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■女たちのベビーラッシュ(1)

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(C)Eriko Kawaguchi 2017-09-23
 
2017年12月1日 1:51AM.
 
浜田小夜子は、あきらとの間の4人目の子供《えりか》を出産した。
 
これがそれから1年半ほどにわたる《ベビーラッシュ》の始まりであった。
 
あきらは、この子の人工授精をおこなった3月10日の時点では、もうおちんちんは立たないものの、頑張ると何とか射精することはできたので、その精液で人工授精して妊娠したものである。
 
現在あきらは既に射精もできない状態になっているので、もうこれがふたりにとっての最後の子供ということになる。
 
友人たちからは
「精子冷凍保存しておかなくていいの?」
と結構言われたものの
「自然に任せたいから」
とふたりは言った。
 
「人工授精は自然の内なのか・・・」
「男から出てきたものを女の中に入れただけだし」
「あきらさんって男なんだっけ?」
「かつて男だったものかな」
「ふむふむ」
 
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「この子も無事産まれて私たち4人の子持ちになったし、あきらはもう射精できないし、性転換手術受けていいよ」
と小夜子はあきらに言った。
 
「いや、別に私は性転換するつもりはないし」
とあきらは言う。
 
そもそもあきらはいつもスカートを穿いていて、セミロングの髪でお化粧もしていて、どう見ても女性美容師にしか見えないのに、自分は男だし、女装もしていないと主張している。ただ混乱防止のためトイレは女子トイレに入るようにしているようだ。実はお風呂も男湯に入るのは不可能でここ数年、女湯にしか入っていない。
 
「遠慮することないんだよ。性転換しても離婚したりしないから」
「私は今の身体が気に入っているし」
「だって、役に立たないおちんちんはもう取っちゃえばいいんだよ」
「いや、おちんちん要るから」
「使ってない癖に。そもそもこれ放置しておくと、おちんちん萎縮して、ヴァギナの材料を確保できなくなるよ」
「あれって、ヴァギナの材料なの?」
「もうそれ以外の意味は存在しないね」
 
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小夜子に唆されて、あきらはかなり心が揺れていた。
 

12月3日。冬子・政子の大学時代の友人で、最近は冬子の楽譜係もしている北川博美(旧姓南野)が最初の子供を産んだ。博美は2016年10月9日に結婚していた。
 

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12月11日。この日は《千里2》は生理予定日だった(前回は11月13日に来ている)が、生理は来なかった。
 
ありゃ〜。まさか妊娠したかな?と思い、生理予定日から使用できる妊娠検査薬を買ってきて試してみると、確かに妊娠反応が出た。自分で予定日を計算してみると、2018年8月20日になる。
 
「もう貴司ったら、節操が無い。なんで奥さんでもない人とセックスする訳〜?私も、愛想尽かしちゃうぞ。でも今妊娠したら、秋に産めないじゃん!」
と千里2は文句を言った。
 
『だけど千里、もしワールドカップの日程にぶつかっていたらやばかったよ』
と《きーちゃん》が言う。
 
ワールドカップは2018年9月22-30日にスペインで行われる。
 
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『出産後2ヶ月で世界大会か。京平を産んだ時よりはマシかな。あれは出産の一週間後にユニバーシアードやったから』
『全く千里も超人だね〜』
と《きーちゃん》は呆れるように言った。
 

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2018年1月4日朝。
 
都内の病院で、千里や桃香の大学時代の友人・滝沢朱音(旧姓岡原)が男の子を出産した。
 
朱音の出産に立ち会ったのは、夫の爽也、双方の両親、朱音の妹、爽也の祖母、そして朱音の親友の桃香・千里・美緒らであった。実は出産の直前まで紙屋清紀も随分お世話をしてくれたのだが、
 
「爽也君は理解してくれるだろうけど、男の僕が居たら爽也君のご両親が戸惑うだろうから、出産の時は遠慮するよ」
と言って出て来ず、何かあったら呼んでとだけ言っていた。
 

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「女装すればいいのに。清紀の女装は全く不自然さが無い」
と千里や美緒は言ったが
「女装で出歩くのはボクのポリシーに反する」
などと言っていた。
 
