座って身体を洗う。上半身を洗ってから、お股の付近を洗うが今まではお風呂に入るとおちんちんを剥いて洗っていたのに、それが無くなってしまっているので、またまた変な感じがする。
 
「これ中を開けて洗うの?」
と小声で隣に居る姉に訊く。
 
「もちろん。でも優しくね。デリケートな部分だから」
と姉。
 
「うん」
 
それでボクはシャワーのお湯を当てながら割れ目ちゃんを指で開き、中を中指でそっと洗った。上の方に何かコリコリしたものがある。そうか、これが女の子のおちんちんで・・・えっと、クリクリスだったっけ?? 今ここで訊くのは変だし、あとでお姉ちゃんに教えてもらおうと思った。
 
下の方に何かある。指が入る。えっと・・・ヴァニラだっけ?? でもそこはあまり強く洗うのはよくない気がしたので、あまり深くまで入れないようにして洗った。
 

それでお姉ちゃんたちと一緒に湯船に入るが、湯船に浸かっているのもみんな女の人ばかりだ。ボクは何だか気恥ずかしい気がして、下を向いてしまった。
 
「あ。少し恥ずかしがってる?」
と姉が小声で訊く。
 
「ちょっと」
「これも慣れだからね。冬休みの間にまた来ようよ。何度も入っていたらこれが普通になるよ」
「うん」
「どっちみち、あんたもう男湯には入れないし」
「だよねー!」
 

女湯の中で何となくいろいろな女の人の裸を観察していて、女の人のおっぱいにも色々な形があるんだなあとボクは思った。
 
お姉ちゃんみたいに可愛く膨らんでいるもの、お母さんみたいに大きくて少し垂れているもの、それから物凄く大きくていっぱい垂れている人もいたし、おとなの人みたいなのに、おっぱいはあまり大きくない人も居た。
 
「でも中学生なら、ふつうみんなおっぱいあるよね。ボク無くても変に思われないかな」
「あんた手術のためにお股の毛も剃ったし、毛が無いから少し身体の大きな小学生だとみんな思ったかもね」
「あ、そうか」
「おっぱいはすぐ大きくなるから、心配しなくていいよ」
「うん」
 

家に帰ってから、晩御飯を食べ、さて寝ようという時になってからボクは悩んだので訊いた。
 
「ボク、男物のパジャマしか持ってないけど、それ着て寝ていいのかなあ」
 
すると姉が「ああ。私の古いのでも良ければ着る?」
と言うので「うん」
と答える。
 
それで姉のお下がりのパジャマをもらうことにした。
 
「女の子ばかりだと、お下がりが使えて便利ね」
などと母は言っていた。
 
「でも女の子の服があまり無いよね。明日少し買いに行こう」
と母は言った。
 

翌日、12月23日(日)はそれで家族4人で買物に出かけ、ボクの女の子用の服を特に下着中心に買った。ブラウスとかスカートは結構姉のお下がりも着れるのだが、さすがに下着はお下がりという訳にはいかない。
 
ワゴンに積まれている、女の子用のパンティから10枚くらい好きなの選びなさいと言われ選んでいたが、おちんちんを通す穴の開いてないパンティをたくさん触っていると、何か変な気分になりそうだった。
 
その後、ボクはまた病院に連れて行かれた。今度は何だろうと思ったら、耳にピアスを開けるといわれた。妹はまだ小学生だからピアス穴を開けていないが姉はもう開けている。学校でも女の子たちは半分くらいピアスをしている。
アリナは開けているが、ネリカはまだだ。だいたいみんな高校生になる頃までには開けるようである。
 
「ちょっと痛いけど我慢してね」
と先生が言う。
「はい」
とは答えたものの、凄く痛かった。
 
それを反対側の耳もされる。
 
痛いよぉ〜。
 
穴を開けた後は、とりあえず傷口保護用のピアスを付けてもらった。これだけでも鏡で見ると何だか大人っぽくて結構いい感じがした。
 

その日帰宅すると、姉が押し入れの奥から何か出してくる。
 
「中学の制服、私が着てたのだけどあげるね」
「うん。明日からボク女子制服着て行かないといけないのね」
「もう女の子だからね。この戸籍記載事項変更証明と、私が学校の改名改性届け書いておいたから、これ一緒に先生に提出してね」
「うん、分かった」
 
「男子の制服はどうすればいいんだろう」
「ああ。リサイクルショップに持って行くから。あんたの男物の服とかも」
「うん」
 
ああ、ボクが男の子だった時のものって全部無くなっちゃうのか、とボクは少し喪失感を感じた。
 

12月24日(月)クリスマス・イブ。
 
ボクが女子制服を着て学校に出て行き、教室に入るとアリナと目が合ったので「おはよう」
と笑顔で言うと、向こうは「おはよう」
と返事はしたものの「あんた誰だっけ?」
と言う。
 
「ハルトだよ。でも女の子になっちゃったから、ハルアって名前変えたんだ」
と言って、先生に提出する予定の改名改性届けを見せる。
 
「うっそー!? あんた女の子になったの?」
「うん。自分でもびっくりした。土曜日の朝突然言われて、病院に連れていかれて、すぐ手術されちゃった」
 
「へー! でも女子制服似合ってるよ」
「そうかなぁ。でもボク髪が短い」
「まあ髪は少しずつ伸ばしていけばいいよ」
「スポーツするのに短くしている子もいるしね」
と隣に居たイリヤが言う。
 
「やはりこないだ心理テストで女子度90点になったから女の子になることにしたの?」
 
「ううん。でも突然言われたんだよ。早めのクリスマスプレゼントがなぜかブーツの中にスカートが入っていて。それでお母ちゃんに言ったら、スカートをせっかくもらったんなら、女の子になったらと言われて、そのまま病院に連れて行かれた」
 
「ああ、元々あんたを女の子にしたかったんだろうね」
 
「そんな気がするー。ボクの意志とか何も確認しないんだよ。お医者さんもお母ちゃんに『息子さんを娘にしていいですか?』と訊いて、お母ちゃんが『この子を女の子にしてあげてください』と言って、手術スタート」
 
「でもあんた突然女の子にされちゃった割には落ち着いてるね」
「うーん。嫌だとか止めてとか泣き叫ぶ暇も無かったというか」
「やはり、あんた女の子になるのがふさわしかったんだよ」
「そうなのかなあ」
 

ボクが女の子になって、ハルトをハルアと改名したと言うと、クラスのみんなは一様に驚いていた。ボクは先生に改名改性届けを出したが 
「えっと、それなら君が本当に女の子になったかどうか確認するのに、校医の先生の診察を受けて」
と言われる。
 
それで1時間目の授業を休んで、その診察を受けに行った。
 
すると最初におしっこを取られ、注射器で血も採られる。それからMRI写真を撮られた。その後、心理テストをしますと言われ、女性の心理療法士さんに色々聞かれた。
 
「男か女かというのは、心がいちばん大事なのですよ」
などと療法士さんは言った。
 
それで「こういう時はあなたならどうしますか?」みたいな質問をたくさんされる。あれ〜。これってこないだアリナにされた心理テストみたいと思う。
もっともあれよりずっとたくさん質問事項がある。「国語と数学のどちらが好き?」もあったが「美術と音楽とどちらが好き?」なんてのもあった。そんなんが性別によって違うんだろうか??? 
スカートとズボンがどちらが好きか?というのも訊かれる。
 
「スカートって穿いたこと無かったんで、ちょっとまだドキドキしてますけどこれも悪くないかなと思ってます。涼しいのが今の時期はちょっと辛いですけど」
と答えておいた。
 

心理テストは15分ほど掛かった。その後、療法士さんとおしゃべりのようなことをした。特に何かを尋ねられるということもなく、純粋におしゃべりという感じであった。これも何かのテストなのだろうか?と思いながら、ボクは彼女と話していた。
 
20分近くそういうお話をしてから、やっとお医者さんの所に移動して身体の検査が行われる。裸にされる。
 
「おっぱい無いね」
「その内大きくなると言われました」
 
「おちんちんも無いんだね」
「無くなっていたんでびっくりしました」
「タマタマも無いね」
「タマタマは別にどうでもいいんですけどね。ぶつけると痛いだけだったし」
 
「割れ目ちゃんの中を見るね」
「はい」
 
ベッドに横になり、膝を曲げてお股を開くように言われる。ちょっとこれ恥ずかしいよぉ! 
先生は割れ目ちゃんを指で広げ、ライトを当てて観察している。
 
「うん。クリトリス、尿道口、ヴァギナちゃんとあるね。ヴァギナの中を見ていい?」
「よく分かりませんけど、どうぞ」
 
するとヴァギナに何か冷たいガラスか何かの筒のようなものを入れられた感じだ。それで中を鏡か何かで観察しているようだ。
 
でもこれ・・・・何か気持ちいいんですけど!? 

その後、MRI写真や血液検査などの結果を聞いた。それでお医者さんは 
「あなたは心理的にも肉体的に完全な女性ですね」
と言い、そういう診断書を書いてくれた。
 
その診断書を持って学校に戻ると、担任の先生がボクを校長の所に連れていき、それでその場で「ハルア・カラバン、性別:女」と書かれた新しい生徒証をもらい、今まで持っていた「ハルト・カラバン、性別:男」の生徒証は返却した。
 
「ではこれからは女子生徒として勉学に励むように」
と言われた。
 
女子生徒になったので、若干授業構成が変わることになる。これまで抵抗感のあった射撃と剣術の授業が無くなり、代わりに他の女子生徒と一緒に料理と裁縫の授業を受けることになる。
 
料理なんてやったことないけど、きっと何とかなるよね!? 
 
次頁目次