彼の女装をたくさん見ている千里たちは
「何を今更!」
と言ったのだが。
 
彼は学生時代から「ボクはゲイであって女の子になりたい気持ちはない」と主張している。もっとも美緒によると、彼のタンスの中身は7割が女物らしいし、家の中ではふつうにスカートを穿いているらしい。
 
もっとも清紀は
「スカートを穿くのと女装は違う」
といつも言っている。
 

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この時期、桃香は生まれて半年ちょっとになる早月を抱えていて、この日も早月を抱いたままの立ち会いになった。いよいよ産まれそうという時に、分娩室の中で手を握ってあげてと言われ、ひとりは朱音の妹さんが入るが、もうひとり爽也が遠慮して「高園さんお願いします」と言ったので、桃香は早月を千里に預けて中に入った。
 
爽也としては男の自分が居るより、出産を経験している友人が居た方が心強いだろうと思ったからと後で言っていた。
 
朱音は初産でもあり、いよいよという状態になってから時間が掛かっているようで、ふたりが中に入ってから30分ほど経ってもまだ生まれてこない。その間に早月がぐずったので、千里は最初用意していたミルクを哺乳瓶で飲ませていたものの、それでも泣きやまないので、とうとうその場で乳を出して早月に乳首を含ませた。するとぐずらなくなった。
 
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「千里、授乳室に行って来る?」
と美緒が言うが
「平気、平気。授乳は別に恥ずかしいことではない。そもそもおっぱい出てないから授乳ではないし。でも乳首を咥えているだけで安心するみたい」
と言って、堂々とその場で授乳?している。
 
「いや、私たちの子供の頃までは、女の人はみんな普通に人前でおっぱいあげていたんですけどね〜。いつから恥ずかしがるようになったんでしょうね」
と爽也の祖母は言っていた。
 

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「だけど千里のその授乳の姿が様になっている」
と美緒。
 
「私も子供産んでいるからね。でも、うちの子はおっぱい卒業したからもうお乳は出ないんだよね」
と千里は笑って言った。
 
「そちらはお子さんいくつなんですか?」
と爽也の母が訊く。
 
「今2歳半ですね。2歳の誕生日をすぎて2ヶ月くらいまでおっぱい欲しがっていたんだけど。少しずつ自立心が出てきたみたいで、おっぱい飲むのは恥ずかしいと思い始めたみたい」
 
と《千里2》は答えた。
 
「男の子?女の子?」
「男の子です。何にでも興味を持つから、ヒヤッとすることもありますよ」
「怖いですよね〜」
 

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ところでこの日1月4日からは今年の《全日本バスケットボール選手権大会》4次ラウンドが、さいたまスーパーアリーナで開かれていた。
 
今年度からこの大会は次のように4段階で行われている。
 
1次ラウンド:各都道府県で2017年8月末までに実施。各都道府県1チームだけが勝ち上がる。
 
2次ラウンド:9.16-18に全国3ヶ所に集まって行われる。全国で15チームが勝ち上がる。
 
3次ラウンド:11.25-26に全国8ヶ所で行われる。2次ラウンドを勝ち上がったチームとWリーグの12チームが参加する。8チームが次のラウンドに進める。
 
4次ラウンド:2018年1月4-7日にさいたまアリーナで準々決勝・準決勝・決勝を戦う。
 
千里が所属するWリーグのチーム・レッドインパルスは3次ラウンドから参加し、順調に神奈川会場で優勝して本戦出場を決めた。千里がこの大会に出るのは5回目になる。昨年まではこの最終決戦には32チームが参加して、1回戦・2回戦・3回戦・QF・SF・決勝と行われていたのだが、今年からはQF以降だけがお正月に行われることになった。
 
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本戦では今年も《千里3》の活躍でレッドインパルスは順調に勝ち上がっていき、千里は個人でも5度目のスリーポイント女王を獲得した。5回出場して、5回ともスリーポイント女王になったことで、特別表彰の話もあったらしいが、千里3は
 
「じゃ10回取れたら頂きます」
 
と言って、今回の表彰は辞退した。
 

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ところで“千里”はこの時期、川島信次と婚約中だったのだが、実際にはSEの仕事が忙しすぎて、ほとんどデートができない状態であった。千里は信次の支店の独自システムを作っていて、本来は年内に納品するはずだったのだが、本社のシステムが変わることになり、それに合わせる必要から、12月になってから大きな仕様変更が決まって納品は1月中旬に延期された。それで《千里C》は年末・年始全く寝る暇もない状態で働き続けた。
 
「きつーい。もう今すぐ辞めたい」
と“彼”が言うのを
「ごめんねー。今年中には何とか辞表を受け取ってもらおうね」
と《千里B》はなだめていた。
 
「ところで俺はさすがに信次君と結婚できないから、結婚はちゃんと千里本人がやってくれるよな?」
「大丈夫だよ。千里は、結構彼のこと好きだから、ちゃんと自分で結婚すると思うよ」
と《千里B》は言う。
 
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「ここだけの話だけど、千里はもう貴司君のことはいいの?」
と《千里C》は訊く。
 
「京平とのつながりがあるだけで千里としては充分なんじゃないかな。貴司君のことは思い切ることにしたんだと思う」
と《千里B》。
 
「まあいいけどね」
「せいちゃんに性転換してお嫁さんになってとは言わないから」
「それ絶対拒否するからな」
「ふふふ。でも女の子生活も悪くないと思ってるでしょ?」
「女の裸見ても平気になったけど、平気になってしまった自分が怖い」
「もうふつうの男の子には戻れないかもね」
「いやだ。これ以上の女装生活の継続は嫌だ」
 
「バスケの方も復活させたいけど、結婚式が終わってから少し落ち着いてから練習を再開するように勧めてみる」
と《千里B》は言った。
 
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「最近あまり練習してないみたいだけど、どうなってるの?」
と《千里C》は心配する。
 
「レッドインパルスでは今、籍としては1軍に入っているけど、事実上2軍選手扱い。4月からは正式に2軍登録になると思う。頑張って日本代表にも復帰させたいけど、年齢的にも厳しいからなあ」
 
と《千里B》は言う。千里は今度の3月で27歳である。どうしても24-25歳の選手が優先されるだろう。
 

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山吹若葉は中田政子(ローズ+リリーのマリ)に「冬(ケイ)に内緒の相談がある」と言った。それで2人は月山和実がオーナーをしている仙台のメイド喫茶クレールで会った。ここはいつも音楽が流れているし、通常2階席は一般客には開放していないので密談に便利なのである。
 
「若竹(なおたけ)もそろそろ手が離れ始めたし、そろそろ3人目の子供を作ろうかなと思っているのよね」
と若葉は言った。
「いいんじゃない?でも誰から精子をもらうの?」
と政子は訊く。
 
若葉の長女・冬葉(かずは)は中学時代の陸上部のチームメイトである野村治孝、長男の若竹(なおたけ)は和実の元同級生・紺野吉博という人から精子をもらっている。どちらも人工授精である。
 
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「それでさ、3人目の子供の名前は、男であっても女であっても、こういう名前にしようと思うのよ」
と若葉は言い、次のように書いた。
 
《山吹政葉・ゆきは》
 
「政の字を『ゆき』と読むんだ!」
「そういう読み方は存在するんだよね〜。で、その許可を政子からもらおうと思って」
 
「私の名前から1字取る件?」
「それもある」
「ほかには?」
「政子、精子くれない?」
「うーん。。。。残念ながら私は精子は持ち合わせてないなあ」
 
「だったら代わりに冬子の精子を使ってもいい?」
「冬も精子は持ってないけど」
「今は持ってないけど、過去には持っていた時期があるのよね」
「・・・まさか」
 
「政子には言ってなかったのかなあ。冬子が去勢するかどうか悩んでいた時期にあの子を唆して、精子を保存してから去勢しちゃいなよと言ったのよね」
「へー!」
「それで4回、精子の採取をして、それを冷凍保存したのよ。その後で、男性器はおちんちんもたまたまも除去したんだよ。私が秘密に手術してくれる病院を紹介してあげた」
 
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